この記事では、「世界的に高学歴増えすぎ問題。何に使うの?その頭」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
先日こちらの動画を出して、多くの方に見てもらい、たくさんのコメントをいただきました。ありがとうございました。
こちらの動画では、エマニュエル・トッド教授の「西洋の敗北」を参考に、現在のアメリカ社会を解釈していったわけですが、この動画を作るにあたって、いろいろと考えさせられたのが、
「なんか、エリートってたくさんいると、ろくなことにならねえなあ」ということでした。
アメリカの調子に乗ったリベラル・エリートが、「人権だ」「自由だ」と喚き散らかして、世界中に民主主義を押し付け、たまに戦争やクーデターを仕掛けてきました。
そして、国内でも、保守層を虐め続けたことで、製造業が海外に出て雇用が失われ、社会が衰退してきました。しかし、トランプ政権の誕生で、いじめっ子のターンから、復讐されるターンに回ったことで、ヒステリーを起こしている、ということを解説しました。
トッド教授は、この書籍では、あまり詳しく語っていませんでしたが、ソ連が崩壊した理由も、高学歴の若いエリートが、学歴に見合った役職に就けなくなったことによる不満から、クーデターが起こって、崩壊に至ったと語られています。
このように、時に社会に害悪となるエリートですが、トランプ政権は、先月ぐらいから、アメリカの一流大学に対する、政府の資金援助を凍結し始めました。
コロンビア、ハーバード、プリンストン、コーネル、ノースウェスタンなど、日本で言うところの、東大や京大、早稲田、慶應にあたるような格の大学を含めた、60以上の大学に対して、数百億円から数千億円規模の補助金の凍結が進められているのです。
DEIと呼ばれる、黒人やマイノリティを優先して入学させる採用方針や、批判的人種理論と呼ばれる、白人は社会の片隅で黙ってろ、みたいな理屈で洗脳しようとしているのが、現在の一流大学なので、それをやめないとカネ出さねえし、税金の免除もしねえからな、と言っているのです。
また、トランプ政権は、大学だけでなく、政府が持っている研究機関の削減も進めています。
例えば、日本でも有名なNASAは、全体予算の2割、そして科学研究の予算が半分ほど、削減される見通しです。金額にして、約7,000億円の削減となります。
アメリカ海洋大気庁の予算も、25%削減されると言うことで、職員の解雇も進めようとしています。こちらも、数百億円規模での、削減が予定されています。
また、政府機関だけでなく、世界中に金をばら撒いていた、悪名高いUSAIDの予算が、8割近く削減されました。この予算削減によって、海外支援をしていた研究者の仕事がなくなりました。
そのため、ネイチャー誌によると、アメリカの科学者1600人にアンケートをとったところ、75%が退職を検討しているとのことです。
このような動きは、トランプ政権だけではありません。
中国でも、あまりに受験戦争が激しくなりすぎて、社会が不安定化しているため、2021年に学習塾を禁止して、小中学校の宿題を減らすように規制をしました。
これによって、上場していた学習塾は倒産しました。
現在は、多少規制が緩められているようですが、中小の学習塾が少し復活しているぐらいで、当局から目をつけられるような大規模な広告や店舗の展開はしていないようです。
日本でも、進学率は年々上がり続けていますが、大学院の博士職までとっても、ろくな仕事につけずにいるという、ポスドク問題も以前から知られています。
また、上場企業による早期退職制度の利用も増えており、さらにこれからAIが進化していけば、ホワイトカラーの仕事はどんどん減っていくと予想されていますし、実際そうなると思います。
つまり、「良い大学に入っていい会社に入れば、人生は安泰」の現実味は、さらに低くなっているのです。
うちの子も、今年から大学生なのですが、こんな引きこもりのような父親を見て育ったので、
「うちの親父は、いつも家の中で、ひっくり返ってるのに、なんで、こんなに大変な思いをして働かなきゃいけないんだ?」と思うに決まってます。
そこで、今回の動画では、トランプ政権が、これから高学歴の人間をどう扱っていくのか?について、考察していきたいと思います。
それでは、参りましょう。
参考書籍:エリート過剰生産が国家を滅ぼす
なお、今回の動画を作成するにあたり、参考にした書籍をご紹介します。
それが、こちらの「エリート過剰生産が、国家を滅ぼす」です。著者は、ピーター・ターチンという方で、元は複雑系の科学者で、歴史学へと転向した人です。
