氷河期世代の稼ぎ方。どこに未開拓のマーケットがあるのか? | イエ&ライフ

氷河期世代の稼ぎ方。どこに未開拓のマーケットがあるのか?

氷河期世代の稼ぎ方についてのサムネ コラム

この記事では、「氷河期世代の生きる道、これからどうやって稼いでいけばいいのか?」ということについて、考察してみたいと思います。

 

私は今年47歳なので、2000年前後の就職氷河期の頃に就職して、その後、いろいろあって、このWEBサイトやYouTubeチャンネルを運営していたりしています。

それで、この記事を検索してきているあなたも、40代から50代ぐらいの方が多いと思うんですが、どうですか?

 

今の仕事、これからも続けられそうですか?

特に40~50代の方は、希望退職とか、出向とかもありますし、次に何の仕事をやっていこうか?と悩まれる方って多いと思うんですよ。

 

しかも、今はいろいろな会社が倒産していっているし、儲かってるのは、海外に進出している大企業が大半な感じですよね。

国内での商売は、少子高齢化が進んで、どんどんお金を使う人が減ってますから、かなりキツくなっていますよね。

 

そんなんで、セカンドキャリアを考えろ、と言っても、相当難しいんじゃないかなと思います。

そこで、この動画では、具体的な答えというわけではないんですが、「40代、50代、60代ぐらいの人が、商売を考える上で、何とか参考になりそうなこと」について、考察してみました。

それでは、参りましょう。

 

1、最初に結論

最初に結論を言ってしまいますと、「高齢者のボケ防止につながる商売をやる」ということが40~60代の人たちがやるべき仕事ではないか?と思います。

 

理由を3つ挙げます。

 

(1)社会的な意義がある

1つ目は、社会的に意義があるからです。

現在、日本の認知症の方は、2020年時点で、約600万人いると言われています。そして、2025年には700万人になると予想されています。

 

認知症の患者数の予測

(参考:愛知県 *PDF)

 

たった5年間で、100万人も増えるんですよ。

相当やばい問題だと思います。

 

その原因は、いろいろと言われていますが、経験的に、定年後にやることがなくなって、テレビばかり見ている人とか、人との接触が少なくて、刺激のない生活をしていると、なるような気がします。

 

私の実家は、周りの人がほとんど農家なのですが、70代でも80代でも、畑仕事をしてます。自分の家で食べる野菜を作ってるんですね。

そういう人たちは、ほとんどボケてません。

 

一方で、中学校の時に、友達のお婆さんが65歳でボケてしまった、という話を聞きました。

その理由は、友達のお母さんがパートを辞めて家事をするようになったことで、やることがなくなったお婆さんが、テレビばかり見ていたからだ、と言われてしました。

友達のお母さんとしては、お婆さんに楽をさせてあげたかったようなんですが、裏目に出てしまったようです。

 

この話を聞いてから、「親孝行とか言って、楽をさせてはいけないんだな」と思うようになりました。まあ、そういう話を母親にしたら、すごい嫌な顔をされたんですけどね。

 

生きがいが、認知症の発症リスクを下げる

趣味や友達など、生きがいがあれば、ボケない、という統計データは、最近少しずつ出てきているようです。

 

生きがいが認知症の発生リスクを3割下げるという記事

(参考:日本老年学的評価研究 *PDF)

 

生きがいを持つと、認知症になるリスクが約3割減る、という研究もあります。

なので、高齢者を相手に、このような生きがいにつながるような商売を作ることができれば、社会的にも意味のある仕事だと、自分でも感じることができるのではないでしょうか。

 

(2)シニア世代の求めているものが、社会的なつながりだから

2つ目は、シニアの方々が、お金を払ってでも欲しいものは、社会的なつながりだからだと思うからです。

 

私は以前、証券会社に勤めていまして、70代、80代、90代のお客さんに株や投信などの営業をしていました。

その時に感じたのが、特に80代以上になると、お金を儲けたくて投資をするのではなく、営業マンと話をしたり、投資への興味を持ち続けることで、「社会に参加している、という感覚とか、刺激を受け続けたい」と思っているんだなということでした。

 

正直、80代を超えてくると、人にもよりますが、旅行したいとか、美味しいものを食べたいとか、綺麗な服を着たいとか、そういう欲は、減ってくると思います。

だから、お金を使わなくなってくるんですよね。

 

その代わり、お孫さんにお小遣いをやったり、学費を援助してあげたりと、「家族に喜んでもらいたい」という欲の方が強くなっていくような気がします。

なので、誰かに貢献できているとか、誰かと繋がっている、社会と繋がっている、という感覚が欲しいんじゃないかと思うんですよね。

それをうまく商売につなげられれば、いいんじゃないかなと思います。

 

(3)40過ぎると、これぐらいしか道がないのでは?

