この記事では、「トランプが日本の総理大臣になったら、何をするのか?」ということで、考察したいと思います。
1、はじめに
このサイト、YouTubeチャンネルでは、これまでトランプ政権に変わることで、株や為替、そして、世界の政治や経済に、どんな影響があるのか?について、いくつかの動画と記事を作成してきました。
おかげさまで、動画では数十万回の再生をされたものも出てきて、たくさんのコメントをいただいたのですが、その中でも、おそらく100件近くいただいたのが、「もう日本も、トランプに任せればいいんじゃね?」というコメントでした。
確かに、今年の総選挙では、自民党が裏金問題で大敗したり、兵庫県知事選挙でも、気持ちの悪い斎藤知事下ろしがあったりと、今の日本は、自民党や官僚、そしてテレビや新聞の劣化がひどすぎて、どうにもならないと感じている人が多いのでしょう。
そこで、今回の動画では、トランプ氏の政策や、その方向性などをもとに、日本に当てはめてみたら、どうなるのか?何を変えるべきなのか?について、考えてみたいと思います。
なお、この動画は、私の妄想ではありますが、全く現実性がないのか?というと、そうでもないのかな、と思っています。
例えば、アメリカは、いくらでもお金が刷れる基軸通貨の国なんだから、日本とは違うでしょ?と思うかもしれませんが、トランプ政権の政策を見てみると、この基軸通貨制度を捨てようとしているように見えます。
つまり、アメリカは日本やドイツ、中国などの他の国と同じような立場の国になることによって、アメリカを建て直そうとしていると思うのです。
この辺のことについても、詳しく解説していきますので、最後まで見ていただけると嬉しいです。
それでは、参りましょう。
2、トランプ氏の目的と具体的な政策
まずは、トランプ氏の目的と、具体的な政策について、整理してみましょう。
今回、トランプ氏が当選した背景には、アメリカの経済格差の広がりがあります。
CNNが、大統領選挙直後に行った出口調査によると、トランプ氏に投票した人は、現在のバイデン政権で、経済的に苦しくなった人が多かったようです。
では、逆に現在のバイデン政権で、経済的に良いと答えた人はどんな人なのか?というと、白人やアジア系、50代以上、高所得者といった傾向がありました。
これは、物価の上昇が激しいものの、株式市場の上昇率も高いため、株を持っている、高所得者であれば、物価の上昇以上に、資産が増えているためなのでしょう。
また、不動産価格の上昇もすごいです。バイデン大統領は、就任初日にメキシコとの国境の壁を廃止して、不法移民が入ってくるようにしました。
これによって、低賃金の仕事がさらに低くなり、住宅の供給に対して、人間の数が増えたため、家賃もどんどん上がってしまい、ホームレスになる人も増加しました。
このような家賃の上昇の影響を受けないのは、すでにローンを払い終わっているか、かなり返済が進んでいる、中高年の世帯です。
そのため、株や持ち家のある人は、バイデン政権での恩恵があったものの、そうでない大部分の人は、どんどん生活が苦しくなっていたわけです。
今回、トランプ氏が大統領になれたのは、このような生活が苦しい状況をなんとかしてくれる、という期待があったことが大きいでしょう。
トランプ氏の掲げた公約
では、トランプ氏は、どのような政策を公約に掲げていたのでしょうか?
共和党全国大会で発表された、20のマニフェストがあります。
これらの項目を見ていくと、トランプ政権がどのような方向に向かおうとしているのかが、分かります。
その中でも、経済政策について、取り上げてみます。
- 石油、天然ガスの採掘をすることで、米国内のエネルギーコストを下げる
- 海外の工場をアメリカに呼び戻し、製造業を復活させる
- 労働者に対する大幅な減税、チップへの課税も撤廃する
- 電気自動車の義務化の撤廃
- 年金、医療などの福祉を削減しない
といったところが、主な内容です。
つまり、国内で高い賃金の製造業による雇用を増やし、一般庶民の手取りを増やすことで、経済を活性化していこう、というわけですね。
では、具体的に、どのようにして、これらの目標を実現させようとしているのでしょうか?
