【2024年版】愛知県の土地価格の今後の見通し | イエ&ライフ

【2024年版】愛知県の土地価格の今後の見通し

【2024年版】愛知県の土地価格の今後の見通し 愛知県

(本ページはプロモーションが含まれています。該当するサービスには、【PR】と表記しております)

 

この記事では愛知県の

  1. この11年間の土地価格の動き
  2. 今後どうなるのか?

の2点について解説しています。

 

また、この記事をもとに動画も作成しています。

文章よりも、動画の方がいい方は、こちらをご参考ください。

なお、売買でお得なサービスは、この記事の最後で紹介しています。

 

1、愛知県の不動産の動き

愛知県の土地価格は、この1年間で、住宅地で+2.8%、商業地も+4.2%と、大きく上昇しました。

また、2013→2024年の11年間で見ると、住宅地で+12%、商業地で+31.4%と、商業地での伸びが高いですね。

また、新型コロナ以降は、住宅地でも大きく上昇していることがわかります。

 

愛知県の公示地価

(参考:国土交通省 地価公示)

 

ですが、もちろん地域によって、動きに大きな差があります。

そこで、2013〜24年の11年間の、住宅地の変化率を市区町村別に表してみました。

 

愛知県の11年間の土地価格の変化率(住宅地)

愛知県の住宅地の変化図

(参考:国土交通省 地価公示)

 

名古屋市の中心部である中区や、その周辺で大きく上昇している以外にも、刈谷市や安城市などの西三河エリアでも、大きく上昇していました。

その一方で、豊橋市や豊川市などの東三河地区や、知多半島、愛西市や津島市など、名古屋市から離れるほどに、下落している地域が増えていく印象です。

 

愛知県の11年間の土地価格の変化率(商業地)

愛知県の商業地の変化図

(参考:国土交通省 地価公示)

 

商業地でも、傾向はあまり変わりません。

名古屋市と、西三河地区の周辺を中心に上昇しており、それ以外では下落、という二極化が進んでいました。

 

なぜ、これほど上昇しているのか?

理由は大きく3つあります。

 

①製造業の業績が好調で、雇用が増加

1つ目の理由は、トヨタ関連企業の好調な業績でしょう。

2012年までは、1ドル80円台の円高だったため、輸出企業の業績が震っていませんでしたが、アベノミクス以降、円安が進み、トヨタ自動車を中心とした自動車関連企業の業績が急成長しました。

 

(単位:億円)

 

業種

2013年3月期

2023年3月期

伸び率

売上高

純利益

売上高

純利益

売上高

純利益

トヨタ自動車

自動車

220,642

9,622

371,543

24,513

68.4%

154.8%

豊田通商

商社

63,044

674

98,486

2,842

56.2%

321.7%

デンソー

自動車部品

35,809

1,817

64,013

3,146

78.8%

73.1%

アイシン精機

自動車部品

25,300

775

44,028

377

74.0%

-51.4%

スズケン

医薬品卸

18,946

144

23,148

203

22.2%

41.0%

豊田自動織機

自動車部品等

16,152

531

33,799

1,929

109.3%

263.3%

(参考:各社HPの決算資料より)

 

これによって、トヨタ本社のある豊田市や、デンソーやアイシン精機、豊田自動織機の刈谷市など、西三河地区の工場建設が増え、雇用も増えました。

実際、2014〜22年の9年間の転入超過数(国内外から引っ越してきた人 ー 出て行った人)を見てみると、市外から引っ越してくる人の方が多い地域は、名古屋市周辺と三河地区に多く見られます。

 

愛知県の転入超過数の地図

(参考:総務省 住民基本台帳人口移動報告)

 

特に名古屋市中村区、中区、東区は、この9年間で、それぞれ1万人以上も増えていました。

マンション需要が高まっていたことや、名古屋市への経済の一極集中が進んでいることから、地方都市から移住する人が増えたのだと考えられます。

 

