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日経平均、NYダウ暴落から考える今後の投資戦略について

株式市場コラム

この記事では、現在進行形で進んでいる日経平均株価、NYダウ平均の暴落の現状と、今後の投資戦略について、押さえておくべきポイントをご紹介します。

この記事で書かれていることは、あくまで当サイト運営者個人の見解です。投資をする際には、自己責任でお願いします。
 
 

1、投資家はすでに数年前から逃げ始めていた

margin debtとNYダウ

(データ出所:Yahoo finance, Finra

 

上のグラフは、NYダウと証拠金取引の残高(Margin debtと言います)の推移です。

証拠金取引とは、いわゆる信用取引のことで、短期売買が好きな投資家が、自分の持ち金を担保に数倍のお金を借りて投資をする方法です。

 

過去のITバブル、リーマンショックを見ると、株価のピークとともに証拠金残高もピークをつけていました。

ところが、今回のバブルでは、2018年の5月ごろにピークをつけてからは、この証拠金残高が急激に減少しているのですが、NYダウのピークは昨年12月まで続きました。

 

では、投資家が逃げ出していた2018年〜19年は、誰が買っていたのでしょうか?

1番大きく目立っていたのが、企業による自社株買い(Buybacks)でしょう。

自社株買いとは、企業がこれまで稼いできたお金を使って、自社の株を買うことです。何百億〜何千億円単位のお金で株を買うため、株価が上昇しやすくなるのです。

 

米国の配当(Diviends)、自社株買い(Buyback)は過去最高水準

アメリカ企業の自社株買い

(参考:S&P DOW JONES INDICES)

 

これが示すところは、

  • どんなに強欲な投資家であっても、これ以上借金をして大きなリスクをとって株を買うのは怖くなって、2年前から投資額を減らしていた
  • ちょうど証拠金取引が減ったタイミングで、企業の自社株買いが過去最高を更新し、受け皿となったため、株価が安定し続けていた

ということでしょう。

 

日本の投資主体別の売買動向を見ても、同じような傾向にあります。

東証一部上場の事業法人の株式買越額を見ると、2019年は過去最高を更新しています。

個人や海外投資家が売り越しに転じている状況で、唯一企業だけが買い向かっている状況なのです。

 

事業法人の株式買越額

(参考:JPX 投資部門別売買状況)

 

ちなみに、自社株買いの経済に対する効果は、全くないと言っていいです。

本来ならば、新製品を開発したり、社員のモチベーションを上げたりすべき利益を株主・株価上昇のために使っているわけなので、それで儲かった株主は贅沢品を買ったりすることができますが、一般人には何の恩恵もありませんからね。

 

そのため、日本では消費市場が停滞したままです。

しかも昨年10月に消費税が増税になったために、一気に消費が落ち込み、新型コロナでトドメを刺されようとしている状況なのです。

 

これは世界中でも同じような状況であり、だからこそ、トランプ大統領や、イギリスでボリス・ジョンソン首相が貧乏になった白人の支持を得て、当選をしているんですね。

 

2、新型コロナの影響は?

そして、このように株価を吊り上げるだけに終始してきた先進国の株式市場は、新型コロナウイルスで一気に経済が止まってしまいました。

現在、日本やヨーロッパ、アメリカの中央銀行が、必死になってお金を刷って株を買って買い支えようとしていますが、それでもどんどん下がっています。

 

日経平均の推移

(参考:Yahoo finance)

 

日本でも新型コロナウイルスに効きそうな薬の臨床試験が始まっています。

(参考:東京大学新聞「東大、新型コロナウイルス感染阻止が期待できる既存薬剤を同定」)

 

また、アメリカでもすでにワクチンの臨床試験が開始されていますが、実用化までには1年〜1年半程度はかかると見られています。

 

ワクチンの実用化までには少なくとも1年から1年半かかると、国立衛生研究所(NIH)の専門家は話している。

(参考:Business Insider「カメラが捉えた! アメリカで始まった、新型コロナウイルス ワクチンの臨床試験」)

 

臨床試験は通常、数年単位で時間がかかりますので、日本でも実用化には同じぐらいの期間はかかるのではないでしょうか。

そうなると、消費者の不安は払拭されませんので、現在のイベント自粛、休校の解除がされたとしても、感染が広がれば、また自粛が始まる可能性もあります。

そのため、全ての産業において、長期的な悪影響は避けられないと言えるでしょう。

 

新型コロナで悪影響を受ける業種は?