私が思うに、大きくは3つあります。
①関税の引き上げ
1つ目は、関税の引き上げです。
トランプ氏は、当選してすぐに、メキシコとカナダに対して、関税を25%に引き上げると発表しました。
日本の自動車メーカーも、メキシコに自動車工場をたくさん作っていますが、それは安い人件費で自動車が作れるからです。
ですが、それではアメリカの雇用は増えませんので、そんな近くで、車を作るつもりなら、アメリカで作れよ、というわけですね。
トランプ氏は2019年に、USMCAという、アメリカ、カナダ、メキシコでの貿易協定を結んでいます。
それより以前のNAFTAという貿易協定よりも、アメリカに有利な条件にしたものだったのですが、それを白紙にするような発言だったことから、「もう小細工はいらない、さっさとアメリカに工場をもってこい」ということなのでしょう。
②政府機能と予算の削減
2つめは、政府機能と予算の削減です。
大統領に当選してすぐに、政府効率化省の立ち上げと、イーロン・マスク氏とヴィヴェク・ラマスワニ氏が、共同代表として運営するとの発表がありました。
これは、すでにアルゼンチンのミレイ政権が、同じようなことをやっています。
ミレイ大統領は、2023年12月に就任して、政府省庁を18から9つに減らし、政府予算を3割削減しました。
さらに、構造改革省も立ち上げて、政府がこれまでに作った複雑なルールを一つ一つ、撤廃し、それに関わる公務員をさらに首にして、規制緩和を進めている最中です。
これと同じことを、10倍以上の規模でやろうとしているわけです。
③規制緩和と政府ファンドの立ち上げ
3つ目は、規制緩和と政府ファンドの立ち上げなどによって、新しい産業を作り出すことです。
トランプ氏は、現在の環境規制やEV補助金を撤廃し、原油や天然ガスの採掘に関する規制を緩和することで、アメリカ国内で安価なエネルギーが手に入るようにしようとしています。
また、新しい都市を10個作るとも言っています。
現在のアメリカは、不法移民が大量に流入したことで、住宅不足が深刻な状況となっています。
連邦政府が保有している土地がたくさんあるので、その土地を使って、新しい街を作って、たくさん住宅を作ることで、手頃な価格の住宅が手に入るようにしようとしているのです。
建設需要も膨らむので、雇用も増えますから、一石二鳥というわけですね。
そして、おそらくですが、これらの公共事業の資金は、政府系ファンドによって賄われるのではないでしょうか?
トランプ氏は、政府系ファンドの立ち上げについても発言しています。
政府機能は削減するものの、バラマキの公共事業から、アメリカ経済の活性化に貢献できるように、収益が出るような事業投資を行うためのものと考えられます。
トランプ政権は、日本の高度成長期を目指す
と、ここまで大きく3つの政策を取り上げましたが、これによって、アメリカはどういう国に変わるのでしょうか?
