北海道の人口推移|高齢化がヤバイ市町村はどこか? | イエ&ライフ

北海道の人口推移|高齢化がヤバイ市町村はどこか?

北海道 北海道

この記事では、北海道の市町村別に、

  • 人口がどのように変化してきたのか?増えたエリアはどこか?
  • 高齢化が進んでいる地域はどこか?
  • 少子高齢化による影響

などについて解説します。

 

1、北海道のこれまでの10年

(1)北海道の人口推移

まずは、北海道の人口の推移を見てみましょう。

この10年間で見てみると、約32.6万人減って、514万人でした。ですが、世帯数は逆に9.5万世帯増えて、約280万世帯となっています。

 

北海道の人口推移

(参考:総務省 住民基本台帳に基づく人口)

 

年代別の人口変化

では、年代別に見ると、どのような変化がわかるでしょうか。

この10年で、約32.6万人減っているわけですが、65歳以上の人口は逆に約23.9万人増えていました。

 

北海道の年代別の人口変化

(参考:総務省 住民基本台帳に基づく人口)

 

減っているのは、それ以下の年代なんですね。

特に0〜14歳は、2割近く減っており、少子高齢化が進んでいることがわかります。

 

市区町村別の変化

では、全ての地域で人口が減っているのでしょうか?

この10年での人口変化を見てみると、ほとんどの市町村で減少していますが、ごく一部では増加しているところもあります。

 

具体的には、

  • 札幌市や恵庭市、千歳市などの、札幌市とその近郊
  • 外国人観光客で盛り上がっているニセコ町・トマムのある占冠村
  • 旭川市の近郊にある東川町、東神楽町

の大きく3つに分かれます。

 

北海道の人口変化図

(参考:総務省 住民基本台帳に基づく人口)

 

特に札幌市は、進学や就職で、他の市町村からの移住先として人気となっています。特に若い世代の移住が多いですね。

そのため、札幌市以外の市町村では、高齢化が加速している状況となっています。

 

(2)北海道の学校数の推移

このように、若い世代の人口減少が進んでいるため、学校の統廃合も進んでいます。

この10年間で、小学校の数は約18%、2割近い減少となっています。中学校も1割以上も減っていますし、高校も約8%の減少です。

 

北海道の小中高の推移

(参考:北海道教育委員会 道内の学校数)

 

(3)北海道の医療施設の推移

その一方で、医療施設の数は、それほど減ってはいません。

2014〜23年までの9年間で、病院・歯科の数は6〜7%減っているものの、個人や小規模な医療法人が運営している一般診療所(クリニック)は、むしろ増加していました。

 

北海道の医療施設の推移

(参考:総務省統計局 医療施設調査)

 

北海道の介護保険施設数

また、介護保険施設の数も増加しています。

特に特養老人ホームの増加が目立ちますね。高齢者の数が増えているため、寝たきりの人も増えますから、対応するための施設が増えているのです。

 

北海道の介護保険施設数

(参考:総務省統計局 介護サービス施設・事業所調査)

 

ここまでのまとめ

というわけで、ここまで北海道の10年を色々なデータを通して見てきましたが、①少子高齢化、②札幌市への一極集中、が進んだ10年だったと言えるでしょう。

では、これから10年で、北海道はどう変わっていくのでしょうか?

 

2、北海道の10年後

(1)北海道の高齢化率(65歳以上)

北海道の2020年現在の高齢化率(65歳以上)は、32.1%で、全国平均の28.8%を上回っています。

 

また、2023年に発表された将来予測によると、2025年は33.7%、10年後の2035年は37%にまで上昇します。

後期高齢者の割合は、2025年で19.7%、10年後の2035年には23%となり、ほぼ4人に1人が後期高齢者になる計算です。

 

北海道の高齢者の割合の予測

(参考:国立社会保障・人口問題研究所問題研究所)

 

このように、今後も少子高齢化は進んでいくわけですが、地域によって、その度合いは異なります。

2025年時点で、市町村別に高齢化率(65歳以上)を見てみると、高いところは、夕張市や三笠市、芦別市などの空知管内に集中しています。

 

北海道の後期高齢者マップ 2025年

(参考:国立社会保障・人口問題研究所問題研究所)

 

これらのエリアは、65歳以上の高齢者の割合が、4〜5割を超えており、比較的、札幌や旭川に近い立地にあることから、市外への移住が多く、高齢者だけが残っているような状況です。

 

では、10年後はどうなっているのでしょうか?

