愛知県の土地価格の今後の見通し | イエ&ライフ

愛知県の土地価格の今後の見通し

愛知県の土地価格の今後の見通し愛知県

この記事では愛知県の

  1. この8年間の土地価格の動き
  2. 新型コロナの影響を含め、今後どうなるのか?

の2点について解説しています。

 

1、過去8年間の愛知県の不動産の上がり方の特徴とは?

まずはじめに、この8年間で愛知県内の不動産が、どのように上昇してきたのかをザッと見ていきましょう。

 

この8年間の愛知県の公示地価を調べてみると、住宅地では5.4%の上昇、商業地では19.9%の上昇でした。

ただし、昨年から今年にかけては新型コロナの影響もあって、住宅地では前年比1.0%のマイナス、商業地では1.7%のマイナスと、商業地では大きく下落していますね。

 

愛知県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

ですが、もちろん地域によって、動きに大きな差があります。

そこで、まずはコロナ以前の2013〜20年までの7年間について、住宅地の変化率を市区町村別にまとめてみました。

 

コロナ前(住宅地):名古屋市〜西三河地区を中心に大きく上昇

愛知県の公示地価の変化率マップ

(参考:国土交通省 地価公示)

 

ご覧のように、オレンジ・赤の10%以上の上昇をしているエリアは、名古屋市〜西三河地区に集中しています。

トヨタ自動車などの製造業が好調なため、このエリアで雇用が増えているためです。

 

なぜ愛知県では、これほど上昇しているのか?

最初に結論をまとめておきます。

  1. 金利が低下したことで、同じ返済額でより高い物件が買えるようになった
  2. さらに、自動車産業を中心に景気が良かったこともあって、名古屋〜西三河エリアを中心に人口が増加傾向にあったことから、土地価格も大きく上昇してきた

という状況が進んでいました。

 

では、これから1つずつ詳しく解説していきます。

 

①金利低下によって、買い手の購買力が上がった

そもそも、全国的に土地価格が上昇しているのは、金利の低下によるところが大きいです。

ご覧のように、2013年4月以降、日銀が国債を買い占める、異次元緩和政策を行うことで、金利を下げてきました。

 

日銀が国債を買い占めて、金利を下げた

異次元緩和政策と住宅ローン金利

(参考:ARUHI住宅ローン フラット35金利の推移 財務省 国債金利情報)

 

ザックリ言うと、この8年間で買い手は、同じ返済額で2割高い物件を買えるようになったということです。

例えば、フラット35で期間35年・月々の返済額が10.4万円とした場合、購入できる不動産は3,000万円から3,500万円まで上がったのです。

 

同じ返済額で購入できる物件価格が2割上昇した

 

月々の支払額は増やさずに、約2割高い物件を買える。しかもその物件が人気化しているとなれば、値段が高くても買おうとする人は増えますよね。

そのため、人気のエリアほど、土地価格が上昇してきたのです。

 

不動産事業者向けの貸し出しも増えて、駅近エリアの商業地も上がりやすくなった

また、金利がさらに下がったことによって、ホテルやマンションなどの不動産業者の投資も増えました。

銀行も国債の利息で稼げなくなったため、不動産を担保にお金を貸せる不動産業者への貸し出しを増やしたのです。

 

不動産向けの貸出残高

(参考:国土交通省 土地白書)

 

その結果、駅近エリアの商業地を中心に、マンションや商業施設、ホテルなどの建設が進み、駅近エリアほど土地価格が上がりやすくなったわけですね。

 

 

②人口が増加している

しかも、愛知県では人口が増加しています。

2013〜20年の7年間で、愛知県の人口は、約11万人も増加しているのです。

 

愛知県の人口推移

(参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)

 

では、具体的にどこが、どれだけ減少しているのか?市町村別に調べてみました。

 

市区町村別の人口の変化(2013〜2020年)

増減数:赤色(+1万人以上)>オレンジ色(+5,000〜9,999人)>緑色(+1〜4,999人)>青色の↙️(−1〜4,999人)>紫色の↙️(−5,000人以上)

(参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)

 

ご覧の通り、名古屋〜西三河地区を中心に、人口が増加しており、その周辺では減少しているような状況になっていました。

 

アベノミクス以降、自動車産業を中心に業績が急回復したこともあって、トヨタ関連企業が多く集積する西三河地区と、商業エリアとしての名古屋市周辺に仕事が増え、人口が集中していったわけですね。

