おもちゃにされるスペイン。なぜセウタに6万人もの不法移民が侵入したのか? | イエ&ライフ

おもちゃにされるスペイン。なぜセウタに6万人もの不法移民が侵入したのか?

youtube原稿

今回の動画は、「おもちゃにされるスペイン。なぜセウタに6万人もの不法移民が侵入したのか?」ということで、やっていきたいと思います。

 

1、はじめに

7/30~31の2日間で、スペインのアフリカ大陸にある飛地の領土セウタに、6万人の不法移民が押し寄せてきたというニュースで、世界中で大騒ぎとなっています。

 

(参考:NDTV)

 

スペインは、今年1月に国内に滞在する不法移民を合法化するという法律を可決し、6/30までが申請期限だったのですが、120万人が申請したと言われており、これもやべえことになってんなあと、話題になっていました。

しかし、この合法化申請の条件は、今年1月1日時点で、スペインに5ヶ月以上の滞在をしていた人が対象であり、また、この申請期限はもう過ぎた後でしたから、今更スペインに入り込んでも、追い返される可能性の方が高い状況でした。

 

(参考:BBC)

 

ところが、7/8に、最高裁判所が海からの渡航者に対しては、強制送還しないという判決を出したということで、モロッコからセウタまで来て、堤防から海に入って泳いで岸に着けば、海外渡航になるんじゃね?ということで、それがSNS上で拡散されて、モロッコ人が大量に押し寄せた、と言われています。

それで、セウタという街は、約8万人の都市なのですが、そこに6万人ものモロッコ人が来たということで、街は大混乱となり、放火や略奪も起こっていたようです。

 

しかし、セウタの住民の方々も、こんなに来たら、何をしても無駄だということで、お店は閉め切って、水も食料も調達できない状況となってしまったため、多くのモロッコ人は一通り大暴れした後に、モロッコに帰ってしまったと、スペイン政府からも発表が出ていました。

ただ、Xでの投稿を見ると、まだ1万人以上は、街中でキャンプしてたりしているようなので、冷やかしが5万人ぐらい、ガチで移住したいひとが1万人ぐらいいる感じのようですね。

 

(参考:BBC)

 

では、セウタがどこにあるのか?というと、アフリカ大陸と欧州大陸が無茶苦茶近いジブラルタル海峡に隣接した場所にありまして、海峡の南側にスペイン領のセウタがあり、北側には、なぜかイギリス領になってるジブラルタル半島があります。

なので、スペインとイギリスで、この海峡を押さえているということがわかりますね。

 

それで、今回のセウタへの移民が大挙して押し寄せてきた事件については、モロッコ政府などの、組織的な関与が疑われています。

こちらはどちらもX上での投稿になりますが、セウタ近くまで、大量のモロッコ人がトラックに詰め込まれて移動している動画になっています。

 

(参考:X@TalebSahara)

 

さらに、セウタの近隣の街を見てみると、南にフニデクという街があるのですが、ここの人口が8万人ぐらいで、大きい街は西に約120万人いるタンジェがあるのですが、ここはセウタから80km近く離れた場所にあります。

なので、セウタ周辺には十分な人口の街がない中での、6万人もの流入だったのです。そのため、このようなトラックを使った大掛かりな仕掛けがなければ、こんな事件は到底起こり得なかったことがわかります。

 

今回の動画では、このセウタへの大量移民侵入事件が、どんな意味を持っているのか?について、考察していきます。

それでは参りましょう。

 

2、モロッコ政府側がやったとしたら?どんな理由が考えられるのか?

