宮城県の土地価格の8年間の動きと、今後の見通し | イエ&ライフ

宮城県の土地価格の8年間の動きと、今後の見通し

宮城県の土地価格の8年間の動きと、今後の見通し宮城県

 

この記事では宮城県の

  1. この8年間の土地価格の動き
  2. 今後どうなるのか?

の2点について解説しています。

 

1、過去8年間の宮城県の不動産の上がり方の特徴とは?

まずはじめに、この8年間で宮城県内の不動産が、どのような動きをしてきたのかをザッと見ていきましょう。

 

この8年間の宮城県の公示地価を調べてみると、住宅地は21.6%の上昇をしていました。

 

宮城県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

これほど上昇している理由は、もちろん復興需要によるものです。

ですが、もちろん全ての地域で上昇しているわけではなく、上がっている地域とそうでない地域とで大きく分かれていました。

そこで、今度は市区町村別に、住宅地の上昇率を見てみましょう。

 

仙台市周辺と沿岸部のエリアを中心に上昇している

宮城県の公示地価の変化率マップ

(参考:国土交通省 地価公示)

 

ご覧のように、市区町村単位で見ると、仙台市周辺と沿岸部(石巻市、気仙沼市)で大きく上昇していることがわかります。

 

そもそも、なぜこれほど土地価格が上がっているのか?

宮城県に限らず、全国的に土地価格が上昇してきたのは、金利の低下によるところが一番大きいです。

ご覧のように、2013年4月以降、日銀が国債を買い占める、異次元緩和政策を行うことで、金利を下げてきました。

 

日銀が国債を買い占めて、金利を下げた

異次元緩和政策と住宅ローン金利

(参考:ARUHI住宅ローン フラット35金利の推移 財務省 国債金利情報)

 

ザックリ言うと、この8年間で買い手は、同じ返済額で2割高い物件を買えるようになったということです。

例えば、フラット35で期間35年・月々の返済額が10.4万円とした場合、購入できる不動産は3,000万円から3,500万円まで上がったのです。

 

同じ返済額で購入できる物件価格が2割上昇した

 

月々の支払額は増やさずに、約2割高い物件を買える。しかもその物件が人気化しているとなれば、値段が高くても買おうとする人は増えますよね。

そのため、人気のエリアほど、土地価格が上昇してきたのです。

 

不動産事業者向けの貸し出しも増えて、駅近エリアの商業地も上がりやすくなった

また、金利がさらに下がったことによって、ホテルやマンションなどの不動産業者の投資も増えました。

銀行も国債の利息で稼げなくなったため、不動産を担保にお金を貸せる不動産業者への貸し出しを増やしたのです。

 

不動産向けの貸出残高

(参考:国土交通省 土地白書)

 

その結果、駅近エリアの商業地を中心に、マンションや商業施設、ホテルなどの建設が進み、駅近エリアほど土地価格が上がりやすくなったわけですね。

 

 

なぜ、これほど下げている地域があるのか?

しかし、一方で半分ぐらいの市町村は下落しています。

 

その理由は、人口の減少です。

宮城県の人口は、2013〜2020年の7年間で、約2.6万人も減っているのです。

 

宮城県の人口推移

(参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)

 

政令指定都市である仙台市は、同じ期間で2.5万人増えていますので、それ以外の市町村では、かなり減っていることになります。

また、震災によって沿岸部に家が建たなくなった分だけ、それ以外のエリアに住宅需要が集中してしまいました。

 

その結果、富谷市や名取市などの仙台への通勤圏も含めて、土地価格が大きく上昇する一方で、それ以外のエリアでは「人口減少→土地価格の下落」が進み、二極化が進んでしまったわけですね。

 

2、これからどうなるのか?

宮城県の土地価格に影響がありそうなポイントをまとめました。

 

(1)この低金利はいつまで続くのか?

異次元緩和とは、日銀が国債を買い占めることで、金利を引き下げてきた政策でした。

しかし、このような方法は、戦後にひどいインフレになってしまったこともあって「禁じ手」として採用されてこなかった政策です。

 

1930年代に高橋是清蔵相が昭和恐慌からの脱却を目指して直接引き受けを断行したが、戦費拡大に伴い引受額は増大し、戦後の急激なインフレにつながった。

当時の反省から財政法では原則禁止されている。

(参考:「白川総裁、昭和恐慌引き合いに「歯止め失う」 日銀議事録詳報」)

 

このような危なっかしい政策を10年続けた結果、これ以上は、金利が下がらない水準まで来ました。

むしろ、その副作用の方が話題になることが増えています。

 

