今回の動画は、「お笑いAIバブル。出鱈目なAIバブルに大爆笑するイーロン・マスク」ということで、やっていきたいと思います。
*この記事は、YouTube動画の元原稿になります
1、イーロン・マスクが大爆笑した理由
11/19に、ワシントンDCにあるケネディセンターで、アメリカとサウジの投資フォーラムが開催されました。
このフォーラムでは、イーロンマスクやNVIDIAのジェンスン・フアン氏も参加し、サウジの高官との3人によるディスカッションが行われたのち、トランプ氏の自慢話が続きました。
このディスカッションのテーマは、主にAIの今後についてと言うことだったのですが、今のデータセンターは、設備の95%が冷却装置向けであり、計算チップの重さは、全体の5%にしかならないとのことで、だったら、宇宙空間にデータセンターを持っていって、太陽光で運用できるようになれば、こんなに電気も水も使わずに済むようになるという話もあって、なかなか興味深い話がいろいろありました。


ですが、それ以上に面白かったのが、マスク氏の反応です。
今年の5月に、トランプ氏が中東を訪問した際に、サウジは6000億ドルの対米投資を約束したのですが、その投資先の一つに、サウジ国内にAIのデータセンターを作ると言う話があって、それをマスク氏が担当するということになっていたようなのです。
それで、この件について計画を聴衆に教えてあげてくれと言われた時の画像が、こちらのものになります。
500メガワットのデータセンターを構築するという話だったじゃんと、司会のサウジの人に水を向けられていた場面です。
そうしたところ、マスク氏が、「ああそうだそうだ、500メガワットのプロジェクトの話でした。つまり、500メガワット、すいません。500メガワット、500メガワット、」と、まるで壊れたラジオのように「500メガワット」という言葉を連呼し始めたのです。
なんだか様子がおかしくなっていました。


そして、その後、この500メガワットのデータセンターは、8 bazillion triliion dollars、日本語ですと、「8兆億万ドルもかかるんだよ」とか、そういうニュアンスでしょうか。
あまりに金額がデカすぎて、桁がバグってる感じを表現していたと思います。


おそらく、自分でも何を言ってるのか、よくわかっていない状況だったと思われます。
それで、たまらず隣のジェンスン・フアン氏が、「やめなさいよ」とたしなめたところ、大爆笑しているというシーンです。
この一連の流れから見ると、おそらくですが、このサウジでのAIデータセンターの計画は、もっと小さいものなのでしょう。
ですが、今はAIで景気がいい話がたくさん出ているように演出するために、数字を盛りに盛る必要があって、事前に、こう言う話にしておこうぜと、話を示し合わせていたのだと思います。
ですが、あまりにバカバカしい、ほら吹き案件が多すぎなため、悪ノリして適当なことを喋って楽しんでいたのではないでしょうか?


と、まあ、この動画の一部分だけを切り取って、こんな突飛な解釈に納得できないと思うので、その前からの流れをちょっとお話しします。
この投資フォーラムが開催された前日の11月18日は、実はホワイトハウスで、サウジ首脳とトランプ氏とで、首脳会談が開催されていました。
そしてその中で、サウジは対米投資を5月に約束した6000億ドルから、なんと1兆ドルにまで増やすと約束をしていました。
1兆ドルと言うことは、約155兆円です。4000億ドル引き上げたと言うことなので、半年で60兆円以上も、対米投資の金額を増やすという、かなり羽振りのいい約束をしたことがわかりますよね。


