この記事では、春日井市がこの１０年間で、どのように変化してきたのか？そして、これからどんな街になっていくのか？について、各種データをご紹介しながら、考察していきます。
１、春日井市の人口
（１）春日井市の人口推移
春日井市の2013〜23年までの10年間の人口・世帯数は、ほぼ横ばいで30.9万人、約1.3万世帯増加して、13.6万世帯でした。
（参考：総務省 「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」）
年代別の人口変化
年代別に見てみると、50代以上と、15〜29歳は増加しているものの、そのほかの年代は減少していました。
（参考：総務省 「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」）
つまり、子育て世帯（0〜14歳、30〜40代）が減っていると言えます。
地区別の人口変化
では、具体的に、どのあたりで増加・減少しているのでしょうか。
2013〜23年までの10年間で、人口が100人以上増加・減少している地区を調べた結果がこちらです。
春日井市の地区別の人口変化（2013.4〜23.4）
赤色（+1,000人以上）＞オレンジ色（+500〜999人）＞緑色（+100〜 499人）＞青色（-100〜 -499人）＞紫色（-500人以上）
ちょっとゴチャっとして、見にくいかもしれませんが、傾向的には、
- 勝川駅や高蔵寺駅などの、中心部の市街地で増加している
- 高蔵寺駅より北側の高森台や、農地の多い周辺部では、減少しているところが多い
といった感じですね。中心部では増加しているものの、郊外では減少しているところが増えている状況です。
（２）春日井市の転入超過数
人口は横ばいなものの、世帯数が増え続けている春日井市ですが、市外からの移住してくる人はどの程度のなのでしょうか？
転入超過数（春日井市に引っ越してきた人から、出て行った人を差し引いた数）を見てみると、2021年は減少しているものの、それ以外の年はだいたい数百人規模で増加していました。
では、その内訳は？
というと、外国人が大半でした。特に2019年ごろからは、外国人しか増えていませんね。
日本人で見ると、全ての年代で減っており、特に15〜29歳の進学や就職する若い年代は、2019年ごろからマイナスに転じています。
年代別の転入超過数
また、外国人の移住が増えているため、春日井市の外国人は、５年前から比べて約1,200人増加して、2023年現在で約8,200人います。割合にすると、約2.7%になります。
|
実数 |
18年比 |
|||
|
人口 |
世帯数 |
人口 |
世帯数 |
|
|
日本人 |
300,724 |
135,912 |
-3,926 |
+4,876 |
|
外国人 |
8,213 |
4,589 |
+1,255 |
+1,160 |
|
合計 |
308,937 |
140,501 |
-2,671 |
+6,036 |
（参考：総務省 「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」）
春日井市では、韓国人や中国人、ブラジル人、ベトナム人などの方が多いようです。
外国人の移住は、毎年のように続いているので、今後もさらに増えていくでしょう。
（３）春日井市の人口予測
国立社会保障・人口問題研究所が、2023年に発表した春日井市の人口の見通しによると、2025→35年の10年間で人口は約1.2万人減少するそうです。
春日井市はこれから10年で約1.2万人減少
（出典：国立社会保障・人口問題研究所 「日本の地域別将来推計人口（令和５年推計）」）
さらに、家を建てる中心年代の３０〜４０代人口は、2025→35年の10年間で約5,000人減る見通しです。
春日井市の３０〜４０代人口は、これから１０年で約5,000人減る
（出典：国立社会保障・人口問題研究所 「日本の地域別将来推計人口（令和５年推計）」）
2020〜25年にかけては、大きく減少していますが、その後は緩やかな減少ペースになるという予想です。
２、春日井市の住宅事情
（１）春日井市の新規建設戸数
春日井市の新規建設戸数は、戸建て・マンションともに減少傾向にあります。
若い世代の人口減少が続いていることや、建築費がここ２〜３年で２〜３割上がっているので、需要が減っているのでしょう。
（２）春日井市の空き家率・空き家数の内訳
春日井市で、「未利用」状態の空き家は、2018年時点で約6,600戸あり、全体の約4.7%が空き家となっている状況です。
（参考：国土交通省 「平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果」）
このデータは2018年までのものなので、この５年間でどのようになっているのかが気になるところです。
先ほどご紹介した地区別の人口変化を見ると、中心部では増加しているものの、郊外では人口減少が進んでいる地域はけっこうあります。
そのため、特に郊外の空き家は、増えている可能性は高いと思われます。
３、商業施設の出店状況・出店計画
ショッピングモールができると、買い物が便利になるため、周辺に家が建ちます。
また、企業の側でも、何億〜何十億円もかけて建てるので、「ここに建てたら本当に儲かるのか？」と慎重に調査を行った上で、決定します。
そのため、新しくできるショッピングモールの立地から、豊田市でこれからどのあたりで人気が出るのか？または、空いている商圏はどこか？ということがわかります。
愛知県のショッピングセンターの新規出店状況
赤色（200店舗以上）＞オレンジ色（100〜199店舗）＞緑色（50〜 99店舗）＞青色（30〜 49店舗）＞紫色（30店舗以下）
この１０年で、ショッピングモールと言われる規模の店舗ができたのは、2018年のライフガーデン勝川と、2021年のイーアス春日井の２施設でした。
どちらも中心部の市街地に立地しており、人口が増加しているエリアへの出店が意識されているのでしょう。
４、まとめ
というわけで、この１０年間の春日井市の人口の変化をまとめると、
- 中心部の市街地では人口が増加しているが、郊外では減少、という二極化が進んでいる
- 全ての世代の人口流出が続いているが、外国人の流入が続いており、世帯数は増加傾向にある
と言えるでしょう。
なお、このサイトでは、春日井市の不動産に関する記事も書いております。ご興味のある方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
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