今回の動画は、「雑魚がられるイギリス。三極体制にハメられる欧州カナダの末路」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
1/29に、イギリスのスターマー首相は、中国を訪問し習近平氏と会談しました。
英国の首相としては、2018年以来ということで、約8年ぶりの訪中となります。

この訪中に先立つ、1/20に、英国政府は、ロンドンに中国の巨大大使館の移転・建設を承認しており、中国のご機嫌を取った上での訪問ということで、アメリカの次の寄生先にしようとする気、満々での訪問だったように思います。
それで、具体的にどんな話がされたのか?というと、イギリスからはアストラゼネカ社が150億ドルの台中投資をするとか、オクトパスエナジーというエネルギー会社が中国で合弁会社を作るとか、そういった企業による対中投資を増やしていくとしています。

一方で、中国はどう応じたのか?というと、スコッチウイスキーの関税を10%から5%に半減させるとか、中国への30日以内滞在についてのビザなし渡航が可能とするといった話で、これは日本やドイツ、米国などと同じ条件にしてもらったようです。
なので、中国が大きく譲歩したみたいな話ではなくて、イギリスがたくさんのお金を持って朝貢に来たみたいな、そんな内容だったように、個人的には思います。

それで、この動きは、イギリスだけではなく、他のヨーロッパ諸国やカナダなど、いわゆる西側諸国で相次いで活発化しています。1/15日にはカナダのカーニー首相が訪中し、EVの関税引き下げなどの協定を結びましたし、フィンランドやアイルランドの首脳も訪中しています。
また、2月にはドイツのメルツ首相も訪中予定ですし、フランスのマクロン大統領は、昨年12月にすでに訪中しており、さらに今年6月に行われるG7サミットに習近平氏を招待すると発言しています。

このように、アメリカ以外の西側諸国が、中国詣を活発化させているのは、1月に行われたダボス会議での、カーニー首相の演説内容に、その意図が表れていました。
カーニー首相は、アメリカにおんぶに抱っこの古い時代はもう終わりだから、俺たち中建国、まあ、人口数千万人規模の欧州諸国のことを言ってるのでしょう、これらの国々は、力を合わせて、このルールが変わった現実に向き合うべきだと、そんな演説をして、欧州のグローバリストから拍手喝采を受けていたのです。
昨年1月から始まったトランプ政権は、軍事費を上げろとか、ウクライナ戦争の停戦の邪魔すんじゃねえとか、中国と仲良くするなら関税あげるぞとか、いろいろと圧力をかけてきてましたので、このままアメリカ様のいうことばかり聞いていたら、大変なことになると、他の宿主を探そうと、中国に白羽の矢が立ったのだと思います。

ところがです。
先ほどご紹介したように、今回のスターマー氏の訪中は、中国からのデカい土産話はなく、むしろイギリスからの対中投資の大盤振る舞いのような内容だったにも関わらず、その後のスターマー首相への中国の態度が、ものすごく適当だったことが、X上でツッコミを入れられてて、笑い物にされてました。
左の画像がそれを表している投稿なのですが、トランプ氏が以前訪中した際には、習近平氏が故宮を案内していたのですが、今回のスターマー氏には、なんか一人、適当な通訳を一人つけて、放り出したような感じだったのです。
まるで、ツーブロックゴリラが、会社にうざい保険営業に来たから、3分だけ話は聞いてやったけど、あとは適当に会社の中見てってもいいよ、とあしらった社長のような反応だったのです。
というわけで、今回の動画では、ダボス会議でアメリカ離れを宣言したはいいけれど、その後、頼る先がなくて自滅していく、西側諸国のこれからについて、見ていきたいと思います。
それでは、参りましょう。
2、新しい世界秩序とは何か?
まず最初に、すでに始まっている新しい世界秩序について、ざっくりと解説していきます。
ダボス会議で、カーニー首相は古い秩序には、もう戻らないと言ってましたが、この古い秩序とは、アメリカがジャイアン、西側先進国がスネ夫、それ以外の中国ロシア、中東アフリカなどの国々がのび太、みたいな関係のことです。
のび太のくせに生意気だと、ジャイアンとスネ夫が、いつでも戦争を仕掛けたり、人権人権と難癖をつけて経済制裁をかけたり、政権をひっくり返したりしてきた世界秩序のことですね。
ところが、中国やロシア、そして他の国々も力をつけてきたため、ジャイアンももうこれ以上虐めたら、逆にやり返されてしまうとビビり始めて、のび太と仲直りしてしまった。
それでスネ夫はどうするの?というのが、新しい世界秩序です。
第1期トランプ政権が始まって以降、トランプ、プーチン、習近平の3人が世界を牛耳ろうとしている、みたいな記事がたびたび出てきましたが、これにいよいよスネ夫の俺たち西側先進国も対応しなければいけないと宣言したのが、今回のダボス会議のカーニー首相だったわけです。
それで、この3カ国による世界秩序は、三極体制と言われたりします。英語ですと、トリポーラー・ワールド・オーダーなんて言葉が、よく使われています。

