この記事では、「30年続く共和党の一党独裁政権へ。民主党を再起不能にするトランプ」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
トランプ大統領は、1月20日に就任日から数えて、100日が経過しました。
世論調査では、過去最低ということですが、かなりのスピード感で、動いているように思います。
政府効率化省による、連邦政府の無駄遣いの暴露や、大規模な早期退職勧奨など、打ち出した後に、民主党から訴訟されて、足止めを食らったものもありますが、時間稼ぎにしかなっておらず、そのまま進んでいるものもいろいろと出てきています。
例えば、政府効率化省が暴いたUSAID、米国国際開発庁の数兆円規模のバラマキについては、結局予算の8割以上がストップし、組織は解体され、国務省に吸収されています。
このサイト(チャンネル)では、「トランプ政権が世界をひっくり返しそうだ」と直感して以降、多くの動画を出してきましたが、最近気づいたのが、
「これって、もう民主党の復活は、30年とか50年とか、そういう単位で無理なんじゃないか?民主党のエリートたちは、明治維新の後のサムライのような立場に追いやられたのではないか?」
ということです。
今回は、こう思った理由について、詳しく解説していきながら、日本への影響についても予想していきたいと思います。
それでは、参りましょう。
参考書籍
まず最初に、今回の動画を作成するにあたり、参考にした書籍を二冊ご紹介します。
①新しい階級闘争
一冊目は、マイケル・リンド教授の「新しい階級闘争」です。
リンド教授は、テキサス大学の公共政策について教えている教授で、アメリカが「大都市エリート」と、「土着の国民」とに分かれてしまった、ということについて、これまでのアメリカの歴史や政策などから解説しています。
これを読むと、民主党がどのような人たちの集まりになっていったのかが、理解できますし、トランプ氏が何と戦っていたのかがよくわかります。
②カウンターエリート
そして、二冊目が、石田健さんの「カウンターエリート」です。
こちらは、トランプ氏のような、メディアや既存の政治家から嫌われる政治家が、世界的に生まれてきている背景や、トランプ政権を支える人たち、そして思想について、詳しく解説されています。
今後のトランプ政権の政策の方向性について、イメージできると思うので、こちらもかなりおすすめです。
それでは、本題です。
2、民主党支持者の特徴
まず最初に、民主党政権の支持者の特徴について、押さえておきましょう。
わかりやすい大きな特徴として、4点挙げます。
(1)大都市に多い
1つ目は、大都市に多いということです。
今回の選挙結果を見ると、なんとなくイメージできると思いますが、ニューヨークやロサンゼルス、シカゴなどの大都市のある州は、ほとんどが民主党が地盤の州になっています。
(2)学歴が高い
2つ目は、学歴が高いということです。
学歴別に見てみると、現在、アメリカでは、大卒以上の学歴を持つ人が、有権者の4割近くになりますが、そのうち民主党支持者が55~60%ぐらいになります。
特に、大学教授の支持政党を見ると、ハーバードやイェール大学などの、一流大学の多くが、95%以上の教授が民主党支持となっており、学歴が高い人ほど、民主党を支持する傾向にあるようですね。
(3)政府職員に多い
3つ目が、政府職員に多いということです。
連邦政府職員の支持率を見てみると、省庁によって、多少色が違いますが、6割以上という結果が多い印象です。
特に、環境や福祉に関する省庁では、民主党支持者が多いようですね。
(4)IT、金融系に多い
そして、4つ目は、IT系や金融系では、民主党支持が多いということです。
これらの企業は、大都市に拠点を置いていることが多いため、自然と民主党支持に傾きやすいようですね。特に、シリコンバレーのIT系企業は、リベラル色が強いのも影響しているでしょう。
一方で、製造業やエネルギー関係の企業は、共和党が多いようです。
ということで、ざっとですが、民主党支持者の傾向を見てきました。
大都市の高学歴、特にITや金融系に勤めてたり、公務員に多いという感じですね。日本だと、東京や大阪に住んでる大企業や公務員みたいなイメージでしょうか。
オフィスでPCパチパチやってそうな人たちが、民主党支持層だと考えていいでしょう。
民主党の支持層の変遷
では、どのような歴史を経て、民主党の支持層は、このような形になったのでしょうか?