 

コロナ以降(住宅地):名古屋市の一部で上昇、それ以外では下落

愛知県の公示地価の前年比変化率

(参考:国土交通省 地価公示)

 

住宅地で上昇しているのは、名古屋市南区や港区などの、名古屋市内でもそれほど上がって来なかったエリアでした。

愛知県内の住宅地では、人気エリアでは2〜3割も上昇しており、過熱感もあったため、それほど人気がなく、割安感のある南区や港区で物件を選ぶ人が流れたのでしょう。

 

3、その他のリスク

愛知県の今後の土地価格に影響を与えそうなリスクをまとめました。

 

(1)この低金利はいつまで続くのか?

異次元緩和とは、日銀が国債を買い占めることで、金利を引き下げてきた政策でした。

しかし、このような方法は、戦後にひどいインフレになってしまったこともあって「禁じ手」として採用されてこなかった政策です。

 

1930年代に高橋是清蔵相が昭和恐慌からの脱却を目指して直接引き受けを断行したが、戦費拡大に伴い引受額は増大し、戦後の急激なインフレにつながった。

当時の反省から財政法では原則禁止されている。

(参考:「白川総裁、昭和恐慌引き合いに「歯止め失う」 日銀議事録詳報」)

 

このような危なっかしい政策を10年続けた結果、これ以上は、金利が下がらない水準まで来ました。

むしろ、その副作用の方が話題になることが増えています。

 

例えば、預金者のお金を国債で運用していた地銀は、この異次元緩和によって、金利が低下したことで国債からの利息が減ってしまい、本業で赤字の銀行が一気に増えています。

 

2013年以降、赤字銀行が一気に増えている

地銀の決算状況

(金融庁:地域金融の課題と競争のあり方)

 

銀行が潰れれば、経済が大混乱になりますので、いつまでも続けるわけにはいきません。

 

実は、すでに異次元緩和をやめる準備に入っている

とはいうものの、「異次元緩和をやめます」と発表すれば、金利が一気に上がる可能性もありますから、あまり目立たないように止めようとしているようです。

というのも、日銀の国債を買い占めるペースが、2018年頃から徐々に減ってきているからです。

 

日銀が国債を買い占める比率を減らしている

日銀の国債買入れ比率

(参考:財務省 2021.6.24「国の債務管理の在り方に関する懇談会(参考資料2)」)

 

2021年現在、日銀が買い占めている比率は、期間1〜10年の国債(赤色の線)で約60%程度、期間10年超の国債(灰色の線)で8.7%にまで下がっています。

 

また、今年の3月に、日銀は長期金利の変動幅を±0.25%まで緩和すると発表しました。

この発表を受けて、日経新聞が専門家にアンケートしたところ、9割の人が「上昇する」と回答しています。

(参考:2021.3.22 日経新聞「長期金利「上昇」9割 日銀政策修正で市場参加者」)

 

このように、地銀の倒産リスクが高まっており、徐々に緩和する流れにもあることから、任期が満了する2023年4月までに、異次元緩和が終了する可能性は高いと考えられます。

 

ちなみに、異次元緩和が始まる前は、今よりも1%程度金利が高い水準でしたので、そのぐらいまで戻るでしょう。

2021年8月現在から数えると、あと約1年半ぐらいの間がチャンスと言えます。

 

金利が1%上昇すると、不動産価格は約15%下落する

金利上昇で下落

 

なお、金利が上昇すると、住宅ローンの返済額が増えるため、不動産価格は下落していきます。

 

そのため、特に売却を検討している人は、異次元緩和で低金利が続いているうちに、準備をしておいた方がいいでしょう。

 

 

(2)2022年問題で、都市の農地が宅地になる

2022年問題をご存知でしょうか?

「都市部にある税金を優遇されていた農地(生産緑地)が、優遇期間が切れることで宅地として放出され、土地価格に影響を与える」

という問題です。

 

生産緑地

(出典:ウィキペディア cory.2005.Seisan Ryokuchi)

 

では、愛知県ではどうなっているのか?