それで、この三極体制とは具体的にどういうものなのか?ということなんですが、ロシアトゥデイに最近寄稿されていた記事が、わかりやすいと思うので、その内容を軽くご紹介します。
この記事を寄稿された人は、ナイジェリアの地政学戦略家で、大統領選挙にも立候補したことがある、アダム・ガルバ2世という方です。
アフリカから見た時に、この三極体制がどのように見えるか?というと、
①これまでは米国が軍事力でやりたい放題だった。アメリカのいうことを聞く政治家は、いい目に遭ってきたけど、その代わりに戦場にされたり、イスラム国みたいなテロ組織が暴れまくったりと大変だった
②しかし、現在は、アメリカが撤退し、経済・貿易関係は中国が担当し、安全保障はロシアが担当している。
2010年以降のアラブの春で、無茶苦茶になった西アフリカ諸国も、ロシア軍のおかげで、沈静化してきたし、中国の一帯一路政策で、資源を売って外貨を稼げるようにもなってきた
③もう先進国からの援助は期待できないので自国の産業や資源で貿易するしかない
といった内容でした。

これを図に表すとこんな感じでしょうか。
昨年12月に、トランプ政権が国家安全保障戦略を公表してまして、そのオフレコ版の中に、C5という構想があるのですが、この構想と今回の三極体制を合わせると、こんな感じになります。
アメリカは、アメリカ大陸だけに引っ込んで、それ以外の国については、中国が経済を担当し、ロシアが軍事を担当する、日本やインドなどの、自立できそうな大国は、中露とアメリカとの間で、バランスさせていく、みたいな感じですね。
じゃあ、スネ夫こと欧州カナダはどうなるのか?ということなのですが、先ほどのガルバ2世氏の論考によると、欧州カナダはフィンランド化するだろうと考えています。

フィンランド化とは、ソ連・ロシア時代のフィンランドの外交方針のことで、「民主主義と資本主義を維持しつつ、ソ連やロシアの意思には絶対反抗しない」という中立姿勢を貫くということを指します。
つまり、「俺たち小国は、攻められたら負けるので、大人しくしてます」ということですね。
欧州も、このようになるだろうというわけです。
ロシアからアフリカや中東の面倒を見るには、欧州上空を通ったり、地中海を渡ったりしなければいけません。
その時に、イチイチ欧州がたてついてきたらウザいわけですが、アメリカという後ろ盾がなくなった今、ロシアに対抗することはできないだろう、だから、「雑魚は雑魚らしく、じっと黙って、従うしかないだろう」というわけですね。

なので、この三極体制の元では、欧州の立場はかなり弱くなっていくものと予想されるのですが、今まで調子の乗ってきたスネ夫が、このまま家に引っ込むだけで許されるのでしょうか?
例えば、現在も続いているウクライナ戦争は、もともと欧米諸国のグローバリストが、ウクライナをけしかけて、2014年にマイダン革命を起こして、ロシア系住民を攻撃したり、ロシアと戦うために軍事訓練をさせたり、軍備を整えたりして、ロシアを挑発して結果起こったものです。
なので、ウクライナ戦争が終わらないのは、ウクライナや欧州諸国の反対もありますが、ロシアとしても、欧州やアメリカが、二度とロシアに歯向かってこないように、グローバリストに潰れてもらう必要があるのです。
だからこそ、ウクライナ戦争がこれほど長期化しているし、まだまだ続くと見ています。