私のざっくりとした解釈ではありますが、解説していきたいと思います。
日本もそうなんですが、戦前から戦後、1970年ごろにかけてまで、先進国では、戦争の反省もあって、企業は経営者と労働者の関係は、かなり近しい関係にありました。
アメリカでは、1960年代まで、所得税の最高税率が90%以上となっていましたからね。儲かった人たちは、高い税金を取られて、社会に再分配を強制させられていたのです。
また、労働組合などの、各種圧力団体もたくさんありました。
そのため、政治はそれらの人たちの要望を受け止めて、妥協点を見出しながら決められていました。なので、労働者の権利も守られていましたし、簡単に首を切られるようなこともなかったのです。
ニクソンショックで、経済システムが変わった
それが変わったのが、1971年のニクソンショックです。これによって、アメリカは、現在のグローバル経済システムの方向へと舵を切りました。
つまり、米ドルでしか原油を買えないようにすることで、世界中の国々が、アメリカにものを輸出してくるように仕向けるようにしたのです。
これによって、米ドルを刷り散らかすだけで、簡単にアメリカはものを買えるようになった反面、製造業などの中間層が高い給料をもらえる仕事が、日本や中国などの、人件費の安い国々に負けるようになりました。
なので、儲かるようになったのは、初めは金融で、90年代からはそれにIT産業が加わるようになっていきます。
こうなると、アメリカでは、肉体労働者の活躍できる機会が減っていき、勉強ができる高学歴の人たちが行くような業界だけが儲かるようになっていきました。
民主党の支持基盤の労働者が弱体化
民主党の支持基盤は、1960年代までは、労働者でした。
ですが、ニクソンショック以降、製造業が負けて、海外に工場を移す企業が増えていくと、失業する人たちが増えていき、手も脚もでない民主党は弱体していきます。
そこで、起死回生を狙ったのが、移民の獲得です。
1980年代に入ると、移民の数が一気に増えていきました。
中南米の政情が不安定になって、難民として流入してくる人が増えたからです。
さらに、サンフランシスコが1985年に全米で初めて聖域都市を宣言し、連邦政府が市内の不法移民を取り締まれないようにしました。
このような動きは、全米各地の、特にNYやシカゴなどの大都市に広がっていったことから、そこに入ってきた移民が、助けてくれたことを恩に感じて、民主党支持層と形成していきました。
また、格差が拡大して、お金持ちが増えてくると、そういう人たちは余裕が生まれるので、社会貢献とか言い始めます。
「かわいそうな人たちに手を差し伸べる自分、カッケー」ということですね。それで、大都市のお金持ち、高学歴の人ほど、リベラルになっていきました。
これらに加えて、公務員も、リベラル系が増えていきました。
公務員も国民のために奉仕する仕事ですし、特に環境とか、福祉とか、そういう耳障りのいい仕事には、リベラルな人たちが多くなりやすいです。
特に、アメリカでは州や市などの地方公務員の数が増え続けてきましたが、約半数が教育関係と言われています。
教育関係には、日本でもそうですが、リベラル系の人が多いので、民主党支持者の割合が増えているわけです。
バイデン政権は、ムチャクチャやった
というわけで、ざっくりとですが、民主党支持者の内訳とその変遷について、見ていきましたが、バイデン政権では、これらの人たちがかなり暴走しました。
バイデン政権は、就任初日に大統領令で、トランプ氏が作ったメキシコ国境の壁を取り払う大統領令を出しましたが、これは、不法移民を増やすことで、民主党支持層を増やそうという狙いだったと考えられます。
これによって、1,000万人以上の不法移民がアメリカ国内に入ってきて、ニューヨークなどの大都市では、パンク寸前にまで行きました。
高級ホテルに移民を収容して、しかも現金の入ったデビットカードまで与えるという厚遇ぶりで、何のために税金取られているのか?わからない状況に陥りました。
