今回の動画は、「アメリカンロックの復活。ポリコレで弾圧が続いていたロックが復活している理由」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
皆さんはスマッシング・パンプキンズというバンドをご存知でしょうか。
スマパンは、私が高校時代によく聞いていたロックバンドで、こちらの赤枠で囲んでいる「メランコリーそして終わりのない悲しみ」には、かなりハマりました。

このアルバムは、アメリカだけでも約1000万枚のセールスを記録したらしく、1979という曲は、今もたまに聴いています。
それで、このスマパンのリーダーが、ビリー・コーガンというのですが、ビリーは自身のYouTubeチャンネルを持ってまして、ミュージシャンやらハリウッドやら、その辺の人たちを読んで、対談動画を上げてまして、登録者も20万人以上います。
(参考:YouTubeチャンネル「The Magnificent Others with Billy Corgan」)
そして、最近ですが、この対談の中で、こんなことを言ってて、音楽系のメディアで大きく取り上げられていました。抜粋しますと、
「1997年か98年にMTVにいた人なら、ロックがまだ非常に高い地位にあった時に、突然彼らはロックを廃止すると決めたのです。そしてラップに取って代わられました。」
「ロックスターが文化の中で発言する力を意図的に弱めてきたのだと思います。」
以上です。
MTVというのは、ミュージシャンのミュージックビデオを流していたケーブルテレビの人気チャンネルです。その後、ネットが普及して、恋愛リアリティショーを流すようになって、音楽番組はなくなったようですが、2000年前後の当時はまだかなりの影響力があった時期で、しかも、ロックも人気絶頂だった頃です。
そのころに、MTVでは、ロックを流すことをやめて、ラップを流すようになったというんですね。
この発言が、何やら陰謀論めいた感じがして、そんなの出鱈目だとか、否定する人がXなどで騒いでいるというのです。
しかし、Spotifyの月間リスナーランキングを見ても、その凋落ぶりは明らかになっています。

こちらの画像は、リック・ビートという音楽プロデューサーが、バンドがいなくなった理由について解説している動画のサムネですが、音楽配信サービスのSpotifyで、月間リスナーの上位400位までを調べてみたところ、ここ10年以内に結成したロックバンドでランキングしていたのは、わずか3組だけだったと言います。
135位に、メキシコ出身のグルーポ・フロンテーラ、
248位に、イタリア出身のマネスキン
328位に、アメリカのリッチー・ミッチ&ザ・コーネル・マイナー の3組です。
マネスキンぐらいは、聴いたことがある人もいるかもしれませんが、残りはわからない人の方が多いのではないでしょうか?
このように、新しいロックバンドは、ほとんど生まれておらず、ロックは文字通り死んだような印象を受けてしまうかもしれません。

ところがです。
ハードロックやメタルバンドの、アメリカでのライブ収入は、2024年比で、昨年は14%の増加で、アメリカのアリーナやスタジアムのライブの13%を占めていました。
ライブを見てみると、むしろ盛り上がっているのです。

今度は、ミュージシャン別に見てみましょう。
こちらは、2024年のミュージシャン別のライブ収入ランキングの上位10位ですが、
2位にコールドプレイ
5位にブルース・スプリングスティーン
6位にローリング・ストーンズ
9位がメタリカでした。
コールドプレイは、2008年にviva la vida が流行ったので、30代以上が聴いてた世代でしょうか。それより上の人向けのミュージシャンが、売れてるような感じですね。
年が行った人向けのミュージシャンだから売れているということなのかもしれませんが、明らかにロックが人気がないなんて話ではないのです。
この動画では、今のアメリカンロックに何が起こっているのか?について、考察していきたいと思います。
それでは、参りましょう。
2、アメリカンロックに何が起こっているのか?

アメリカのロックバンドが、メディアではあまり取り上げられてこないのに、実は盛り上がっているという、この状況は何が起こっているのか?
ポイントは大きく3つあると思います。
(1)ミュージシャンのソロ化が進行
1つ目は、音楽の作り方が変わってきたことで、ミュージシャンのソロ化が進んできたことです。
この点については、リック・ベアトさんという音楽プロデューサーで、500万人以上の登録者がいるユーチューバーでもある人が、考察動画を出しているので、それを参考に解説していきます。

