長野県の土地価格の7年間の動きと、今後の見通し | イエ&ライフ

長野県の土地価格の7年間の動きと、今後の見通し

長野県の土地価格の7年間の動きと、今後の見通し長野県

(画像出典:wikimedia commons z tanuki, JR 長野駅前)

 

この記事では長野県の

  1. この8年間の土地価格の動き
  2. 新型コロナの影響を含め、今後どうなるのか?

の2点について解説しています。

 

1、過去8年間の長野県の不動産の上がり方の特徴とは?

まずはじめに、この8年間で長野県内の不動産が、どのような動きをしてきたのかをザッと見ていきましょう。

 

この8年間の長野県の公示地価を調べてみると、住宅地は7.2%の下落をしていました。

 

長野県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

今度は市区町村別に、この7年間の住宅地の上昇率を見てみましょう。

 

上昇しているのは、軽井沢町、塩尻市のみ

長野県の公示地価の変化率マップ

(参考:国土交通省 地価公示)

 

ご覧のように、市区町村単位で見ると、軽井沢町と塩尻市のみで、それ以外の市町村では軒並み下落しています。

 

なぜ、これほど下落している地域が多いのか?

理由は大きく2つあります。

 

①公共事業の減少で土地価格が下落した

1つ目は、公共事業の減少です。

長野県の住宅地のピークは、長野オリンピックのあった1998年ごろです。この頃までは公共事業も多くあったため、土地価格も安定していました。

 

しかし、その後は金融機関の不良債権問題や、政府のムダが問題視されて公共事業がどんどん減らされていきました。

なんと、この20年間で約3分の1にまで減ってしまったのです。

 

長野県の公共事業は、1999年から3分の1に減少

長野県の公共事業と公示地価

(参考:総務省統計局 行政投資実績)

 

1990年代の公共事業では、郊外にバイパスなどの大きな道路が作られ、大きなお店が出しやすくなりました。

しかも、2000年には大店法(大規模小売店舗法)が改正されて、郊外にショッピングモールを作れるようになりました。

 

イオンモールのような大きなお店を出す時って、周りで渋滞ができないようにいろいろ規制があるんですけど、90年代にやった道路を大きくする工事のおかげで、けっこう簡単に作れるようになったんですね。

 

そうすると、わざわざ駅前のお店で高い駐車場代を払って買う必要もありませんから、古い住宅地に家を買う必要がなくなりました。

それで、どんどん郊外に家が建つようになってしまったのです。

 

そこに追い打ちをかけるように、2000年代に入ると公共事業がさらに削られていきました。

これによって働く人の給料が下がり、余計に土地価格の安い郊外に家を建てる人が増え、中心街が廃れてしまったのです、、、

 

②人口が減って、家を買う人が減った

2つ目が、人口の減少です。

家を建てる中心年代である30代の人口は、2007年ごろがピークでした。

長野県では、すでにこの10年間で約7万人減少しているのです。

 

長野県の30代人口と新設戸数

(参考:国土交通省 建築着工統計調査報告)

 

家を買う年代が減れば、家を建てる人は減りますから、この5年間でも着工件数は増えていません。

しかも、多くの人は土地価格の安い郊外に家を建てるため、中心部ではさらに土地価格が下落していったのです。

 

上昇している地域の特徴とは?

そんな状況ですが、もちろん上昇しているエリアもあります。

 

特徴的なのは、

  • ショッピングモールの近く
  • 外国人観光客の多いエリア
  • 通勤需要のあるエリア

ですね。

 

例えば、松本市では2017年にイオンモール松本ができて、その周辺に住みたいという人が増えて、住宅地を中心に上昇をしています。

 

また、この5年間で長野県の外国人観光客数も大きく増えました。

宿泊客数が30万人から100万人まで、4倍以上に増えたのです。

 

長野県の外国人宿泊者数は、平成29年に100万人を突破

長野県の外国人宿泊数の推移

(参考:長野県 平成29年外国人延宿泊者数調査結果)

 

外国人宿泊数が1番多いのは軽井沢町です。

そのため、長野県内では軽井沢町の上昇率が1位となっています。

 

そして、それに次いで多いのが、松本市です。

そのため、松本市に仕事を求めて家を買う人が増え、周辺の市も含めて松本市への通勤需要が生まれているのです。

 

具体的には、安曇野市では松本市にかけて走る国道147号線沿いの土地価格が上昇しています。

 

このように、上昇している地点を見ると、それなりに納得のいく理由があるわけですが、そのような理由がないエリアでは買い手も減っていく一方なので、土地価格が下落傾向にあるわけですね。

 

2、これからどうなるのか?