また、昨年7月12日には、ペンシルベニア州でトランプ氏に対する暗殺未遂事件も起きました。その時の警備状況の杜撰さは、バイデン政権の故意の可能性が高く、トランプ氏は絶対に許していないはずです。
リベラルの方が、政治的暴力を容認するテロ予備軍
最近のアメリカの調査を調べてみると、リベラル層ほど、政治家に対する暴力が正当化されると回答している人が多くなっており、トランプ氏に対しては55%、イーロン・マスク氏に対しては48%と、かなりヤバい状況にあります。
そして、実際に、リベラル層による、テスラに対する放火は、まだ続いており、トランプ政権は、全米に広がっているこの活動について、国内テロと認定し、逮捕に乗り出しています。
そのため、トランプ政権は、これから徹底的に、民主党の支持層を地獄に突き落とそうとするのではないかとも思います。
3、トランプ政権が粛清するリベラル勢力
すでに具体的に動き出していることを元に、ご紹介していきます。
(1)DEI政策の撤廃
まず1つ目は、DEI政策の全面撤廃です。
トランプ氏は、大統領就任日初日に、連邦政府及び、関連機関におけるDEIプログラムを全面的に廃止しました。
DEIとは、多様性、公平性、包括性の略称で、要するに、白人男性以外の性別、人種の人たちを優遇して、採用や入試で採りましょう、という政策です。
これによって、能力や学力がついていかなくても、出世できる人が増えたため、やる気を失う人が増えて、社会に混乱を招いていました。
一番わかりやすいのが、今年起こった、LAの山火事です。
(参考:Fox News)
当時のLA消防局は、女性が4%程度しかいなかったのに、所長や研修局長、採用局長などが女性で、管理職の2割以上を女性が占めていました。
しかも、消防設備の予算に回すところを、多様性の研修とか、関係のないものに金を使っていたため、いざ山火事が起きた時に消化能力が足りなかったり、貯水槽に水がなかったりと、無能なせいで家を焼かれてしまった人がたくさん出たのです。
こんな感じで、本来あるべき機能や役割を果たさず、自分たちの権利を広げることしかしなかったルールを廃止してしまったんですね。
これによって、カルト宗教の伝道者みたいな人たちの仕事がなくなりました。その数は、数千人とも言われています。
また、このような研修を受け持っていたコンサル企業の仕事もなくなりましたので、全部でおそらく1万人以上の職が、あっという間になくなりました。
これらの人たちは、人権人権と言ってるリベラルな人たちなので、もちろん民主党支持者だったと思われます。
(2)リベラル大学を潰す
2つ目は、大学への補助金停止と免税資格の剥奪です。
ハーバードやイェールなどの私立の名門大学の教授陣を見てみると、95%以上が民主党支持者となっており、DEI政策を正義と掲げています。
そのため、トランプ政権は、これらのDEI政策をやめていない大学に対して、補助金の停止と、免税機関としての資格の剥奪を進めています。
トランプ氏は、選挙対策のWEBサイトで、オンライン大学の創設についても考えていると投稿していました。無料で使えて、しかも大学資格まで取れるというもののようです。
今のアメリカの大学の学費は、どんどん上がっていて、手が届かなくなっている人も多いですし、無理やり入って奨学金地獄になってしまうと、あとは、債務の奴隷になってしまいますので、ろくなことになりません。
しかも、現在の有名大学は、民主党支持のリベラル系の教授しかおらず、正義のためなら暴力も辞さずみたいな人も結構います。
なので、生徒をテロリスト予備軍にするような、ヤバい大学は、潰したほうがいいと思っているのではないかと思います。
(3)メディアへの攻撃
3つ目は、リベラル系メディアへの資金の打ち切りや、訴訟です。
アメリカにも、日本のNHKのような国営メディアがありますが、NPRやPBSなどの、公営のラジオ局や、テレビ局に対しての資金援助を凍結する大統領令に署名しています。