②金利の低下、変動金利の利用者増加で、少ない返済額で高額物件を購入可能に

2つ目の理由が、金利の低下と変動金利の利用者の増加です。

アベノミクスによる異次元緩和政策が始まった2013年以降、住宅ローン金利が下がったことで、同じ返済額でも、多くの借り入れができるようになったのです。

 

住宅ローン金利の推移 2023年11月

(参考:財務省ARUHISBI新生銀行

 

具体的にどれぐらいかというと、月10万円、期間35年で計算した場合に、フラット35は、約3,478万円借りることができました。

2012年末から比較すると、約500万円多く借りられるようになった計算です。

 

月10万円の返済で、いくらの物件が買えるのか?

月10万円の返済での、借入可能額

*変動金利①:住信SBIネット新生銀行、変動金利②:SBI新生銀行

(参考:ARUHISBI新生銀行

 

ですが、固定金利は2020年ごろをピークに、少しずつ金利が上がり始めています。

反対に、変動金利は下がっており、ネット銀行で借りた場合には、月々10万円の返済で、約4,000万円借りられるようになっているのです。

フラット35と比べると、その差は約1,000万円にもなります。

 

このような結果、変動金利を利用する人が増えています。2013年ごろは4割前後だったのが、現在は7割以上に増加しているのです。

 

変動金利の利用率 2012年〜23年

(参考:住宅金融支援機構 「住宅ローン利用者の実態調査」)

 

今の夫婦は、共働き世帯が多いですから、変動金利で、2人でそれぞれ月10万円を返済すると決めれば、なんと約8,000万円の物件が買えるわけです。

 

たとえ旦那さんだけの返済でも、月15万円の返済をすれば、約6,000万円の物件が買える計算になります。

名古屋市内の新築マンションは、2024年現在、5,000〜6,000万円代で購入できるものが多いので、ここまでの価格上昇に対しても、十分についていけたわけです。

 

③農地の宅地化が進んでいるので、古い住宅地の人気は低下

一方で、豊川市や豊橋市などの東三河地区でも、転入超過数は増加になっているものの、土地価格は下落しています。

その理由は、農地の宅地化です。

 

愛知県の農地は、年々減少傾向にあり、2010〜20年の10年間でも、約9,000haも減っているのです。

1ha=約3,000坪ですので、30坪の戸建てで、約90万戸分の土地が、農地から宅地または工場などに変わっているわけです。

 

愛知県の農地面積

(参考:農林センサス 「2−8 経営耕地の状況」)

 

豊川市や豊橋市にも、多くの農地が残っており、宅地化が進んでいます。

さらに、豊川市では、23年4月にイオンモール豊川ができたことで、八幡駅周辺に人気が集中しています。

 

このように、ショッピングモール の周辺に人気が集中する一方で、古い住宅地の人気が下がり、さらに農地の宅地化で新しい住宅地ができてしまうため、価格が下がり安くなっているわけです。

 

2023→24年も、傾向は変わらず

ここまで、約11年間の動きを見てきましたが、では、2023→24年はどうだったのでしょうか?

住宅地を見てみると、やはり名古屋〜西三河地区の上昇が目立ちますが、かなり広範囲で上昇していますね。

 

愛知県の住宅地の変化図

(参考:国土交通省 地価公示)

 

なお、戸建ての新規着工戸数は、減少傾向にありますので、決して住宅需要が増えたわけではありません。

 

愛知県の新着着工住宅個数

(参考:国土交通省 建設着工統計調査)

 

なぜ、広範囲で上昇しているのか?

最も大きな理由は、建築費の上昇でしょう。

新型コロナ以降、人手不足や円安、海外資材の値上げなどから、マンション、戸建て共に、建築費が2〜3割上昇しているのです。

 

木造住宅の建築費指数

(参考:建設物価調査会)

 

建築費が上昇していることで、建売住宅や中古住宅の価格も上がっています。住宅価格が上がると、土地価格も連れ高しますので、広範囲での上昇につながっているわけです。

 

3、これからどうなるのか?