新型コロナの経済への影響が長期化するならば、具体的にどんな産業が危ないのでしょうか?

代表例をいくつかピックアップしてみます。

 

(1)百貨店

売り上げの影響が最も大きいのが、海外からの観光客による売り上げをあてにしてきた百貨店業界です。

特に中国人による「爆買い」が数年前に話題になりましたが、東京・大阪・札幌・福岡などではその恩恵を受けてきた分だけ、大きな影響が出ています。

 

大手各社の2月の売り上げ(前年比)を整理してみたところ、以下のようになりました。

 

 2月売り上げ(前年比)特に影響の大きい店
大丸・松坂屋−21.4%大阪心斎橋店:-45.5%、博多店:-18.4%
三越・伊勢丹-16.4%銀座店:-36.2%、札幌店:-24.9%
高島屋-11.7%大阪店:-25.6%
阪神・阪急-14.3%阪神梅田本店:-19.9%

(参考:各社HPより)

 

軒並み昨年の2月に比べて、1〜2割も売り上げが減少していますね。

その中でも、銀座、大阪、札幌、福岡などのインバウンド消費の旺盛なエリアほど、売り上げの減少が目立ちます。

 

特に札幌や福岡は、これまでインバウンド消費によって中心部の商業地での雇用が増え、周辺の駅近のエリアでも土地価格が大きく上昇してきた地域でした。

それが今回のコロナウイルスによって、買い物客が大きく減少しているわけですから、まずは商業地に対するホテルや商業施設の投資がストップするでしょうし、大きな影響が出るものと予想されます。

 

(2)交通インフラ

海外からの観光客が減少しているということは、航空便や電車の利用者が減少しているということでもあります。

国際線、JRの2月〜3月の状況をまとめてみました。

 

 2〜3月の状況
成田国際空港中国線の発着回数が23%減少(2/1〜2/22)
中部国際空港国際線が482便→255便(2月→3月)
関西国際空港国際線が51%減少(3/2〜3/8)
JR東日本新幹線利用者1割減少(2月)
全日空(ANA)3/29〜4/24まで国際線の56%を運休
日本航空(JAL)3/13〜19まで国際線が4割運休・減便

(参考:各社のコロナ関連ニュースより)

 

ご覧のように、空港各社では2〜5割の減便、JRでも1割減少となり、幅広く影響が出ています。

 

特に深刻なのが、航空会社ですね。

世界中で新型コロナの感染が拡大しているため、海外への渡航を禁止する国も増えていますから、リストラや一時解雇がどんどん進んでいるようです。

(参考:東京新聞「<新型コロナ>KLM2000人解雇へ 運航3割減に」)

 

また、航空機製造大手のボーイング社は、トランプ大統領になんと6.4兆円もの支援を要請しています。

これほどのお金を支援してもらえないと、会社が倒産する可能性がある、という状況なのです。

(参考:朝日新聞「墜落事故にコロナが追い打ち ボーイング、政府支援要請」)

 

(3)アミューズメント

3月2日から幼稚園、小中高校生の登校が自粛となり、それを受けて、子供たちに人気のテーマパークでも、閉鎖されています。

現在閉鎖されているテーマパークの状況は以下の通りです。

 

 3〜4月の状況
ディズニーランド4月上旬まで休園
ユニバーサルスタジオジャパン3月22日まで休園
サンリオビューロランド3月20日まで休園
スカイツリー3月15日まで臨時休業

(参考:各社のコロナ関連ニュースより *3/11調べ)

 

このように、お客さんに実際に外に出てもらわないと成り立たない商売は、かなりの悪影響を受けていますし、今後の決算で明らかになってくるでしょう。

 

逆にいい影響を受ける業種は?