元々理系の人なので、歴史を科学法則のように、当てはめて考えられないか?という見方で、物事を見ている人です。
この書籍では、題名の通り、「エリートがたくさん増えすぎると、社会が崩壊する」という説をこれまでの歴史的な事例をいくつも取り上げながら、解説してくれるので、読んでてかなり理解しやすいなと思いますし、興味深く読めました。
それでは、本題です。
2、国家が崩壊する4つの要因
まず最初に、「エリート過剰生産が、国家を滅ぼす」の理論について、簡単に説明します。
ターチン氏は、社会が不安定化する要因として、大きく4つの項目を挙げています。
1つ目は、格差の拡大によって、金持ちがさらに金持ちになって、庶民が貧困化していくこと
2つ目は、金持ちになったエリートが増えすぎて、互いに争うようになること
3つ目は、財政の悪化と国家の正当性の低下
そして4つ目が、地政学的要因、つまり、他国からの戦争などの圧力
の4つです。
その中でも、2つ目のエリートが増えすぎることで、互いに争うようになることについては、どの国の崩壊局面においても、共通すると述べています。
中世フランスを例にとると
ちょっとこの点について、中世のフランスを例に説明してみます。
1100年ごろの現在のフランスの人口は、600万人とも900万人とも言われています。ターチン氏は、この書籍の中では600万人説を採用しているようです。
それが、200年後の1300年ごろには、なんと2,000万人を超え、3倍以上となっていました。
当時は、それほど生産技術が高くなかったため、これほど人口が増えてしまうと、人々に十分な食料が行き渡らなくなったり、農業以外の仕事の仕事についても、人手が余っていましたので、賃金も安かったようです。
そのため、農民や平民は、食べ物が手に入りにくく、かなり栄養状態が悪かったようです。
その一方で、領主などの貴族階級は、農民よりも栄養状態が良く、農民以上に人口が増えていきました。
なので、1300年前後のフランスは、今の日本やアメリカのように、金持ちはさらに金持ちになり、貧乏人は給料が上がらず、さらに貧乏になるという、貧富の格差が広がっていた時期でした。
そんな状況だったのですが、天候不順の不作や、伝染病の拡大によって、1325年ごろには、人口が10~15%減ってしまいました。
伝染病のような病気は、栄養状態が悪い貧乏な農民から犠牲になっていきます。そのため、食料を作る生産者の数が減ってしまう一方で、貴族はそれほど死んでませんので、年貢の取り立てはさらに厳しくなっていきます。
そんな状況の中で、当時のフランスの王朝だったカペー朝の王様が亡くなった時に、子供がいなかったため、断絶となり、1328年にヴァロア朝が始まるのですが、イギリスのエドワード3世が、俺がフランス王になってもいいだろ、と首を突っ込んできて、1339年から、100年戦争が始まります。
1340年代はイギリスがフランスに侵略してきて、国土が荒廃していきます。
さらに1348年にはペストが流行り、多くの人が死んでしまい、ブチ切れた農民が1350年代には、ジャック・リーの農民反乱が起こしたりと、どんどん人が死んでいき、1400年ごろには、100年前に比べて人口が半減して、1000万人にまで減ってしまったといいます。
これだけ人が死んでしまったら、いい加減、復興しようと思いそうなものですが、そうはいきませんでした。1392年にシャルル6世が発狂した後、オルレアン派とブルゴーニュ派とで、分かれて、相続争いが始まったのです。
さらに、そこにイギリスも参戦したため、さらに国土はしっちゃかめっちゃかになりました。この時期に、ジャンヌ・ダルクが活躍しています。
それで、最終的にイギリスを追い出せたのは、1450年ごろなのですが、その頃には、多くの貴族が戦争で死んだことで、支配者層の数が減り、1560年ごろまでの約110年間が、ルネサンス期として、社会が安定していったわけです。
1300年の2000万人いたフランスは、そこから150年かけて何が起こったのかというと、
・農民の数が激減し、多くの農民が十分な農地を確保できるようになった。また、人間の数が減ったことで、実質賃金も2倍になった
・数々の戦いで、多くの貴族が死に、社会が荒廃したことを反省して、貴族の間でも一体感が生まれた。「仲違いしてたら、イギリスに攻め込まれて、余計に大変なことになってしまう」という反省ですね
・このような一体感が生まれたことで、国をきちんと運営しようという気持ちが生まれ、社会制度の整備が進んだ
といえます。
なんだか今のアメリカや日本のも、通じるような話ですよね。
アメリカに当てはめてみると?