市区町村別に色分けしてみました。

 

愛知県の生産緑地の分布図:名古屋市が最も多く、次いで一宮市、豊田市、岡崎市の順

愛知県の生産緑地

(参考:国土交通省 都市計画区域、市街化区域、地域地区の決定状況)

 

ご覧のように、名古屋市や一宮市では100ha単位で残っています。

1ha=3,000坪ですから、30坪の戸建てが100件建つと計算すると、100haならば1万軒分の土地になります。

 

その全てが農地になるわけではありませんが、数年で1〜2割は宅地へと変わるでしょう。

生産緑地制度が始まった時に、この制度を使わなかった農地がそれぐらいの割合で宅地へと変わったからです。

 

また、この問題で影響を受けるのは、駅から少し離れた郊外のエリアでしょう。

駅前の農地はほとんど宅地に変わっていますし、郊外に残っているケースが大半だからです。

郊外の土地への需要は、これまでずっと減り続けてきましたが、さらに追い討ちを受けることになりそうです。

 

4、愛知でこれから上がりそうな地域は?

新型コロナによって、これまで好調だった名古屋市〜西三河地区では、土地価格の上昇に急ブレーキがかかりましたが、その後のトヨタ等の決算を見てみると、かなり回復してきており、一時的な混乱だったと考えられます。

 

そのため、今後の土地価格についても、名古屋や豊田、刈谷、長久手などの駅近エリアでは、これからも人気が継続しそうです。

 

というのも、通勤に便利である駅近エリアは、同時に買い物にも子育てにも便利なエリアだからです。

共働き世帯が増えていく流れは変わりませんし、一時的に商業施設が減っても、その後はマンションができるでしょうから、土地価格は下がりにくいと考えられます。

 

結論:売るなら?買うなら?

というわけで、愛知県の今後の土地価格についての結論は、以下の通りです。

  • トヨタなどの製造業が好調で、名古屋〜三河エリアを中心に土地価格が上昇してきた
  • 新型コロナでこれまで好調だった住宅地でも影響があったが、自動車産業の業績の回復もあって、影響は一時的だろう
  • ただし、今後は生産緑地の宅地化が進むため、郊外の住宅地では、新しくできる住宅地と競合しやすくなり、土地価格が弱くなりそう

と言えそうです。

 

買うなら:商業地の周辺は様子見、それ以外は買い

新型コロナの影響が大きい商業地の周辺では、今後も影響が出ますので、坪単価が高いと感じられる場合には、まだ様子見の方がいいでしょう。

しかし、それ以外のエリアでは今が買い時の可能性が高いと思われます。

その理由は2つあります。

 

①土地価格の下落分よりも、待っている間の家賃の方が高くつく

例えば、坪50万円ぐらいの土地であれば、40坪でも2,000万円程度で買えます。

仮に数年で1割下げたとして200万円ぐらいしか安くなりませんから、その間の家賃を考えると、早めに買った方がトクになりますよね。

 

②異次元緩和で低金利の今がチャンス

また、現在は住宅ローンがかなり安いため、月々の返済負担が軽いのもチャンスです。

ですから、もし家を買おうと思っているのならば、土地価格が下がるのを待つよりも、金利が上がる前の今のうちに買うのがベストでしょう。

 

ただし、購入を検討する場合には、今後の金利上昇を想定しておかないと大変なことになるので、「フラット35」「10年以上の固定金利」でも返済ができるかどうかで予算を考えるべきでしょう。

 

非公開物件=安い物件

不動産を売る理由はさまざまですが、「周りに知られずに売却したい」という売主は一定の割合でいます。

そのような物件は、ネット上にも出回らず「非公開物件」として登録されます。

また、売主はあまり相談する相手を広げたくないため、まずは建てたメーカーに相談する場合が多いです。

 

非公開物件の実態

 

当然、このような物件は少ないお客さんにしか目にとまる機会がないため、相場よりも価格の安い可能性が高いのです。

 

こちらの「タウンライフ」に登録すると、お近くの複数の不動産会社から、非公開物件の情報を教えてもらえます。

 

タウンライフ土地探し

 

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売るなら:金利が上がる前に売った方がいい

アベノミクス以降のこの7年間は金利の低下によって、買い手が月々の返済額を引き上げなくても値上がりした家を買える時期でした。

不動産を売るなら、金利の低い今が1番のチャンスと言えます。

 

特にコロナショックの影響は、長期間になる可能性もあり、景気が悪化するほど買い手が減っていきますので、今のうちに準備をしておいた方が後悔しないはずです。

 

公示地価を信じると損をする?