日本でもNHKがムカついていて、「どうでもいいことで金取るな」と思っている人は多いと思いますが、アメリカの公共放送も、トランプ政権や保守系から見ると、そのように見えるのかもしれませんね。
また、CBSという民放に対して、トランプ氏は、200億ドル、約3兆円もの訴訟をおこなっています。選挙戦中に、トランプ氏が不利になるような編集をしたということで、訴えたのです。
親会社のパラマウントは、支払い可能な金額まで値切って和解が成立したということですが、ABC newsでも、似たような訴訟を起こして、20億円以上を踏んだくっているので、今後トランプ氏への敵意剥き出しの番組を作っていくと、容赦無く訴訟に巻き込まれていきそうです。
(4)リベラル系の文化・芸術団体も廃止へ
4つ目は、文化・芸術団体への資金の凍結です。
全米芸術基金や、全米人文科学基金、博物館図書館サービス研究所などの、職員が数百名規模の小さな団体ですが、年間数百億円の予算が振り分けられています。
これらの大半が、リベラル系の支持者の住処になっているようなので、このような小さな団体を一つ一つ、しらみ潰しに潰していっているようです。
おそらく、日本でも特殊法人とか、独立行政法人のような形で、官僚の天下り先がたくさんありますが、そういう団体を潰していっているような感じなのでしょう。
(5)IT大手のリストラも激しくなってきた
そして、最近気づいた5つ目が、大企業のリストラです。
2023年ごろから、IT業界や金融業界でのリストラが始まっているのですが、今年に入って、トランプ関税が出されたことで、その傾向にさらに拍車がかかっています。
例えば、インテルは4月に、従業員の20%以上を解雇すると発表しました。インテルの従業員数は、約11万人ですので、2万人以上がリストラされることになります。
また、Googleでも、2月に25000人を対象に希望退職をオファーしています。
どれだけ応じているのかはわかりませんが、その後、AndroidやGoogleピクセル部門で数百名規模のリストラの発表がありましたので、何度かに分けて、数千から1万人をこえるリストラが行われる可能性があります。
メタやマイクロソフトでも、パフォーマンスが低い人たちを対象に、首を切りに行っています。メタでは、3000人以上、マイクロソフトでも、数千人規模での首切りが行われているようです。
こんな感じで、日本でも有名なIT企業の大手が、次々と人員削減へと乗り出しているのです。
2022年11月から2025年4月までの、米国企業のリストラ記事をまとめているこちらのサイトによると、約30万人の雇用が失われているようです。特に多いのがビッグテックですね。
そのため、アメリカでも、新規の大卒者の就職状況は、さらに厳しくなっていくと予想されます。
というわけで、トランプ政権による、民主党の支持基盤の攻撃、そして、根絶具合を見てきました。
これらの人たちの多くが、失業状態になりそうですし、移民も制限されるので、これ以上、民主党の支持基盤が増えることがないでしょう。
すでに極左系の支持者が、テスラ車を焼き討ちしたりと、かなり犯罪めいたことをやっているので、「トランプの方がまだマシ」と考える人がこれからさらに増えるように思います。
そのため、当分の間は、民主党が政権を取ることは難しいと思いますが、それでも30年とか50年という単位で、政党が変わらないなんてことがあり得るのでしょうか?
私はあり得ると思っています。
というのも、今回のトランプ政権が目指す方向性は、これまでの民主主義国家ではなく、一つの企業のような形態になる、と考えるからです。
これは、例えるなら、ガラケーみたいな不便な政府から、スマホみたいに快適な政府へと変えるようなものになるはずです。なので、今更ガラケーの民主党に戻る理由がなくなる、というわけです。
4、トランプが目指す国家の3つの特徴
では、具体的に、企業のような国家とは、どういうものなのか?
