この記事では、札幌市の
- 中古の戸建て価格の推移
- ここまで上昇してきた理由
- 今後の見通し
について解説します。
(なお、本ページはプロモーションが含まれています。該当するサービスには、【PR】と表記しております)
1、札幌市の中古戸建て価格
中古戸建ての取引価格
*対象:①土地面積・延べ床面積ともに80㎡〜400㎡、②築年が昭和40年以降の戸建て
全体的に上昇傾向にありますが、特に、築年数が10年以内の物件では、上昇率が高い傾向にありますね。
なお、この価格は100㎡(約30坪)あたりの価格ですが、40坪であれば、約1.3倍した金額になります。
築10年以内であれば、40坪だと約3,500万円、全体の平均であれば約2,000万円が相場になりますね。
2、なぜ、札幌市の中古戸建て価格は、これほど上昇しているのか?
新型コロナ以降、中古戸建ての価格が上昇している理由はなんでしょうか?
主な理由を3つ、解説します。
①金利が低下して、高い物件が買えるようになった
そもそも、不動産価格が上昇した最も大きな理由は、金利の低下です。
アベノミクスによる異次元緩和政策が始まった2013年から2020年ごろまでは、固定金利が2%台から0.82%まで、1%以上も下落したのです。
さらに、2022年に入ると、変動金利がさらに下がりました。それまで0.5%前後だった金利が、0.3%台にまで下がったのです。
新型コロナ以降も、都心部や大都市圏を中心に不動産価格は上がり続けていますので、それでも買いたい人が、変動金利を選ぶようになりました。
そして、中古マンションでは、8割以上が変動金利を選ぶようになっています。
これによって、同じ返済額でも、買える物件の価格が大きく上がりました。
アベノミクスが始まる前の2012年ぐらいまでは、月に約10万円の返済(フラット35)で、約3,000万円の物件しか買えませんでした。
ですが、2023年現在、変動金利を選べば、約4,130万円の物件まで買えるようになっているのです。
月10.4万円の返済で、いくらの物件が買えるのか?
今の夫婦は、共働き世帯が多いですから、変動金利で、2人でそれぞれ月10万円を返済すると決めれば、なんと8,000万円以上の物件が買えるわけです。
東京の都心部では、マンション価格が8,000万〜1億円ぐらいして驚きますが、それにはこのような理由があるからなんですね。
②建築費の上昇
2つ目が、建築費の上昇です。
新型コロナやロシア・ウクライナ戦争、急激な円安によって、海外からの木材などの材料価格が上がり続けているのです。
2020年以降で、2〜3割の上昇となっています。
これによって、新築住宅の価格が上がったことで、割安な中古住宅を求める人が増え、価格上昇につながっているわけですね、
③札幌市は市外からの人口流入が増えている
3つ目は、市外からの人口流入が続いている点です。
少子高齢化が進んでいるため、札幌市全体の人口は減少に転じていますが、市外からの人口流入が続いていることから、世帯数は増えており、戸建てやマンションに対する需要が増加しているのです。
*1月1日現在
実際、年代別の転入超過数(引っ越してきた人 ー 出ていった人)を見てみると、全ての年代で転入超過(引っ越してくる人の方が多い)となっていました。
毎年1万人前後が、市外から移住してきており、かなりの住宅需要となります。
北海道では、少子高齢化で地方の経済は衰退しています。
若い人は仕事を求めて、シニア世代は、医療や介護サービスを求めて、札幌市に移住してきているのです。
というわけで、まとめると、
- 建築費の値上げによって、新築住宅の価格が上昇している
- 札幌市への人口集中によって、住宅の需要が増えている
- 変動金利がさらに下がっているため、値上げに応じられる人が増えた
といった理由から、中古の戸建て価格が上昇しているわけですね。
3、これからどうなる?気になる3つのポイント
では、ここからは、「今後の札幌市の中古戸建て価格に影響を与えるかも?」と気になる3つのポイントについて検証していきましょう。
(1)いよいよ金利上昇が本格化しそう
低金利によって、住宅ローンが組みやすい状況が続いていますが、2024年以降は、この環境がいよいよ変わってきそうです。
すでにフラット35などの長期固定の住宅ローンは金利が上がってきていますが、変動金利もそろそろ上昇に転じてきそうなのです。
(参考:ARUHI、住信SBIネット銀行、SBI新生銀行)
なぜ金利が上がってきているのか?、というと、物価が上がってきているからです。
戦争によって、海外から安い商品が入りにくくなり、円安が進んだことで、さらに物価が上昇しているのです。
この物価上昇をおさえるためには、消費を減らさないといけません。
そのため、日銀は、まず10年国債などの金利を引き上げました。これによって、フラット35などの固定金利のローンが影響を受けています。
ですが、物価上昇は止まらず、前年比で3%前後の上昇を続けています。
そのため、現在マイナス0.1%のままである政策金利も引き上げると見られています。
2024年2月現在、経済関係のメディアを見てみると、だいたい今年の4月前後ではないか?という予想が多いですね。
メディア名 | 時期・利上げ幅などの内容 | リンク先 |
ブルームバーグ | 3月にマイナス金利解除。年内に+0.25%へ | 参考記事 |
野村総合研究所 | 4月か10月か | 参考記事 |