おそらくですが、これは南北戦争後の復興期のアメリカであり、日本の高度経済成長期のような状況を目指していると考えられます。
実は、南北戦争後のアメリカと、日本の高度成長期には、多くの共通点があります。
それは、
- 関税や輸入規制などを行うことで、国内産業を保護してきた
- 海外で売れる産業を作れるような、公共事業を積極的に行ってきた
- 企業活動によって、新しい技術が生まれ、新しい需要を創り上げてきた
などです。
南北戦争の時の大統領はリンカーンですが、南部の黒人奴隷を解放しただけでなく、北部の工業を活性化させるために、鉄道や運河、道路網を整備するために、公共事業を行った大統領でもありました。
これによって、アメリカでは工業力が上がり、世界の工場へと発展していくことになります。
日本の高度成長期もそうですよね。
1950~70年代にかけて、鉄道や道路、港湾などにお金をかけて、鉄鋼や化学、自動車などの重工業を発展させていくことで、多くの雇用と、輸出競争力の強い商品を生み出したことで、世界第2位の経済大国にまで成長しました。
この当時は、輸入規制も強く、海外旅行も難しい時期でしたが、どんどん賃金が上がっていって、1億総中流と呼ばれるほどの、分厚い中間層が育ちました。
このような状況をこれからのトランプ政権は作ろうとしているのだと思います。
関税を高くすることで、海外からの輸入を抑え、国内に雇用を戻し、公共事業によって、新しい産業の発展を後押しし、最終的には海外へ輸出できるような、競争力のある産業を生み出すことで、一般庶民の所得を増やそうとしているのでしょう。
そのためには、今ある無駄な規制や、無駄な公務員を削減する必要がありますので、イーロン・マスク氏の政府効率化省を使って、バシバシ公務員の首を切っていくのでしょう。
また、政府が行う公共事業というのは、どうしても、無駄なハコモノを作ってしまいがちです。そのため、政府ファンドのような仕組みを通じて、赤字垂れ流し事業にならないように、コスト意識を持ちながら、公共事業を行うようにするのではないかと思います。
3、基軸通貨を捨てる理由
ですが、このような方向で、政策を進めていこうとすると、基軸通貨制度が邪魔になってきます。
現在の米ドルは、原油などの天然資源の決済通貨として使われているため、世界中の国々が、原油を手に入れるために、アメリカにモノを売って、ドルを調達しようとしています。
そのため、アメリカの製造業は、世界中から来る安い商品によって、業績が悪化したり、倒産したり、人件費の安い海外へ工場を移してきました。
これによって、そこで働いていた従業員が失業し、低賃金の仕事に移らざるを得なくなり、日々の生活が苦しくなっていったわけです。
なので、アメリカの製造業を立て直すのであれば、この流れを止めなければいけません。
そのために、関税を引き上げようとしているわけですが、関税を引き上げれば、ドルは海外に出ていきにくくなりますが、そうすると、日本を含めた国々は、どうやって原油などの天然資源を手に入れればいいのでしょうか?
ドルが手に入りにくくなるんですよ?なのに、ドルを使わなないとダメなんて、どう考えても無理ゲーじゃないですか?
さらに、トランプ氏は、BRICS諸国に対して、米ドルを使わないのであれば、関税を100%に引き上げるとしています。
これはどう考えても、無茶振りです。
あなたたちには、米ドルを渡さないと言っておきながら、米ドルを使えと言ってるようなものですからね。
トランプ氏の裏の意図とは何か?
なので、この発言には、裏の意図があると考えられます。では、それは何でしょうか?
私が思うに、アメリカは、アメリカ大陸以外から、手を引こうとしているのではないかと思います。
つまり、「アメリカ大陸以外の国は、もう米ドルを使うな。アメリカに輸出してくるな。BRICS通貨でもなんでもいいから、そっちはそっちで、勝手に別の通貨圏を作って、勝手に経済発展してくれ」と言ってるのではないかと思います。
これは、モンロー主義と言ってアメリカの5代目の大統領が提唱した考え方です。
イギリスとの独立戦争に勝利した後も、イギリスやフランスなどのヨーロッパ諸国が、アメリカにちょっかいを出してくるのに対して、「こっちもヨーロッパに手は出さないから、アメリカとアメリカ大陸に手を出すな。」と宣言したことから、アメリカの保守党を中心に広まりました。
実は、トランプ氏は、2018年の国連での演説の時に、このモンロー大統領に触れています。
以下の部分は、演説の抜粋です。
「ここ西半球では、私たちは拡張主義的な外国勢力の侵略から独立を維持することに尽力しています。
モンロー大統領以来、我が国の正式な政策は、この半球と我が国の内政に対する外国の干渉を拒否することである。」
以上です。
ここでは、西半球とぼやけた表現になっていますが、モンロー大統領の名前を出していることから、アメリカとヨーロッパではなく、アメリカ大陸だけと考えたほうがいいでしょう
このように、アメリカは、アメリカ大陸だけに影響力を抑えようとしているのです。
であれば、現在の米ドルが、唯一の基軸通貨である状況ではなく、いくつかの通貨圏ができるとか、互いの通貨を使っての二国間貿易が増えるとか、そういう状況になるのではないでしょうか。
最近のトランプ氏のギョッとするような発言の意図
こう考えると、最近のトランプ氏のギョッとするような発言にも、一応の解釈ができるようになります。
例えば、最近ですと、パナマ運河の通行量を下げるか、共同管理に戻せと言っています。
もともと、パナマに作られたこの運河は、アメリカ政府がお金を出して作ったもので、その後、パナマに譲渡されました。
このパナマ運河は、今年は8,000億円ほどの収入になるとのことで、その通行料が高すぎるからなんとかしろ、というのがトランプ氏の主張です。
値下げを飲ませることができれば、海外からの輸入品の価格を引き下げることになりますが、狙いは共同管理にすることで、中国がアメリカに輸出してくることを止めさせようとしているのではないでしょうか?
