(画像出典:wikimedia commons Daisuke Saito, Sunny Sky)
この記事では、江戸川区の
- 新築のマンション価格
- 中古マンション価格の動き
- マンション価格の今後の見通し
の3点について、詳しく解説していきます。
1、江戸川区のマンション価格
(1)新築マンション価格
*2021年12月現在
*面積・価格は概算(100万円単位)
マンション名 | 価格(万円) | 面積(㎡) | 最寄駅(徒歩) | 総戸数 | 入居時期 |
---|---|---|---|---|---|
イニシア新小岩ローレルコート | 3,400-5,900 | 71-81 | 新小岩(バス11分) | 121 | 2023年2月 |
ガーラ・レジデンス船堀プロムナード | 3,600-5,200 | 54-72 | 船堀(19分) | 30 | 2023年3月 |
ガーラ・レジデンス葛西アヴェニュー | 3,900-5,900 | 63-71 | 葛西(15分) | 24 | 2023年9月 |
パークホームズ船堀 | 4,900-6,700 | 68-80 | 船堀(9分) | 78 | 即入居可 |
リビオシティ西葛西親水公園 | 5,748-6,698 | 71-80 | 西葛西(11分) | 282 | 即入居可 |
プレシス船堀 | 3,990-5,390 | 55-71 | 船堀(9分) | 23 | 2022年9月 |
サンクレイドル小岩II | 4,200-5,600 | 67-73 | 小岩(13分) | 49 | 2022年9月 |
ローレルコート瑞江 | 6440 | 75 | 瑞江(6分) | 62 | 2023年2月 |
イニシア東葛西テラス | - | 64-78 | 葛西(16分) | 65 | 2023年3月 |
ブリシア一之江 | 4,198-5,498 | 65-75 | 一之江(14分) | 65 | 2022年7月 |
ソルフィエスタ船堀 | 4,998-5,598 | 63-70 | 船堀(9分) | 23 | 即入居可 |
A-HOUSE Koiwa | 3,800-4,800 | 56-71 | 江戸川(5分) | 21 | 即入居可 |
ファインスクェア平井 | 4,999-7,500 | 60-87 | 平井(7分) | 22 | 2022年8月 |
サンクレイドル平井III | 5,698-6,498 | 63-71 | 平井(6分) | 30 | 2022年5月 |
プラウドタワー小岩ファースト | - | 67-75 | 小岩(1分) | 233 | 2022年6月 |
プラウド瑞江 | 6118 | 72 | 瑞江(1分) | 99 | 2022年3月 |
シティハウス平井 | - | 67-81 | 平井(8分) | 319 | 2023年5月 |
プレミスト新小岩ルネ | - | 65-79 | 新小岩(17分) | 122 | 2023年7月 |
A-HOUSE小岩 | 4698 | 71 | 江戸川(5分) | 21 | 即入居可 |
(参考:スーモ)
(2)中古マンションの取引価格
ご覧の通り、新型コロナの拡大で緊急事態宣言が行われた2020年4〜5月にも大きく下落することなく、その後は回復・高値を更新し続けています。
2、なぜ江戸川区のマンションは、これほど上昇しているのか?
今後の予想をする上で、これまで上昇してきた理由を知っておいた方がスッキリ理解できます。
なので、これまで上昇してきた主な理由を3つ、解説します。
①金利が低下して、同じ返済額でも約2割高い物件を買えるようになった
そもそも、今回の土地価格の上昇のきっかけは、金利の低下です。
ご覧のように、2013年4月以降、日銀が国債を買い占める、異次元緩和政策を行うことで、金利を下げてきました。
日銀が国債を買い占めて、金利を下げた
(参考:ARUHI住宅ローン フラット35金利の推移 財務省 国債金利情報)
ザックリ言うと、この8年間で買い手は、同じ返済額で2割高い物件を買えるようになったということです。
例えば、フラット35で期間35年・月々の返済額が10.4万円とした場合、購入できる不動産は3,000万円から3,500万円まで上がったのです。
同じ返済額で購入できる物件価格が2割上昇した
月々の支払額は増やさずに、約2割高い物件を買える。しかもその物件が人気化しているとなれば、値段が高くても買おうとする人は増えますよね。
そのため、人気のエリアほど、土地価格が上昇してきたのです。
②人口が増えている
また、この8年間で、江戸川区の人口は約2万人増えてきました。土地価格の上昇は、金利だけでなく、人口の増加も追い風となっていたのです。
(参考:東京都の統計「住民基本台帳による東京都の世帯と人口」)
しかし、コロナ後に関して言えば、約4,000人の減少をしています。
住宅地の土地価格が前年比0.5%しか下落していないことから、その多くが、賃貸住まいの学生やアルバイト、外国人の方だったと考えられています。
③新築マンションの販売が減っている
さらに、新築マンションの販売戸数は年々減っています。
昨年は新型コロナの影響もあって、新築マンションの販売戸数が大きく減少しましたが、今年に入ってからも、新築マンションの供給は回復していません。
人口が増えているのに対して、販売戸数は減っていますので、どうしても買いたい人は、多少価格が高くても買ってしまいます。
特に、新型コロナ以降は株式市場が好調なこともあって、金融資産の多い富裕層による購入が増えており、平均価格を押し上げているようです。
また、2008年にリーマンショックによって、新興のマンション業者が次々と倒産し、今は三菱地所や住友不動産などの超大企業しか残っていません。
さらに今の低金利下では、銀行からの借金に対する金利も低いため、さっさと値下げをして資金を返済する必要もなく、完成後2〜3年かけて、小出しに販売をする方法が一般化しています。
というわけで、まとめると、
- 金利が下がったため、月々の返済額を増やさなくても、価格の高いマンションを買えるようになった
- 人口が増えているため、マンションに対する需要も安定している
- マンション業者が販売を絞って、値下げ競争をしなくなった
- 株価が上がっているため、高くても富裕層の買い手がついている
といった理由から、新築・中古ともにマンション価格の上昇が続いているわけですね。
3、これからどうなる?気になる2つのポイント
では、ここからは、「今後の江戸川区のマンション価格に影響を与えるかも?」と気になる2つのポイントについて検証していきましょう。
(1)この低金利はいつまで続くのか?
