和歌山市の土地価格|上昇・下落した理由|今後の見通し

和歌山市和歌山県

(画像出典:wikimedia commons  663highland, 和歌山城, 和歌山県和歌山市)

 

この記事では和歌山市の

  1. 公示地価、基準地価
  2. 土地価格がこれまで上昇・下落した理由
  3. 今後どうなるのか?

の3点について解説しています。

(なお、本ページはプロモーションが含まれています。該当するサービスには、【PR】と表記しております)(※1)

 

 

1、和歌山市の公示地価、基準地価

(1)公示地価(2023.1.1現在)

*変化率が空白:比較する年度のデータがない場合

*最寄駅の( )内は、駅からの距離(m)

住所または地番最寄駅坪単価(万円)前年比2018年比
和歌山市新中島字明石67番11宮前(910)370.9%2.8%
和歌山市直川字中川田185番1外六十谷(1500)11.40.9%-0.3%
和歌山市東高松4-1-21和歌山市(3900)39.60.8%2.6%
和歌山市西長町2丁目38番和歌山市(1500)40.90.8%2.5%
和歌山市太田字神ノ畔152番和歌山(1000)44.20.8%2.3%
和歌山市十三番丁12番和歌山市(600)44.60.7%3.8%
和歌山市三番丁77番和歌山(1500)44.60.7%3.1%
和歌山市黒田字流108番7和歌山(400)45.50.7%2.2%
和歌山市新生町10-10和歌山(1200)48.20.7%1.4%
和歌山市芝ノ丁21番和歌山市(1900)50.80.7%2.0%
和歌山市美園町2丁目80番和歌山(500)56.10.6%0.0%
和歌山市栄谷字城谷976番246和歌山大学前(1400)230.6%1.2%
和歌山市小松原通3丁目67番外和歌山市(1800)58.10.6%1.7%
和歌山市屋形町2丁目7番和歌山(1300)650.5%2.6%
和歌山市友田町5丁目50番外和歌山(110)146.50.5%1.4%
和歌山市西高松2-9-6和歌山市(3800)320.4%0.6%
和歌山市秋月字硲412番1日前宮(650)32.20.4%1.5%
和歌山市十番丁5番和歌山市(1100)80.90.4%2.1%
和歌山市松島字平柳105番2外紀伊中ノ島(1900)23.70.1%0.3%
和歌山市砂山南2-5-24和歌山市(2300)28.80.1%0.3%
和歌山市中之島字西垣内673番9外紀和(380)370.0%1.8%
和歌山市田中町4丁目118番和歌山(700)46.90.0%1.4%
和歌山市太田3-1-28和歌山(840)48.20.0%1.4%
和歌山市畑屋敷西ノ丁68番1外和歌山(1400)39.60.0%0.8%
和歌山市六十谷字宮ノ前226番2六十谷(350)27.50.0%0.5%
和歌山市善明寺字岡ノ下302番1六十谷(1900)24.60.0%0.4%
和歌山市中之島字貝柄1193番紀伊中ノ島(500)29.70.0%0.1%
和歌山市紀三井寺字中洲新畑768番29紀三井寺(500)23.40.0%0.0%
和歌山市神前字曽根田7番8外神前(1000)21.30.0%0.0%
和歌山市紀三井寺字南前浜621番1紀三井寺(900)35.60.0%0.0%
和歌山市舟津町3丁目4番和歌山市(1900)34.30.0%0.0%
和歌山市鷹匠町4丁目10番2和歌山(2400)31.70.0%-1.1%
和歌山市鳴神字奥嶋797番6和歌山(2100)22.60.0%-1.3%
和歌山市有本字長丁221番44紀伊中ノ島(1100)14.20.0%-5.5%
和歌山市内原字下浜930番22紀三井寺(2700)21.50.0%-5.5%