まずは、今回の事件の主犯格と思われる、モロッコ政府にとって、今回の事件を起こす理由があったのか?について、見ていきます。

 

(参考:wik「2021年モロッコ・スペイン国境事件」)

 

実は、モロッコ政府は、2021年5月にも似たようなことをセウタとメリリャという、いずれもアフリカにあるスペイン領の街に行っています。

この時の移民の規模は、約8,000人程度だったそうです。

その理由は、モロッコが実効支配している西サハラで、独立運動をして対立関係にあるポリサリオ戦線のリーダーである、ブラヒム・ガリをスペイン政府が治療目的でスペインに移送したためです。

 

つまり、モロッコ側から見れば、スペインがモロッコ国内の独立運動を支援しているように見えたので、ブチギレたんですね。

ここで少しだけ、モロッコという国における西サハラ問題について、解説します。

 

(参考:GNV)

(参考:国連)

 

モロッコという国は、こちらの図のような、新潟県みたいな形をしている国で、そのうちの南半分の青と黄色で塗られた地域が西サハラ地域と呼ばれています。

青がモロッコ政府の占領地域で、黄色がポリサリオ戦線の占領地域というイメージです。

 

それで、このポリサリオ戦線というのは、どんな組織かというと、元々この西サハラに住んでいたサハラウィという民族の独立を目指していた組織で、アルジェリアやリビアから支援を受けて、モロッコや南側のモーリタニアからの独立運動を展開していました。

 

しかし、1980年代に入るとこう着状態になり、1991年に停戦し、住民投票をして決着をつけようという話になったのですが、ポリサリオ側が、住民投票するなら、

①サハラウィ人とその子孫だけにしろ!

②住民投票の結果によっては、独立も可能にしろ!

とゴネるため、モロッコ政府と意見が平行線となってしまい、一度も住民投票ができていない状況となっています。

 

そもそも、西サハラはすでに、サハラウィ民族だけでなく、モロッコ人も住んでいるのに、ここはサハラウィ民族だけの国を作りたいんだから、住民投票もサハラウィだけにしろ!というのは、無理があります。

ポリサリオ戦線は、社会主義インターナショナルの諮問メンバーであり、要するに左翼側の組織なので、国作りとか、そういうのには興味がなくて、革命とか、破壊とか、抵抗とか、そういうことばかり考えてるような人が多いと思います。

 

私の偏見かもしれませんが、過去の左翼的な政権の多くが、そんな感じです。

そこに住む人たちの生活を考えれば、30年もゴネ続けるなんてことはあり得ませんからね。

 

(参考:Vietnam.vn)

 

ということで、モロッコは西サハラ問題を抱えてて、まだ解決できていない状況なのですが、このタイミングで、スペインがアルジェリアと国交正常化を行いました。

スペインは、2022年にモロッコとの関係改善のために、西サハラの領有権を支持しました。それに対して、西サハラを支援していたアルジェリアがブチギレて、天然ガスの長期契約を更新しないとゴネてしまったのです。

 

7/20に行われた、スペインとアルジェリアの国交正常化は、天然ガスの契約更新を狙ったものではありますが、そうしたら、今度はモロッコが、西サハラを支援するアルジェリアと仲良くするなんて、許せない!と、これに対してブチギレたのです。

今回のモロッコによるスペインへの嫌がらせは、このような背景があったからだということなのでしょう。

 

3、なぜスペインは、これほど移民に甘いのか?

しかし、今回の移民の大量流入は、モロッコが仕掛けたということはあったものの、スペイン側のヘタレ具合も、さらに拍車をかけた感があります。

 

 

大量にモロッコ人が侵入してきたにも関わらず、スペイン警察や軍は、お手上げ状態で、市民には外に出るなと指導するしかなかったと言います。

では、なぜスペインはこれほど移民に対して、よく言えば寛容、悪く言えば、弱気なのでしょうか?

その理由は、現在のスペイン政府が、移民大歓迎の左派政権だからです。

 

現在の欧州では、移民反対派の保守政党として、ドイツのAfDやフランスの国民連合、イギリスのリフォームUKなどが、かなりの支持率を伸ばしていますが、スペインのVOXは、支持率は2割以下と、なかなか伸びていません。

 

①1つ目は、その理由は、VOXの設立が2013年と、他国の保守政党に比べて若いため、全国的な支持へと広がっていない

②2つ目は、カタルーニャやバスク地方などの、独立したい政党が国会議員の8%ぐらいを占めているのですが、保守派のVOXは、これらの地域の分離独立は絶対に認めない派なので、保守派で連立を組もうとしても過半数に届かず、負けやすくなっている、ということが挙げられます。

