秋田県の土地価格の7年間の動きと、今後の見通し | イエ&ライフ

秋田県の土地価格の7年間の動きと、今後の見通し

秋田県の土地価格の7年間の動きと、今後の見通し秋田県

(画像出典:wikimedia commons 掬茶, 秋田駅東口駅前ロータリーから、太平山方面を望む)

 

この記事では秋田県の

  1. この7年間の土地価格の動き
  2. 新型コロナの影響を含め、今後どうなるのか?

の2点について解説しています。

 

1、過去7年間の秋田県の不動産の上がり方の特徴とは?

まずはじめに、この7年間で秋田県内の不動産が、どのように上昇・下落してきたのかをザッと見ていきましょう。

 

この7年間の秋田県の公示地価を調べてみると、住宅地は17.6%の下落をしていました。

青森は同様に1割以上下げていますが、岩手は3.2%のマイナスと小幅に止まっています。

 

秋田県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

岩手県がそこそこ安定している理由は、もちろん復興需要によるものです。

ですが、青森県や秋田県の下げ方は、ちょっと大きすぎるように感じますよね。

そこで、今度は市区町村別に、この7年間の住宅地の上昇率を見てみましょう。

 

全域でほぼ10%以上の下落

秋田県の工事地価の変化率マップ

(参考:国土交通省 地価公示)

 

ご覧のように、市区町村単位で見ると、上小阿仁村をのぞいて、10%以上の下落しているエリアがほとんどでした。

 

そもそも、今回の土地価格の上昇は、何が理由なのか?

そもそも、今回の土地価格の上昇は、2013年4月から始まった日銀の異次元緩和が原因です。

 

それまでの銀行の商売は、わたしたちから100万円預かったら、それで国債を買って、国から利息として1万円もらう代わりに私たちには100円ぐらいの利息をつけてて稼ぐ、ということをやっていました。

 

ですが、こんなことをしても、ちっとも景気も良くなりません。

そこで、日銀が銀行から国債を買い取ってしまい、「その浮いたお金を使って、どこかに貸して本業で稼ぎなさい!」

とやってしまったのです。

 

異次元緩和

 

それで困った銀行は、不動産業者に融資をすることにしました。

この7年間で、企業や個人がお金を稼ぐために銀行から借りたお金(設備資金と言います)は、なんとその8割近くが不動産関連だったのです。

 

製造業はわずか1.7%、そのほとんどが不動産関係

異次元緩和後の設備資金の増加業種

(参考:日銀 貸出先別貸出金)

 

お金が借りやすくなった企業や個人は、そのお金でバンバン、アパートやマンションを建てました。

その一部が、「かぼちゃの馬車」や「サブリース問題」「スルガ銀行の不正融資」などで個人の不動産投資家が餌食になっているのです。

 

低金利によって、買い手の購買力が上がった

しかし、戸建ての住宅地のエリアでも1〜2割上昇している地域もあります。

そのようなエリアでは、なぜこれほど上昇したのでしょうか?

 

その理由は金利の低下です。

異次元緩和によって、住宅ローンが約1%下がったのです。

 

住宅ローンの金利

(参考:ARUHI住宅ローン フラット35金利の推移 財務省 国債金利情報)

 

ザックリ言うと、この7年間で買い手は、同じ返済額で2割高い物件を買えるようになったということです。

例えば、フラット35で期間35年・3,000万円の住宅ローンを組んだ場合、月々の返済額は1.4万円も減りました。

 

異次元緩和前後のフラット35の返済額

*融資手数料:2.16%として計算

 

①緩和前

(2013年3月)

②緩和後

(2019年1月現在)

②ー①

フラット35の金利

(団信込み)

2.27%1.33%-0.94%
月々の支払額103,500円89,400円-14,100円
総支払額4,415万円3,819万円-596万円

 

ご覧の通り、返済額で月1.4万円、総額で約600万円減った計算になります。

言い換えると、月々10.4万円の返済で、3,000万円の物件から3,500万円の物件まで買えるようになったことになります。

 

金利の低下によって、高い物件が買えるようになった

異次元緩和の値上がり効果

 

つまり、金利が下がったことで、買い手の購買力が上がったため、値上げにも簡単に応じられてきたわけです。

 

なぜ、秋田県はこれほど下げているのか?

