【2025年版】宮城県の土地価格の動きと今後の見通し | イエ&ライフ

【2025年版】宮城県の土地価格の動きと今後の見通し

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この記事では、「宮城県の土地価格の、①この5年間の動きと、②今後の見通し」について、解説します。

(なお、本ページはプロモーションが含まれています。該当するサービスには、【PR】と表記しております)

 

1、宮城県の土地価格の推移

まずは、宮城県の土地価格の推移について、見ていきましょう。

国土交通省が毎年発表している地価公示をもとに、アベノミクスが始まった2013年以降の住宅地、商業地の土地価格の変化について見ていきましょう。

それがこちらです。

 

(参考:国土交通省「地価公示」)

 

商業地の方が若干上昇率が高いですが、いずれも一貫して、上昇傾向にありますね。

また、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降は、特に住宅地において、上昇率が大きくなっています。

 

(1)市町村別の動き(住宅地)

この5年間での変化率を色分けしてみました。

赤色が40%以上の上昇エリアで、富谷市です。

 

(参考:国土交通省 地価公示)

 

この赤から少し薄い朱色っぽいエリアが、20~40%の上昇エリアですが、仙台市と名取市、岩沼市、多賀城市などの、仙台市近郊の市町村となっています。

仙台市から離れるほど、下落するエリアが増えていくような、一極集中の状況にあることがわかりますね。

 

(2)市町村別の動き(商業地)

では、商業地はどうでしょうか?

商業地も、傾向的には仙台市を中心に、離れるほどに下落する市町村が増えていく傾向にありました。

 

(参考:国土交通省 地価公示)

 

ですが、新しく建てられた住宅の戸数も、土地の取引を伴う不動産登記件数も、この5年間で見ると、横ばいかむしろ減少傾向にあります。

買い手が増えているから、土地価格が上がっているというわけではないのです。

では、なぜこれほど、特に2022年以降、土地価格が上昇しているのでしょうか?

 

大きく上昇している理由は、インフレ

その理由は、インフレです。

特に、2022年からのロシアのウクライナ侵攻あたりから、木材や鉄鉱石、原油などの資源価格が上がってきたことで、建築費がこの3年ぐらいで3割上がっているのです。

  

(参考:建設物価調査会)

 

これによって、戸建て、マンションともに、新築価格が大きく上がっており、中古の戸建て・マンションの価格も連れ高しています。

 

(参考:東日本レインズ)

 

2020年から25年までの5年間で、中古マンションが約13%、中古の戸建ても約10%上がっています。

ただ、国内外の投資家ではなく、一般世帯が居住用に購入する中古マンション、戸建てについては、2023年から24年にかけてが、ピークで、それから少し下がり始めているような印象ですね。

 

中古マンションは今年1月ごろまで上昇を続け、現在は大きく下げていますが、中古戸建ての価格は、この1年ぐらいは横ばいか、むしろ下落傾向なのに対して、公示地価の住宅地は、かなり上昇しているというのは、どういうことなのでしょうか?

これはおそらく、人気エリアの取引量が減り、もっと安い地域に移住したり、少し不便でも安い場所の物件を購入する人が増えたことで、平均価格が下がってきているということなのでしょう。

 

昨年7月ごろから、変動金利が引き上げられてきたことで、低金利でずっと返済しながら家が持てると考える人は減っています。

そのため、ローンを組める枠を目一杯使って購入するという人が減っていて、高い物件を購入する人が減っているのではないかと思います。

 

2、各市町村の土地価格の動き

ここからは、各都市の土地価格の変化率を地図上に落としてみましたので、どのあたりが上がっているのかを見ていきましょう。

 

公示地価の変化率(2020-25年)

濃い赤色:+50%以上ピンク:+30〜49.9%オレンジ:+10〜29.9%黄緑:0〜 +9.9%青:-0.1〜 -9.9%紫:-10%以下

 

①横浜市

 

仙台駅周辺などの、市の中心部以外にも、山間地にある新興住宅地の、みやぎ台や赤坂地区などでも、5年で5割以上の上昇となっています。

中心部の住宅地は、この10年でかなり上がっていますので、郊外の土地代の安いところに、住宅購入者が流れているのでしょう。

 

 

次は、仙台市内の中心部をもう少し詳しくみてみましょう。

中心部に近いエリアでも、国分町や一番町などの繁華街の商業地では、2020年時点に比べて下落しているところが、いくつかみられますね。

 

一方で、仙台駅の東口方面では、ヨドバシが新しく開業したことで、商業地がかなり上昇しています。人の流れがこちらに移ってきたことで、西口側の土地価格が上がりにくくなっているのかもしれません。