 

そのため、現在のサンチェス政権は、3期目に入っていて、ここ10年近くスペインは、移民大歓迎路線を止められていないのです。

じゃあ、現在の首相のサンチェスとは、どんな人間なのか?というと、これはもうロナウドにも負けないようなイケメンで、結構正論を言う政治家であり、国際的にも評価が高めではあります。

 

(参考:wiki「サンチェス」)

 

例えば、

①イスラエルはがざでの虐殺をやめろ!→わかりますね

②トランプのイラン戦争には加担しない!→これも、正論ですよね

③軍拡しろ?社会保障に当てるべきだろ!→これも、武器に金かけてどうすんだという気持ちはわかります

 

これら3つについては、日本人目線で言うと、ごもっとも、と言う感じではないでしょうか?

ところがここからおかしくなっていきます。

 

④移民はたくさん受け入れるべきだ? 気狂いですね

⑤原発反対!再エネで電気回すぞ! これで昨年、全国的な大停電に見舞われました

 

と言う感じで、結構まともなことを言ってるように見えて、肝心のところで破滅的な政策をとる、と言うのが、サンチェスなのです。

サンチェスといい、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムといい、欧米の政治家は、顔と政策の妥当性が、反比例しているように思ってしまうのは、私だけでしょうか?

 

(参考:X@herqles_eng)

 

そして、さらに組んでいる左派が、やばいです。

サンチェスのスペイン社会労働党 PSOEは、他党連立政権なのですが、その中には、ボデモスと言う極左政党も入っていて、5議席あります。

 

この極左政党は、2015年には得票率21%、69議席も取って、第3番目の政党になったのですが、気狂いであることがバレて、現在は5議席にまで減ってしまいました。

それで、こちらの投稿は、今年のものなのですが、ボデモスの創立者の奥さんの、末期的なスピーチが紹介されています。

 

抜粋しますと、

「私は ”置き換え理論”を望みます。移民を使って この国のファシストや人種差別主義者を 一掃できることを願っています。肌の色が何で あれ、”中国人、黒人、または茶色人”であれ」

(参考:X@herqles_eng)

以上です。

 

茶色人とは、ようは白人以外なら、なんでもいいということの例えでしょう。この人は、白人のスペイン人と結婚してて、三人の子供がいるのですが、自分の家族属性はそっちのけで、周りの人たちに、こうやって煽り散らかしているんですね。

本当に欧米のリベラルというのは、こういう珍獣みたいな人たちがたくさんいるので、見てて飽きないですね。

 

こんな人たちが、ギャーギャー騒いでいる中での、政権運営なのです。

なので、仮にサンチェスがまともな人間だったとしても、多くのイカれたちに引きずられてしまう状況になっているんですね。

 

4、アメリカやイスラエルが指示した?

と、ここまでは、モロッコとスペインの事情を見てきましたが、今回の事件の裏には、アメリカとイスラエルの指示があったのでは?という話も出ています。

最後にこの点について、考察してみましょう。

 

なぜ、モロッコの裏にアメリカとイスラエルの影がちらつくのか?

その理由は、モロッコとアメリカとイスラエルは、仲良しだからです。

 

(参考:Truth Social)

 

7/26に、トランプは自身のSNS Truth Social に、モロッコ国王ムハンマド6世が、モロッコを縦断する高速道路に「ドナルド・J・トランプ・ハイウェイ」と命名したことに感謝する、という投稿をしました。

この高速道路は、全長1055kmということなので、直線距離でいうと、東京から旭川や根室、鹿児島あたりぐらいの距離感でしょうか。

 

これほどの大プロジェクトへの命名なので、アメリカがモロッコに金を出したの?と思うかもしれませんが、全くそんなことはありません。

ではなぜトランプが感謝されたのか?というと、2020年に西サハラの主権をトランプが認めたからです。

 