では、なぜ秋田県は全く上がっていないのでしょうか?

理由は大きく2つあります。

 

①公共事業の減少で土地価格が下落した

1つは、公共事業の減少です。

秋田県の住宅地の公示地価は、公共事業が減るのに合わせて、下落を続けてきました。

 

特に1990年代の公共事業では、バイパスなどの大きな道路が作られました。

そして、公共事業が減ってきた2000年代に入ると、ショッピングセンターが郊外にたくさん作られ、郊外に家が建つようになり中心街の空洞化へとつながってしまったのです。

 

秋田県の公共事業は、この20年で2分の1に減少

秋田県の公共事業と公示地価

(参考:総務省統計局 行政投資実績)

 

車さえあれば、どこにでも家が建てられるようになったことで、わざわざ古い住宅地に家を買う必要がなくなりました。

しかも、この30年で農家も約半分に減ったので、農地を手放す人も増えました。

 

そのため、土地価格が上がりにくくなってしまったのです。

 

②人口が減って、家を買う人が減った

2つ目が、人口の減少です。

家を建てる中心年代である20〜40代人口は、1996年ごろにすでにピークを打ち、減り続けています。

この10年だけでも67,000人も減少しているのです。

 

秋田県の20〜40代人口と新設戸数

(参考:国土交通省 建築着工統計調査報告)

 

このような状況が重なってしまい、秋田県内の土地価格は上がりにくくなってしまったのです。

 

2、新型コロナの影響はどうなのか?

今回の新型コロナによる経済的な混乱によって、飲食店や宿泊・観光業などに大きな影響が出ていますが、2021年2月現在の失業率は、2.9%とかなり安定しています。

2008年に起こったリーマンショック後の失業率が、最大で5.5%まで上昇したことから考えると、かなり低いと言えるでしょう。

 

失業率の推移

(参考:総務省統計局 労働力調査)

 

ですが、この低い失業率は、政府による支援による下支えがあるからです。

リーマンの時に支払われた雇用調整助成金が、2009年の1年間で6,536億円だったのに対して、今回はすでに2兆7,658億円と、4倍以上も使われているのです。

(参考:東洋経済「日本に「隠れ失業者」が山ほどいるという大問題」)

 

助成金の予算は、昨年6月までだったものが、何度も延長され、その都度予算がつけられてきましたが、今年の6月まで延長が決まっているものの、徐々にその範囲が狭くなっています。

助成金の打ち切りが、そろそろ現実化しそうなのです。

 

 従業員に休業手当を払って雇用を維持した企業に支給される雇用調整助成金は現在、一日あたりの上限額を1万5000円に引き上げる特例措置が取られています。

 厚労省はこの措置について現行のままで4月末まで延長したうえで、5月以降は企業の経営状況や感染状況に応じて上限額を下げながら6月末まで続けるということです。

(参考:テレ朝ニュース 2021.2.12「雇用調整助成金の特例措置を6月まで延長」)

 

この助成金が打ち切られれば、一気に失業率が跳ね上がるため、特に賃貸物件の空室が増えることが予想されます。

また、失業者が増えれば景気はさらに悪化するため、影響を受ける業種が増えますので、人気の低い郊外の戸建てエリアでも、買い手がつきにくくなっていくでしょう。

 

 

3、その他のリスク

新型コロナ以外にも、どんなリスクがあるのかをまとめました。

 

(1)この低金利はいつまで続くのか?