グリーンランドも買いたいと言ってる
また、別の事例としては、グリーンランドをデンマークから買い取りたいとの発言もしています。
グリーンランドは、デンマークの領土なのですが、特にレアアースと呼ばれる鉱物資源が豊富にあることがわかっています。
現在、レアアースは、スマホや電気自動車のバッテリーなどにも使われているため、重要な資源なのですが、約60%が中国で生産されています。
なので、グリーンランドを購入したいと言っているのは、中国にレアアースを依存したくない、ということなのでしょう。
4、アメリカが基軸通貨を捨てたら、世界はどうなるのか?
ですが、仮に、アメリカが基軸通貨を捨てたとしたら、世界は混乱に陥るのではないか?と思う人もいるでしょう。
1800年代のアメリカが保護主義で成功したのは、その商品を買ってくれるイギリスという基軸通貨国があったからです。
また、日本の高度成長期の成功も、現在の基軸通貨国のアメリカが買ってくれたからです。
では、今回、基軸通貨国であるアメリカが保護主義になってしまったら、どこの国がアメリカの商品を買ってくれるのでしょうか?
この点については、私もまだ勉強中なのですが、おそらく、ケインズのバンコール案に近い仕組みが生まれるのではないかと予想しています。
バンコール案とは?
第二次世界大戦後に、米ドルが基軸通貨となることが決定したのは、アメリカのブレトンウッズというところで会議をしたことから、ブレトンウッズ体制と呼ばれています。
しかし、この時、イギリスの経済学者のケインズが、米ドルを基軸通貨にしてしまったら、イギリスポンドの時と同じように、いずれ破綻してしまうぞ、ということで、バンコールという通貨制度を提案して、議論となりました。
バンコール案は、国家間の貿易のやり取りをツケのような感じで、数値化してやり取りする方法です。米ドルや円などの通貨は、国内でしか使えないようになります。
なんでこんな話になったかというと、当時の基軸通貨だったイギリスのポンドの信用が失われて、各国が保護主義政策をとりすぎたことによって、第二次世界大戦が起こってしまったからです。
そのようなことが起こらないように、貿易収支が赤字になりすぎた国は、為替レートが下げられ、黒字になりすぎた国は、儲けすぎた分を没収される、という形にして、お互いが貿易で勝ちすぎないように、そして負けすぎないようにしようというルールを考えていたのです。
このような考え方は、リーマンショック後にも、議論されており、中国人民銀行総裁だった周小川氏が、2009年に中国人民銀行のWEBサイトに、バンコールのような金融システムを検討すべきだと投稿しています。
トランプ氏がここまでのことを考えているのかは、わかりません。
ですが、アメリカが基軸通貨の役割から降りるとなれば、周りはしょうがないから、こういう方向にするか、となってしまうのではないでしょうか。
そうすると、これからは日本だって、他の国だって、原油が欲しいからとアメリカにモノを売る必要がなくなるのです。
原油が欲しければ、産油国に直接、自国の商品を売り込みに行けばいいのです。となると、競争条件は、アメリカも日本も、中国も、全く同じになりますよね。
他の国が欲しくなるような、商品やサービスを作れるかどうかが、勝負の唯一の基準になるわけですから。
なので、アメリカがこれからやろうとしている政策は、別にアメリカだから有利というわけではなく、日本だって、それを真似すれば、復活できるだろうと思います。
5、トランプだったら、日本をどう立て直す?