東京財団政策研究所 | 4月 | 参考記事 |
日経新聞 | 3〜4月 | 参考記事 |
ロイター | 4月は早すぎる | 参考記事 |
そうなると、変動金利にも影響が出てきますので、一般世帯が現在の価格で住宅を購入することは、難しくなってくるでしょう。
1%金利が上がると、不動産価格は15〜20%下がる可能性
ちなみに、金利が1%上がると、住宅ローンの利息は、35年で15〜20%増えます。
例えば、月に約10万円の返済を考えている人であれば、現在なら3,500万円の物件が買えますが、金利が1%上がると、毎月10万円の支払いで、3,000万円の物件しか買えません。
政策金利は少しずつ引き上げていくと思われますので、すぐに大きく下落するわけではありません。
ですが、購入を検討されている方は、変動金利でギリギリのローンを組むのは危ないので気をつけてください。
(2)2024年問題で、建築費がさらに上がる
この2024年問題とは、簡単にいうと、
「建設業・運送業の従業員に対して、残業の規制が厳しくなることで、今まで以上に人件費の負担が上がることで、商品やサービスの価格が上がる」
という問題です。
建設業の労働時間の規制
そのため、資材の運搬や、建設の工期の長期化によって、建設費の上昇がほぼ確実に進むことになります。
それ以外にも、省エネ基準への適合が必須に
さらに、25年からは、省エネ基準への適合義務付けが始まります。
これによって、
- 省エネ基準を満たすための建築申請業務が増えるので、その分の人件費・申請費用が、建築コストに上乗せされる
- 省エネ基準を満たすために、追加費用がかかる(主に断熱性能の強化のために、約87万円/120㎡の住宅)
といったことも予想されます。
すでに、マンション・戸建てともに、新型コロナやウクライナ戦争によって、海外からの資材価格は上昇しており、建築費や住宅価格にも反映されています。
食料品や洋服などもそうですが、ここ2〜3年で、どんどん値上げされてますよね。
住宅メーカーの側でも、赤字では続けられませんから、2024年問題、25年問題による価格の値上げはしてくると予想できます。
そのため、特に、戸建て住宅を購入するハードルは、さらに高くなるでしょう。
(3)これから札幌市の人口はどうなるの?
国立社会保障・人口問題研究所が、2023年に発表した札幌市の人口の見通しによると、2025→35年の10年間で約5.4万人減少するそうです。
札幌市はこれから10年で約5.4万人減る
しかし、2023年現在でも、世帯数が増えていますし、札幌市の転入超過数も年間8,000〜10,000人ほど増えており、その勢いはまだまだ止まらないでしょう。
そのため、住宅に対する需要は、まだまだ強いと考えられます。
4、結論:買うなら?売るなら?
以上のことから、札幌市の中古の戸建て価格は、
- 札幌市への人口の一極集中が進んでいることから、住宅の需要は強い
- 今後も人口流入は続くので、住宅需要は強く、上昇余地はある
- ただし、今後は①変動金利が上昇する、②建築費がさらに上がるため、給料が上がらない限り、値上げについていける人は減っていく
と言えるでしょう。
買うなら:下落を待つよりも低金利の今がチャンス?
これから変動金利の上昇が始まりますので、8割近い人が変動金利を利用している現在の状況も減ってくるでしょうから、価格は下がりやすい環境になります。
ですが、急激に金利を引き上げることはなさそうなので、少しずつ価格に影響が出てくるでしょう。
そのため、もしこれから購入を考えるのであれば、ギリギリの返済計画で購入することはやめた方がいいでしょう。
非公開物件=安い物件
不動産を売る理由はさまざまですが、「周りに知られずに売却したい」という売主は一定の割合でいます。
そのような物件は、ネット上にも出回らず「非公開物件」として、特定の不動産会社が取り扱っている場合があります。
当然、このような物件は少ないお客さんにしか目にとまる機会がないため、相場よりも価格の安い可能性が高いです。
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売るなら:超低金利の今が1番のチャンス
ここまで説明してきたように、ここまで中古の戸建て価格が上昇したのは、金利の低下・変動金利の利用者の増加が大きかったです。
しかし、この金利はこれ以上、下がりようがありません。
これ以上の価格上昇は、購入される方の年収が増えなければ、難しいところにまできていますし、今後の金利上昇リスクも考えると、一般世帯が購入する物件は、今が高値になってくる可能性が高いです。
不動産会社によって、売れる価格が違う
ここまで、築年数を元に平均価格の動きを見てきましたが、戸建ては①注文住宅か建売住宅か、②家の造り・設備、立地など、によって、価格が大きく違ってきます。
特に注文住宅については、持ち主のこだわりがきちんと反映されるかどうかで、価格が変わってきますので、仲介を依頼する不動産会社をどこにするかで、結果が大きく変わります。
そのため、売却を検討しているのであれば、複数の不動産会社に査定を依頼した方がいいでしょう。
複数の不動産会社に査定を依頼できる一括査定というサービスがありますが、参加企業によって大きく2種類に分かれます。
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