今回の動画は、「米イラン和平合意。イギリスが潰れてないので、戦争が終わるわけがない説」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
6/14日の日曜日に、トランプはイランとの和平合意が成立し、ホルムズ海峡の開放を承認したと発表しました。

仲介役のパキスタンの首相や、交渉相手のイラン外務省も同様の発言を行ったため、とりあえず、これまでのようなブラフではなく、話が進みそうな模様です。
和平合意の調印式は、6/19日にスイスで行われる予定で、ホルムズ海峡を商業船舶が通過するのは、それ以降になる見込みです。
今のところは、両者の和平合意を受けて、船舶が大挙してホルムズ海峡を通過しようとしているわけではないようです。
このチャンネルでは、10日ほど前にイラン戦争が長期化しそうだという動画を出しましたが、またまた外れたことになります。
以前に、石破首相は退任しないとか、小泉進次郎が勝つとか、アルゼンチンのミレイが負けるとか、予想しては見事に外して、照れる思いをしてきましたが、今回のハズレは、今のところ、やっちゃったー!とは思ってません。
というか、これまで国際政治を追っかけている人であれば、今回の和平合意をそのまま鵜呑みにする人はいないのではないでしょうか?

それで、もちろん、イスラエルはこれに反対しています。
日曜日に行われた和平合意宣言は、当日にイランとの協議の上で出されたのですが、まさにこの当日に、イスラエルがレバノンを攻撃して、協議が数時間遅れることとなったのです。
今回の和平合意には、レバノンとの停戦も含まれていましたので、イスラエルが攻撃したことで、まさにそれを邪魔する格好となったわけです。
トランプが、ネタニヤフに対して、「お前は何を考えているんだ!」とブチギレて、やめさせたので、なんとかことなきを得ましたが、この一件を見ただけでも、今回の和平合意が相当に危うい状況なのがわかりますよね。
なので、おそらく、みんなこれで終わりだとは思っていないでしょうし、数ヶ月停泊中のペルシャ湾内のタンカーを外に出して、乗組員たちを救出するという、人道的な意味合いでしかない可能性すらあります。

そして、最近はイギリス・ディスり芸人としての自覚が芽生えてきた私としましては、イギリス潰しが終わってないのに、イラン戦争が集結するわけがないという確信もありまして、じゃあ、今回の和平合意はどんな意味があるのか?ということについて、あれこれ考えてみたんですが、ちょっと面白い動きがあったので、この点について、ご紹介していきます。
それでは、参りましょう。
2、アメリカとイランが茶番の戦争をやってきた証拠

まず最初に、今回のイラン戦争は、どこかのタイミングで、イランとアメリカがグルになったという疑惑について、考察してみたいと思います。
4月28日に、アメリカのベッセント財務長官は、イランの油井、地中から原油を汲み出す井戸みたいな施設のことですね。この油性が、まもなく崩壊するだろうとXに投稿し、その後、5月頭にもテレビのインタビューに対して同様の発言をし、数週間もすれば、崩壊するという予測を披露していました。

油井というのは、例えるなら、右下の画像のような灯油を入れるためのポンプみたいなもので、一度、赤い部分を押して空気を抜くと、その後は、何も手をつけなくても、空気圧の関係で灯油が流れるような仕組みになっているのと同じように、
油井も、空気圧を利用して、汲み出しているため、ずっと原油が汲み出される状態になっています。
なので、一度止めると、地中内の油田の空気圧が変わってしまうため、自動的に原油が汲み出せるようになるまでに、何ヶ月も時間がかかるとか、下手をすると、そこの場所から汲み出すことができなくなることもあるようです。
現在も一応、ホルムズ海峡は封鎖されている状況ですから、イラン船籍が外に出ようとすると米軍に拿捕されてしまいます。
そのため、イラン国内の原油貯蔵施設が満杯になって、これ以上補完する場所がないから、油井を一度止めるしかない、だったら、この油井はぶっ壊れるよね、ということで、ベッセント長官は、あと数週間ぐらいだろうと予測したのです。
ところが、その予測から2ヶ月近く経った現在においても、イラン国内の油井が止まったとか、壊れたと言った話は全く出てきません。
貯蔵施設を増やすなどの対策は、いろいろしているのでしょうが、外に原油が出せないわけですから、そんな付け焼き刃な対策だけで乗り切れるとは思えません。
これは一体どういうことなのでしょうか?

