この記事では、新生銀行の住宅ローンについて、徹底検証していきます。
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新生銀行の住宅ローンの特徴
(1)金利
新生銀行の金利タイプは、大きく分けて3つあります。
- 変動金利タイプ(半年型)
- 当初固定金利タイプ
- 長期固定/ステップダウン金利タイプ
の3つです。
ただし、長期固定/ステップダウン金利タイプは、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」よりも明らかに高い条件なので、ここでは省略します。
① 変動金利(半年型)タイプ
他の銀行の変動金利をチェックしたことのある方ならば、「変動金利とは、半年ごとに金利条件が変わるけど、日本の金利が上がらなければ、このままの低金利で借りられるだろう。」と理解していると思います。
ですが、新生銀行の変動金利は違うのです。半年後に金利が変わらなければ、確実に上昇してしまうのです。
変動金利(半年型)タイプというのは、本当に「半年しか優遇しませんよ。」という意味なんですね。
②当初固定金利タイプ
もう1つが、最初に設定する固定金利が低いプランです。こちらも、固定金利期間が終わると同じ期間でも金利条件が上がります。
(2)手数料
一方で、新生銀行は、手数料が低いです。
例えば、借入金額が3,000万円の場合、他行では事務手数料または保証料という名目で、2.16%ほど取られますので、約65万円かかります。
これが新生銀行の場合は、5〜16万円で済むのです。
保証料 | 無料 |
事務手数料 | 54,000円〜162,000円 |
繰上げ返済手数料 | 無料。月々の返済は変わらず、返済期間が短縮される |
固定金利手数料 | 新規申し込み時に固定金利を選択した場合に、5,400円 |
ですから、「たとえ金利が多少高くても、手数料が低い分だけ相殺される」という理屈が成り立ちそうですが、借入金額の2.16%を金利の上乗せ分として計算してみると、下表の通りになります。
他行に比べて、どれだけ金利が高くてもペイするのか?
返済期間 | 2.16%を金利換算 | 返済期間 | 2.16%を金利換算 |
5年 | 0.845% | 20年 | 0.214% |
10年 | 0.425% | 30年 | 0.143% |
15年 | 0.285% | 35年 | 0.122% |
つまり、返済期間が短い場合には、手数料が安いことのメリットが大きくなりますが、返済期間が15年以上残っているのであれば、そのメリットはかなり薄れると考えていいでしょう。
さらに、新生銀行では、借入金額が500万円未満になると、さらに金利が上がるので、その点も含めて考えると、
「返済期間が10年ぐらいで、キャンペーンの5年固定金利を選択した上で、その間に必死になってなるべく繰上げ返済をする」
というケースでは、なんとか他行よりも有利に使えるかもしれません。
または、転売を想定している場合でも使えるかもしれませんね。
いずれにしても、短期勝負にメリットがある住宅ローンと言えます。
(3)その他の契約条件
その他、利用するための条件を一覧表にしましたので、確認してください。
年齢制限 | 20才以上〜65才以下、契約期間は最終返済時で80才未満 |
利用条件 |
・正社員・派遣社員(就業2年以上、前年度年収300万円以上) ・自営業(事業2年以上、2年平均年収300万円以上) |
使用条件 | 市街化調整区域内、都市計画区域外は不可 |
連帯保証人 | 必要なし |
(4)さまざまな保障がついた安心パックシリーズが安価
金融機関の住宅ローンは、金利以外のところでの差別化競争もかなり進んでいます。代表的なものは、「団体信用生命保険」だけではカバーできない「ガン保障」や生活習慣病に対する「就業不能保障」なのですが、新生銀行はこの点で他行との差別化を進めています。
それが安心パックシリーズです。
安心パックシリーズは、事務手数料54,000円にプラス54,000〜10,8000円するだけでつけられる安価なパッケージ保障なのですが、その内訳がこちらになります。
安心パック | 安心パックW | 安心パックS | |
①コントロール返済 | ○ | ○ | ○ |
②安心保障付団信 | ○ | ○ | ○ |
③病児保育サービス | ○ | ||
④家事代行・ハウスクリーニング | ○ | ||
⑤自然災害時債務免除特約 | ○ |
1つ1つ見ていきましょう。
①コントロール返済:繰上げ返済で苦しくなったら、返済を延ばせる
例えば、繰上げ返済で2年分返済期間が短縮できたとした場合に、その後生活が苦しくなってローンの支払いを減らしたいと思った時に、短縮させた2年分までは利息だけで済ませることができる、というサービスです。
住宅ローンの繰上げ返済は、月々の返済額を減らす方式ではなく、返済期間を短縮させる方式なので、支払い終えるまでは常に家賃以上の返済額を払わなければいけません。
そのため、繰上げ返済をしたくても、収入が減った時のことが怖くて、なかなか踏み出せない場合もありますよね。
その点、このコントロール返済が使えれば、月々の支払いを利息分だけで猶予できるため、積極的に繰上げ返済をすることができるのがメリットですね。
②安心保障付団信:要介護3以上になった場合に、住宅ローンがゼロに
この「安心保障付団信」は、要介護3以上に認定された場合に、住宅ローンの残高がゼロになる特約です。
要介護3とは、「立ち上がりや歩行、食事、排せつ、入浴の際に全面的な介助が必要である」という状態です。
2015年から特養老人ホームへの入居条件が要介護3以上になったことで、一気にハードルが上がりましたが、そういうレベルの介護状態になります。
不慮の事故で障害を追ってしまった場合の万が一の保障という位置付けになります。
③病児保育サービス:平日9:30〜18;30まで預かってくれる
こちらは、小学生までのお子さんが、保育園や学校で具合が悪くなった時に、専門スタッフが代わりに預かってくれるサービスです。
時間は平日9:30〜18:30までの利用となりますし、東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏のみのサービスになりますが、共働きでペアローンで支払っている方には便利なサービスですね。
④家事代行サービス・ハウスクリーニング
こちらも地域限定(主に大都市圏)のサービスですが、専門スタッフが家事代行をおこなってくれるサービスです。
病児保育サービスと共通で使えるクーポン制となっており、10年の有効期間となっています。そのため、5年後にお子さんが生まれて、6歳になった時に利用したい、と行った場合には使えないので注意が必要です。
なお、利用できるクーポンは、借入額に応じて下表のように変わります。
借入金額 | クーポン交付枚数 |
3,000万円以上 | 50枚 |
2,500〜2,990万円 | 40枚 |
2,000〜2,490万円 | 30枚 |
2,000万円未満 | 20枚 |
⑤自然災害時債務免除特約
こちらは、損害の規模に応じて、返済の免除を受けられる特約です。全壊から半壊まで、6〜24ヵ月分の返済が免除されるものです。
もちろん、これだけで全壊や半壊の全てをカバーできるわけではありませんが、月々の金利に上乗せするわけではなく、事務手数料54,000円にプラス108,000円するだけで、これらの保障パッケージを申し込むことができます。
というわけで、安心パック、安心パックW、安心パックSのいずれかを選ぶことで、これらのサービスを組み合わせることが可能になります。
金利型ではなく、5〜10万円プラスするだけで済むので、特に5〜10年以内で転売を目的とする場合には、こちらを活用するのはアリかもしれません。
結論:どんな人に向いているか?
新生銀行は、
- 事務手数料が安く、安心パックという安価な保障システムが充実している
- 5年固定金利が低い
といった点が優れている住宅ローンです。
そのため、
- 転売目的、または返済期間5〜10年の短期決戦を考えている人
にはピッタリの住宅ローンと言えるでしょう。
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