ただ、中心部の駅周辺のマンション需要は全国的に高いので、住宅地の上昇は続いているようです。

 

②仙台市近郊(名取市、富谷市、岩沼市)

今度は、仙台市周辺にある市を見ていきます。

 

 

名取市と岩沼市は、名取駅、岩沼駅を中心に、大きく上昇していますね。

富谷市には鉄道駅はありませんが、仙台市の土地価格の上がり方を見ると、郊外の車通勤できるエリアはだいたい人気が上がっているような印象です。

 

③沿岸エリア(石巻市、塩竈市、気仙沼市)

赤色:+10%以上オレンジ:+5〜9.9%黄緑:0〜 +4.9%青:-0.1〜 -4.9%紺色:-5〜 -9.9%紫:-10%以下

 

次は沿岸エリアです。

 

石巻市、塩竈市、気仙沼市を見てみると、全体的に下落している地区が多い印象ですね。一部、上がっている地区もありますが、仙台市から遠いことと、地元から若い人が引っ越してしまうことなどから、住宅需要の減少が止まらないと考えられます。

 

④県北エリア

次は県北エリアです。

 

 

大崎市では、古川駅周辺が。栗原市では、くりこま高原の周辺で、上昇しているところがありますが、そこから離れると、下落しています。

大崎市は、古川駅周辺に市役所を持ってくるなどの、再開発を行なったため、広範囲での土地価格の上昇が見られていると考えられます。

 

と言うわけで、ざっと見てみた印象では、仙台市とその近郊での土地需要は強いため、これらの地域では結構上がっています。

ですが、それ以外のエリアでは、古川駅周辺のような、大規模な再開発がない限りは、若い人の人口流出で、買い手がつきにくくなり、土地価格がダラダラ下がっているという状況のようです。

 

3、これからどうなるのか?

ここまで宮城県内の土地価格の動きについて見てきましたが、今後はどうなっていくのでしょうか?

基本的には、ここまで各都市について、ご紹介してきたように、仙台市とその近郊では、さらに上昇または安定するでしょうが、そうでない地域は下落しやすいという、二極化が進むと思われます。

その理由は3つあります。

 

(1)大都市への人口集中

1つ目は、仙台市への人口集中です。

圏外から引っ越してきた人と、出ていった人を差し引いた、転入超過数というデータがあります。

宮城県全体で見ると、東京方面へ進学、就職する人が多いため、若い人がいなくなっているのを外国人の移住で埋めていると言う状況です。

 

(参考:総務省「住民基本台帳人口移動報告)

 

青色の部分が、15から29歳の若い世代で、灰色が外国人となっています。青色がマイナス、灰色がプラスとなっているのがわかりますね。

ですが、仙台市だけでみてみると、若い人がプラス、つまり流入しています。

 

これは、逆を言えば、それ以外の市町村では、かなりの割合で、若い人がいなくなっていることを示します。

 

例えば、こちらは石巻市と登米市のものですが、いずれも青の部分がマイナスとなっています。毎年数百人単位の若い人たちが、進学や就職を機に、地元を離れているわけです。

 

(参考:総務省「住民基本台帳人口移動報告)

 

ただし、仙台市の近郊だけは、事情がちょっと違います。

 

(参考:総務省「住民基本台帳人口移動報告)

 

名取市や富谷市を見ると、若い世代は減少しているものの、肌色と紫色の部分が増えていますね。これらは、子育て世帯であり、仙台市の住宅価格が上がりすぎているため、引っ越してきていると考えられます。

 

つまり、宮城県の住宅の需要は、まず若い世代や外国人が継続して仙台市に集まってきているため、賃貸需要が強いのです。

そして、それらの人たちが結婚してマンションを買ったり、戸建てを買うわけですが、仙台市の郊外や隣の市町村で家を持つ人が多いと言うわけですね。

 

全国的に、大学や専門学校への進学率は、年々上がっていますので、多くの学校が集まっている仙台市には、東北6県からの若い人たちが引っ越してきます。この傾向は今後も変わらないでしょう。

そのため、仙台市周辺の住宅需要は、今後も強いと考えられます。

 

(2)未婚化、少子化で住宅需要が減少

昨年の出生数は、全国で70万人割れとなり騒がれましたが、宮城県でも昨年の出生数は約1.2万人で、前年比で約500人減っています。

2018年から23年までの5年間で、宮城県では出生数が24%減ってます。私の地元の岩手は、5年で29%も減ってしまってて、かなり悲惨なのですが、東北6県は、全国的にみても、出生数の減少が著しくなっています。