和歌山市雑賀崎字泊り新開2017番23外和歌山市(6700)6.60.0%
和歌山市西浜字下新堤内ノ坪983番8和歌山市(4600)26.6-0.1%-0.9%
和歌山市築港5丁目7番12和歌山市(2400)19.4-0.2%-2.8%
和歌山市和歌浦東2-9-54紀三井寺(2100)27-0.2%-0.6%
和歌山市鳴神字坂戸248番78日前宮(1700)18.4-0.4%-2.4%
和歌山市大谷字川田173番16紀ノ川(950)17.1-0.4%-1.1%
和歌山市園部字下田出596番54六十谷(2300)16-0.4%-2.4%
和歌山市榎原字九鷹111番35中松江(750)15.6-0.4%
和歌山市船所字新田215番36六十谷(2500)14.6-0.5%-3.7%
和歌山市湊1-5-26和歌山市(2500)14.5-0.5%
和歌山市弘西字前芝356番20紀伊(680)14-0.5%-2.5%
和歌山市向字大西156番1和歌山大学前(2200)20.7-0.5%-3.5%
和歌山市西小二里1-1-12和歌山市(3900)19.5-0.5%-1.3%
和歌山市木ノ本字宮ノ前7番5八幡前(1600)12.5-0.5%-2.8%
和歌山市吉礼字池見596番27吉礼(650)12.1-0.5%-5.4%
和歌山市小倉字芝中294番38紀伊小倉(1300)6-0.5%-6.2%
和歌山市冬野字城山904番黒江(2000)5.7-0.6%
和歌山市元寺町1丁目69番和歌山市(1200)56.8-0.6%-0.6%
和歌山市田尻字仁ノコ田35番14宮前(1300)16.8-0.6%-2.1%
和歌山市西庄字清田251番11八幡前(1000)14.9-0.7%-2.6%
和歌山市弘西字開674番17紀伊(700)9.3-0.7%-4.7%
和歌山市土入字三計代157番東松江(400)4.2-0.8%
和歌山市松江字向鵜ノ島1498番10和歌山市(1600)16.5-0.8%-4.0%
和歌山市山東中字東川向49番4山東(350)8-0.8%-5.9%
和歌山市和歌浦中1-5-8紀三井寺(3000)21.9-0.9%-5.1%
和歌山市寺内字大門前585番外岡崎前(1300)10.8-0.9%-5.8%
和歌山市市小路字天王208番6紀ノ川(500)17.1-1.0%-5.3%
和歌山市小雑賀字垣内75番宮前(1500)16.7-1.0%-5.1%
和歌山市山口西字東垣内343番3紀伊(1600)6.5-1.0%-4.8%
和歌山市向字高屋敷45番12東松江(2000)15.3-1.1%-4.5%
和歌山市西庄字中浜1036番181西ノ庄(170)11.6-1.1%
和歌山市築港2丁目3番4和歌山市(2000)7.6-1.3%-6.5%
和歌山市毛見字中地1058番2紀三井寺(2800)14.3-1.4%-7.3%
和歌山市小倉字中萱枠36番107紀伊小倉(750)11.5-1.4%-6.2%
和歌山市栗栖字松本486番外田井ノ瀬(1200)6.6-1.5%-6.9%
和歌山市和歌浦南3-7-2紀三井寺(2400)18.6-1.6%-10.3%
和歌山市松江北6-9-26八幡前(400)18-2.0%-8.9%
和歌山市西浜字下川向ノ坪1271番2和歌山市(4800)13.1-2.2%-11.4%
和歌山市松江東2-1-20東松江(900)9.8-2.3%-10.0%
和歌山市加太字南仲町1294番2加太(750)7.1-2.7%-13.3%
和歌山市堀止東2-8-15和歌山市(3000)40.6
和歌山市六十谷字西山田1071番4六十谷(850)13.2
和歌山市塩屋5-4-6紀三井寺(2000)30.7