2035年時点の図がこちらになります。

 

北海道の後期高齢者マップ 2035年

(参考:国立社会保障・人口問題研究所問題研究所)

 

高齢化率が4割を超える市町村(青っぽい灰色の部分)が、かなり増加しています。

釧路や函館、旭川などの、地方の大都市だけでなく、札幌市南区も4割を超えるようです。

 

65歳を超えても働く人は多いですが、それでも勤め先は一度退職する人が大半ですから、働く人の数は、かなり減っていくでしょう。

 

(2)北海道の後期高齢者(75歳以上)率

では、75歳以上の後期高齢者はどうなるのでしょうか?

空知管内が高い傾向は変わりませんが、2025年時点で2割を超えるエリアはかなり多いことがわかります。

後期高齢者が少ないのは、千歳市や札幌市中央区など、札幌市の周辺に限られます。

 

北海道の後期高齢者マップ 2025年

(参考:国立社会保障・人口問題研究所問題研究所)

 

では、10年後の2035年は?というと、25%を超える市(青色、紺色の部分)が大半を占めました。

比較的少ないのは、札幌市や千歳市に限られるようです。

 

北海道の後期高齢者マップ 2035年

(参考:国立社会保障・人口問題研究所問題研究所)

 

2023年時点で、75歳以上の人口は約2,000万人います。そして、要介護認定を受けている人は、約700万人います。

75歳未満で介護状態の人もいますが、大半が75歳以上だと仮定すると、75歳以上の方の約3人に1人が、介護支援を受けている計算になります。

 

後期高齢者率(75歳以上)が30%を超えるということは、市内の10人に1人が、介護状態ということになります。

夕張市、赤平市、芦別市、三笠市は、2025年時点で75歳以上の人が3割を超えますので、これらの市でこれから起こることが、10年後の道内の各地で起こると考えてよいでしょう。

 

(3)バスの減便、鉄道の廃線

人口減少と高齢化によって、バスや鉄道各社の経営も危ない状況が続いています。

JR北海道は慢性的な赤字ですし、路線バスの各社も、売り上げ減少によって、運転手の給料・勤務環境が劣悪なため、人手不足が深刻です。

 

このような状況の中で、2024年4月には、これまで慢性的な長時間労働が問題となっていた物流・運輸関係のドライバーに対して、残業時間の規制が強化されます。

今までのような長時間労働を強いることができなくなるのです。

 

その結果、路線バスの各社では、運転手の確保ができないため、バス路線の減便、削減を進めていくと発表しています。

 

路線短縮や減便の理由は運転手不足だ。

2019年に約1300人いた運転手は今年4月に約1100人と約200人減った。これまで休日出勤などで何とか対応してきたが、「もう限界」(同部)という。

(参考:北海道新聞 「北海道で過去最大級のバス路線再編 待ち受ける 「2024年問題」)」

 

JR北海道でも、廃線が進む

JR北海道でも、利用者数の減少が続いていることから、今後も廃線が進みます。

2024年2月現在、発表されているのは、以下の路線です。

 

区間 輸送密度 廃止時期
根室本線(富良野 ー 新得) 50人/日 2024年3月末
留萌本線(深川  ー 石狩沼田) 90人/日 2026年3月末
函館本線(長万部 ー 小樽) 340人/日 新幹線開業後(2030年?)

 

2023年9月時点の、JR北海道の決算資料を見ると、黒字路線は札幌周辺の路線だけで、他は軒並み赤字となっています。

この状況は改善される見込みはないでしょうから、今後も、利用状況の少ない路線を少しずつ廃線していくことになるでしょう。

 

まとめ

というわけで、ここまでをまとめると、

  • 札幌市周辺と、一部のリゾート地だけ人口が増えているものの、それ以外のエリアでは、人口減少と高齢化が進んでいる
  • 学校の統廃合や、路線バスの減便、鉄道の廃線など、地方の公共サービスが少しずつ減ってきている
  • 今後はさらに高齢化が進むため、今まで通りの生活ができないエリアも増えていきそう

と言えます。

 

なお、このサイトでは、各地域の不動産動向についても解説しております。興味のある方はどうぞ。

 

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この記事を書いた人
ゴトウ

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