例えば、預金者のお金を国債で運用していた地銀は、この異次元緩和によって、金利が低下したことで国債からの利息が減ってしまい、本業で赤字の銀行が一気に増えています。

 

2013年以降、赤字銀行が一気に増えている

地銀の決算状況

(金融庁:地域金融の課題と競争のあり方)

 

銀行が潰れれば、経済が大混乱になりますので、いつまでも続けるわけにはいきません。

 

実は、すでに異次元緩和をやめる準備に入っている

とはいうものの、「異次元緩和をやめます」と発表すれば、金利が一気に上がる可能性もありますから、あまり目立たないように止めようとしているようです。

というのも、日銀の国債を買い占めるペースが、2018年頃から徐々に減ってきているからです。

 

日銀が国債を買い占める比率を減らしている

日銀の国債買入れ比率

(参考:財務省 2021.6.24「国の債務管理の在り方に関する懇談会(参考資料2)」)

 

2021年現在、日銀が買い占めている比率は、期間1〜10年の国債(赤色の線)で約60%程度、期間10年超の国債(灰色の線)で8.7%にまで下がっています。

 

また、今年の3月に、日銀は長期金利の変動幅を±0.25%まで緩和すると発表しました。

この発表を受けて、日経新聞が専門家にアンケートしたところ、9割の人が「上昇する」と回答しています。

(参考:2021.3.22 日経新聞「長期金利「上昇」9割 日銀政策修正で市場参加者」)

 

このように、地銀の倒産リスクが高まっており、徐々に緩和する流れにもあることから、任期が満了する2023年4月までに、異次元緩和が終了する可能性は高いと考えられます。

 

ちなみに、異次元緩和が始まる前は、今よりも1%程度金利が高い水準でしたので、そのぐらいまで戻るでしょう。

2021年8月現在から数えると、あと約1年半ぐらいの間がチャンスと言えます。

 

金利が1%上昇すると、不動産価格は約15%下落する

金利上昇で下落

 

なお、金利が上昇すると、住宅ローンの返済額が増えるため、不動産価格は下落していきます。

 

そのため、特に売却を検討している人は、異次元緩和で低金利が続いているうちに、準備をしておいた方がいいでしょう。

 

 

(2)復興事業はいつまで続くのか?

復興特別所得税は2037年まで続きますが、当初は企業からも特別税を徴収していたものの、廃止となり、現在復興関係の特別税収は3,000億円前後になっています。

 

復興予算の推移

(参考:復興庁 予算・決算等)

 

平成31年度の予算は1兆4,781億円まで減っていますので、復興需要の恩恵は今後もどんどん減っていくでしょう。

 

特に、気仙沼や石巻市などの沿岸部では、この2年ぐらい土地価格も横ばいです。

復興事業が一巡したため、公共事業に頼らない経済へ転換が求められる時期に来ているのです。

 

このまま各地域の活性化が進まない場合には、仙台市への一極集中は止まらないでしょう。

 

(3)これから宮城県の人口はどうなるの?

国立社会保障・人口問題研究所が、2018年に発表した宮城県の人口の見通しによると、2020→30年の10年間で約15.3万人減少するそうです。

これまで増え続けてきた仙台市の人口も、今後は減少に転じるのです。

 

宮城県はこれから10年で約15.3万人減る

宮城県の人口予測

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)

 

さらに、家を建てる30〜40代人口は、2020→30年の10年間で約12.1万人も減る見通しです。

 

宮城県の30〜40代人口は、2020→30年で約12.1万人減る

宮城県の30〜40代人口の予測

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)

 

ということは、これから10年で買い手が2割近くも減るのです。

今後は、買い手が減っていくことは避けられませんので、人気の低い市町村では、さらに土地の買い手がつきにくくなるでしょう。

 

結論:売るなら?買うなら?

 

というわけで、宮城県の今後の土地価格についての結論は、以下の通りです。

  • 今回の土地価格の上昇は、金利の低下によるところが大きい
  • 復興需要による恩恵は、被災地と仙台市に集中しており、内陸部では人口減少が続いて下落する二極化が進んでいる
  • 今後は仙台市でも人口が減少していくため、人気のないエリアでは、土地価格が下がりやすくなりそう

と言えそうです。

 

買うなら:商業地の周辺は様子見、それ以外は買い

新型コロナの影響が大きい商業地の周辺では、今後も影響が出ますので、坪単価が高いと感じられる場合には、まだ様子見の方がいいでしょう。

しかし、それ以外のエリアでは今が買い時の可能性が高いと思われます。

その理由は2つあります。

 