 

(参考:国立社会保障・人口問題研究所)

 

結婚する人も、子供を産む人も減っているわけですから、持ち家の需要はさらに減っていきます。

昨年、政府が5年に1度の人口推計を出しましたが、この推計のメインシナリオでは、合計特殊出生率が1.3倍がずっと続くことを想定したものでした。

 

ですが、実際にはすでに1.15倍となっており、すでに現実と予想が乖離しています。

こちらのグラフは、今のペースで、年率5%程度の出生数の減少が続いた場合の、0~14歳の人口の予想です。

 

青が政府予想で、赤が私が作成したものですが、このままいくと、これから10年で3割ぐらい減ると考えられます。

人が家を買う理由は、結婚や出産で、今の住居が狭くなってきたからということが大きいでしょう。

 

ですが、そのような人がさらに減っていくわけですから、住宅に対する需要はさらに減っていくと考えられます。

なお、中古マンションや戸建ての価格は下がり始めていますので、その兆候はすでに現れてきていると考えられます。

 

(3)死亡者数、相続件数の増加で、売り物件は増加

3つ目が、死亡者数、相続件数の増加です。

今年は2025年問題ということで、団塊世代が75歳以上の後期高齢者に突入したことで、医療費や介護などの社会保障費用の増加がさらに進むと騒がれています。

 

(参考:厚生労働省財務省

 

それとともに、日本国内では、死亡者数も増えています。高齢化が進んでいるわけですから、亡くなる人が増えるのは自然なことと言えます。

ですが、死亡者が増えるということは、もし相続人が一緒に住んでいなければ、その家は空き家になってしまいます。

 

ここ数年の不動産価格のさらなる上昇によって、不動産の相続税評価はさらに上がっています。

そのため、相続税を支払う人の割合は、約1割にまで増えています。

 

おそらく、この傾向はさらに進むので、相続税を支払わなければいけない人は、これからさらに増えるでしょう。

買い手がつくような人気エリアであれば、問題ありませんが、そうでないエリアであれば、売るに売れなくなってくる困った人は、今後増えていくと予想されます。

 

結論

というわけで、結論です。

 

 

宮城県の土地価格についてまとめるとこうなります。

・若い人や外国人が仙台市に移住する流れは変わらず、家賃は上がりやすく、銀行も金を貸すので、人気エリアほど、価格が上がりやすい状況は続く

・その一方で、未婚化、少子化がさらに進むため、買い手はさらに減っていく

・さらに、死亡者もさらに増えるため、売り物件は増えていく

つまり、売り手は増えるけど、買い手は減っていくので、買い手がつきにくいエリアはさらに増えるというわけです。

なので、人気エリアではない、駅から遠い戸建てほど、今後はさらに厳しくなっていくでしょう。

 

4、買うなら?売るなら?

最後に、このような予想を踏まえると、住宅購入または売却を考えている人は、どうしたらいいのか?について、考えてみます。

 

買うなら:人気エリア以外なら、案外安く買えるかも

まずは、買いたい人についてですが、人気エリアのマンションや戸建ては、比較的、需要も高いため、価格の大きな値崩れは、当分期待はできないと思います。

仙台市の中心部や、仙台市近郊の町の駅周辺などは、なかなか下がらないでしょう。

 

 

しかし、それ以外の戸建てについては、買い手は減ってきていますし、今後はさらに減っていくでしょうから、人気エリアを選ばなければ、安く買える可能性はあるでしょう。

 

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売るなら:本当に高く売れるのか?現状把握が大事

次に売りたい人についてですが、まず注意したいのは、自分のお住まいのエリア、物件が本当に売れるエリアなのか?ということの把握です。

 

 

公示地価は、毎年決まった地点を計測するわけですが、周辺での取引が少なければ、それよりさらに遠いエリアの取引を参考に、こんなもんかな、と算出するケースも結構見られます。

そのため、仮に上がっている地区であっても、実際には取引がほとんどないというケースもあります。

 

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周りで売り土地がそのまま放置されているとか、新しい家が立たないとか、人口が減少しているなどのエリアでは、公示地価を参考にしても、なかなか売れないといったこともあるので、注意が必要です。

 

 

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この記事を書いた人
ゴトウ

証券会社で12年間勤務。営業と店舗マーケティングに従事後、2018年から当サイト「イエ&ライフ」を運営しています。

不動産価格の動きの理解や今後の予想は、金融マーケットの知識があると理解しやすいため、読者のお役に立てるのではないかと、サイトを運営しています。

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