それに対して、逆に業績に追い風の業界をいくつか挙げてみます。

 

(1)ネット通販

まず最初に思いつくのが、ネット通販でしょう。

リモートワークや休校によって自宅で待機する人が増えれば、その分だけ買い物を通販業者に依頼する機会が増えますからね。

 

実際、ネット通販の最大手であるアマゾンでは、注文が爆発的に増加しているため、追加で10万人の雇用を発表しています。

(参考:JBpress「アマゾン、新型コロナで10万人の追加雇用を急遽発表」)

 

そうなると、日本のネット通販でも、いい影響を受けそうな気がしますね。

 

(2)スーパー各社

また、なるべく外出を控えるようになると、飲食店の売り上げが減る反面、家で食べる機会が増えるので、スーパーやコンビニ、冷凍食品などの売り上げが増えているようです。

(参考:新型コロナ影響、スーパー各社の冷食販売が伸長も、在庫は現状「問題なし」)

 

今後も長期化していくとすると、景気が悪化して所得も減りますから、節約志向が進むでしょうし、1食200〜300円で食べられる冷凍食品の人気は今後も増えていくかもしれません。

 

(3)インターネット関連企業

ネット通販に限らず、インターネット上でサービスを提供している会社であれば、業績に対する影響は少ないでしょう。

具体的には、HPやブログを運営するために必要なサーバーやドメインなどを提供している企業などが挙げられます。

 

代表例として、GMOインターネット社がありますが、この会社は新型コロナウイルスが中国で拡大している、という報道を受けて、1月から全社員4000人に在宅勤務を指示したのですが、なんと売り上げにほとんど影響がなかったというのです。

(参考:IT media 「在宅勤務開始から3週間、業績への影響ほぼない」GMO熊谷社長 「そもそもオフィスは必要か?」)

 

これは、

  • 会社を運営する上で、リモートワークでも大丈夫
  • インターネット関連のサービスでは、利用者への影響が少ない

という2つの事実を示しています。

 

一方で、

  • 車のシェアリングサービスのUber
  • 部屋のシェアリングサービスのAirbnb(エアービーアンドビー)
  • オフィスのシェアリングサービスのWeWork(ウィワーク)

など、この2〜3年で有名になったシェアリングサービスは、外に出る人が減っているため、利用者が減少し、厳しくなっていきます。

 

そのため、「インターネット関連企業なら何でもOK」というわけではないので、事業内容をしっかり調べた上で投資先を探す必要があるでしょう。

 

3、(結論)今は買いなのか?

これは完全に私見なのですが、今はまだ買い時ではないと思っています。

というのも、今回の新型コロナの影響は、まだまだ長期化が予想されており、企業への影響がまだハッキリと明るみに出ていないからです。

 

世界各国の政府は、10〜100兆円規模の財政支出をすることで、国民にお金をばら撒いて景気の悪化を防ごうとしていますが、消費者がそれに応じるかどうかは未知数です。

今回の暴落の最中に、アメリカの中央銀行であるFRBが大胆な利下げを行い、株価を支えようとしましたが、全く効果がありませんでした。

 

その理由は、お金の使い手である消費者の気持ちが全く改善されなかったためです。

平時であれば、金利が下がれば住宅ローン金利も下がるので、家を買いたいという人が増えて、景気を押し上げるかもしれませんが、こんな時期に金利が下がったとしても、家を買いたいと思う人はいませんからね。

 

そのため、このような状況は当分続きそうなので、リーマンショックの時のように、「誰もが知っている大企業の倒産(の危機)が起こるのではないか?」と思います。

そうなれば、現在の株価水準を維持できるはずがありませんので、買い場はもっと先なのではないでしょうか。

 

と言っても、今年中に、そのような怖い状況は起こると考えられます。

というのも、企業は自社株買いや配当をバンバン出してきたため、内部留保(貯金)が少ない会社がかなり増えているからです。

 

ちなみに日本の企業は、内部留保が手厚い企業が多いので、あまり心配はないかもしれません。リーマンショックの時も、昔からある大企業はあまり影響がありませんでしたからね。

しかし、先進国の株価は、連動しているため、そのような事態が起これば、日本株も下がるでしょうし、その時こそ絶好の買い場が訪れるでしょう。

 

新型コロナが長期化するなら、ドルは買いか?