ベアトさんによると、2000年代に入って、音楽の作り方が変わっていったのだそうです。
こちらのグラフは、アメリカのアルバムの売上枚数の推移なのですが、2000年がピークで、その後は雪崩のように下がっているのがわかりますね。特に2000年代の後半の減り方は酷かったようです。
これは、ネットが普及したことで娯楽が多様化したことや、ネットを通じての違法アップロードなどの影響で、正規のアルバムを買う人が減ったことが大きいかったみたいですね。
それで、そうなるとレコード会社は何を考えたのか?というと、アルバムの中にデカいヒット曲を入れて、お客さんが買いたいと思わせるようにしなければダメだということになったそうです。
そのため、売れる曲が作れる音楽プロデューサーが重宝されるようになっていきました。
そして、そういうプロデューサーは、作詞や作曲だけでなく編曲もやってしまったので、「あれ、バンド形式じゃなくてよくね?」ということになったのです。
それまでのロックバンドは、自分たちで作詞、作曲、編曲もすることが多かったので、それぞれの楽器のメンバーも曲作りに参加して、こういうアレンジにしようとか、いろいろと話しながら作ってきました。
それが、音楽プロデューサーが全部やってしまうようになって、しかもパソコンも普及して、音楽ソフトでピコピコ曲作りも一人でできるようになっていきました。
その結果、ベースやドラムなどの人たちは、スタジオミュージシャンとか、ライブの時に演奏してくれる人を頼めばいいよね、ビジュが良くて、かっこよく歌えるボーカルだけいればいいよね、ということで、ソロのミュージシャンが増えていったというのです。
さらに、アメリカでは2002年からアメリカン・アイドルという番組がスタートして、人気番組となりました。

日本でも、カラオケバトルという番組が一時期やってましたが、オーディション形式で、順位を決めるというテレビ番組が流行って、しかもそこからプロでデビューするミュージシャンも出てきたりしたことで、余計にみんな、バンドではなく、歌手を目指すようになっていったと言います。
そしてさらに、2010年代に入ると、インスタやTikTokなどのSNSでバズれるかどうかが、音楽がヒットする要因として重要となってきました。
そのため、短尺の動画で曲を気に入ってもらわなければいけないため、曲全体がどうこうというよりも、10秒、20秒でユーザーの気を引く音楽や映像を作るようになっていったり、音楽以外の日々の投稿で、ユーザーを楽しませることも重要になってきました。
SNSの投稿は、基本的にその人の人柄を出す部分も重要なので、個人のアカウントが重要になります。そのため、バンドとしての一体感とか、そういうものよりも、個人の発信力が重要視されて、さらにミュージシャンのソロ化が進んでいったというわけです。
そのため、ロックバンドという存在そのものが、希少なものになっているわけですね。
(2)ポリコレが白人ロックを排除してきた
2つ目は、アメリカのポリコレの流れから、白人ロックの排除が進んできたということです。
冒頭でご紹介したビリー・コーガンのMTVに関するエピソードを調べてみると、このMTVというチャンネルは、1981年に開設されたケーブルテレビのチャンネルなのですが、当初はロック専門チャンネルとして設計されていたものらしく、黒人ミュージシャンのビデオクリップをあまり放送していなかったそうです。

例えば、1982年にマイケル・ジャクソンのスリラーというアルバムが出ていますが、この中のビリージーンやビートイットという曲も、それまでは黒人ミュージシャンのビデオクリップをあまり流してこなかったので、レコード会社側が、かなりの圧力をかけて、放映させたとあります。
オースティン・クロニクル紙によると、マイケル・ジャクソンのビリー・ジーンのビデオは、
「人種の壁を打ち破ったビデオだ。そもそもその壁を築いたのはMTV自身であったのだけれども」
と評されていました。このことからも、当時は白人ロック押しだったんですね。
その後も、MTVは、人種差別がどうのとか、ビデオクリップの表現が刺激的すぎるとか、方々から批判されてきたので、何をどれだけ放映するかというコントロールに気を遣ってきた歴史とか社内の体質があって、
それが1997年から98年ごろには、それまでの白人推しから一転して、黒人ラップをたくさんかけるようになったというわけです。
この点について、MTVミュージック・アワードの受賞者から確認してみましょう。
紫色の太字が、バンド編成のロックバンドになります。ジャミロクアイもバンド編成なので、一応この中に入れてます。

(参考:wiki「MTV Video Music Award」)
それで、赤線が1997年から98年の間に引かれていますが、これがビリー・コーガンが実感した時期ですね。見事に、それ以降の受賞者が激減していることがわかります。
2005年のグリーンデイ、そして翌年2006年のパニックアットザディスコだけが入ってますが、それ以外は、ほぼソロアーティストになっています。
エミネムやケンドリックラマーなどのラッパーや、テイラースイフトやジャスティン・ティンバーレイクなどのポップミュージシャンばかりですね。
特に2015年以降は、テイラースイフトが5回も受賞しており、まるでAKBが流行った時の日本みたいな感じになっています。
しかし、2011年に視聴者数がピークをつけてから、わずか4年後の15年には、半分以下になっており、その後もどんどん減少の一途を辿ってきたことから、ほとんどのアメリカ人がこの賞を見向きもしなくなったようですね。
そのため、恋愛リアリティショーに向かわざるを得なくなったのでしょう。