ちなみに、サウジのGDPは、約1兆ドルですので、1年間のGDPとほぼ同じ規模の対米投資を約束したと言うことになります。日本で言えば、600兆円ぐらいの約束をしたようなものです。さすが産油国という評価もできるかもしれませんが、実は、いろいろな計画はぶち上げられているものの、スケジュールは未定となっています。
そして、本当にそんな金あるんかね?ということなのですが、サウジには政府系ファンドのPIFがありまして、ここの資産残高が約9,250億ドルです。
このお金は、ムハンマド・ビン・サルマン王子が引き継いだのが2015年で、その当時は1000億ドルぐらいでスタートした基金です。
それが、何万人もいる王族をしょっぴいて没収した資産や、毎年の税収のうち、一部を少しずつ繰り入れてきて、ようやくここまで増やしたものです。
なので、ここまで来るのにも、大変な時間がかかっているのです。
そして、この基金の中にある計画の中に、NEOMという、新しい街を作る計画もあるのですが、これが現在頓挫しそうなほど、ヤバくなっていると言われています。
また、他の運用先もいいものもあれば、そうでないものもあって、すぐにアメリカに投資できるお金は、1000億ドルもないと言われています。
それなのに、対米投資を6000億ドルから1兆ドルに引き上げたって、どういうことなのでしょうか?
こちらの記事は、NYタイムズのものですが、今回の対米投資の金、ないんじゃないの?と疑問を呈しているものですが、他のメディアも、この件については、いろいろとツッコミを入れている感じです。
さらに、この訪問の前に、実はサウジのPIFは、米国株を売却していました。それまで米国株に200億ドル超の投資をしてましたが、残高が18%も減少していたのです。


株価の上下もあったとは思いますが、おそらく、30~40億ドル、日本円で5000~6000億円分ぐらいの株式を売却したのでしょう。
そして、今回の首脳会談では、1兆ドルに引き上げるという話とは別に、戦闘機のF35を数十億ドル分買うという話をつけています。
なので、おそらくですが、本当に決まった取引というのは、株を売って浮いた5000億円前後の金で、F35を買ってくれという話だったのではないかと想像しています。
1兆ドルに引き上げたという投資案件は、ハッタリなのではないでしょうか?


実は、トランプ政権の海外政府から分捕った投資案件というのは、結構こういう感じで、いい加減なものだということが、バレてきているように思います。
例えば、日本は5500億ドルの対米投資を約束させられました。赤澤さんが十回以上アメリカに行ってた勇姿をご覧になった人は多いことでしょう。
ですが、10月末に両国が出した公表文書によると、日本が出した投資内容については、4000億ドル分のリストが並んでいたものの、アメリカは5000億ドル分の案件を表記していて、日本の政府関係者は「どうやって数字を作ったのかわからない」と困惑しているという報道が出ていました。
おそらく、トランプ政権が、見た目を良く見せるために、勝手に数字を盛ったのでしょう。


EUなんて、もっとひどいです。
EUも日本と同じように、関税を15%に引き下げてもらうために、6000億ドルの対米投資を約束させられたのですが、いまだに何の詳細も決まっていません。
EUは今、ウクライナ戦争を継続するということで、アメリカ政府とバチバチやってますので、そんな貿易交渉どころじゃない!ということなのかもしれませんが、アメリカ政府もツッコミを入れてないところを見るに、EUからの対米投資は、あまり当てにしていないのでしょう。
2、AIバブルで逆に追い込まれる経営者たち


という感じで、世界各国の対米投資は、かなりいい加減な実態が明らかになってはいるものの、トランプ氏が俺が何百兆円もアメリカに金を呼び込んできたぞ!と、そこここでアピールしているからか、アメリカの株式市場は最高値近辺にあって、絶好調な状況にあります。
であれば、特にAIバブルで上がっている大手IT企業は、ウハウハではないか?と思うかもしれませんが、実はそうではありません。


2025年に入って、ビッグテックと呼ばれる企業の社債の発行額が急増しており、オラクル、グーグル、メタがそれぞれ3~6兆円近い借金を増やしているのです。
借りた金の使い道は、もちろんAIのデータセンターです。
このグラフは、大手テック企業の社債の発行額の年次推移ですが、今年だけが、以上に増えていることがわかりますよね。