 

(2)基準地価(2023.7.1現在)

*変化率が空白:比較する年度のデータがない場合

*最寄駅の( )内は、駅からの距離(m)

住所または地番最寄駅坪単価(万円)前年比2018年比
和歌山市関戸1-3-3和歌山市( 4300)381.8%3.6%
和歌山市太田2-13-12和歌山( 300)641.0%2.1%
和歌山市雑賀道69番和歌山( 1500)32.71.0%
和歌山市小松原6-6-7和歌山市( 2400)30.61.0%1.8%
和歌山市中之島字東垣内1897番外紀和( 450)341.0%1.0%
和歌山市南田辺丁27番和歌山市( 1400)36.60.9%2.8%
和歌山市駿河町47番和歌山市( 800)38.30.9%
和歌山市杉ノ馬場1丁目41番1和歌山市( 200)40.90.8%
和歌山市西長町2丁目38番和歌山市( 1500)41.30.8%3.3%
和歌山市広瀬通丁2丁目12番1和歌山( 1300)41.60.8%
和歌山市小雑賀3-5-31宮前( 600)41.90.8%1.6%
和歌山市南中間町63番外和歌山市( 1500)43.60.8%
和歌山市太田字神ノ畔152番和歌山( 1000)44.60.7%3.1%
和歌山市西高松2-11-31和歌山市( 4000)44.90.7%1.5%
和歌山市有家字寺田262番6田中口( 900)23.10.7%-1.0%
和歌山市本町3丁目29番1外和歌山市( 800)46.90.7%1.4%
和歌山市中字枇杷谷583番41和歌山大学前( 750)25.50.7%1.0%
和歌山市吹上4-2-36和歌山市( 2700)64.70.5%1.0%
和歌山市美園町5丁目3番6和歌山( 250)65.30.5%1.5%
和歌山市友田町5丁目50番外和歌山( 110)146.90.5%1.6%
和歌山市宇須2-2-18宮前( 1700)29.90.2%0.2%
和歌山市中之島字西垣内673番9外紀和( 380)370.0%1.8%
和歌山市秋月字川田93番32和歌山( 1200)23.10.0%-0.6%
和歌山市元寺町4丁目5番和歌山市( 1000)49.80.0%-0.7%
和歌山市井辺字儀法堂32番日前宮( 1500)6.10.0%-1.1%
和歌山市黒田字桑ノ木229番10外和歌山( 1100)210.0%-1.4%
和歌山市次郎丸字塩ノ口84番4東松江( 1300)23.70.0%-1.5%
和歌山市塩屋5-5-43紀三井寺( 2500)25.70.0%-2.0%
和歌山市新内字友田5番和歌山( 800)45.50.0%-2.8%
和歌山市三葛字的場664番13紀三井寺( 900)18.2-0.2%-2.3%
和歌山市大谷字雨谷831番77紀ノ川( 2100)14.7-0.2%-2.0%
和歌山市和歌浦東3-2-23紀三井寺( 1800)19.3-0.3%-8.2%
和歌山市島橋東ノ丁1-47和歌山市( 2800)26.1-0.4%-4.2%
和歌山市宇須4-4-9宮前( 1800)8.4-0.4%-5.2%
和歌山市松江東4-7-37東松江( 150)16-0.4%-3.4%
和歌山市向字高屋敷45番12東松江( 2000)15.3-0.4%-4.1%
和歌山市西浜字中川向ノ坪1660番77外和歌山市( 4800)7.4-0.4%-5.1%
和歌山市北中島1-9-44宮前( 800)23.6-0.6%-3.4%
和歌山市園部字藤原1103番六十谷( 1600)4.6-0.7%
和歌山市西浜字郷西ノ坪1063番45和歌山市( 5300)22.4-0.7%-6.0%
和歌山市禰宜字瓜畑1360番16千旦( 370)12.9-0.8%-4.6%
和歌山市北野字古屋409番2外紀伊( 1)16.7-0.8%-5.1%
和歌山市田屋字辻堂473番六十谷( 2300)8.2-0.8%-5.0%
和歌山市狐島字西淀屋615番100東松江( 750)12.8-1.0%-5.6%
和歌山市粟字重道ノ坪181番27紀ノ川( 450)15.2-1.1%-6.5%
和歌山市川辺字神ノ木193番1外紀伊( 3500)15-1.1%-2.2%
和歌山市朝日字荒毛1番2岡崎前( 1900)7.7-1.3%-6.4%
和歌山市木ノ本字岩ノ谷1450番50八幡前( 2300)9.1-1.4%-2.5%
和歌山市毛見字塩田135番35黒江( 2300)19.3-1.5%-10.0%
和歌山市西浜字中川向ノ坪1424番6外和歌山市( 3600)12.9-1.5%-10.6%
和歌山市中筋日延字小柴261番紀伊( 2500)6.3-1.5%-6.4%
和歌山市布引字宇太768番1外紀三井寺( 2300)30.9

 

途中ですが、この記事の説明を

どうも、このサイトの運営者のゴトウです。

この記事では、「あなたの(気になっている)不動産が、これからどうなるのか?」が分かるように、解説をしていきます。

 

とても不思議に思うのですが、

不動産の取引は、数百万円〜数億円単位の大きなお金が動きますから、絶対に失敗したくないはずなのに、

参考になる情報が、あまりに少なすぎると感じませんか?