3つ目は、40代以上だと、ぶっちゃけ、これしか残されている道がないのでは?と思うからです。

 

40代、50代の方にお聞きしたいのですが、今からプログラミングとかで、新しいサービスを作れますか?

最近ですと、AIを活用したビジネスが、成長性が高いとか言われてますけど、そういう業界で、今持っているスキルや経験が役に立ちそうですか?

 

そういう人って、本当にごく少数だと思うんですよ。

しかも、そういうところは、世界中の才能ある若い人たちが参入してきているので、本当に難しいと思います。英語を喋れる人も少ないでしょう。

 

そうなったら、誰を相手にする商売を考えた方がいいのか?と言ったら、高齢者しかいないのではないか?と思うんです。

しかも、この分野は、思っているほど、企業が開拓しきれていないように思うからです。

 

2、シニアマーケットの開拓事例

これからいくつか、具体例をご紹介しますが、それらは、とても納得のいくものではありますが、60代以上の人口が約3割にもなっている割には、あまり開拓されていない分野だと思います。

 

その理由は、高齢者が求めているのは、企業のスマートなサービスではなく、人との繋がりだからだと思います。

なので、けっこう属人的な要素が強い分野になってしまうのだと思います。

具体例を3つ挙げましょう。

 

(1)カーブス

1つ目は、女性専用のフィットネス・クラブのカーブスです。

 

フィットネスクラブのカーブス

 

2005年に設立してから、6年で1,000店舗を超えて、2019年には2,000店舗を超えてしまいました。

その後、コロナの影響で、若干減っていますが、それでも1967店舗もあります。

 

カーブスの店舗数の推移

 

会員数は77万人で、年齢構成を見ると、50代以上で9割以上を占め、80代以上の人も8%もいます。

かなり、高齢の方が積極的に参加しやすいサービスだということがわかりますね。

また、トレーニングのスタイルは、いろいろな機材が円形に配置されていて、みんなで輪になって、運動をするというものです。

 

カーブスのトレーニングの風景

 

数分1つの機材で運動したら、次の機材に移って、次のトレーニングをする、というサーキット・トレーニングをすることで、一体感もあるし、インストラクターからの指導ももらえるので、「みんなで楽しんで運動ができる」というのが、魅力のようですね。

 

それと、カーブスでは、毎年「カーブス・サヨナラ脂肪川柳」というのを開催しているんですが、その内容を見ると、クスッと笑ってしまうような作品がズラリと並んでいます。

 

カーブスのサヨナラ脂肪川柳

(参考:カーブス)

 

サラリーマン川柳に似た匂いを感じますが、会員の方たちは、こういうノリも含めて、カーブスを楽しんでいるようなんですね。

 

カーブスのサヨナラ脂肪川柳のエリア賞作品

(参考:カーブス)

 

それで、おそらくですが、こういうところに行くことを生き甲斐としているシニアの人たちって、多分ボケないと思うんですよ。

体も健康になるし、会員同士で楽しく話をしていたら、ボケそうにないと思いませんか?家族も安心すると思います。

 

(2)歌声喫茶ともしび

2つ目は、新宿にある歌声喫茶「ともしび」です。

 

歌声喫茶ともしびに関する記事

(参考:NHK)

 

このお店は、歌声喫茶の草分けと言われるところで、新宿区内を何度か移転しながら、60年も営業を続けていた老舗です。

ところが、2020年のコロナでお客さんが来なくなったため、閉店をしてしまいました。

 

そうしたら、常連客を中心に、「やめないでくれ」という声が集まって、なんと6,000万円ものお金が集まり、復活することができました。

つまり、ここに来ていたお客さんにとって、好きな歌を歌える、そして、似たような価値観の人たちに出会える、かけがえのない場所だったんですね。

 

こちらのNHKの記事を見てみると、多くのシニアの方が、この歌声喫茶で楽しまれている画像が見られます。

おそらく、「いくら払ってもいいから、この場所を復活させてくれ」というお客さんも多かったのではないかと思われます。

 

