この記事では、仙台市がこの10年間で、どのように変化してきたのか?そして、これからどんな街になっていくのか?について、各種データをご紹介しながら、考察していきます。
1、仙台市の人口
(1)仙台市の人口推移
仙台市の2013〜23年までの10年間の人口・世帯数は、約2.9万人の増加をして106.7万人、約6.2万世帯増えて、53.8万世帯でした。
(参考:総務省 「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)
年代別の人口変化
年代別に見てみると、50歳以上で増加しているものの、それ以下の世代では減少していました。
(参考:総務省 「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)
なお、高齢化率(65歳以上の人口)は、約24.8%と、全国平均の28.4%を下回っています。
地区別の人口変化
では、具体的に、どのあたりで増加・減少しているのでしょうか。
2018〜23年までの5年間で、人口が50人以上増加・減少している地区を調べた結果がこちらです。
仙台市の地区別の人口変化(2018.1〜23.1)
赤色(+300人以上)>オレンジ色(+100〜299人)>緑色(+50〜 99人)>青色(-50〜 -99人)>紫色(-100人以上)
全体的に増加している地区が多いですが、仙台駅などの中心部に、増加している地区が多く見られますね。
その一方で、愛子駅や、泉中央駅、陸前高砂駅などの、郊外の駅周辺でも増加しているところも見られます。
駅周辺には、大きめのマンションが作られることがあるため、人口が大きく増加しやすい傾向にあります。
(2)仙台市の転入超過数
人口が増加している仙台市ですが、市外からの移住してくる人はどの程度のなのでしょうか?
転入超過数(仙台市に引っ越してきた人から、出て行った人を差し引いた数)を見てみると、毎年2,000〜3,000人規模で増加していました。
特に2022年は、6,000人以上も増加していました。
では、その内訳は?
というと、毎年増えているのは、15〜29歳と、外国人が多いですね。特に2022年は、新型コロナが収まってきて、渡航制限が解除されたこともあって、外国人の移住が大きく膨らんでいます。
年代別の転入超過数
また、外国人の移住は増えているため、仙台市の外国人は、5年前から比べて約2,200人増加して、2023年現在で約1.5万人います。
実数 |
18年比 |
|||
人口 |
世帯数 |
人口 |
世帯数 |
|
日本人 |
1,052,735 |
527,265 |
+4,715 |
+29,888 |
外国人 |
14,751 |
10,319 |
+2,226 |
+2,043 |
合計 |
1,067,486 |
537,584 |
+6,941 |
+31,931 |
(参考:総務省 「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)
仙台市では、中国やネパール、韓国、ベトナムなど、東アジア・東南アジアからの人が多いようです。
外国人の移住は、毎年増加していますので、今後も増えていくと予想されます。
(3)仙台市の人口予測
国立社会保障・人口問題研究所が、2023年に発表した仙台市の人口の見通しによると、2025→35年の10年間で人口は約2万人減少するそうです。
市外からの移住が増えているものの、高齢化も進んでいるため、全体としては人口が減少するようです。
仙台市はこれから10年で約2万人減少
(出典:国立社会保障・人口問題研究所 「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」)
また、高齢化率(65歳以上)は、2025年には約25.1%、10年後の2035年には28.8%、2045年には34%を超えます。
仙台市の高齢化率は、これから10年で3割近くになる
(出典:国立社会保障・人口問題研究所 「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」)
他の町に比べて、高齢化率は低めですが、それでも高齢者の割合は増えていきそうです。
2、仙台市の住宅事情
(1)仙台市の新規建設戸数
仙台市の新規建設戸数は、ここ10年で見ると、戸建ては少しずつ減っていますが、マンションは、年ごとに波があるものの、ほぼ横ばいとなっています。
(2)仙台市の空き家率・空き家数の内訳
仙台市で、「未利用」状態の空き家は、2018年時点で約1.6万戸あり、全体の約2.8%が空き家となっている状況です。
(参考:国土交通省 「平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果」)
このデータは2018年までのものなので、この5年間でどのようになっているのかが気になるところです。
仙台市は、中心部と郊外の駅周辺で人口が増えていますが、中心部から少し離れた住宅地では、あまり増えていません。
そのため、もし空き家が増えているとすれば、この辺りでの増加と考えられます。
3、まとめ
というわけで、この10年間の仙台市の人口の変化をまとめると、
- 若い世代や外国人の移住が増えているものの、高齢化は進んでおり、今後もさらに進む
- この10年で人口は増加傾向にあったものの、高齢化が進むことで、これから10年で人口は減少に転じる
と言えるでしょう。
なお、このサイトでは、仙台市の不動産に関する記事も書いております。ご興味のある方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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