 

例えば、年に3回ほど、公示地価や基準地価、路線価などの国が発表する土地価格の情報が、新聞やテレビニュースで取り上げられます。

ですが、その解説の多くが、都道府県単位、市区町村単位、または、1番大きく上昇した場所ぐらいです。

 

もっと細かい地区の情報は、ほとんど見かけませんよね。

これでは、あなたの(気になっている)不動産が、これから上がるのか?下がるのか?の判断がつきませんし、今がチャンスなのかどうかも分かりません。

最悪の婆には、営業マンの言いなりになって、もっと高く売れた(もっといい物件を探せた)のに、、、なんてことも。

 

それはちょっと残念すぎると思うんです。

そこで、この記事では、取り引きの参考になりそうなデータを集めて、なるべく詳しく、そして分かりやすく解説をしました。

そのため、ちょっと記事が長くなってしまいましたが、難しいことは書いていませんので、気楽に読み進めてみてください。

 

それでは参りましょう。

 

2、和歌山市の土地価格の動き

和歌山市の住宅地は、アベノミクス以降の、この9年間で10.3%下落しました。

また、2021→22年の公示地価については、住宅地は前年比で0.7%のマイナス商業地は0.3%のマイナスとなっていました。

 

和歌山市の公示地価

 

2019年

2020年

2013比

和歌山市

-0.7%

-0.6%

-8.8%

和歌山県

-1.3%

-1.2%

-13.3%

(参考:国土交通省 地価公示)

 

では、実際にどのようなエリアが上昇、または下落したのでしょうか?

公示地価の7年間の変化率を地図上に表示させてみました。

 

地価マップ:2013-21年の上昇率

変化率:赤色(30%以上)>オレンジ色(10〜29.9%)>緑色(0〜9.9%)>青色(-9.9〜0%)>紫色(-10%以下)

 

 

ご覧のように、中心部の市街地ではむしろ上昇している地点の方が多いです。

 

ただし、中心部から離れるほどに、土地価格が大きく下落しているため、中心部と周辺部で二極化が進んでいると言えます。

 

なぜ和歌山市では、駅周辺しか上がらないのか?

最初に結論をまとめておきます。

  1. 金利が低下したことで、同じ返済額でより高い物件が買えるようになった
  2. ところが、和歌山市では人口が減少しており、駅周辺と郊外の一部のエリアに人気が集中している
  3. また、人口の減少と農地の宅地化が進んでいるため、郊外の住宅地の人気が下がり、土地価格の下落が進んでいる

という二極化が進んでいました。

 

では、これから1つずつ詳しく解説していきます。

 

①金利低下によって、買い手の購買力が上がった

そもそも、全国的に土地価格が上昇しているのは、金利の低下によるところが大きいです。

ご覧のように、2013年4月以降、日銀が国債を買い占める、異次元緩和政策を行うことで、金利を下げてきました。

 

日銀が国債を買い占めて、金利を下げた

異次元緩和政策と住宅ローン金利

(参考:ARUHI住宅ローン フラット35金利の推移 財務省 国債金利情報)

 

ザックリ言うと、この8年間で買い手は、同じ返済額で2割高い物件を買えるようになったということです。

例えば、フラット35で期間35年・月々の返済額が10.4万円とした場合、購入できる不動産は3,000万円から3,500万円まで上がったのです。

 

同じ返済額で購入できる物件価格が2割上昇した

 

月々の支払額は増やさずに、約2割高い物件を買える。しかもその物件が人気化しているとなれば、値段が高くても買おうとする人は増えますよね。

そのため、人気のエリアほど、土地価格が上昇してきたのです。

 

そのため、和歌山市でも土地価格が上がりやすい条件にあったわけです。では、なぜ駅周辺しか上昇していないのでしょうか?

 

②和歌山市では、人口が減ってきている

最も大きな理由は、人口の減少でしょう。

この7年間で和歌山市の人口は、約12,000人も減っているのです。

 

和歌山市の人口推移

(参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)

 

では、具体的にどのあたりで、人口が減少、または増加しているのか?