その大きな特徴を3つ、ご紹介します。
(1)民主主義の否定
1つ目は、民主主義の否定です。
現在の民主主義の国というのは、国民に主権があると言いながら、国民が豊かになれるような仕組みになっていません。
最もわかりやすいのが、格差の拡大です。
一部の人だけが得をして、それ以外の大多数の生活が苦しいなんて、もし、国を選べるなら、誰もそんな国を選びませんよね?
なのに、法律で決まってますから、公務員はこれだけ必要です。
天下り先の特殊法人も、独立行政法人も潰せません。
万博もしょうがないので、追加で支援します。
官僚の首を切ろうとしたら、司法が捜査に入ります。
みたいな、官僚がやりたい放題やってても、文句も言えないってどういうことですか?っていう話です。
なので、今の民主主義は、民主主義ではないのです。
選挙という儀式は行われていますが、税金の効果的な配分や、国家が豊かになるための政策ができなくなっているため、国民への還元がされていないのです。
日本の投票率は約54%、アメリカは65%ぐらいですから、日本では半分近く、アメリカでも3分の1の人が、誰が政治家になっても構わない、自分たちの生活が良くなるなら、別に文句は言わない、という人が、占めていると言えます。
なので、ちょっと乱暴に言えば、治安と景気が良ければ、大半の人たちは満足するのです。
トランプ政権に影響がある人たちの中で、特にこのような考え方を持っているのが、PayPalやパランティアなどのテクノロジー企業を経営する、ピーター・ティール氏です。
(参考:ケイトー研究所)
ティール氏は、ヴァンス副大統領の選挙支援をしたり、政府効率化省にスタッフを5名送ったり、それ以外の各省庁にも、上級職で送り込んでいるような、トランプ政権に大きな影響を与えているような人です。
では、なぜティール氏は、民主主義を否定するのか?
その理由は、まともな仕事で働かない人間に、投票権を持たせても意味がないからです。
たまに、専業主婦の仕事は、家事代行サービスなどで換算すると、年収500~600万円の価値がある、みたいな話が出てきますが、じゃあ、国民全員が専業主婦になったらいいんじゃね?という話にはなりませんよね。
外で稼ぐ人がいて、初めてこういう話が成り立つわけですから。
なので、外で稼ぐ奴の意見を政治に反映させるべきだ、というのが、ティール氏の考え方だと言えます。
ただし、ティール氏などのテクノ・リバタリアンと呼ばれる人たちが、裏でこっそりと考えている、この民主主義の否定ということは、国民を抑圧する独裁者になる、という意味ではありません。
どちらかというと、「俺たちが稼げる仕事を作るから、お前ら、ちゃんとついて来い!」みたいなイメージではないかと思います。
(2)政府機能の効率化
2つ目は、政府機能の効率化です。
日本でも、2021年からデジタル庁が発足してますが、私たち国民にとって、何か便利になったという実感はありません。
お役所の書類仕事が減れば、公務員の数が減ったり、官庁の数も減ったりして、減税もできると思うのですが、そういうところには遠く及んでいません。おそらく、当分こんな感じなのでしょう。
ですが、今のアメリカは、政府効率化省がこのデジタル庁が本来やるべきことをやろうとしています。政府の無駄の洗い出しと、システム化です。
例えば、アメリカの政府職員の退職手続きは、ペンシルベニア州のアイアンマウンテンと呼ばれる元は石灰岩の鉱山だったところにある、保管施設で行われています。
ここには、約1000人の職員が働いており、坑道を通って、施設に入ります。
こんな山奥の、さらに奥深い洞窟で働かされているため、1ヶ月間に1万人分の退職手続きしかできないのだそうです。
1000人働いているわけですから、1ヶ月間で、職員一人当たり10人分の退職手続きですよ?頭がおかしいとしか言いようがありません。
こういうことをどんどん効率化していけば、余計なことをして働く人も減りますし、税金も減りますし、本当に必要なことにお金を使うことができるようになります。
アメリカは、道路が穴だらけで、年間10億ドル、約1,500億円近い被害が出ているそうですが、こういうところにお金が回すことができるようになるわけです。
習近平政権が、なぜ維持できているのか?