もう一つ、スーパーボールのハーフタイムショーも見てみましょう。
アメリカでは、アメフトの決勝戦であるスーパーボールのハーフタイムに、有名ミュージシャンが演奏することが恒例となっており、ここで演奏できた人は、すげえミュージシャンと見られるそうです。
それで、過去のリストを作成してみたのですが、紫色の太字が、ロックミュージシャンになります。バンド編成だけでなく、ソロのミュージシャンも入れてますが、2000年代はエアロスミスやU2、ポール・マッカートニーなど、錚々たる人たちが演奏していますね。
しかし、2010年代に入ると、この割合は一気に減って、2020年代には、もうロックミュージシャンはひと組も選ばれていませんでした。
このチャンネルでは、欧米のポリコレについても、いくつか動画で解説していますが、バイデン政権までは、ずっと黒人押し、女性押し、トランスジェンダー押しが続いていましたので、MTVやハーフタイムショー、グラミー賞など、それぞれのメディアやイベントにおいても、時間差はあれども、影響を受けてきたのだと思います。
(3)SNSで、音楽の質が劣化してきた
そして、3つ目が、SNSでバズることを優先させすぎたことで、最近の音楽の質が落ちてきていると感じる人が増えているということです。
これまた先ほどのご紹介した、ベアトさんのチャンネルなんですが、最近のSpotifyでのランキング上位の曲や、グラミー賞でノミネートされた曲など、色々な切り口で批評をしている動画が、毎回100万回以上再生されていて、かなりの人気コンテンツとなっています。

それらを見てみると、最近の曲は、昔の曲をそのまま使うサンプリング曲が多いとか、詞と曲が合ってなくね?とか、ちょっと辛口気味の評価なのですが、面白いのがそこのコメント欄で、多くのいいねをもらっているものを一部ご紹介していきますと、
「問題は、すべてが、すでに聞いたことのある、より良いものの劣化コピーのように聞こえることです」
というコメントに、4.5万いいね
「これらの曲のほとんどは、TikTokで話題になったため、トップ10にランクインしているようです。フルバージョンやアルバムよりも、10秒のループが今や流行の牽引役です。ちょっとクレイジーですよね」
というコメントに2.1万いいね
「『それがなんなのかわからないが、オリジナルではない。』これは最近のほとんど全てのポピュラーミュージックのテーマだ」
に1万いいね、 などです。
要するに、TikTokなどの、尺の短いSNSでバズらせるために、10秒、15秒の気の利いたフレーズ競争になってしまっているため、みんな同じような曲になってきている、フルで聴いた時に聴いてられないと感じる人が増えているのです。
ネットが普及したことで、ありとあらゆる分野で、マーケッターという職業の人たちが参入した結果、コンテンツの質が落ちるという現象が生まれています。

例えば、マンガで画像検索してみると、こんな感じで、ぱっと見で全く知らないマンガが上位に来たりします。マンガというキーワードで検索されるように頑張ってるサイトがきて、みんなが知りたい面白い漫画が出てくるわけではないのです。
2016年にDeNAが運営していたWELQというサイトが、検索上位を独占するために、いい加減な医療情報の記事を作りまくっていたという事件がありましたが、やってることは、今も変わらないんですね。
こんな感じで、質がどうと言うよりも、検索エンジンやSNSのデジタルのアルゴリズムと、人間の10秒とか15秒という、短時間での本能的な反応しやすさを攻略するかどうかで勝負が決まる世界になっているのです。
そのため、本当の音楽に触れたいとか、音楽で熱くなりたいとか、そういうことを求める人が、改めてロックに向かうようになっているのではないかと思います。
というわけで、今回はSNS生まれの音楽にウンザリしてきた人たちが、本物を求めて、ポリコレで隠されてきたロックに、戻ってきている状況を見てきました。
ハリウッドも音楽業界も、裏では色々酷いことをしている他ことがバレてきてますが、体質はリベラルなので、白人ロックを復活させようとは、微塵も思っていないでしょうから、ネットやSNSを通じた音楽の売れ方はこれまでと変わらないでしょう。
ですが、その一方で、リアルの世界では、気づかない間にロックのライブを見る人が増えていくという、ネットとリアルの分裂がさらに進んでいきそうですね。
それと、今年のスーパーボールのハーフタイムショーで、レディガガが持ち歌の「Die With A Smile」のサルサバージョンを1分半ぐらい歌ってまして、
その時の動画が切り取られてたり、その時の動画をもとに、AIにフルバージョンを作らせた動画が何本もアップされて、何十万回も再生されていたりと、多くの人がこれあったらいいなあと感じていたのだと思います。

サルサは、バックバンドが10人以上いる生演奏が普通なので、おそらく、そこに本物の音楽を感じた人が、結構いたのだと思います。
私は2000年前後にサルサにハマって、今でもよく聴いてるのですが、ここ20年ぐらいはレゲトンというスペイン語版のヒップホップに取って代わられて、細々とやってる感じでしたので、この流れがサルサにまで広がってくるのではないか?と、ちょっと期待しています。







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