この高速道路は、西サハラ地域までつながっていますから、トランプの名前をつけることで、他の国がイチャモンつけて来られないようにしたのでしょう。

また、モロッコは2020年にイスラエルを国家承認しており、イスラエルも、2023年に西サハラの主権を承認しています。実はモロッコの西サハラの主権を承認している国は、世界中でこの2カ国だけなんですね。

 

(参考:Times Of Israel)

 

それで、アメリカとスペインの関係は、トランプ政権になってから悪化が続いているのですが、特にイラン戦争が始まってからは、ジブラルタル海峡の領有をすべきだ!という主張が、イスラエル系のメディアから出てきていました。

 

こちらの記事は、今年3月のものなのですが、内容は、

イラン戦争によって、ホルムズ海峡が封鎖され、イランから支援を受けているレバノンのヒズボラや、イエメンのフーシ派などが暴れるようになったら、バブエルマンデブ海峡も封鎖される可能性があります。

というか、現在すでにフーシ派が封鎖に動いていますね。

 

また、アルジェリアやリビアなどにも、反米的なイスラム過激派が残っていますから、仮にジブラルタル海峡がこれらの勢力に押さえられてしまったら、イスラエルは、ジブラルタル海峡とバブエルマンデブ海峡を締め切られてしまうので、非常に危険な状況になってしまいます。

なので、アメリカはスペインとかいう、軍事費をケチって、イラン戦争にも反対してるヘタレの言うことなんか聞かないで、さっさとジブラルタル海峡をアメリカの管理下に置くべきだ。そうだ、友好国のモロッコの力を借りて、ジブラルタル海峡周辺の安全を管理すれば、いいじゃないか!

と言うのが、この記事で言ってることです。

 

そもそも、セウタやメリリャは、スペインがまだアフリカ諸国に返還していない植民地です。なんで、素晴らしい正論を吐きまくる、イケメンのサンチェスが、こんな恥ずかしい植民地なんてものをスペインに持たせるのでしょうか?

本当に、移民の受け入れを正しいと考えている、素晴らしい政治家なら、セウタやメリリャだって、モロッコに返還すべきですよね?

 

今回のセウタへの移民の大量流入だって、セウタがアフリカにあるからこそ、簡単に入って来れて大変な目に遭ってるわけですから、モロッコに返還すべきだろ?とモロッコやアメリカが、挑発しているように見えなくもないなと思いますね。

 

(参考:毎日新聞)

 

それで、今回の件に限らず、トランプ政権は、世界中の通行の要衝と言われる海峡にちょっかいを出しに行ってるように思います。

例えば、ホルムズ海峡は、イラン戦争で封鎖してますし、

ジブラルタル海峡も、スペインを追い出そうとしているように見えます。

 

また、マラッカ海峡においても、インドネシアを焚き付けて、通行料徴収しようぜと発言させて、シンガポールをヤキモキさせていました。

これらの海峡は、いずれもイギリスが近くに領土を持っていたり、基地を持っていたり、イギリス系の国に主導権を握らせていたりしています。

 

なので、これらを全部ひっくり返せば、イギリスの弱体化につながります。

現在のトランプ政権は、イギリス潰しの政権ですので、もし今回の件にトランプが絡んでいるのであれば、それはスペインへの嫌がらせだけでなく、その先に隠れているイギリスの弱体化も狙っているのだと思いますね。

 

というわけで、今回はセウタにモロッコから6万人もの移民が押し寄せてきた意味について、考察してみました。

もし、この見立てが当たらずとも遠からずであれば、今後も、ジブラルタル海峡だけでなく、世界中のいろいろな海峡、要衝において、トランプは、イギリスをぶっ叩くために、ちょっかいを出しに行くと思われます。

 

マラッカ海峡の話も、4月に一回盛り上がって、今は沈静化していますが、またどこかのタイミングで、トランプかインドネシアが引っかき回しに行くのかなと思いますね。

そう言った視点で、この辺りの話も追いかけていきたいと思います。

この記事を書いた人
ゴトウ

証券会社で12年間勤務。営業と店舗マーケティングに従事後、2018年から当サイト「イエ&ライフ」を運営しています。

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また、2024年からYoutubeチャンネルも始めました。
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