そこで、今度は、現在のアメリカについても、同様に見ていきましょう。
ターチン氏が挙げた、国家が崩壊する4つの要因に沿って当てはめていきます。
①格差の拡大
まず1つ目が、格差の拡大です。
アメリカの格差は、先進国の中でもかなり酷いことで知られていますが、エリートと一般労働者との格差が広がってきたのは、大きく2つの契機があったと思います。
それは、1971年のニクソンショックと、2002年のWTOへの中国の加盟です。
ニクソンショックによって、アメリカはドルと金と交換する義務から解放され、いくらでもドルを刷れる体制へと変わりました。
その代わりに、米ドルでしか中東の原油を変えないようにしたため、各国はアメリカへの輸出を増やそうとし、余った米ドルは米国債などの金融商品で運用するようになったため、金融機関が儲かるようになりました。
また、アメリカの労働分配率を見てみると、1960年後半あたりから、下がり始めて、2000年代に入るとさらにグッと加速しています。これがWTOへの中国加盟による影響です。
アメリカ企業が中国に工場を作り、アメリカに輸入するようになったため、工場の閉鎖と失業者の増加が進み、労働者の立場が弱くなっていったものと考えられます。
つまり、米ドルという基軸通貨のおかげで、金融業が潤い、世界中から優秀な人材が集まることから、IT産業のような知識産業が発展した一方で、一般庶民がそこそこ高収入を得られるような製造業の仕事がなくなり、貧富の差が拡大していったわけですね。
②エリート同士の争い
そして、2つ目は、エリート同士の争いです。
これは、リベラル派が率いるバイデン政権と、トランプ氏とその支持者のMAGA派との戦いとして捉えられます。
バイデン政権時代のアメリカは、トランプ氏の支持者、いわゆるMAGAと呼ばれる人たちへの弾圧を行いました。
1番大きいのは、2021年1月6日あった、連邦議会襲撃事件への対応でしょう。
バイデン大統領の当選を不服とした、トランプ氏の支持者が、連邦議会を襲撃したとして、多くのかたが逮捕されました。
この連邦議会襲撃事件に限らず、バイデン政権は、トランプ支持者に対して、かなりエグい差別をおこなってきました。
私が衝撃を受けたのは、昨年のハリケーン・ミルトンで被災した人たちのうち、トランプ支持の看板を掲げていた家に対しては、救助をするなと、FEMAという、日本でいうところの消防庁の監督官が指示を出していたというニュースです。
どういう頭の構造をしていれば、政府の担当者がこのような指示を出せるのでしょうか?
これは、間違いなく、当時の民主党政権が、トランプ支持者をあえて、さらに苦しませようとしていたとしか思えません。
いつからリベラルが攻撃的になったのか?
では、このような過激化が起こったのは、いつ頃からなのでしょうか?
それは、おそらく、トランプ氏が大統領選挙で活躍し始めた2016年ごろからだと思います。
(参考:Betterconflictblletin.com)
大学における、講演会のキャンセル数を見てみると、リベラル左派によるクレームによるキャンセル数が一気に増えたのが、2016年からでした。
この年は、トランプ対ヒラリーの大統領選挙が盛り上がった年です。
トランプ氏は、この頃は、今よりももっとあけすけな発言が多く、人種差別的なイメージが強かったと思います。
なので、ヒラリー氏も、トランプ氏の支持層である低学歴、低収入の白人層を「嘆かわしい人々」と過激にディスってました。
ヒラリーの過激発言は、これだけにとどまりません。
これらの白人男性を人種差別主義者、性差別主義者、同性愛嫌悪者、外国人嫌悪者、イスラム嫌悪者などなど、まあ、ムチャクチャ悪口を言いまくってたのです。
これほど、リベラル派が保守派を敵視するようになったのは、SNSの普及が理由だと思います。
1番有名なのは、2013年に起こった、Twitterでの炎上事件です。
ジャスティン・サッコという女性が、飛行機に乗る前に、Twitterに友達に向けて、ジョークのつもりで以下のツイートをしました。
「アフリカに向かう。エイズにならないことを願う。冗談です。言ってみただけ。なるわけない。私、白人だから!」
というものです。
これが世界中に拡散し、結局、彼女は会社をクビになりました。
こんな感じで、ジョークであっても、SNS上でこんなことを言えば、真に受けた人たちの間で拡散してしまい、人生を台無しにしてしまう可能性がある社会に変わっていたのです。
そのため、自己主張はしたいけれど、炎上したくないリベラル系の人たちが、ポリコレ的な言葉遣いと、ポリコレから外れてる保守層を非難することまでをワンセットとした、処世術を身につけてしまったのでしょう。