長野県の土地価格に影響がありそうなリスクをまとめました。

 

(1)そろそろ低金利が終わりそう?

異次元緩和とは、日銀が国債を買い占めることで、金利を引き下げてきた政策でした。

しかし、このような方法は、戦後にひどいインフレになってしまったこともあって「禁じ手」として採用されてこなかった政策です。

 

1930年代に高橋是清蔵相が昭和恐慌からの脱却を目指して直接引き受けを断行したが、戦費拡大に伴い引受額は増大し、戦後の急激なインフレにつながった。

当時の反省から財政法では原則禁止されている。

(参考:「白川総裁、昭和恐慌引き合いに「歯止め失う」 日銀議事録詳報」)

 

このような危なっかしい政策を10年続けた結果、これ以上は、金利が下がらない水準まで来ました。

むしろ、その副作用の方が話題になることが増えています。

 

例えば、預金者のお金を国債で運用していた地銀は、この異次元緩和によって、金利が低下したことで国債からの利息が減ってしまい、本業で赤字の銀行が一気に増えています。

 

2013年以降、赤字銀行が一気に増えている

地銀の決算状況

(金融庁:地域金融の課題と競争のあり方)

 

このような状況もあって、今年の3月に、日銀は長期金利の変動幅を±0.25%まで緩和すると発表しました。

この発表を受けて、日経新聞が専門家にアンケートしたところ、9割の人が「上昇する」と回答しています。

(参考:2021.3.22 日経新聞「長期金利「上昇」9割 日銀政策修正で市場参加者」)

 

このように、副作用もあり、徐々に緩和する流れにもあることから、任期が満了する2023年4月までに、異次元緩和が終了する可能性は高いと考えられます。

2021年8月現在から数えると、あと約1年半ぐらいの間がチャンスと言えます。

 

金利が上がると、同じ返済額でも買える価格が下がる

金利上昇で下落

 

なお、金利が上昇すると、住宅ローンの返済額が増えるため、不動産価格は下落していきます。

 

そのため、特に売却を検討している人は、異次元緩和で低金利が続いているうちに、準備をしておいた方がいいでしょう。

 

 

(2)これから長野県の人口はどうなるの?

国立社会保障・人口問題研究所が、今年発表した長野県の人口の見通しによると、2025年までに14万人減少するそうです。

 

長野県の人口は、2025年までに14万人減る

長野県の総人口の見通し

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)

 

また、家を買う中心年代である20〜40代も、2025年までに12万人減る見通しです。

 

長野県の20〜40代人口は、2025年までに12万人減少

長野県の20-40代人口の見通し

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)

 

家の買い手が今よりも2割近く減るので、これまで通りの上昇は見込めなくなるかもしれません。

 

結論:売るなら?買うなら?

 

というわけで、長野県の今後の土地価格についての結論は、以下の通りです。

  • 今回の土地価格の上昇は、日銀の異次元緩和がきっかけ
  • 長野県内では人口の減少が進んでいるため、観光客の増えている一部のエリア以外では、土地価格はむしろ下がってしまった
  • 新型コロナでも今のところ影響は小さいが、これから業績の悪化企業が増えてくると予想され、買い手が減っていきそう

と言えそうです。

 

買うなら:商業地の周辺は様子見、それ以外は買い

新型コロナの影響が大きい商業地の周辺では、今後も影響が出ますので、坪単価が高いと感じられる場合には、まだ様子見の方がいいでしょう。

しかし、それ以外のエリアでは今が買い時の可能性が高いと思われます。

その理由は2つあります。

 

①土地価格の下落分よりも、待っている間の家賃の方が高くつく

例えば、坪30万円ぐらいの土地であれば、40坪でも1,200万円程度で買えます。

仮に数年で1割下げたとして120万円ぐらいしか安くなりませんから、その間の家賃を考えると、早めに買った方がトクになりますよね。

 

②異次元緩和で低金利の今がチャンス

また、現在は住宅ローンがかなり安いため、月々の返済負担が軽いのもチャンスです。

ですから、もし家を買おうと思っているのならば、土地価格が下がるのを待つよりも、金利が上がる前の今のうちに買うのがベストでしょう。

 

ただし、購入を検討する場合には、今後の金利上昇を想定しておかないと大変なことになるので、「フラット35」「10年以上の固定金利」でも返済ができるかどうかで予算を考えるべきでしょう。

 