この点について確認するために、約5年間で100人以上の人口増加、または減少している地区について調べてみました。

 

和歌山市の地区別の人口変化(2015.10〜2021.2)

増減:赤色(1,000人以上増加)>オレンジ色(500〜999人増加)>緑色(100〜499人増加)>青色の↙️(100〜499人減少)>紫色の↙️(500以上の減少)

(参考:和歌山市 「地区別世帯数及び人口」)

 

ご覧の通り、和歌山駅から南側を走る中央通り沿いの地区や、中心部からちょっと東側に離れたエリアで、人口が増加している地区が点在していますが、それ以外のエリアでは減少していました。

 

人口が減れば、土地の買い手も減りますから、土地価格が下がりやすくなっているわけですね。

 

③農地の宅地化で、郊外の宅地の人気が低下

さらに農地の宅地化も、土地価格の下落に追い討ちをかけています。

実は、この10年で、和歌山県内の農地は、約4,800ヘクタール(ha)も減っているのです。

 

和歌山県の農地面積

(参考:農林センサス 「2−8 経営耕地の状況」)

 

1haで約3,000坪ですので、30坪の戸建てに換算すると、約48万戸分の農地が住宅や、道路、工場、倉庫、ショッピングモールなどに変わっているのです。

 

農地の宅地化によって、今ある住宅地の人気が低下

農地の宅地化

 

中央通り沿いでは、マンションが新しく建てられているため、街ナカに住みたい人たちに人気となっていますが、それ以外の郊外で人口が増えている地区では、多くの農地が残っており、数十戸単位で住宅地が分譲されていました。

 

例えば、岡崎前駅周辺にある岡崎地区では、この5年間で700人以上も増えていますが、駅の北側の水田が、かなりの規模で住宅地へと変わっています。

このような新興住宅地が作られると、街並みも綺麗ですし、隣近所も同じような年代で、古くからの人間関係に悩む心配もないため、人気となりやすいです。

 

その結果、周りの古くからある住宅地を購入する人が減ってしまうため、郊外のエリアほど、土地価格の下落が進んでしまうんですね。

 

3、これからどうなるのか?

和歌山市の土地価格に影響がありそうなリスクをまとめました。

 

(1)そろそろ金利が上がりそう

日本では、低金利が長く続いているため、金利の上昇リスクを心配しない人が増えており、7割以上の人が、半年ごとに金利が変わる変動金利を選んでいます。

 

ですが、本当にこれからも金利は上がらないのでしょうか?

実は、10年〜30年までの長期金利については、すでに上昇し始めています。特にロシアのウクライナ侵攻が始まった2022年ごろから、本格的に上がって来ています。

 

国際金利推移 202306

(参考:財務省

 

これによって、変動金利は低いままですが、ふらっと35などの固定金利は上昇を始めています。

 

なぜ上昇しているのかと言うと、世界的に物価が上昇しているからです。

例えば、アメリカでは、物価が一時、前年比で9%以上も上がったため、政策金利を0.25%→5.25%まで、1年間で5%も引き上げました。

ドイツでも、前年比で11%以上も上がっていたため、こちらも政策金利を0%→3.5%にまで、約1年間で3.5%も引き上げています。

 

その結果、欧米各国でも、住宅価格が下落をはじめています。

アメリカの先月の中古住宅価格は前の年の同じ月と比べた下落幅(-1.7%)がおよそ11年ぶりの大きさとなり、住宅価格の下落傾向が鮮明になっています。
急速な利上げに伴う住宅ローン金利の高止まりで需要が落ち込んでいることが背景にあります。

(参考:NHK 2023.5.19「アメリカ 4月の中古住宅価格 下落幅 約11年ぶりの大きさに」)

 

欧州連合(EU)域内で、住宅価格が2015年以来初めて四半期ベースで下落に転じた。借り入れコストの上昇(=金利の上昇)が10年近くに及ぶ住宅用不動産ブームに終わりをもたらしている。

EU統計局は4日、22年10〜12月期に住宅価格が前の期と比べ1.5%下落したと発表した。域内27カ国のうち15カ国で下がった。下落幅が最も大きかったのはデンマークとドイツで、それぞれ6.5%、5%低下した。

(参考:日経新聞 2023.4.14「[FT]欧州住宅価格、四半期で15年以来の下落 ブームに幕」)

 

金利を引き上げたことで、住宅価格が下落しているのです。

ちなみに日本の物価上昇率は、前年比で3.0%の上昇です。

(参考:NHK「2022年度 消費者物価指数 前年度比3.0%上昇 41年ぶり水準」)