愛知県の土地価格に関して、今後注意すべきリスクをまとめました。

 

(1)いよいよ金利上昇が本格化しそう

ここ2年ぐらいで、建築費も3割ぐらい上がっていますが、給料が上がりにくい中で、高い物件を買えていたのは、変動金利を選択することで、支払い負担を減らす人が増えていたからです。

 

ですが、今年3月に日銀がマイナス金利を解除し、7月には政策金利が0.25%にまで引き上げると発表されたことで、変動金利もこれから上がってきます。

 

そのため、これまでは変動金利を選ぶことで、何とか高い物件を買えていた人たちも、利息負担が上がってくるため、返済が苦しくなってくる人が増えるでしょう。

また、ギリギリの枠でローンを組もうとする人も減るでしょう。

 

1%金利が上がると、不動産価格は15〜20%下がる可能性

ちなみに、金利が1%上がると、住宅ローンの利息は、35年で15〜20%増えます。

例えば、月に約10万円の返済を考えている人であれば、現在なら3,500万円の物件が買えますが、金利が1%上がると、毎月10万円の支払いで、3,000万円の物件しか買えません。

 

金利上昇で下落

 

政策金利は少しずつ引き上げていくと思われますので、すぐに大きく価格が下落するわけではありません。

ですが、購入を検討されている方は、変動金利でギリギリのローンを組むのは危ないので気をつけてください。

 

(2)2024年問題で、建築費がさらに上がる

この2024年問題とは、簡単にいうと、

「建設業・運送業の従業員に対して、残業の規制が厳しくなることで、今まで以上に人件費の負担が上がることで、商品やサービスの価格が上がる」

という問題です。

4月1日から、施行されます。

 

建設業の労働時間の規制

建設業の労働時間規制

(参考:厚生労働省「建設業の時間外労働に関する上限規制」)

 

そのため、資材の運搬や、建設の工期の長期化によって、建設費の上昇がほぼ確実に進むことになります。

戸建てやマンション価格がさらに上がるため、土地価格の連れ高は起こるかもしれませんが、買い手はさらに減っていくでしょう。

 

(3)これから愛知県の人口はどうなるの?

国立社会保障・人口問題研究所が、2013年に発表した愛知県の人口の見通しによると、2025→35年の10年間で人口は約24.3万人減少するそうです。

 

愛知県はこれから10年で約24.3万人減少

愛知県の人口予測

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 令和5年人口推計)

 

さらに、家を建てる中心年代の30〜40代人口は、2025→35年の10年間で約14.2万人減る見通しです。

 

愛知県の30〜40代人口は、これから10年で約14.2万人減る

愛知県の30〜40代人口の予測

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 令和5年人口推計)

 

そのため、今後はさらに買い手が減っていくことになります。

特に、戸建ての新規着工数は減少傾向にあるため、駅から遠いエリアの住宅地では、買い手がさらにつきにくくなっていくでしょう。

 

4、愛知でこれから上がりそうな地域は?

これまで見てきたように、①建築費の高騰、②トヨタ関連企業の業績好調、によって、名古屋市〜西三河地区で、土地価格の上昇が見られています。

特に名古屋市港区や南区、中川区などの、名古屋市の南部では、コロナ前まで、ほとんど変化がなかったため、割安なままで放置されていました。

 

そのため、「名古屋市内は土地価格が高すぎて、手が出にくい」という方であれば、この辺りを探してみてもいいかもしれません。

 

結論:買うなら?うるなら?