そして、こちらが時期を分けた内訳になります。
今年の9-11月の社債の起債分が、急増していることがわかりますね。
9月といえば、トランプ氏がシリコンバレーの企業家をホワイトハウスにたくさん集めて、パワハラディナーをやった月です。
これ以降、ビッグテックの社債の発行が急増して、それまで動く気配もなかったソフトバンクのスターゲート計画も、本格発進することになりました。
そして、ソフトバンクと組んでるオラクルという会社は、今回3兆円近い借金を増やして、最終的には現在の1000億ドル、約15兆円ぐらいの負債の水準を3000億ドル、約45兆円にまで膨らませると発表しています。


これを受けて、そんなに借金しすぎたら、潰れるんじゃねーの?と投資家が心配し始めて、企業の倒産保険に当たるCDSという指標が急激に上昇しています。
また、スターゲート計画に参加しているもう1社のオープンAIも、ChatGPTよりも性能がいいGemini3が、Googleから発表されたことを受けて、緊急事態宣言を発令しました。


これまでは、広告機能とか、ショッピング機能とか、本丸以外の機能の充実をさせていこうと考えていたようですが、AIの性能そのもので、Geminiに水を開けられてしまいそうだということで、ケツに火がついてきたようです。
さらに、そんなヤバめのオープンAIに、ソフトバンクの孫さんは、虎の子のNVIDIAの株式を全部売って、9000億円ほどの資金を作り、この金をオープンAIに全部ぶっ込みました。


トランプ氏から、パワハラを受けているため、オープンAIへの投資をやめるわけにもいかず、ノルマの300億ドル分の資金を捻り出すために、アレコレ動き回っている状況です。
そしてさらに、今回のNVIDIAの株を全部売ってオープンAIに300億ドルをぶっ込んだことで、投資家がソフトバンク大丈夫?と不安になった人が続出し、ソフトバンクの株価は27000円から16000円割れまで暴落してしまい、たまらず、孫さん自身が2500億円ぐらいの金をどこかから作って自社株を買い支えることまでしました。
現在、株価は19000円台にまで上がってるので、結果オーライですが、これでさらに下がっていたら、とんでもないことになっていたでしょう。
孫さんは今、オープンAIがちゃんと黒字化するのか?グーグルに勝てるのか?という不透明な中で、不安定な株価にも気を揉みながら経営をしている状況だと思います。
AIバブルでウハウハどころじゃない、相当やばいチキンレースに突入しているように思いますね。
全ての元凶は、トランプのパワハラ大作戦
では、なぜ現在のビッグテックは、これほど株価が高いのに、追い込まれているのでしょうか?
それはもちろん、トランプ氏のパワハラ作戦です。


おそらくですが、日韓EU、そしてサウジなどの中東諸国と取り付けた、それぞれ何十兆円という単位のディールは、国内企業を脅すための見せ金だったのではないかと思います。
「海外の国々が、アメリカに何十兆円もの投資をしてくれると約束しているのに、お前らは、なんで米国に住んでるのに、米国に投資をしないんだ?するよな?」
と凄んだものと思われます。
最近のアメリカの大企業は、ろくに設備投資もせずに、自社株買いをして株価を上げることしか考えてない会社が増えています。アップルなんて、この5年間で70兆円以上の自社株買いをやってますからね。
なので、こういう舐めた経営者に対して、
「自社株買い結構!株価を上げること結構!
でも、それ以上にアメリカ国内に投資をするよな?
借金してでも、当然やるよな?」
と脅したのが、9月のパワハラディナーだったわけです。
なので、これ以降、大手IT企業は、儲かるかわからないAIで、多額の借金を背負ってしまったので、もう負けるわけにはいかなくなりました。
今までであれば、AI競争に負けても、儲けた分から金を出していたので、損しましたー、てへっ!で済みましたが、これからは、何兆円、何十兆円という借金を背負うので、負け=倒産という可能性すら出てきている状況です。
ちなみに、この9月のディナーには、イーロン・マスク氏は参加していなかったそうです。
なので、マスク氏は今の大手IT企業の追い込まれっぷりを笑って見ていられるのでしょう。
冒頭でご紹介した、投資フォーラムでのマスク氏の態度は、周りのIT経営者のケツに火がついた姿をめしウマと思いながら見ていたのだと思われます。
3、これから一体、何が待っているのか?