というわけで、ここからが本題です。
トランプ氏だったら、日本をどうやって立て直すのでしょうか?
おそらく、基本的な考え方は、ここまでアメリカでやろうとしている政策の方向性と変わらないと思います。
具体的には、3つあります。
(1)無駄な支出を削減し、減税
1つ目は、政府の無駄な支出や、邪魔なルールを撤廃し、政府予算を削減して、減税をする。消費税は撤廃することになるでしょう。
そもそも、消費税とは、基軸通貨である米ドルを他の国がなんとか手に入れようと、輸出企業に補助金を入れるために導入されたモノです。
日本の経団連の会長は、2002年のトヨタの奥田会長時代から、一貫して、消費税の値上げをしろと要求していますが、楽天の三木谷さんや、サイバーエージェントの藤田さんなどが加盟する新経連では、消費税を上げろなんて一言もいってません。
輸出企業が多い経団連だからこそ、こういうことを言ってるだけなのです。
それは、世界中の税制を見ると、一目瞭然です。
アメリカは、売上税なのに対して、日本や他の国のほとんどが、消費税、世界的には付加価値税と呼ばれる方式を採用していますからね。
トランプ政権が、米ドルの基軸通貨としての地位を捨てるのであれば、消費税は必要なくなりますから、いずれ消滅させることも可能になるでしょう。
また、天下り先の特殊法人や、独立行政法人、農協などは解散し、ガソリン補助金などの各種補助金も撤廃することになるでしょう。社会において、税金を使って無駄を作ってるものは、基本的に廃止する方向になると思います
(2)公共事業の再編
2つ目は、公共事業です。
国民の生活を豊かにするためのインフラ整備もしつつ、海外に輸出できる産業を作り出す分野へ支出する。
そのためには、政府ファンド方式のような、きちんと投資に対するリターンと責任が明確になるような仕組みで行う必要があるでしょう。
高度成長期以降の、日本の公共事業は、道路や空港、新幹線などの延伸がされてきましたが、それで経済が活性化した例は、おそらくかなり少ないと思います。
作ったらそれで終わり、では、海外に売れる商品は生まれません。
なので、今まで通りの機能しかない省庁は、削減されなければいけません。
国土交通省は半分以下で十分でしょうし、経産省も天下り先を作るための事業づくりであれば、存在価値はありませんので、やはり半分以下でいいと思います。
その代わり、次の儲かる産業になるような分野への公共事業が必要となってくるはずです。
世界中で保護主義が進めば、自国で作れないものを中心に貿易を行っていくことになるでしょう。
自動車や産業ロボットなどは、日本が強いと思いますが、それ以外だと、日本の食文化や漫画、アニメ、ゲームなどでしょうか。
先日、戒厳令でやらかした韓国のユン大統領について調べていたときに、K-POPが成功した理由は何かという質問に対して、「国が何もしなかったからだ」と答えていたのが印象的でした。
コンテンツを輸出するということであれば、なるべく規制を減らして、クリエイターが自由にできる環境を整える方が大事なのかもしれません。
(3)輸入規制
そして、3つ目は、輸入規制です。これは、日本で作れるものは、日本で作ろうぜ、ということですね。
日本で作れない資源類や、アマプラやネットフリックスなどのネットサービスにお金は使っても、そうでないものについては、極力日本で作るようにしていくといった形になるでしょう。
これらの政策を行うと、インフレが起こる
このような政策を行った結果、どうなっていくのか?というと、インフレになるでしょう。
この記事の最初の方で、共和党のマニフェストの中に、医療費などの福祉制度は維持すると書かれていました。
減税をして、働く人の給料を上げたら、年金などの福祉制度の財源はどうなるのか?と思いますが、これはインフレで解決していくことを想定しているのでしょう。
日本も同じような解決策になると思います。
現役世代の給料を上げていき、年金も上げていく。目減りするのは、溜め込んだ高齢者の貯金です。