(3)YouTube

3つ目は、YouTubeです。

ユーチューバーというと、初めのうちは、若い人がやっているようなイメージがありましたが、今は40代以、50代、それ以上の年代の方で、成功されているチャンネルを見かけるようになりました。

 

例えば、私のおすすめに出てくる人で言うと、

  • 美術評論家の山田五郎さん
  • 株式解説の朝倉慶さん
  • 失敗小僧さん
  • 戦力外110kgおじさん
  • 作家、占星術師のマドモアゼル愛さん

などなど、その道のプロの人もいれば、ゼロからスタートの方もいろいろいらっしゃいます。

おそらく、皆さんのおすすめにも、そう言う人が何人も出てくるでしょう。

 

そして、誰かの動画を心待ちにしている人も多いはずです。

これも小さいですが、1つの生きがいですよね。人の話を聞いて楽しむには、ボケてなんていられませんからね。

 

私は結石持ちなので、泌尿器科に通院中なのですが、そこに通われているシニアの方の多くが、スマホをいじってます。

80代以上の方でも、普通にスマホでゲームをしてます。なので、シニアの方々でも、けっこうな割合で、YouTubeを見てる人っていると思うんですよね。

 

そして、この分野も、まだまだ開拓の余地はあると思います。

例えば、私は先日、アイン・ランドの「肩をすくめるアトラス」という、おそらく、ほとんどの人が知らないであろう本の紹介動画を出しました。

 

 

切り口は「お金」だったと言うこともあるともいますが、登録者数が500人ぐらいしかいない私のチャンネルで、2週間で700回以上の再生をしていました。

日本語で書かれている本だって、何十万冊とあるわけですから、ネタは作ろうと思えば、無限に作れるはずですし、見てくれる人もいると思います。

 

そして、そういう「誰かのものの考え方、見方に触れる」ということも、人とのつながりなのではないか、と思うのです。

「この人いいこと言うなあ」とか、「この人頭いいなあ」とか、「確かに言われてみればそうだな」とか、誰かの考えに触れて、自分も共感したり、ムカついたり、その気になったりしている間は、寂しいなんて思いませんからね。

 

なので、お金を稼げるかどうかは、わかりませんが、YouTubeやブログなどの、情報発信を通じて、貢献できることもあるとは思います。

 

3、最後に

最後に、40代以上の人にとっての、これからの仕事に対しての向き合い方について、私個人の考えを言っておきたいともいます。

 

来年は2025年になりますが、2025年問題が騒がれているように、団塊の世代の方々が全員後期高齢者になるため、年金や医療費、介護費用などの社会保障費が、これからさらにどんどん上がっていきます。

 

年金支給開始年齢の引き上げに関する記事

(参考:東京新聞)

 

そのため、僕らぐらいの世代が年金をもらえるのは、70ぐらいじゃないか?なんて話が、出てきていますよね。

おそらく、あと10年もすれば、このような議論はもっと本格化してきているでしょうし、避けられないでしょう。

 

そうすると、「死ぬまで働かなければいけない」ということも、あり得ますよね。

これを「最悪だ」と考えることもできますが、逆を言えば、「一生働いて生きていく」と覚悟を決めれば、お金の心配は格段に減ることになります。

 

もちろん、企業が70歳、80歳の人間を雇うことはないでしょうから、自分で仕事を作る必要があります。

そして、70でも80でも働き続けるのであれば、嫌なことをずっと続けることは無理でしょうし、死ぬまでイヤイヤ働くなんて、何のために生まれてきたのか?意味がわからないですよね。

 

そうすると、最終的な結論は、好きなことを仕事にするしかないんですよ。

問題は、そんな仕事があるのか?ということですが、もちろん、そんなものはないので、自分で作るしかありません。

 

ですが、

「お金を持っている高齢者をボケないように、生きがいを持ってもらう、楽しんでもらうことに貢献する」

というマーケットは、まだほとんど開拓されていないのではないか?というのが、この記事で私が言いたかったことになります。

 

ご意見などあれば、コメントいただけると嬉しいです。参考にさせていただきます。

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この記事を書いた人
ゴトウ

証券会社で12年間勤務。営業と店舗マーケティングに従事後、2018年から当サイト「イエ&ライフ」を運営しています。

不動産価格の動きの理解や今後の予想は、金融マーケットの知識があると理解しやすいため、読者のお役に立てるのではないかと、サイトを運営しています。

また、2024年からYoutubeチャンネルも始めました。
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