これが、いわゆる、意識高い系、Wokeと呼ばれる人たちの誕生です。
このような背景があった中で、第1期トランプ政権が始まったのです。
第1期の政権は、現在のようにトランプ氏のいうことを聞く人だけが、政権の幹部にいたわけではありませんでした。
元々、共和党は、オバマ政権の前のブッシュ政権のように、ありもしない大量破壊兵器疑惑をでっち上げ、イラクに戦争を仕掛けて、たくさんの武器弾薬を消費して、兵器産業を儲けさせようという戦争屋の政党でした。
なので、トランプ氏のいうことを聞く人は少なく、協力者も少なかったため、空回りになってしまいがちだったと思います。
そのため、リベラル派の大学やメディア、そして官僚機構も、トランプ氏に対抗して、結構なやりたい放題をやっていました。
例えば、2017年2月には、バークレー大学で保守派のスピーカーを呼んでの講演会を阻止するために、リベラル系の学生が暴動を起こし、10万ドル以上の被害と、6人の負傷者を出しました。
ところが、ここまでの暴動が起こったのに対して、逮捕者が1人も出なかったのです。
また、有名なものとして、2020年の黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官に殺されたとして、BLM暴動が起こりました。
全米に広がった暴動は、多くの街で放火や強盗被害が起こり、多くの被害を出しました。
ところが、CNNは、燃え盛る街を背景に、「激しいが、概ね平和的な抗議」というテロップと共に報道したのです。
「こんな燃えてますけど、全然みんな平和で、問題ありませんよ」って、マジで頭狂ってますよね。
前回の動画で、アメリカはこれまで、頭がイカれたリベラルが自分たちはいじめっ子だから、何をしても許されると過激化してきたと解説しましたが、「保守派の過激派だって、いろいろ暴動を起こしたりしているだろ」というコメントをいくつかいただきました。
確かに、リベラルでも保守でも、やべえ奴は一定数いるので、犯罪が起こっています。
ですが、これまでのアメリカ、特にニューヨークなどの大都市では、警察や司法、そしてメディアなどが、リベラルを応援する側に立っているケースが目立ちました。
学校で例えるなら、リベラルと保守のいじめっ子がいたとして、リベラルのいじめっ子だけを助ける先生がいるような、そんな状況だったのです。
なので、政府機能を完全にコントロールできなかった、第1期トランプ政権から、次のバイデン政権にかけて、過激化したリベラルは、かなりやりたい放題だったと言えます。
トランプ派のエリートの中にいるテクノリバタリアンとは?
しかし、2020年の選挙に負けたトランプ氏は、自分の考え方に賛成する政治家やシンクタンク、そして、あまり多くはないものの、企業家の支援を受けていました。
トランプ氏を支援していた企業家で有名なのは、政府効率化省のトップをしているイーロン・マスク氏や、ピーター・ティール氏です。
これらの人たちは、テクノリバタリアンと呼ばれています。
金も頭脳も持ち合わせていて、「頭が悪い政治家や官僚に任せるよりも、俺たちがテクノロジーを使って、もっといい社会にすることができる」と考えている人たちです。
つまり、昨年の大統領選挙は、国民を支配したい傲慢な官僚や企業からなるリベラル派のエリートと、自由にやらせろという、超頭がいいテクノリバタリアンも参加しているトランプ派のエリートとの戦いだったと言えるでしょう。
③財政の悪化と国家の正当性の低下
そして、3つ目は、財政の悪化と国家の正当性の低下です。
アメリカの財政は、どんどん悪化しており、特にバイデン政権時代には、国の借金が5兆ドルも増えて、年間の利払も1兆ドルを超えてきて、かなりやばい水準にまできていました。
また、2008年のリーマンショック以降、BRICS諸国を中心に、脱ドル化が進んでおり、今度アメリカがおかしくなったとしても大丈夫なように、米ドルを使わないで貿易ができるような体制を整えてきています。
④地政学リスク(攻められる可能性)
4つ目の地政学リスクについては、アメリカは中国を敵対視しているものの、戦争をする理由もありませんし、そこまでヒートアップしている感じはないと思いますが、脱ドル化が進むことでの、経済状況の悪化の方がリスクがありそうですね。
ということで、ここまでターチン氏の国家が崩壊する条件に沿って、アメリカの現状を見てきましたが、貧富の格差、エリート間の争い、そして、財政の悪化や脱ドル化の動きなど、かなり当てはまるように思います。
ただし、すでにトランプ政権が誕生したこと、そして、今回の政府や議会は、トランプ派が多数を占めていることから、リベラルをぶっ潰すターンが始まっているように思います。
3、トランプ政権は、どうやってリベラルを潰すのか?
