大田区の空き家問題をわかりやすく解説|①現状、②今後、③具体策

大田区 東京都

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この記事では、大田区の空き家の現状と、今後の見通しについて解説していきます。

 

1、大田区の空き家の現状

 

(1)空き家率の推移

2023年12月現在、最新のデータは2018年時点のものですが、大田区の空き家率は、11.3%、空き家数は約4.8万戸でした。

空き家率、空き家率ともに下がってきていますね。

 

大田区の空き家率

(参考:国土交通省 平成30年住宅・土地統計調査)

 

未利用の空き家の実態

ですが、空き家のすべてが、一般的なイメージの「放置されている空き家」ではありません。

内訳を見てみると、賃貸用の物件が約8割を占め、未利用の住居(「その他」に分類)の数は、全体の約9%、約4,100戸でした。

 

大田区の空き家の内訳

(参考:国土交通省 平成30年住宅・土地統計調査)

 

また、売却しようとしている物件は約12%もあり、これは23区の他の区に比べてかなり多いです。

売却したい人が多く、実際に売却が進んでいるため、空き家率が改善しているのでしょう。

 

(2)人口・世帯数

大田区の空き家率が改善しているのは、人口の増加による影響もあるでしょう。

2015〜2023年の8年間で、大田区の人口は約2.1万人の増加、世帯数は約3.2万世帯も増えていました。

 

大田区の人口

(参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)

 

特に世帯数が増えれば、住宅の需要が増えますから、空き家率が改善したわけですね。

 

(3)転入超過数

さらに、転入超過数(大田区外から引っ越してきた人 ー 出て行った人)を見てみると、新型コロナ前の2019年までは、年間5,000〜7,000人が大田区に引っ越してきていました。

 

大田区の転入超過数の推移

(参考:総務省「住民基本台帳人口移動報告」)

 

新型コロナ以降は、不動産価格の上昇や、リモートワークが普及したこともあって、2021年は3,000人以上が区外に出て行きましたが、翌年22年は回復しています。

 

また、その内訳を見てみると、2020年以降は、0〜14歳(肌色)、30〜40代(赤紫色)、50代以上(紺色)の減少が目立っています。子育て世帯が出て行っているのでしょう。

一貫して増えているのは、15〜29歳(青色)の学生や就職した若い世代と、外国人(灰色)ですね。

 

大田区の年代別の転入超過数

(参考:総務省「住民基本台帳人口移動報告」)

 

このことから、「賃貸需要は若い世代(学生・20代サラリーマン)と外国人で増えているものの、持ち家需要は減少している」と考えられます。

 

(4)2023年の空き家率の予想

2023年の調査は、前回の調査の発表日を見ると、約1年後の2024年9月ごろに発表されると考えられます。

これまでの人口・世帯数の増加傾向や、大田区外からの人口流入の状況を考えると、空き家率はさらに改善している可能性があります。

 

ただし、市外から引っ越してきている人が若い世代や外国人であり、子育て世帯の移住が増えているため、賃貸物件数の改善はあっても、未利用の持ち家については、あまり改善していないかもしれません。

 

2、空き家を放置していると何が起こるか?

空き家を放置していると、自治体が以下のような流れで対応してきます。

 

(1)特定空き家に認定される

家は住んでいないと、換気されずに湿気がこもるため、カビや腐食が起こり家が傷みます。

そのため、何年も放置すると、老朽化が進み、周辺の住民からの苦情も増えます。

 

そのような状態の空き家は、自治体から立ち入り調査が入り、以下の基準を満たした場合に「特定空き家」に認定されます。

その具体的な基準とは、

  1. 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

つまり、周りに迷惑をかけるような状態になると、「特定空き家」に認定されるわけです。

 

(2)特定空き家になると、どうなるのか?

特定空き家になると、以下のような流れで自治体が動きます。

 

*件数は、2015〜2021の7年間の東京都全体の実績

特定空き家のペナルティ 東京都での実施件数

(参考:国土交通省 「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」)

 

さらに、2023年12月13日より、「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、空き家特措法)」が改正されました。

 

特定空き家になる前のヤバイ空き家についても、自治体から対応するようにとの勧告を出せるようになり、それに従わない場合には、固定資産税が6倍になるように変更されたのです。

 

空き家特措法の改正内容の一部

(参考:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について」)

 

日本はすでに人口減少社会に入っており、空き家は年々増えていく一方なので、政府としても、やばい空き家が増えないように動き始めているのです。

今回の改正で終わりということではないでしょうから、放置していれば放置するほど、面倒なことになっていくでしょう。

 

(3)解体費用は、今後も上がっていく

戸建ての解体費用の相場は、地域によって異なるようですが、2020年時点で、50坪あたり165〜185万円前後のようです。

 

地域ごとの解体費用

(参考:国土交通省 2020 「我が国をめぐる住生活等について」*PDF)

 

しかし、その後も解体費用は値上がりしており、今後も値上がりが予想されます。

 

解体工事には、建物を壊す重機や、廃棄物を運ぶダンプカー、人件費、燃料費、廃棄物の処理費用などがかかります。

そのため、廃棄物処理の費用は、少しずつ上昇しており、企業向けの価格を見ると、2015年比で約10%上昇しています。

 

企業向けサービス指数 廃棄物処理

(参考:日銀 「企業向けサービス価格指数」)

 

さらに、2024年問題によって、建設業・運輸業の従業員に対する残業規制が強化されます。

これによって、人件費が上昇するため、輸送費用・解体費用の上昇につながります。

 

また、現在の建設・工事関係の従業員は、若い人のなり手がおらず、平均年齢が47歳と、かなり高齢化が進んでいます。

そのため、今後はさらに人手不足が進むため、人件費の上昇は避けられないでしょう。

 

解体工事も、年々上昇していくことが予想されますので、空き家を放置しておくと、金銭面でのデメリットが膨らんでいくことになります。

 

3、どうすればいいのか?

空き家の対応で悩まれている方は、まずはどんな選択肢があるのかを確認すべきでしょう。大きくは3つあります。

 

(1)助成金が利用できるか確認する

大田区では、空き家対策として、以下の助成制度があります。

 

木造住宅除却工事助成事業

大田区では、昭和56年5月以前に建てられた建物で、特定空き家や、それに近い老朽化がひどい空き家に対して、解体する時に助成金が出ます。

助成金額は、大田区内の中小企業に依頼する場合、解体費用の2/3で、最大75万円です。

 

ただし、申請の締め切りが2024年1月中で、耐震診断で条件を満たさないといけないため、間に合うかどうかは微妙ですね、、、

 

「木造住宅除却工事助成事業」はこちら

 

 

(2)空き家の活用サービスで相談してみる

大田区の助成金は、かなり老朽化が進んでいないと利用ができませんので、それ以外の方は、別の方法を探す必要があります。

 

そんな方には、民間の空き家活用サービスがおすすめです。

 

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(3)一括査定で、評価額を確認

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