 

そして、日本でも、7月28日に、植田日銀総裁が、政策修正を発表し、事実上の利上げを行いました。

これまでは、10年国債の金利が0.5%以上に上がらないようにコントロールしてきましたが、それを1.0%まで引き上げたのです。

(参考:野村総合研究所 2023.7.28「日銀が長期金利の上昇を容認するYCCの運用柔軟化策を決定(日銀金融政策決定会合)」)

 

これによって、期間10年以上の固定金利については、今後、徐々に上がっていくことが予想されます。ふらっと35などの、長期固定の住宅ローン金利は上がるでしょう。

 

変動金利が上がる可能性は?

今回の事実上の利上げは、期間10年以上の長期金利への影響が大きいですが、変動金利への影響は、今のところ、ありません。

ですが、物価上昇が続くようであれば、いずれ短期金利も引き上げざるを得なくなるでしょう。

 

というのも、そもそも、金利を引き上げている理由は、お金を借りにくくすることで、モノの消費や生産をおさえ、物価上昇を止めるためだからです。

長期金利を引き上げても、物価上昇が止まらないのであれば、短期金利の引き上げも、いずれ視野に入ってくるはずです。

 

なお、日銀が見込んでいる、今後の物価上昇率は、2024年が年率1.9%で、2025年が年率1.6%です。

(参考:野村総合研究所 2023.7.28「日銀が長期金利の上昇を容認するYCCの運用柔軟化策を決定(日銀金融政策決定会合)」)

 

もし、今回の利上げでも、現在の年率3%の物価上昇率がおさまらなければ、さらに政策を修正する可能性は高く、その際には、変動金利型の住宅ローンにも、影響が出てくるかもしれません。

 

1%金利が上がると、不動産価格は15〜20%下がる可能性

ちなみに、金利が1%上がると、住宅ローンの利息は、35年で15〜20%増えます。

例えば、月に約10万円の返済を考えている人であれば、現在なら3,500万円の物件が買えますが、金利が1%上がると、毎月10万円の支払いで、3,000万円の物件しか買えません。

 

金利上昇で下落

 

なお、すでに変動金利で組んでいる人については、5年ルールという、当初5年間は、返済額が固定(ただし、増えた利息はあとで支払う)というルールがあるため、すぐに払えなくなって投げ売りが始まるわけではありません。

 

しかし、新しくローンを組む人は、変動金利でも高い金利になるため、今まで通りの高い価格でローンを組むことが難しくなりますから、価格は下がりやすくなるでしょう。

 

 

 

(2)これから和歌山市の人口はどうなるの?

国立社会保障・人口問題研究所が、2018年に発表した和歌山市の人口の見通しによると、2020→30年までに22,400人減少するだそうです。

 

和歌山市の人口は、2020→30年までに22,400人減る

和歌山市の人口予測

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)

 

しかも、家を買う中心年代であ30〜40代は、2020→30年までに13,700人減る見通しです。

 

和歌山市の30〜40代人口は、2020→30年までに約13,700人減少

和歌山市の30〜40代人口の予測

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)

 

つまり、家の買い手が今よりも1割以上減るので、今後は土地価格が下げやすくなっていくでしょう。

 

(3)和歌山市は、再開発で活性化する?

和歌山市では、これまで中心部の市街地から多くの百貨店、スーパーが撤退してきました。

車での移動が基本になってきたため、わざわざ駐車場代のかかる中心街に行くよりも、イオンモールに行った方がいいというお客さんが増えたからです。

 

そこで、和歌山市では「住みやすい中心街」「居心地のいい中心街」へと舵を切り始めています。

具体的には、教育、子育て支援、交流施設、マンション建設などが進んでいきます。

 

主な再開発案件

 所在地時期
和歌山市立伏虎義務教育学校城北公園、城北小学校跡地2017年
南海和歌山ビル(図書館、オフィス、商業施設等)南海和歌山市駅2020年秋
認定こども園・こども総合支援センター本町小学校跡地2019年春
東京医療保健大学(看護学部)雄湊小学校跡地2018年
和歌山県立医科大学薬学部伏虎中学校跡地2021年春
市民文化交流センター伏虎中学校跡地2021年春
ゴトウビル(マンション、商業施設等)友田町四丁目2020年春

 

特に教育に力を入れることで、子育て世帯や学生が住みやすいエリアへと変わっていきそうです。

人が増えれば、自然と商売も盛り上がりますから、土地価格も安定するのではないでしょうか。

 

4、結論:買うなら?売るなら?