①土地価格の下落分よりも、待っている間の家賃の方が高くつく

例えば、坪30万円ぐらいの土地であれば、40坪でも1,200万円程度で買えます。

仮に数年で1割下げたとして120万円ぐらいしか安くなりませんから、その間の家賃を考えると、早めに買った方がトクになりますよね。

 

②異次元緩和で低金利の今がチャンス

また、現在は住宅ローンがかなり安いため、月々の返済負担が軽いのもチャンスです。

ですから、もし家を買おうと思っているのならば、土地価格が下がるのを待つよりも、金利が上がる前の今のうちに買うのがベストでしょう。

 

ただし、購入を検討する場合には、今後の金利上昇を想定しておかないと大変なことになるので、「フラット35」「10年以上の固定金利」でも返済ができるかどうかで予算を考えるべきでしょう。

 

非公開物件=安い物件

不動産を売る理由はさまざまですが、「周りに知られずに売却したい」という売主は一定の割合でいます。

そのような物件は、ネット上にも出回らず「非公開物件」として登録されます。

また、売主はあまり相談する相手を広げたくないため、まずは建てたメーカーに相談する場合が多いです。

 

非公開物件の実態

 

当然、このような物件は少ないお客さんにしか目にとまる機会がないため、相場よりも価格の安い可能性が高いのです。

 

こちらの「タウンライフ」に登録すると、お近くの複数の不動産会社から、非公開物件の情報を教えてもらえます。

 

タウンライフ家造り

 

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売るなら:金利が上がる前に売った方がいい

アベノミクス以降のこの8年間は金利の低下によって、買い手が月々の返済額を引き上げなくても値上がりした家を買える時期でした。

不動産を売るなら、金利の低い今が1番のチャンスと言えます。

 

公示地価を信じると損をする?

この記事では公示地価をもとに解説していきましたが、公示地価は「その地域の平均的な価格」なため、実際の取引ではこれ以上に高く、または安く取引されることがあります。

 

例えば、仙台市青葉区内に「上杉(うえすぎ)」という、地下鉄「北仙台駅」の南側に広がる住宅地があります。

 

こちらの公示地価と実際の取引価格は、

  • 公示地価:82万円/坪
  • 実際の取引価格:60〜110万円/坪

と、公示地価の約0.7〜1.3倍で取引されていました。

最高価格は、最低価格の約1.8倍です。

 

【仙台市青葉区上杉の公示地価】

仙台市青葉区の公示地価

  • 地下鉄「北仙台駅」から1,000mの距離、徒歩約12分(1分=80m)
  • 248,000円/㎡ × 3.3(㎡/坪) = 82万円/坪

(参考:国土交通省地価公示・都道府県地価調査)

 

【仙台市青葉区上杉の土地取引(令和元年〜2年)】

仙台市青葉区の土地取引

  • 北仙台駅から徒歩11〜16分のエリアで、60〜110万円/坪で取引されている
  • どちらも「第2種住居地域」という、似たような街並みのエリア

(参考:国土交通省 不動産取引価格情報検索)

 

このような感じで、全国の公示地価と実際の取引を調べてみたのですが、やはり公示地価と実際の取引ではかなりの価格差があることがわかりました。

 

同じ地域なのに、

「公示地価の3割増し、場合によっては2倍以上の価格で取引されている」

といった取引がゴロゴロ見つかったのです。

 

都道府県住所公示地価/坪取引価格/坪公示地価の何倍?
宮城県仙台市青葉区旭ヶ丘32万円29〜47万円0.91〜1.47倍
宮城県仙台市若林区荒井40万円25〜60万円0.63〜1.5倍
宮城県仙台市宮城野区燕沢東17万円11〜31万円0.65〜1.82倍
宮城県仙台市太白区大野田46万円53〜72万円1.15〜1.57倍
宮城県仙台市泉区将監26万円34〜52万円1.31〜2倍
宮城県大崎市古川大宮9.4万円3.5〜11万円0.37〜1.17倍
宮城県石巻市三ツ股10万円7.8〜14万円0.78〜1.4倍
宮城県名取市大手町27万円29〜40万円1.07〜1.48倍
宮城県登米市中田町石森3.3万円2.1〜10万円0.64〜3.03倍
宮城県多賀城市新田18万円9.2〜23万円0.51〜1.28倍
宮城県富谷市鷹乃杜17万円8.6〜24万円0.51〜1.41倍

 

つまり、あなたの不動産はもっと高い評価額の可能性があるのです。

では、どうやってそれを調べられるのか?

 

答えは不動産の一括査定です。

というのも、複数の不動産会社の査定を比較することで、「あなたの不動産を得意とする会社の査定額」がわかるからです。

 

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