例えば、中国の習近平政権に対して、その独裁的なやり方に対して嫌悪感を感じる人は多いと思います。そういう報道のされ方もしますしね。
ですが、習近平政権のすごいところは、官僚をバシバシ首を切っていることです。その数は、この12年間で約600万人とも言われています。
どんだけ腐敗してるんだよと驚いてしまいますが、共産党政権がひっくり返らないのは、こう言ったこともやっているからなのでしょう。
それと、中国では新型コロナ対策として、強烈な都市封鎖をやりました。
2020年から始まり、なんと2022年12月ごろまで断続的に続いていました。
ですが、あまりに長すぎるし、酷すぎるということで、国民が白い紙を掲げて抗議活動をしたところ、いつの間にかゼロコロナ政策も消えてしまいました。
これは、おそらく共産党が、この抗議によって、そろそろ国民もブチギレそうだと判断して、ゼロコロナ政策をやめたのでしょう。
中国に選挙はありませんが、こんな感じで抗議活動を世論調査のように捉えることで、政策を厳しくしたり、優しくしたりして、コントロールしているのだと思います。
また、プーチン大統領のいるロシアは、ソ連が崩壊して、腐敗していた官僚が追い出されてしまい、その後、プーチン氏が大統領になった頃には、だいぶ官僚制度のスリム化が進んでいたと考えられます。
1980年代のソビエトの官僚の数は、1800~2000万人程度と、労働人口の15~20%だったのに対して、現在は300万人程度と、労働人口の3~4%程度でしかありません。
トランプ氏と習近平氏、プーチン氏が、世界の三大皇帝のような扱われ方をすることがありますが、これは、独裁的な政治を行なっているというイメージだけでなく、官僚制度を縮小または、コントロールしているという共通点もあるんですね。
これはまさに、本社の無能な社員をリストラしながら、利益を上げていこうとする、経営者に近いスタンスに見えなくもありません。
次の大統領選挙で、民主党は、クビになった公務員や、移民に対して、政府が仕事を提供すると公約を出すでしょう。
ですが、それは、これまでの非効率な仕事をさせることにしかつながりません。
なので、共和党側は、「民主党に任せたら、またガラケー時代の、税金が高くて、道路が穴だらけの国に戻るぞ」と脅すでしょう。
アメリカ国民がどちらを望むのか?と言われたら、絶対に便利な方、税金が安い方を選ぶのではないかと思います。
(3)新しい産業を生み出す
3つ目は、新しい産業を生み出す、ということです。
ピーター・ティール氏が率いるベンチャー投資会社の、ファウンダーズ・ファンドのHPには、以前に投資戦略のコラムの中に、
「空飛ぶ車が欲しかったのに、手に入れたのは140文字でした」
という有名なフレーズがありました。
これは、IT技術は進化したけど、物理的な商品の進化は全然進まなかったよね、という不満を表したものです。
ティール氏は、不老不死を目指していて、そういう会社にも投資をしているそうですが、ヒトゲノムやバイオテクノロジーの技術は、政府の規制が厳しいせいで、なかなか進んでいません。
2003年にヒトゲノムは9割以上解析されたのに、残りの8%も解読完了したのは、つい2、3年前で、癌の治療薬のような画期的な新薬もできていません。
それ以外にも、コンコルドという超音速旅客機が、2003年で終わるまで、パリからNYまで3時間で行けていたのに、今は8時間かかると言われています。廃止された理由は燃費ということですが、それから20年間で、技術革新はなかったのか?