 

以上のことから、和歌山市の土地価格は、

  • 人口減少、農地の宅地化によって、中心部と周辺部で二極化が進んでいる
  • 家を建てる年代は減っていくが、今後は中心部での再開発事業が進むため、中心部の賑わいが回復し、土地価格は安定するだろう

と言えるでしょう。

 

買うなら:安く買うには工夫が必要

本来であれば、低金利は家を購入するチャンスな訳ですが、ウッドショックによる建築費の高騰によって、家を建てるハードルが上がっています。

変動金利を選ぶ人が増えていますが、今後の金利上昇の可能性も考えると、むしろ、なるべく安く土地を探す方法を考えた方がいいかもしれません。

 

非公開物件=安い物件

また、不動産を売る理由はさまざまですが、「周りに知られずに売却したい」という売主は一定の割合でいます。

そのような物件は、ネット上にも出回らず「非公開物件」として、ある特定の住宅メーカーが取り扱っている場合があります。

 

非公開物件の理由

 

当然、このような物件は少ないお客さんにしか目にとまる機会がないため、相場よりも価格の安い可能性が高いです。

 

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売るなら:超低金利の今が1番のチャンス

ここまで下落を続けてきた和歌山市ですが、それでもこの低金利は、住宅を買う人にとって追い風でした。

金利が下がらなければ、土地価格はもっと下落していたでしょう。

 

しかし、この金利はこれ以上下がりようがありません。

また、消費税が10%に上がりましたので、一部のエリアを除いて、今が1番高い時期と言えるでしょう。

 

公示地価を信じると損をする?

この記事では公示地価をもとに解説していきましたが、公示地価は「その地域の平均的な価格」なため、実際の取引ではこれ以上に高く、または安く取引されることがあります。

 

例えば、和歌山市内に「栄谷(さかえだに)」という、和歌山大学前駅の周辺の住宅地があります。

 

この栄谷の公示地価と実際の取引価格は、

  • 公示地価:23万円/坪
  • 実際の取引価格:19〜28万円/坪

と、公示地価の約0.9〜1.2倍で取引されていました。

 

【和歌山市栄谷の公示地価】

和歌山市の公示地価

  • 和歌山大学前駅から1,400mの距離、徒歩約18分(1分=80m)
  • 69,600円/㎡ × 3.3(㎡/坪) =23万円/坪

(参考:国土交通省地価公示・都道府県地価調査)

 

【和歌山市栄谷の土地取引(過去2年間)】

和歌山市の土地取引

  • 和歌山大学前駅から徒歩20〜24分のエリアで、19〜28万円/坪で取引されている

(参考:国土交通省 不動産取引価格情報検索)

 

なぜ、これほど売却価格が変わるのでしょうか?

その理由は、不動産会社によって、持っている取引情報に差があるからです。

 

不動産取引は、株式市場のように、全ての取引情報を管理しているところがないため、

  1. 自社でどれだけ取引情報を持っているか
  2. どれだけ買い手のリストを持っているか?

で、評価額も、売れる金額も変わってくるのです。

 

持っている取引情報が違うため、評価額・売却額が変わる

査定額が違うイメージ

 

*REINSとは、不動産会社間でだけ共有できる物件情報・取引情報のサービスです。ただし、売主の承諾が必要なため、情報の共有率は、全体の取引の約11%程度となっています

(2022年実績:売り物件報告件数17.5万件 ÷ 土地取引件数152.5万件 = 11.4%)

 

また、不動産会社が持っている取引情報や、買い手のリストは、エリアや物件によって違いますから、いくつかの不動産会社に査定を申し込むことで、

  1. どれだけの評価額になるのか?
  2. どこの会社が、自分の不動産を高く売ってくれるのか?

を知ることができます。

 

そんな時に便利なのが、1度の登録で、複数社から査定をもらえる一括査定サービスです。

 

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※1 本記事では、いくつかのサービスのご紹介をしています。それぞれ、「イエウール(運営元 株式会社Speee)」「タウンライフ(運営元 タウンライフ株式会社)」の委託を受けて作成しております

 

 

 

 

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