その理由として、一番スッキリと納得できるのが、アメリカとイランが、どこかのタイミングでグルになったことで、タンカーを外に出せるようにした、ということでしょう。
海事データ会社のケプラーによると、3/1~5/19までに、895隻がホルムズ海峡を通過したと発表しています。これは、1日平均11隻という計算になります。
そして、そのうち300隻以上が、自動船舶識別装置AISをオフにして航行することで、アメリカ、イランの封鎖から抜け出したということです。
しかし、アメリカとイランの監視を潜り抜けることなんて、本当に可能なのでしょうか?しかも、捕まったり攻撃されたら、無保険なので補償もありません。
そのように考えると、アメリカとイランがグルになって通していたと考えるのが、最も筋が通っているように思います。
さらに、トランプも6/11に、自身のSNSの投稿で、5月に秘密作戦を行ったことで、200隻以上、1億バレル以上の原油がホルムズ海峡を通過したと発表しました。

ホルムズ海峡周辺は、イランの支配地域であり、これまで米軍はそれより外側のエリアに停泊しています。なので、横幅が最も短いところで30kmほどしかないホルムズ海峡をイランの監視を潜り抜けて、邪魔されずに何百隻も通れるはずがありません。
メディアもこの作戦を「そんなことってある?」と不審がって、検証記事なんかを出したりしています。
しかし、これもイランとアメリカがグルならば、簡単にできますよね。

それで、原油価格を見てみると、こちらは北海ブレント原油の今年1月からの価格の動きですが、イラン戦争開始から、5月頭ぐらいまでは、110ドルを超える時も何度かあって、高止まりしていましたが、6月に入ってからは、一気に下落して、現在80ドル代前半にまで落ちてきています。
戦争当初は、150ドルとか200ドルも超えるという分析がちらほら出てましたが、結局蓋を開けてみれば、そんなことはなく、むしろ下落傾向にあります。
これなんかも、アメリカとイランがこっそりとホルムズ海峡を通していることがバレてきたために、原油需要が逼迫することはなさそうだと見る投資家が増えているからではないでしょうか?
それで、私としては、アメリカとイランはグルになってる、または、すでにイランが降参してて、アメリカの言いなりになっていると思うのですが、このようにホルムズ海峡を中で何が起こってるのかよくわからない、ブラックボックス化している理由は一体なんでしょうか?

直接的な理由としては、2つ考えられます。
1つ目は、ロンドンの海上保険を機能不全にするということです。
今回のイラン戦争が始まって、ロンドンの保険市場は、ホルムズ海峡向けの戦争リスク保険の引き受けから撤退しました。
そのため、ペルシャ湾内のタンカーがホルムズ海峡から出れないのは、アメリカとイランが戦争中だからだ!という主張が大勢を占める一方で、いやいや、保険の引き受けてがいなくなったから、海上輸送ができなくなってんだよ!という分析もちらほら出てくるようになっています。
現在、これをアメリカの保険会社が代替保険を提供するとか、イラン側が格安でホルムズ海峡の航行を保証するとか、それぞれが、こっそりやってるようです。
これによって、イギリスによる原油や海上保険の支配体制を突き崩そうとしていると考えられます。
そして2つ目は、ホルムズ海峡経由の原油が、欧州にいくのを邪魔できる、ということです。
アメリカとイランがグルならば、欧州向けの船舶だけを通さないということも可能になります。
欧州は、ウクライナ戦争でロシアと徹底抗戦の構えをとっていますので、ロシアも天然ガスの欧州向けの輸出を停止したり、カザフスタン産原油のロシアを経由するパイプラインでの輸送を止めたりと、欧州へのエネルギー供給を止めることで、兵糧攻めを行っている最中です。
ここにホルムズ海峡からの原油や天然ガスも止まれば、さらに欧州のエネルギー事情は、苦境に陥ります。
イギリスを潰したいトランプとしては、欧州にも似たようなグローバリストがたくさんいますので、一緒に葬るためにも、ホルムズ海峡をブラックボックス化するメリットはたくさんあるのです。
このように考えていくと、トランプとしても、イラン戦争はまだ終わってほしくないというのが、本音ではないかなと思いますね。

そして、そんな時に便利なのが、イスラエルです。
イスラエルは、和平合意当日にレバノンに爆撃を行うなど、相変わらずの乱暴者を演じていますが、すでにアメリカとイランが覚書を締結した後も、イスラエルはレバノンから撤退しないと、政府高官が発言しており、いつでも、戦争を再開するために待機中の状況です。
イスラエルがアメリカを振り回しているという批判をよく見聞きしますが、私から見ると、今回のイラン戦争については、トランプがイスラエルという暴れん坊を利用して、長期化させようとしているように見えますね。
3、今回の和平合意の目的は何か?