では、トランプ政権は、リベラルをどのようにぶっ潰そうとしているのでしょうか?
これまでの政策を見てみると、大きく3つあると思います。
(1)リベラル系大学への補助金停止
1つ目は、リベラル系の大学への助成の停止です。
驚くべきことに、アメリカでは、一流大学と言われるほど、民主党支持の教授が多い傾向にあります。ハーバードは、なんと教授の99%が民主党支持で、プリンストンやコロンビア、エール、バークレーなどのも95%以上が民主党支持となっています。
こんな状況では、可哀想な人たちのために働こうと思う、ぬるい学生が量産されるハメになってしまいます。
例えば、バイデン政権では、不法移民の増加によって、アメリカ国内の治安が大きく悪化しました。これもトランプ氏が大統領選挙で勝利した理由の1つと言われています。
では、その不法移民の流入を手助けしていたのは誰か?というと、バイデン政権の政府機関もそうなのですが、非営利組織、NGOも手引きしていたのです。
昨年7月に、下院司法委員会において、「左派のNGOを通じて、数千万ドルもの税金が、不法移民を手引きするために使われていた」という報告書が出されています。
つまり、今のアメリカの偏差値の高い大学は、リベラルな思想で洗脳して、国内を不安定にするNGOなどの実行部隊に入れるような、犯罪者製造装置になっているのです。
そのため、トランプ政権では、このような大学に対して、補助金を止めています。
面白いのが、その名目が、黒人などのマイノリティを優遇するDEI政策をやってるから、というだけでなく、反ユダヤ主義だから、という理由も活用している点です。
現在のイスラエルのガザへの紛争について、トランプ氏はイスラエル支持を明確にしていますが、おそらく、トランプ支持の日本人でも、これを手放しで賛成する人は少ないでしょう。
どう考えても、イスラエル軍の方が強いですし、ガザで犠牲になっている民間人の悲惨さを考えると、やり過ぎだと思うからです。
実際、ギャラップの調査によると、アメリカ国内におけるイスラエル支持の割合は、減少傾向にあり、パレスチナに同情的な見方の方が増えています。
特に、民主党支持者の中では、イスラエルへの支持率が大きく下がっているようですね。
先ほど説明しましたように、アメリカの一流大学の教授陣の9割以上が、民主党支持者で占められています。
そのような人たちに向かって、反ユダヤ主義とか、反イスラエルをやめないと、金は出さねえと言っているのです。
さらに、留学生に対しても、パレスチナ支持を訴えるような学生のビザを取り消したり、追い出そうとする動きすら進められています。
これは大学にとっては、無理ゲーもいいところです。トランプ政権に屈すれば、優秀な大学生が来にくくなりますし、反発すればお金がもらえず、金のかかる研究ができませんからね。
このように考えると、おそらくですが、トランプ政権は、「自分たちの思想が、イスラエル贔屓、ユダヤ贔屓だと、偏っているように思われてもいい。それよりも、今のリベラルにより過ぎた大学そのものをぶっ潰すべきだ」と考えているように思います。
私は文学部出身ですが、教授に就職ってみんなどうしてるんですか?と聞いたところ、企業とは何のコネもないから、普通に就活頑張ってね、と言われました。
当時は就職氷河期で、就職浪人をした人もいましたし、公務員試験を受ける人もいましたが、要するに、文系の研究で稼げる職種は、ほとんどなかったわけです。
ですが、中途半端に知恵だけはついてますし、親からの期待もあるし、学費も出してもらってますから、高卒の人と同じ仕事に就こうとは、なかなか思えません。変なプライドができてしまいますからね。
アメリカでは、毎年2,000万人近くの人が大学に入学します。単純にその半分が、文系だったとすると、そういう厄介な人間が、毎年1,000万人近く量産されてしまうのです。
しかも、その多くがリベラル系となれば、権利意識だけは高い人間が増え、さらに厄介になります。
なので、こういう勉強さえすれば、いい会社入れるだろと勘違いしている人間をなるべく間引くために、無理難題に近い要求を行うことで、大学の縮小を図ろうとしているのではないでしょうか?