非公開物件=安い物件

不動産を売る理由はさまざまですが、「周りに知られずに売却したい」という売主は一定の割合でいます。

そのような物件は、ネット上にも出回らず「非公開物件」として登録されます。

また、売主はあまり相談する相手を広げたくないため、まずは建てたメーカーに相談する場合が多いです。

 

非公開物件の実態

 

当然、このような物件は少ないお客さんにしか目にとまる機会がないため、相場よりも価格の安い可能性が高いのです。

 

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売るなら:金利が上がる前に売った方がいい

アベノミクス以降のこの7年間は金利の低下によって、買い手が月々の返済額を引き上げなくても値上がりした家を買える時期でした。

不動産を売るなら、金利の低い今が1番のチャンスと言えます。

 

特にコロナショックの影響は、長期間になる可能性もあり、景気が悪化するほど買い手が減っていきますので、今のうちに準備をしておいた方が後悔しないはずです。

 

公示地価を信じると損をする?

 

この記事では公示地価をもとに解説していきましたが、公示地価は「その地域の平均的な価格」なため、実際の取引ではこれ以上に高く、または安く取引されることがあります。

 

例えば、長野市内に「若里(わかさと)」という地区があります。

長野駅の南側に広がる住宅地です。

 

この若里地区の公示地価と実際の取引価格は、

  • 公示地価:29万円/坪
  • 実際の取引価格:30〜46万円/坪

と、公示地価の約1.0〜1.6倍で取引されていました。

取引価格同士で比べると、1.5倍の価格差があります。

 

【長野市若里の公示地価】

長野市若里の公示地価

  • 長野駅から1,400mの距離、徒歩約18分(1分=80m)
  • 88,000円/㎡ × 3.3(㎡/坪) =29万円/坪

(参考:国土交通省地価公示・都道府県地価調査)

 

【長野市若里の土地取引(過去2年間)】

長野市若里の土地取引

  • 長野駅から徒歩14〜28分のエリアで、30〜46万円/坪で取引されている
  • 公示地価も実際の取引も「第1種住居地域」という同じ建築制限

(参考:国土交通省 不動産取引価格情報検索)

 

このような感じで、全国の公示地価と実際の取引を調べてみたのですが、やはり公示地価と実際の取引ではかなりの価格差があることがわかりました。

 

同じ地域なのに、

「公示地価の3割増し、場合によっては2倍以上の価格で取引されている」

といった取引がゴロゴロ見つかったのです。

 

都道府県住所公示地価/坪取引価格/坪公示地価の何倍?
長野県長野市若里29万円30〜46万円1.03〜1.59倍
長野県松本市桐21万円29〜30万円1.38〜1.43倍
長野県上田市常磐城14万円14〜18万円1〜1.29倍
長野県飯田市鼎10万円3〜12万円0.3〜1.2倍
長野県佐久市岩村田10万円7.3〜13万円0.73〜1.3倍
長野県安曇野市豊科南穂高4万円1.2〜20万円0.3〜5倍
山梨県甲府市上石田15万円19〜23万円1.27〜1.53倍
新潟県新潟市中央区天神尾38万円35〜62万円0.92〜1.63倍
新潟県長岡市東栄19万円13〜19万円0.68〜1倍
新潟県上越市春日野14万円9.6〜16万円0.69〜1.14倍
新潟県三条市西裏館11万円13万円1.18倍
新潟県新発田市住吉町13万円12〜16万円0.92〜1.23倍
新潟県柏崎市北半田13.7万円8.3〜14万円0.61〜1.02倍
新潟県燕市東太田11万円6〜16万円0.55〜1.45倍
富山県富山市牛島本町26万円23〜36万円0.88〜1.38倍
富山県高岡市城東17万円9.3〜19万円0.55〜1.12倍
富山県射水市太閤山15万円12〜18万円0.8〜1.2倍
石川県金沢市泉野町35万円24〜45万円0.69〜1.29倍
石川県白山市八ツ矢町20万円13〜25万円0.65〜1.25倍
石川県小松市日の出町35万円24〜45万円0.69〜1.29倍
石川県加賀市小菅波町14万円2.3〜21万円0.16〜1.5倍
石川県野々市市押野26万円25〜31万円0.96〜1.19倍
福井県福井市灯明寺19万円15〜26万円0.79〜1.37倍
福井県坂井市丸岡町西瓜屋10万円12〜15万円1.2〜1.5倍

 

つまり、あなたの不動産はもっと高い評価額の可能性があるのです。

では、どうやってそれを調べられるのか?

 

答えは不動産の一括査定です。

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