そもそも、異次元緩和政策とは、国債の金利を下げるために、日銀が国債を買い占めることで実現させてきた政策でした。

そして、これ以上は、金利が下がらない水準まで来ています。

むしろ、その副作用の方が話題になることが増えました。

 

例えば、預金者のお金を国債で運用していた地銀は、この異次元緩和によって、金利が低下したことで国債からの利息が減り、半数以上が赤字になっています。

 

金利低下で、赤字の地銀がどんどん増えている

地銀の決算状況

(金融庁:地域金融の課題と競争のあり方)

 

赤字が続けばいずれ倒産してしまいますから、いつまでも続けるわけにはいきません。

また、黒田総裁の任期である2023年までに、当初の目標である「年率2%で物価を上げること」は、達成できないこともわかってきました。

(参考:NHK「日銀 黒田総裁 今の任期中に2%の物価目標 達成困難に」)

 

つまり、2013〜2023年の10年間で、

  • 株や不動産価格は上昇した
  • 当初の物価目標は達成できず
  • 副作用として、金融機関の赤字行が続出

という状況になっているわけです。

 

そのため、黒田総裁の次の方が、この政策を続ける可能性は低いのではないかと予想されます。

目的を達成できずに、銀行が潰れて混乱してしまっては、意味がありませんからね。

 

実は、すでに異次元緩和をやめる準備に入っている

とはいうものの、「異次元緩和をやめます」と発表すれば、金利が一気に上がる可能性もありますから、日銀でも慎重に進めているように見えます。

なぜかと言うと、日銀の国債を買い占めるペースが、2018年頃からすでに減らしてきているからです。

 

日銀が国債を買い占める比率を減らしている

日銀の国債買入れ比率

(参考:財務省 2021.6.24「国の債務管理の在り方に関する懇談会(参考資料2)」)

 

2021年現在、日銀が買い占めている比率は、期間1〜10年の国債(赤色の線)で約60%程度、期間10年超の国債(灰色の線)で8.7%にまで下がっています。

 

このまま、買い占める量を減らしていけば、いずれ金利も徐々に上がっていくことになります。

 

金利が上がると、同じ返済額でも買える価格が下がる

金利上昇で下落

 

なお、金利が上昇すると、住宅ローンの返済額が増えるため、不動産価格は下落していきます。

 

そのため、特に売却を検討している人は、異次元緩和で低金利が続いているうちに、準備をしておいた方がいいでしょう。

 

 

(2)これから秋田県の人口はどうなるの?

 

国立社会保障・人口問題研究所が、今年発表した秋田県の人口の見通しによると、2025年までに13.8万人減少するそうです。

 

秋田県の人口は、2025年までに13.8万人減る

秋田県の人口予測

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)

 

また、家を買う中心年代である20〜40代も、2025年までに69,000人減る見通しです。

家の買い手が今よりも2割以上減るので、下落に拍車がかかるでしょう。

 

秋田県の20〜40代人口は、2025年までに約69,000人減少

秋田県の20〜40代人口の予測

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)

 

結論:売るなら?買うなら?

 

というわけで、秋田県の今後の土地価格についての結論は、以下の通りです。

  • 今回の土地価格の上昇は、日銀の異次元緩和がきっかけ
  • しかし、公共事業や人口が減少する一方のため、土地価格も下げ続けている
  • 新型コロナが長期化すると、商業施設の売り上げが減少し、閉店する店も増えることで商業地の下落が進む
  • これから気をつけたいのは「金利」。特に日銀の異次元緩和が終了すれば、金利上昇で土地価格はさらに下がる

と言えそうです。

 

買うなら:商業地の周辺は様子見、それ以外は買い

新型コロナの影響が大きい商業地の周辺では、今後も影響が出ますので、坪単価が高いと感じられる場合には、まだ様子見の方がいいでしょう。

しかし、それ以外のエリアでは、今が買い時の可能性が高いと思われます。

その理由は2つあります。

 

①土地価格の下落分よりも、待っている間の家賃の方が高くつく

例えば、坪20万円ぐらいの土地であれば、50坪でも1,000万円程度で買えます。

仮に数年で1割下げたとして100万円ぐらいしか安くなりませんから、その間の家賃を考えると、早めに買った方がトクになりますよね。

 

②異次元緩和で低金利の今がチャンス

また、現在は住宅ローンがかなり安いため、月々の返済負担が軽いのもチャンスです。

ですから、もし家を買おうと思っているのならば、土地価格が下がるのを待つよりも、金利が上がる前の今のうちに買うのがベストでしょう。

 