など、ティール氏から見れば、もっと国や大企業が、人と金を突っ込んで、じっくりと研究開発に力を入れれば、もっと偉大な発明ができていたはずだと考えているのです。
トランプ政権は、製造業の復活を掲げていますが、それは単に、人件費の安い国にあった工場をアメリカに戻すというだけではなく、先端技術でさらに生産性を上げるとか、革新的な発明を実用化することで、新しい市場を作るとか、そういうことを目標としているのでしょう。
再分配(官僚)の非効率さがバレた今、稼ぐやつに稼がせる段階へ
というわけで、ここまで、トランプ政権の国家像について、見てきましたが、相当に強引な印象を受けた人もいると思います。
「稼いでない奴に発言権はない」みたいな態度は、弱者を蔑ろにするのか!という声が、リベラルな人たちからは聞こえてきそうです。
ですが、弱者を守ると言って、その守らせられる人が、まともな生活ができなければ、社会が回るわけがないじゃないですか?それで行き詰まっているのが、今の日本です。
それに、人間の本性として、新しいもの、面白いもの、便利なものなど、自分にとって価値のあるものにしか、お金を払いたくないという性質があるので、しょうがないのだと思います。
例えば、テレビをつけたら、毎日ドラえもんやサザエさんしかやってなかったら、見なくなるじゃないですか?
映画でも、ゲームでも、新作が出るから、お金を払ってでも見たり、やったりしようとしているわけですし、誰かが新しい価値あるものを作るからこそ、お金が回っていくわけです。
では、お金が回らなくなるとどうなるのか?というと、犯罪が増えます。
日本では、ここ10年ぐらいで、高齢者をターゲットにした、特殊詐欺や闇バイトでの強盗が話題になってます。
高齢者はお金の使い道がないから、溜め込んでしまい、社会の中で、お金が回らないから、若い人は絶望して、一部の人がそうやって犯罪に手を染めてしまうわけです。
それを何とかするには、誰かが新しいサービスを作って、今まで溜め込んでいた企業や高齢者が気持ちよくお金を使えるようになることで、経済が回るようにしなければいけません。
なので、経済が成長しなければ、豊かになれない、という人がいますが、それはちょっと違うと思います。
どちらかというと、新しい商品やサービスが生まれて、使われてないお金が回らなければ、豊かにならないのだと思います。
5、基軸通貨システムの変化で、生き残る国家システムも変わる
というわけで、アメリカがこれから最低でも、30年ぐらいの長さで、共和党が政権をとり続ける可能性について、考察してみました。
私が思うに、民主主義国家から、企業のような国家へという流れは、アメリカが基軸通貨制度を実質的に否定したことで、準備が整ったと考えています。
これまで、米ドルを中心とした通貨制度の下では、各国は消費税を導入したり、非関税障壁として、制度を複雑化していくことで、アメリカからの輸入を抑え、アメリカに輸出して米ドルを稼ぐ必要がありました。そうしないと、原油を輸入できないからです。
このような状況は、例えるなら、アメリカというお母さんから、お小遣いをいかに踏んだくるかに、各国が知恵を使っていたようなものです。その悪知恵を働かせる役割が、官僚でした。
ところが、トランプ政権は、貿易赤字の解消を訴えて、相互関税をかけ始めました。
これは、今までの親子関係から、赤の他人同士の取引に変わったようなものです。
こうなると、互いにいい商品、いいサービスを交換し合う関係となるため、官僚の悪知恵よりも、前向きに工夫できる経営者が求められます。
なので、アメリカ以外の国も、このように変わっていかないと、他の国の商品・サービスに負けて、ジリ貧になっていくでしょう。
特に、日本や欧州などの先進国では、官僚の往生際の悪さが、これから目立つようになるでしょう。
政治系ユーチューバーの人たちは、自民党などの既得権益政党を取り上げるだけでなく、官僚の横暴についても取り上げていくべきなのでしょうし、選挙で選ぶべき政党は、官僚の権力を削る政策を掲げる政党なのでしょう。
その点、不倫スキャンダルを堂々と乗り切った玉木さんは、有望だと思いますね。
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