では、このようなお笑いみたいな展開になっている、アメリカのAIバブルですが、一体この先に、何が待っているのでしょうか?
一言で言えば、大手IT企業に、AIバブルの馬鹿騒ぎを続けさせている水面下で、アメリカが本当に必要としているインフラ投資を海外の力を使って、復活させるという方向性ではないかと思われます。


12月3日に、日本と韓国の、初の対米投資案件が発表されたのですが、その内容は、原子力発電所の建設でした。
10基の発電所の建設で、750億ドルが使われるということです。
そして、日本の対米投資5000億ドルのうち、3320億ドルが、電力インフラ関連なのだそうです。
AIインフラの強化には、600億ドル分しか割り当てられておらず、しかも、300億ドル分を割り当てられている三菱電機は、発電設備を手がけるということなので、こちらもほとんど電力インフラに当たるような状況です。
なので、日本が関わる大部分が電力インフラ系のものが多く、AIバブルが崩壊しても、とばっちりを喰らうようなものではないのでしょう。


また、おそらく、サウジのAI案件も、おそらく小さいものと予想されます。
今回の投資フォーラムで、500メガワット規模のデータセンターを作ると宣言したマスク氏が、爆笑しながら話していたので、実際にはもっと小さいものなのでしょう。
サウジのAI企業にHUMAINがありますが、ここが最近、ブラックストーンと30億ドルのデータセンターの契約を結んでいます。おそらく、実際の規模感は、これぐらいのものなのだと思います。


その一方で、大手IT企業や、そこに金を貸している金融機関は、さらにハードモードに入っていくでしょう。
最近YouTubeやXを見ると、大手IT企業の決算が出るたびに、あれはインチキだとか、怪しい会計処理をしているとか、そういう話で盛り上がってます。
特に海外のXでは、そうですね。
トランプ氏も、AIでアメリカを偉大な国にできる!とか、煽ってますが、政府の金は渋って、IT企業に社債をバンバン発行させて、借金で事業を拡大させようとしてますので、今後もさらにチキンレースが加速していくでしょう。


それで、気になるのは、我らがソフトバンクの孫さんですよね。
ChatGPTの運営会社のオープンAIは、今年の売り上げが200億ドルぐらいで、これから数年間で1.4兆ドル、日本円で210兆円以上の金をデータセンターに投じる予定です。
そんなの無理だろという話も出ていますし、そういう質問をされると、CEOのサム・アルトマン氏は、
「もし私たちが失敗してそれを修正できないなら、私たちは倒産すべきです。
そして、他の企業が良い仕事をし、顧客にサービスを提供し続けるでしょう」
などと、完全に他人事のような発言を度々しています。
ここに、何兆円もの金を突っ込んでいるのが、孫さんなのです。
今年のノルマの300億ドルすら、虎の子のNVIDIA株を全部売り払って、ようやく捻り出せたのに、来年以降の金の工面はどうやっていくのでしょうか?
なお、オープンAIが黒字になるのは、2030年を予想していますので、あと4年あります。
今年の孫さんは、相当、アクロバットな展開だったと思いますが、来年以降はさらにすごいアクロバットを見せてくれると思いますし、できなければ、潰れるという、相当スリリングな展開が待っていると思いますね。
というわけで、今回は、もうお笑いレベルになっているAIバブルについて、見ていきました。
私は投資をやってませんし、視聴者の方々も、それほど投資に興味はない人もいるとは思うのですが、今回のAIバブルは、投資家目線ではなく、お笑い目線で見た方が、より楽しめるような気がします。
今後の動画も、そういう見方で、面白ポイントを探しながら解説していきたいと思います。














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