ぶっちゃけた話、これからさらに高齢化が進めば、寝たきりの高齢者が増えて、銀行に溜まったままの使い道のないお金が増えていきます。
そういう高齢者にとって重要なのは、資産価値が守られることよりも、医療や介護のサービスがきちんと受けられることですよね。
人手不足と経営悪化で、社員が逃げ出して、放置されてしまった老人ホームの利用者のニュースが今年、出てましたが、あそこにいた人は、自分の貯金が1億円あるよりも、きちんと老人ホームが運営されていることの方が有り難かったはずです。
このような分野は日本にいっぱいあります。
路線バスや、建設、土木、運輸、医療など、実際にお客さんの役に立っている人たちなのに、給料が安いままなんて、有り得ないじゃないですか?だから、人手不足になってるわけですし。
これまでは、そのような人たちの給料を上げようとすると、自民党や財務省とかが、財源がどうのこのと言って、潰してきました。
しかし、2022年以降の円安で物価が上がってきたことで、低賃金で働く仕事の人気がさらになくなっています。路線バスの運転手不足は、まさにそれです。
このまま円安と株高が続けば、資産は増えても、受けられるサービスがないという高齢者がどんどん増えていくと予想されます。
それでいいんですか?という話です。
もうシルバー民主主義なんて言ってる余裕はないと思うんですけどね。
そのためにも、日本も輸入をある程度規制して、自国でできることは自国で、そして給料を上げていくことでインフレを起こしていくしかないように思います。
6、どっちにしても、世界はその方向に進みそう
そして、おそらくですが、多くの国がこのような保護主義へと移っていくと思います。
イギリスやドイツ、フランスなどのヨーロッパの先進国でも、トランプ政権と似たような政策を掲げている政党の支持が伸びてきています。
テレビや新聞などのオールドメディアでは、これらの政党を「極右」と呼んで非難していますし、政府与党や官僚機構も、司法捜査を行なったりして、政権を取ることを邪魔しようとしています。
ですが、これらの国々では、移民が大量に流入してきて、しかも、犯罪が多発しているため、現在の政府では制御不能な状態になってきています。
そのため、総選挙が起こるたびに、これらの政党が支持を伸ばしていくことになりそうです。
実際、トランプ政権の一員でもある、イーロン・マスク氏が、イギリスのリフォームUKに寄付を検討しているとか、「ドイツのAfDに投票しよう」と、ドイツの主要新聞で呼びかけを行うなど、オールドメディアの「極右」イメージが崩れてくる可能性が出てきました。
ドイツは2月に総選挙がありますので、早ければ、この時点で大きな動きがあるかもしれません。
AfDの得票率は、2021年の議会選挙では10%台でしたが、2024年の欧州議会選挙では、約16%と、5%ほど伸びています。
この流れがさらに加速すれば、20%台に乗せる可能性もありますし、移民を制限し、環境政策を撤廃しない限りは、混乱は治りませんので、解散総選挙を何度か行う中で、徐々に議席数を増やしていく展開になるのではないでしょうか。
また、日本も、2025年は衆参のダブル総選挙になる可能性もあるようですが、その時に、官僚に取り込まれていない野党が、どれだけ議席数を伸ばせるのかがポイントになりそうですね。
こんなことが起こるはずがない、と思われた方もいるでしょう。
ですが、先進国の政治の動きを見てみると、着実に、そちらの方向に向かいつつあると思います。
国によって、その体制が整うのに、5年かかるところもあれば、10年以上かかるところもあるでしょう。ですが、それは時間の問題ではないかなと思います。
いずれにせよ、ある程度、輸入を制限しながら国内の雇用も守りつつ、海外に売れるモノを作る体制をいち早く構築した国が、これからは勝つことになりそうです。
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