今年から消費税も10%に増税になりますし、介護士の数も足りないため、老後にかかるお金は今後ますます増えるものと予想されています。
そんな中で注目されているのがリバースモーゲージですが、自宅を担保としてお金を借りる方法なので、「将来にわたっての土地価格がどう動きそうか?」「いくら借りたら、どれぐらい金利がかかるのか?」など、注意しなければいけない点がいくつかあります。
この記事では、
- 千葉銀行の「ちばぎんリバースモーゲージ」のメリットとリスク
- 千葉県内で利用していいエリアはどこか?
を中心に、詳しく解説していきたいと思います。
「ちばぎんリバースモーゲージ」の特徴
はじめにリバースモーゲージ・ローンについて少しだけ解説します。
リバースモーゲージ・ローンとは?
リバースモーゲージ・ローンとは、
「自宅を担保にお金を借りられて、死んだ後に売却して清算」
する仕組みのローンのことです。
その主なメリットは、
- 死ぬまで自宅に住み続けられる
- 高齢でもお金を借りられる
の2点が大きいですね。
デメリットとしては、
- 死ぬまで金利がかかる(場合によっては払い続けなければならない)
- 相続人の了承が必要な場合がある
- 担保の資産価値が借入額よりも下回ると、返済しなければいけない
といった点があります。
これらのデメリットについては、後ほど詳しく解説します。
「ちばぎんリバースモーゲージ」の契約条件
*2019年1月1日現在
項目 | 条件 |
年齢 | 60才以上80歳以下 |
年収 |
安定かつ継続した収入(年金収入等)が見込める方 |
対象物件 |
戸建て。宅地の評価額が千葉銀行の評価方法で2,000万円以上 |
使い途 |
原則、自由。 ただし、事業性資金・金融商品を購入する資金を除く |
借入可能額 |
自宅の担保評価額の60%以内 |
対象地域 |
千葉県 |
相続人の同意等 |
千葉銀行で遺言信託を契約する必要あり |
担保評価額の見直し |
年に1回。 担保評価が借入額を下回った場合には、その分を一括または分割で返済 |
返済方法(金利分) | 元本に組み入れて、死亡後に一括返済 |
返済方法(元本) |
の2種類から選べる |
金利 |
3.35%(変動金利) |
費用 |
その他、登記費用・印紙税など実費 |
千葉銀行で遺言信託を契約する必要がある
リバースモーゲージ・ローンでは、自宅の持ち主(と配偶者)が死んだ後に売却して清算する仕組みのため、通常は相続人が売却することになります。
そのため、相続人全員が納得しないと名義を変えて売ることができませんから、全員分の承諾書をもらうなど、「スムーズに相続・売却できる条件を整える」ことを求めてくる銀行が多いです。
千葉銀行は、この点が他行よりも厄介で、遺言信託を結ぶ必要があります。
遺産相続をスムーズに進めるために、遺言の作成や、相続財産の分割などを千葉銀行が支援するサービスなのですが、費用が100万円以上かかるのです。
具体的には、
- 遺言作成サポートサービス:864,000円
- 遺言の執行報酬:540,000〜1,296,000円
- 遺言保管手数料:432円/月額
- 遺言執行財産額に応じて:財産の0.54%〜1.62%
など、利用するメニューによっていろいろかかりますので、ハードルが高いサービスと言えるでしょう。
契約者が死んでも、配偶者が契約を引き継ぐことができる
この点は地味に使いやすいメリットと言えます。
契約者は旦那さんのケースが多いため、奥さんが契約を引き継げなければ、その後は家を引っ越さなければいけません。
他行では2〜3年間しか住み続けられない契約もありますから、千葉銀行では使いやすい条件になっていると言えるでしょう。
佐倉市のユーカリが丘でも利用可能
また、佐倉市のユーカリが丘限定ですが、ユーカリが丘ニュータウンの開発会社である山万が買取保証をつけてくれるコースもあります。
リバースモーゲージは、土地価格の高い都心部でないと使いにくいイメージがありますが、長い目で都市開発を行っている山万では、今後も資産価値を維持するために積極的に買取にも応じてくれるようです。
そのため、ユーカリが丘に住んでいる方であれば、こちらを検討してみてもいいかも知れませんね。
ちばぎんリバースモーゲージの注意点
ここからは、リバースモーゲージを使う際に、考えておくべき注意点について解説します。
「郊外の戸建て」は使ってはいけない
リバースモーゲージのもっとも怖いところは、「数十年先に売却をして清算」という点です。
これは「死ぬまで住み続けられる」というメリットである一方で、「数十年先までの土地価格の変動リスク」でもあるからです。
2008年に日本の人口はピークを打ち、10年過ぎました。
これから人口はもっと減っていくわけですから、土地価格が下落しやすいエリアは、当然増えていきます。
千葉県の住宅地の価格も、この5年間で都心部へ通勤できるエリアでは上昇していますが、千葉県全体では下落傾向が続いています。
【青色の線】千葉県の住宅地は、この20年間下落傾向が続いている
この5年間の土地価格の動きを市区町村別に見ても、都心に近い市川市や船橋市でも、決して高い上昇率ではありません。
過去5年間で上昇しているのは、木更津などの内房線沿いの一部
千葉銀行は遺言信託の費用が高いので、他行を検討される方もいると思いますが、今後の土地価格の下落リスクを感じるならば、利用は控えたほうがいいでしょう。
金利が元本組み入れ型なので、長生きのリスクがデカイ
リバースモーゲージローンは、2種類の金利の返済方法があります。
- 金利を毎月支払うタイプ
- 金利を元本に組み入れるタイプ
の2種類で、千葉銀行では「2.金利を元本に組み入れるタイプ」になります。
例えば、1,000万円借りて、その年の金利が3%だった場合には、翌年には1,030万円借りていることになります。
その翌年には、1061万円、、、、、と組み入れた金利にさらに金利が乗って行くため、雪だるま式に借金が増えていくのがこのタイプのローンの特徴です。
現在のリバースモーゲージの金利は3%前後ですが、仮に1,000万円借りて、このまま30年経ったとすると、借入額は2,357万円にまで膨れ上がります。
金利を元本に組み入れるタイプは、長生きするほど借金が膨れ上がる
しかも現在は、日銀が異次元緩和政策を取っているので、これほどの低金利なわけですから、今後はもう少し上がってくる可能性が高いです。
仮に10年後に4%に上がってしまうと、3倍近くにまで膨れ上がってしまいます。
そうなると、健康面で厳しくなって、介護などのサポートが必要になってくるころに、
- 担保割れの部分を数百万円単位での一括返済
- 最悪の場合には、売却して清算
という可能性が出てくるのです。
そのため、思っているほど多くのお金が借りられるわけではありませんし、何十年分の金利を払うために、自宅を売却することにもなりますので、利用は慎重に考えていくべきでしょう。
もう少し詳しく知りたい方は、こちらから公式ホームページへと移動できますので、そちらで確認してみてください。
また、このサイトでは、47都道府県の主な市区の土地価格の現状と、将来予想について解説しています。
こちら↓のページから、各市区を探せますので、興味のある方はご覧になってみてください。
コメント