それで、もし、この見立てが正しいとすると、ロシアと同盟関係にある中国が、欧州を助けるなんてことがあり得るのでしょうか?
昨年4月のトランプ政権による相互関税発表以降、中国は自由貿易の擁護者として、各国との貿易関係を強化してきました。
そのため、欧米のグローバリストとの相性が良さそうに見えるので、欧米諸国がすり寄って来ているのだと思いますが、昨年のEUの対中貿易赤字は、3000億ドルと過去最大に膨らんでいます。
現在の欧州は、気候変動詐欺に頭をやられているので、バカたかい風力発電や太陽光発電で電気代が上がりまくっていたり、役立たずのEVをゴリ押しして、ついていけない自動車メーカーがリストラを加速させたりと、製造業の空洞化が進んでいますので、ただでさえ安い製品が作れる中国に、太刀打ちできません。
すり寄ろうとしたら、実力勝負で逆に返り討ちに遭っているような状況なのです。

また、現在のユーロ円を見ると、1ユーロ183円台と、かなり高い水準にありますが、ドルに対しても、ここ1年ぐらいで1割ぐらい上がっており、ユーロ高が続いています。
ダボス会議の前から、グリーンランド問題などで、欧州とアメリカとの仲はさらに悪くなっていたので、欧州が持ってる米ドル資産も売っちゃえば良くね?みたいな議論が出ていました。
それで、カーニー首相の演説と同じ日に、デンマークの年金基金が米国債を1億ドル売ると発表しており、これからさらに欧州の米国資産売りが進む可能性があります。
ドイツ銀行のレポートによると、欧州各国が持つドル資産は、約12.6兆ドルほどあるということなので、そのうちの一部でも売却して自国に資金を割り振るようになれば、兆円規模のドル売りユーロ買いが起こり、さらにユーロ高が進む可能性があります。
ユーロ高とは、日本で言えば1ドル120円とか100円とかの円高になるようなイメージなので、自動車などの輸出産業の競争力が下がり、さらに輸出がやりにくくなりますから、中国からの輸出攻勢で産業が衰退していきます。

さらに、今回、中国との関税引き下げ交渉を進めたカナダが、アメリカから100%の制裁関税をかけると脅されたり、カナダのドル箱であるオイルサンドという原油が埋蔵されているアルバータ州の分離独立派の人たちが、アメリカに併合してもらおうと、アメリカ政府と非公式の会合を何度も行っていたりと、かなり藪蛇な展開となっています。

というわけで、ここまでのことをまとめるとこうなります。
①欧州、カナダは、トランプ政権からロシア敵視をやめるな!軍事費を上げろと圧力を受けているので、ロシアと仲良くできないし、特にイギリスは仲良くする気もない
②アメリカは、欧州と仲良くするつもりがないので、中国にすり寄るしかない
③しかし、中国は対等な貿易しか受けない。規制だらけで産業力が弱ってる欧州に、売れるものはそれほどない
④さらに、トランプが中国にすり寄る欧州カナダにブチギレて、関税引上げやアルバータ州併合やらで嫌がらせ。腹いせにドル資産を売ったら売ったで、ユーロ高でさらに中国からの輸出に負ける
ということで、完全に詰みの状況にあるのです。
欧州カナダが、この状況から脱するには、気候変動詐欺は、詐欺でしたと認めて、アホな環境規制を全部撤廃して、エネルギーコストを引き下げ、製造業や農業などの、実体経済の生産力を高めるしかありません。
ですが、それをやるということは、今まで美味しい思いをしてきたグローバリストの官僚や金融機関の力を削ぐということになりますから、まあ無理でしょうね。

なので、欧州カナダは、これからさらに厳しい状況に追い込まれるでしょう。
前回のこちらの動画でご紹介しましたが、現在の欧州は、イかれた移民犯罪を野放しにする一方で、それに文句を言う国民の言論弾圧が進んでいるので、今までのやり方を反省するどころか、さらにヤバい方向へとエスカレートさせていく一方です。
イギリス、フランス、ドイツなどの欧州の主要国は、2024年、25年に総選挙をやったばかりなので、当分今の体制で、政治が進みますから、今年はさらに酷くなった欧州を見ることができると思います。







コメント