というわけで、愛知県の今後の土地価格についての結論は、以下の通りです。

  • ①製造業を中心に企業の業績が好調、②低金利・変動金利の利用者の増加、③建築費の上昇によって、住宅価格が上昇、と言った理由から、名古屋〜西三河地区を中心に、土地価格の上昇が続いている
  • 今後は、2024年問題もあり、建築費はさらに上がるため、物件価格の上昇は避けられない。さらに、変動金利の上昇が始まるため、買い手の購入のハードルはさらに上がりそう

と言えそうです。

 

買うなら:建築費の上昇はさらに進むので、物件探しに工夫が必要

愛知県の住宅地は、全体的に上昇傾向にありますが、新規の着工数はむしろ減っており、建築費の上昇による連れ高の側面が強いです。

 

また、今後は変動金利も上がってくるでしょうから、ギリギリの限度額でローンを組むのは控えたほうがいいでしょう。

非公開物件=安い物件

不動産を売る理由はさまざまですが、「周りに知られずに売却したい」という売主は一定の割合でいます。

そのような物件は、ネット上にも出回らず「非公開物件」として、特定の不動産会社が取り扱っている場合があります。

 

非公開物件の理由

 

当然、このような物件は少ないお客さんにしか目にとまる機会がないため、相場よりも価格の安い可能性が高いです。

 

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売るなら:低金利の今が、高く売れるチャンス

愛知県の不動産価格は、マンションが建ちそうなエリアでは、まだ上昇しそうですが、戸建てエリアは需要が減っており、今後の建築費の上昇でさらに買い手が減ってくる可能性があります。

 

そのため、低金利の今が、高値で売れるチャンスと言えます。

 

こんなに違うの?公示地価と実際の取引価格

ここまで、主に公示地価を中心に解説してきましたが、実際の取引では、かなり高く、または安く取引されているケースが多くあるので、注意が必要です。

 

例えば、岡崎市に「明大寺町(みょうだいじちょう)」という、東岡崎駅の周辺に広がる住宅地があります。

 

こちらの公示地価と実際の取引を比べてみると、

  • 公示地価:53万円/坪
  • 実際の取引価格:22〜79万円/坪

と、公示地価の約0.4〜1.5倍で取引されていました。

取引価格同士で比べると、約3.6倍の価格差があります。

 

どちらも「第一種住居地域」と呼ばれる、戸建てや5階建ぐらいのマンションが立ち並ぶ街並みのエリアです。

駅からの距離は多少違いはありますが、これほどの価格差が考えられるでしょうか?

 

【岡崎市明大寺町の公示地価】

岡崎市の公示地価

  • 東岡崎駅から300mの距離、徒歩約4分(1分=80m)
  • 160,000円/㎡ × 3.3(㎡/坪) = 53万円/坪

(参考:国土交通省地価公示・都道府県地価調査)

 

【岡崎市明大寺町の土地取引】

岡崎市の土地取引

  • 東岡崎駅から徒歩4〜7分のエリアで、22〜79万円/坪で取引されている

(参考:国土交通省 不動産取引価格情報検索)

 

なぜ、同じ地域で、これほど取引価格が違うのか?

最も大きな理由は、不動産会社によって、持っている取引情報量が違うからです。

 

不動産の取引は、数千万〜数億円単位の大きな取引ですから、売り手はなるべく高く売りたいし、買い手はなるべく安く買いたいものです。

しかし、あまりに現実とかけ離れた希望を持っても、売ることも買うこともできません。

 

そこで重要なのが、過去の取引情報です。

例えば、実際に高い価格で取引されていることを知っていれば、売り手は強気で交渉できますからね。

 

ですが、不動産取引は、株式市場のように、全ての取引情報が分かる仕組みがないため、不動産会社によって、持っている情報量が違います。

 

持っている取引情報が違うため、評価額・取引価格が変わる

査定額が違うイメージ

 

*REINSとは、不動産会社間でだけ共有できる物件情報・取引情報のサービスです。ただし、売主の承諾が必要なため、情報の共有率は、全体の取引の約11%程度となっています

(2022年実績:売り物件報告件数17.5万件 ÷ 土地取引件数152.5万件 = 11.4%)

 

そのため、

  • そのエリアの取引情報を多く持っている
  • 買い手・売り手の相談が多い

といった会社を探すことが重要なんですね。

 

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