株式投資については、まだまだ買い場の到来は来なさそうですが、円ドル相場はこれから円安が進むかもしれません。

実際、今回の新型コロナショックで、株価は暴落している一方で、世界的にドル高が進んでいます。円ドル相場も110円台を乗せてきました。

 

新型コロナショックと株価・為替の動き

新型コロナショックと日経平均と円ドル相場

(参考:investing.com)

 

*ドル指数とは、ユーロや円などの世界中の通貨に対して、米ドルの価値が高いか低いかを示す指数

 

過去の暴落局面を見てみると、リーマンショックの時は、逆に円高が進みました。

なので、当時を知っている投資家は、「なんで円安が進んでいるんだ?」と違和感を感じているようです。

 

リーマンショックと株価・為替の動き

リーマンショック前後の株価と円ドル相場

(参考:investing.com)

 

なぜ、リーマンショックの時に円高になったのかというと、それ以前から世界中の投資家が日本からお金を借りて投資をしていたからです。

というのも、リーマンショックが起こる直前までは、日本の金利が他の国と比べて低すぎたからです。

 

そのため、金利の低い円を借りて海外の資産を買い漁る「円キャリートレード」と呼ばれる取引が行われていたワケです。

それが、株価の暴落を受けて、借りたお金を返さなければいけなくなったため、ドルから円にお金が移り、円高となったのです。

 

ですが、「株価暴落と円高」がセットになることが、あるべき姿とは限りません。

20年前に起こったITバブルの崩壊時の株価と為替を見ても、株価暴落時には円安に進んでいきました。

 

ITバブル崩壊と株価・為替の動き

ITバブル時の株価と円ドル相場

(参考:investing.com)

 

で、今回についていえば、新型コロナウイルスが起こるまでにも、世界各国の金利はとても低い状況にありました。

そのため、日本円を借りて投資をする投資家は少なかったものと思われます。

 

また、今回の新型コロナウイルスは、長期化が予想されていますし、世界各国が渡航制限をしているため、世界中の貿易が停滞していくでしょう。

そうすると、海外で展開しているトヨタやコマツなどの、外貨を稼いでくれる企業の売り上げも下がり、海外から入ってくる外貨(ドルやユーロなど)も減ります。

ドルを円に替える量が減れば、円安が進みやすくなる可能性が高いのではないでしょうか?

 

ドルを買うなら、為替手数料が安いFXがオススメ

ドルなどの外貨へ投資をするというと、まず思い浮かぶのが米ドル紙幣を持つことでしょう。

リーマンショック当時は、いずれ旅行で使うからと、ドル紙幣に換えられる両替店にたくさんの人が並んでいたのを見たことがあります。

 

ですが、紙幣への両替は、手数料が高く、あまりオススメはできません。

また、銀行の外貨預金や、証券会社の外債、外貨MMFなども手数料が高いのがネックですが、FXであれば、為替手数料がほとんどかからないので、値上がり分がまるまる利益になるのでオススメです。

 

 手数料(スプレッド)
三菱UFJ銀行(窓口)1円
三菱UFJ銀行(ネット)25銭
野村証券(外貨MMF)50銭(10万ドル未満)
外為ジャパンFX0.2銭

 

「FXは怖い」というイメージを持たれている方もいますが、それは少額のお金を担保に、何十倍もの金額を取引しようとするためです。

例えば、10万円入金したら、1,000ドル程度の入金額と同じ分だけドルを購入すれば、銀行でドルを購入するのと変わりませんので、少額で、低リスクで投資を行うことも可能です。

 

特に、こちらの外為ジャパンのFX取引は、他のサービスでは10,000ドル単位での大きな取引単位になるのに対して、1,000ドル単位で取引ができるので安心ですし、スマホで簡単に申し込みもできるので便利です。

 

 

為替に興味があって、少額からはじめてみたい方は、こちらを利用してみてはいかがでしょうか。

 

この記事で書かれていることは、あくまで当サイト運営者個人の見解です。投資をする際には、自己責任でお願いします。
 
 
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