 

この記事では公示地価をもとに解説していきましたが、公示地価は「その地域の平均的な価格」なため、実際の取引ではこれ以上に高く、または安く取引されることがあります。

 

例えば、岡崎市に「大和町(だいわちょう)」という、西岡崎駅の近くの住宅地があります。

 

こちらの公示地価と実際の取引を比べてみると、

  • 公示地価:37万円/坪
  • 実際の取引価格:43〜51万円/坪

と、公示地価の約1.1〜1.4倍で取引されていました。

取引価格同士で比べると、1.2倍の価格差があります。

 

【岡崎市大和町の公示地価】

岡崎市大和市の公示地価

  • 西岡崎駅から590mの距離、徒歩約7分(1分=80m)
  • 112,000円/㎡ × 3.3(㎡/坪) =37万円/坪

(参考:国土交通省地価公示・都道府県地価調査)

 

【岡崎市大和町の土地取引(過去2年間)】

岡崎市大和市の土地取引

  • 徒歩4〜8分のエリアで、43〜51万円/坪で取引されている

(参考:国土交通省 不動産取引価格情報検索)

 

このような感じで、全国の公示地価と実際の取引を調べてみたのですが、やはり公示地価と実際の取引ではかなりの価格差があることがわかりました。

 

同じ地域なのに、

「公示地価の3割増し、場合によっては2倍以上の価格で取引されている」

といった取引がゴロゴロ見つかったのです。

 

都道府県住所公示地価/坪取引価格/坪公示地価の何倍?
愛知県名古屋市千種区東山元町56万円19〜67万円0.34〜1.2倍
愛知県岡崎市大和町37万円43〜51万円1.16〜1.38倍
愛知県一宮市花池36万円23〜43万円0.64〜1.19倍
愛知県豊橋市高師本郷町24万円11〜33万円0.46〜1.38倍
愛知県豊田市井上町34万円11〜43万円0.32〜1.26倍
愛知県春日井市小野町38万円29〜56万円0.76〜1.47倍
愛知県安城市安城町37万円22〜44万円0.59〜1.19倍
愛知県刈谷市板倉町51万円58〜60万円1.14〜1.18倍
愛知県西尾市今川町29万円20〜34万円0.69〜1.17倍
愛知県豊川市新青馬町28万円18〜33万円0.64〜1.18倍
愛知県小牧市小松寺26万円20〜39万円0.77〜1.5倍
愛知県瀬戸市石田町20万円7.3〜32万円0.37〜1.6倍
愛知県江南市高屋町24万円20〜29万円0.83〜1.21倍
愛知県日進市浅田町33万円29〜46万円0.88〜1.39倍
愛知県尾張旭市旭ヶ丘町27万円13〜35万円0.48〜1.3倍
愛知県半田市有楽町21万円9.3〜27万円0.44〜1.29倍
愛知県稲沢市祖父江町56万円19〜67万円0.34〜1.2倍
愛知県大府市柊山町44万円45〜59万円1.02〜1.34倍
愛知県北名古屋市沖村36万円30〜42万円0.83〜1.17倍
愛知県東海市荒尾町30万円16〜36万円0.53〜1.2倍
愛知県あま市本郷30万円29〜40万円0.97〜1.33倍
愛知県蒲郡市水竹町26万円9〜30万円0.35〜1.15倍
愛知県犬山市大字犬山18.5万円1.5〜22万円0.08〜1.19倍
愛知県碧南市幸町26万円30〜32万円1.15〜1.23倍
愛知県豊明市阿野町32万円34〜45万円1.06〜1.41倍
愛知県知立市池端49万円49〜60万円1〜1.22倍
愛知県清須市清洲31万円6.5〜41万円0.21〜1.32倍
愛知県津島市愛宕町19.7万円10〜27万円0.51〜1.37倍
愛知県愛西市諏訪町20.8万円8.5〜27万円0.41〜1.3倍
愛知県田原市田原町22万円9.3〜30万円0.42〜1.36倍
愛知県みよし市黒笹いずみ47万円22〜57万円0.47〜1.21倍
愛知県常滑市飛香台22万円20〜28万円0.91〜1.27倍
愛知県長久手市岩作35.6万円52〜75万円1〜2.11倍

 

つまり、あなたの不動産はもっと高い評価額の可能性があるのです。

では、どうやってそれを調べられるのか?

 

答えは不動産の一括査定です。

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