というわけで、ここまで、イランとアメリカが実はグルで、こっそりとタンカーを通してやることで、中東やアジアにあまり迷惑をかけずに、ロンドンの金融支配潰し、欧州潰しをやっていると考察してきました。
しかし、今回の和平合意は、これまでやってきた長期化の狙いから反します。
では、一体、どういう理由があるのでしょうか?
この10日間で新しく出てきた情報を見ると、なかなか面白い展開になってきていることが1つありました。

それが、オマーンをはめる準備です。
ホルムズ海峡の南側は、ムサンダム半島と呼ばれ、オマーン領に属しています。
こちらの地図の、緑色のエリアがオマーン領なのですが、飛地になってることがわかりますね。
オマーンは1971年にイギリスの植民地から独立していますが、その前年の1970年にイギリスの秘密部隊が、このムサンダム半島に住んでいるシフ族を拷問して、オマーン王政の傘下に入るように屈服させました。
そして、このムサンダム半島には、イギリスの秘密基地があると言われており、いざとなったら、ホルムズ海峡で工作して大混乱を起こせるポジションを確保しています。
2021年にイギリスとオマーンは、このムサンダム半島で合同軍事演習も行っていますし、2019年にはウィリアム王子が、このムサンダム半島を訪問、視察しています。

ムサンダム半島は、香川県ぐらいの広さの領土ですが、人口が3万から5万人ぐらいしかいません。そんなスカスカな場所に、わざわざイギリスの王族が訪問するというのは、秘密基地があるからでしょう。
そして、現在のトランプ政権は、中東からの撤退を検討していますので、もし、アメリカが中東から撤退した後に、イギリスがそのまま居着いていたら、その空白をイギリスが埋めてしまい、中東の正常不安を引き続き煽り続けることになります。
なので、今まで散々、米軍を駐留させ、人も金も浪費してきた中東から出て行きたいトランプとしては、イギリスを中東から追い出さなければいけません。
それを実際に意思表明したのが、先月5月末の、オマーンを爆撃する発言です。

イラン戦争が始まって以降、オマーンは比較的中立的な立場を維持してきました。
それなのに、トランプはオマーンはイランとグルになってるから、爆撃して、焼きを入れてやらにゃあ、あかんと言い始めたのです。
これは完全に濡れ衣だと思うのですが、そこでイランがオマーンを支持する!と悪ノリして参戦してきたので、余計にややこしいことに巻き込まれてしまった感じになったのです。
そこで今回の和平合意です。

今回の和平合意のために、60日間の停止期間が設定されているのですが、この期間が明けた後には、イランがなんとオマーンと一緒に、ホルムズ海峡通過のための料金徴収を行うと表明したのです。
トランプは、これまでイランが通行料を徴収することを非難してきました。
イランに通行料を払った船舶は拿捕すると脅して、実際に何隻か拿捕したり、攻撃したりしています。
そんなブチギレ条件の中に、イランがオマーンを巻き込んだのです。
この通行料の支払いの件については、今後のアメリカとイランとの交渉の中で、平行線を辿る案件の1つと言われていますので、ここでトランプがブチギレれば、オマーンのムサンダム半島を攻撃するのではないでしょうか?
では、なぜこんなやべえイランからの提案をオマーンは即座に否定しないのでしょうか?

オマーンは、イランからのホルムズ海峡の共同管理提案に対して、何の反応も示さないということで、元米国大使が「オマーンの姿勢は不可解だ」とインタビューに語っています。
これはおそらくですが、オマーンがすでにトランプに屈しているからでしょう。
イギリスの追い出し作戦だとわかっていて、すでに参加しているため、イランからの提案に何も言わないのではないでしょうか?
また、今回の和平合意は、湾岸諸国からも温かい目で見られています。

UAEは表向きは否定していますが、イランに30億ドルの資金提供をしたとか、200億ドルの凍結資産を渡すことを約束したとか、そんな報道も出てきてますし、カタールなどの他の国も、イランの再建支援を表明しています。
イラン戦争で、カタールやUAE、サウジなどの湾岸諸国は、イランからの攻撃を受けて、ドバイなどの大都市や、空港、製油所、ガス生産施設など、結構な被害を受けてきましたが、それを水に流して、仲良くやってこうよ、みたいな雰囲気が生まれているのです。
なので、オマーンがイランから差し伸べられた手を振り払えるような雰囲気ではないように思います。イギリスがオマーンに否定しろと迫っても、「いやあ、この雰囲気では断れませんよ」と言い訳ができる環境にもなっているように思いますね。
というわけで、今回はイランとアメリカの和平合意の行方について、考察してみました。

現在多くのメディアが、今回の和平合意がうまくいくかどうか?について、疑いの目で見ています。
大きくは3つのハードルがあって、
1つ目は、ホルムズ海峡の通行量についてですね。
2つ目は、レバノンへの攻撃をイスラエルが止めるか問題です。
そして3つ目は、核開発の停止です。
特に2と3は、イスラエルが邪魔したい案件なので、このまま合意が進む可能性はかなり低そうだなと思います。
ただ、トランプとしては、中間選挙もありますから、「俺は頑張ってるんだ!」アピールは必要ですから、こんな感じの自画自賛的な合意は、これから何度も行われるのではないかと思いますね。
今後も、イラン戦争の行方は、定期的に考察していきたいと思います。







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