そもそも異次元緩和は、始まった当初から「日本の経済に対して効果があるのか?」と、日銀内部でも疑問視されていた政策です。
日銀の異次元緩和で日本経済はどう変わったのか。
元日銀理事の山本謙三さんは「異次元緩和政策で2%物価目標を絶対視した結果、出口の見えない泥沼に陥った。財政赤字は拡大し、将来世代にツケを回し続けている」という――。
このような危なっかしい政策を10年続けた結果、これ以上は、金利が下がらない水準まで来ました。
むしろ、その副作用の方が話題になることが増えています。
例えば、預金者のお金を国債で運用していた地銀は、この異次元緩和によって、金利が低下したことで国債からの利息が減ってしまい、本業で赤字の銀行が一気に増えています。
2013年以降、赤字銀行が一気に増えている
つまり、異次元緩和によって、株価や不動産価格は上がりましたが、その反面で、
- 国の借金は増えることで財政が破綻するリスク
- 銀行が潰れるリスク
も同時に上がっているのです。
実は、すでに異次元緩和をやめる準備に入っている
もちろん、そのようなリスクを一番よく知っているのは、日銀です。
しかし、「異次元緩和をやめます」と発表すれば、金利が一気に上がる可能性もありますから、こっそりやめる準備に入っているようです。
というのも、日銀の国債を買い占めるペースが、2018年頃から徐々に減ってきているのです。
(赤と灰色の線)日銀が国債を買い占める比率を減らしている
(参考:財務省 2021.6.24「国の債務管理の在り方に関する懇談会(参考資料2)」)
2021年現在、日銀が買い占めている比率は、期間1〜10年の国債(赤色の線)で約60%程度、期間10年超の国債(灰色の線)で8.7%にまで下がっています。
このように、地銀の倒産リスクが高まっており、徐々に国債の買い占めを減らす流れにもあることから、黒田 日銀総裁の任期が満了する2023年4月までに、異次元緩和を終了させても混乱が起こらないようにしていると考えられます。
異次元緩和が終わると、金利は上がる
ちなみに、異次元緩和が始まる前は、今よりも1%程度金利が高い水準でしたので、そのぐらいまで戻る可能性が高いです。
1%金利が上がれば、35年の住宅ローンで15〜20%も返済額が増えます。そのため、不動産の価格も15〜20%程度下げるでしょう。
2021年12月現在から数えると、異次元緩和が終了する、あと約1年半ぐらいの間がチャンスと言えます。
金利が1%上昇すると、不動産価格は15〜20%下落する
そのため、特に売却を検討している人は、異次元緩和で低金利が続いているうちに、準備をしておいた方がいいでしょう。
(2)これから江戸川区の人口はどうなるの?
国立社会保障・人口問題研究所が、2018年に発表した江戸川区の人口の見通しによると、2020→30年の10年間で約2.1万人減少するそうです。
江戸川区はこれから10年で約2.1万人減る
(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)
さらに、家を建てる中心年代である30〜40代人口はすでに減り始めており、2020→30年の10年間で約2.6万人も減る見通しです。
江戸川区の30〜40代人口は、2020→30年で約2.6万人減る
(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)
この予想は、2018年に発表されているため、コロナ以前のものです。
つまり、コロナがなかったとしても、遅かれ早かれ、人口が減り始めると予想されていたのです。
特に家を購入する中心年代である30〜40代は、この10年で1割以上減っていくようなので、土地に対する需要も減っていくと考えられます。
4、結論:買うなら?売るなら?
以上のことから、江戸川区のマンション価格は、
- 新型コロナの影響で一時的に下落していたが、その後は回復傾向にあり、むしろ高値を更新するほど人気化している
- 人口も引き続き増加傾向にあるため、マンション価格は堅調に推移しそう
- 今後下落するとすれば、金利上昇が最も注意すべきリスク
と言えるでしょう。
買うなら:下落を待つよりも低金利の今がチャンス?
金利の上昇を待つのは一つの方法ですが、その時には住宅ローン金利も上昇してしまうので、どちらが得かの判断は微妙なところです。
異次元緩和が終わるまで、あと1〜2年はあるでしょうから、その間の家賃分と比べて検討をすべきでしょう。
ただし、購入を検討する場合には、今後の金利上昇を想定しておかないと大変なことになるので、「フラット35」か「10年以上の固定金利」でも返済ができるかどうかで予算を考えるべきでしょう。
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売るなら:超低金利の今が1番のチャンス
ここまで説明してきたように、ここまでマンション価格が上昇したのは、金利の低下が1番の理由です。
しかし、この金利はこれ以上下がりようがありません。
これ以上の価格上昇は、購入される方の年収が増えなければ、難しいところにまできていますし、異次元緩和終了後の金利上昇リスクも考えると、今が高値になる可能性もあります。
不動産会社によって、売れる価格が違う?
マンション価格は、間取りが似ているため、どこの不動産会社に頼んでも、だいたい同じぐらいの金額で売れると考える方が多いですが、一概にはそうは言えません。
というのも、戸建てやマンション、エリアによって得意な会社が異なるからです。
また、不動産会社同士で取引情報の共有をほとんどしていないため、「依頼した不動産会社が、実はあなたの物件を取り扱ったことがない」ということも起こりえます。
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