トランプ氏は、無料のオンライン大学を作る
トランプ氏は、大統領選挙用に立ち上げたウェブサイト「agenda47」で、無料のオンライン大学を設立すると表明していました。
今のアメリカの多くの大学は、民主党支持のリベラルばかりで、授業料もバカ高く、しかも、低学歴、低収入の白人への差別意識が丸出しです。
このために、反ユダヤ主義に染まっている、ハーバードなどの私立大学に課税をして、数千億円を踏んだくり、その金でオンライン大学を作ることで、多くの勘違いリベラルを生み出す仕組みを壊そうとしていると考えられます。
②政府予算の削減と、官僚機構の縮小
2つ目は、政府予算の削減を通じた、官僚機構の削減です。
今期のトランプ政権は、イーロン・マスク氏が率いる政府効率化省が、各省庁にバシバシ監査に入って、無駄な部署や予算を洗い出しています。
日本でも話題になったのは、米国国際開発庁、USAIDですね。
海外援助の名の下に、出鱈目なバラマキをやっていたため、約1万人いた職員のうち、まともな仕事をやってたのは、300人程度と認定され、残りの9,700人は休職扱いになりました。
その後、約8割の契約が解除され、2割の事業が国務省に移管される予定となっています。
日本でも、官僚が自分たちの天下り先に、特殊法人や独立行政法人を作って、無駄な予算をたくさん使ってますが、これの100倍酷い規模でやっているのが、アメリカのようです。
政府効率化省の職員は、若くてIQが高く、そしてITのスキルが高い人たちだけを集めています。現在は、各省庁に入って、無駄を洗い出し、契約を解除することで費用の削減を進めていますが、最終的には、なるべく人を介さないでも、業務ができるようなシステム化も進めているのではないかと思います。
先ほど、トランプ氏を応援するお金持ちが、マスク氏やピーター・ティール氏のようなテクノリバタリアンだと説明しましたが、これらの人たちの最終的に目的は、テクノロジーを活用することで、なるべく政府の関与を減らすことですから、もっと政府横断的なシステムの構築を目指すのではないかと思われます。
(3)関税政策で、国内産業を復活させる
3つ目は、関税政策で、米国内に工場を戻すことで、製造業に携わる人たちの賃金を上げるということです。
意外に思われるかもしれませんが、1930年代から1960年代ぐらいまでは、アメリカは社会民主主義国家と言えるような、政策を行っていました。
例えば、
・国家が労働組合を積極的に支援していたため、首を切られる労働者が少なかった
・最低賃金を引き上げる経済政策の実施
・高所得者への最大90%までの累進課税
・国民皆年金、失業保険などの充実した福祉制度
・消極的な移民政策
などが挙げられます。
特に90%までの累進課税というのは、驚かされますね。
ところが、今回のトランプ政権の政策は、ここまで開き切った格差の拡大を止めることも期待されているはずですが、前回とは違って、税金はなるべくかけない方向に行ってます。
例えば、所得税をゼロにするとか、チップは非課税にするとか、そういうことですね。
では、今ある格差をトランプ政権はどう考えているのでしょうか?
これはおそらくですが、
「金持ちと貧乏人がいるのはしょうがない。でも、楽してズルして金持ちになるのは違うだろ。それと、金持ちだからって、国が助けるのも違うよな。」
ということなのだと思います。
就任初日に、トランプ氏はDEI廃止の大統領令に署名した際に、実力主義社会の復活を宣言しました。
これは、学歴があるとか、親が金持ちだからとか、黒人だから、女性だから、可哀想な人だから、といった、ステータスでひいきされる社会ではなく、何をしたのか、社会にどんな貢献をしたのか、といった、行動とその結果で、称賛されるべき社会への転換を意味していたと思います。
なので、いくらハーバードや東大を出たとしても、何の結果も出せなければ、意味はないのです。
つまり、私みたいな文学部出身で、変にプライドが高い大卒生は、就活で失敗したら、高い賃金の工場で働けばいいじゃないか、ということなのでしょう。
これからは、人間の階層が変わっていく
これは、これからのAI時代における、人間の階層を予感させます。
学歴がちょっといいぐらいの官僚や企業の本社部門などの社員は、イーロン・マスク氏のような超頭がいい人たちや、AIが作るシステムによって、ルールを作ったり、仕組み化したり、管理する側から排除されて、現場で動くプレーヤーになっていくのだろうと思われます。
そうなった時に、大卒の特に文系の人間は、どうすれば生き残れるのか?
この辺りのことについては、また別の記事・動画を作りたいと思います。
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