ただし、購入を検討する場合には、今後の金利上昇を想定しておかないと大変なことになるので、「フラット35」「10年以上の固定金利」でも返済ができるかどうかで予算を考えるべきでしょう。

 

非公開物件=安い物件

不動産を売る理由はさまざまですが、「周りに知られずに売却したい」という売主は一定の割合でいます。

そのような物件は、ネット上にも出回らず「非公開物件」として登録されます。

また、売主はあまり相談する相手を広げたくないため、まずは建てたメーカーに相談する場合が多いです。

 

非公開物件の実態

 

当然、このような物件は少ないお客さんにしか目にとまる機会がないため、相場よりも価格の安い可能性が高いのです。

 

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売るなら:金利が上がる前に売った方がいい

アベノミクス以降のこの7年間は金利の低下によって、買い手が月々の返済額を引き上げなくても値上がりした家を買える時期でした。

不動産を売るなら、金利の低い今が1番のチャンスと言えます。

 

特にコロナショックの影響は、長期間になる可能性もあり、景気が悪化するほど買い手が減っていきますので、今のうちに準備をしておいた方が後悔しないはずです。

 

公示地価を信じると損をする?

 

この記事では公示地価をもとに解説していきましたが、公示地価は「その地域の平均的な価格」なため、実際の取引ではこれ以上に高く、または安く取引されることがあります。

 

例えば、秋田市内に「手形(てがた)」という地区があります。

秋田駅の東側に広がる住宅地です。

 

この手形の公示地価と実際の取引価格は、

  • 公示地価:22万円/坪
  • 実際の取引価格:18〜25万円/坪

と、公示地価の約0.8〜1.1倍で取引されていました。

最高価格は、最低価格の約1.4倍です。

 

【秋田市手形の公示地価】

秋田市手形の公示地価

  • 秋田駅から550mの距離、徒歩約7分(1分=80m)
  • 67,400円/㎡ × 3.3(㎡/坪) =22万円/坪

(参考:国土交通省地価公示・都道府県地価調査)

 

【秋田市手形の土地取引(過去2年間)】

秋田市手形の土地取引

  • 秋田駅から徒歩8〜12分のエリアで、18〜25万円/坪で取引されている
  • 基準地価も実際の取引も「第2種住居地域」という用途区分

(参考:国土交通省 不動産取引価格情報検索)

 

このような感じで、全国の公示地価と実際の取引を調べてみたのですが、やはり公示地価と実際の取引ではかなりの価格差があることがわかりました。

 

同じ地域なのに、

「公示地価の3割増し、場合によっては2倍以上の価格で取引されている」

といった取引がゴロゴロ見つかったのです。

 

都道府県住所公示地価/坪取引価格/坪公示地価の何倍?
秋田県秋田市手形22万円18〜25万円0.82〜1.14倍
秋田県横手市梅の木町7.4万円5.5〜8.2万円0.74〜1.11倍
秋田県大仙市大曲中通町11万円13〜15万円1.18〜1.36倍
秋田県由利本荘市石脇7.8万円5〜14万円0.64〜1.79倍
青森県青森市三内10万円5.4〜14万円0.54〜1.4倍
青森県八戸市田向14万円10〜28万円0.71〜2倍
青森県弘前市大字田園13万円15〜18万円1.15〜1.38倍
岩手県盛岡市加賀野21万円15〜32万円0.71〜1.52倍
岩手県一関市赤荻8万円5.5〜17万円0.69〜2.13倍
岩手県奥州市佐倉河21万円15〜32万円0.71〜1.52倍
岩手県花巻市松園町6.5万円6〜12万円0.92〜1.85倍
岩手県北上市中野町11万円9.1〜12万円0.83〜1.09倍
山形県山形市東原町26万円18〜32万円0.69〜1.23倍
山形県鶴岡市本町11万円8〜17万円0.73〜1.55倍
山形県酒田市新橋9.5万円10〜15万円1.05〜1.58倍
山形県米沢市大町7万円8〜10万円1.14〜1.43倍

 

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では、どうやってそれを調べられるのか?

 

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