今回の動画は、「イラン戦争でキレ芸をしながら、NATO解体を目指すトランプ」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
3/27にマイアミで開催されたサウジアラビア主催の投資フォーラムで、イラン戦争でNATO諸国が米国の支援をするつもりがないことを受けて、トランプ氏はこのような発言をしていました。

「これまでずっと彼らのために尽くしてきたが、彼らの行動を見る限り、もはやそうする必要はないのではないか」
「我々は忘れない」
以上です。

なんだか、NATO諸国に対して、覚えてろよ!絶対後で、ギャフンと言わせてやるからな!とキレ芸をしているように聞こえますよね。
昨年12月に、トランプ政権が国家安全保障戦略を公表しましたが、その中で、
①中東については、軍事的関与から政治的、経済的な関与へのシフト
②欧州については、NATO各国の軍事費を引き上げさせて、自立させる
というものでした。
今回の動画では、これをどのようにやろうとしているのか?について、最近のトランプ氏の芸風を見ていきたいと思います。
それでは、参りましょう。
エーベルバッハ少佐について
本題に入る前に、今回のサムネ画像が、意味わからんという人の方が多いと思うので、ちょっとだけ補足します。

この画像は、青池保子先生の名作「エロイカより愛を込めて」の登場人物のエーベルバッハ少佐のものです。
設定としては、ドイツ人のNATO将校で、階級が少佐なのですが、上司との折り合いが悪いので、出世できずに万年少佐と言われていたりします。
このエーベルバッハという名前は、ドイツに同じ名前の市があるようで、そこの観光パンフレットにも少佐のイラストが載せられていたようです。
この漫画が流行った80年代には、この街に観光に来る日本人が激増したということで、市から青池先生は名誉賞と、イノシシの彫像が贈られたそうです。
最近のトランプ氏は、NATOから撤退したい気持ちを隠さないので、いずれNATOが崩壊するという動画を作ろうと思っていたのですが、そうなったらNATOで働いている少佐はどうなってしまうのか?ということで、ちょうどいい感じの表情の少佐の絵があったので使わせていただきました
気になった人はチェックしてみてください。
それでは、ここからが本題です。
2、トランプ流のNATO撤退方法

ちょっと前に、エマニュエル・トッド教授の新刊を紹介したときに、トッド教授のトランプ氏に対する解釈が違うなと感じたと、その時に話したのですが、
それってどういうこと?と、コメントをいただきました。
この点について、私が思うのは、トッド教授は、プロレスとかお笑いとか、そういうパフォーマンスに対する理解が足りないのではないか?ということでした。
トランプ氏の振る舞いをなんでも真面目に捉えてしまうと、「あいつは頭がイカれた政治家だ」となってしまいがちです。
トッド教授の見方も、アメリカ人が何のために生きてるのか、よくわからんみたいな、ニヒリズムで頭がイカれてしまったために、そこから選ばれたトランプという政治家も、そういうヤケクソな振る舞いになっているのではないか?という感じでした。
私はそういう見方をしていません。
トランプ氏は、イギリスに象徴されるような、グローバリズム帝国をぶっ壊すという、明確な目的があるのだけれども、それをプロレスとか、キレ芸とか、そういうパフォーマンスで、その意図を隠しつつ、目的に向かって進んでいると、そういう見方をしています。
それで、今回ご紹介する中東や欧州からの撤退についても、そういう芸風を出しながら、目的に向かっているように見えますので、詳しく見ていきましょう。
(1)欧州NATOからの撤退
まずは欧州についてです。

現在の欧州NATOからの米軍の撤退作戦は、なかやまきんに君の、
やるのかい?やらないのかい?どっちなんだい!
作戦が使われています。
どういうことなのか?見ていきましょう。
やるのかい?①ルーマニア撤退

1つ目のやるのかい?は、ルーマニアからの一部撤退です。
昨年10月に、ルーマニアに駐留させていた米兵の一部を本国や中南米に配置するために、一部撤退することを発表しました。
これまでですと、米兵を動かす場合には、別の場所から補充されることが多かったようですが、今回は1000人は残すけど、そのような補充もないということで、一部撤退という見られ方がされていました。
やるのかい?②ドイツ軍と音信不通

2つ目は、ドイツと音信不通状態にしたということです。
昨年12月に、ドイツ国防省のフロイディング中将が、インタビューで、ドイツ軍は、米国防総省との連絡回線が遮断されたために、大使館を通じて連絡しなければいけなくなったと答えていました。
これまでは、直通の連絡手段があったのに、それがわざわざ大使館を通じてでしかできなくなったというのです。これでは、知られたくないような情報のやり取りや相談なんてできませんから、かなりよそよそしい関係になってしまったことがわかりますね。
やるのかい?③2027年までに自立しろ命令

3つ目は、2027年までに自立しろ命令を下したということです。
米国防総省は、NATO各国の高官に対して、2027年までに軍事力を強化しなければ、アメリカは欧州での活動の一部に参加しない可能性があると伝えました。
昨年5月のNATOサミットで、軍事費を2035年までに、GDPの5%まで引き上げことに決まりましたが、その進捗状況が思わしくないと感じているようです。
日本でも、軍事費は上がっているものの、5%となると、日本だったら今の3倍以上にするようなものですから、国内の国民の支持も得なければいけませんし、相当なハードルの高さです。
トランプ政権は、そのことをわかってて、米軍の関与を減らす口実を作っているように見えますね。
やるのかい?④情報将校クラスを200名削減

そして4つ目は、200名の情報将校等の中枢スタッフの撤退です。
今年1月に、NATOの主要司令部に駐留する200名の情報将校、参謀などのポジションを削減すると表明しました。
司令部勤務の人たちですから、かなり役職的にも、影響力的にも高い人たちが、いなくなるということなのでしょう。そのため、欧州NATOは、今後さらに自立して判断することが求められるようになると予想されます。
やらないのかい!①

という感じで、トランプ政権は米軍のNATOからの関与を徐々に減らしていくような動きを見せているのですが、
その一方で、欧州の指導者に対して
「大規模な撤退は期待すべきではない」
とも語っているようです。
昨年7月に米国で可決された国防権限法によって、最低7.6万人の米兵を欧州に駐留させなければいけないという縛りができているようなので、1万人ぐらいは減らせるかもしれませんが、それ以上の削減は難しい状況のようです。
そのため、NATO将校は「我々は相反するシグナルを受け取っている」と語っていました。
まさに、撤退するのかい?しないのかい?どっちなんだい!という状況なわけです。
やらないのかい!②ノルマ管理にやる気満々

また、トランプ氏は、NATO諸国に対するノルマ管理にも、やる気満々です。
最近の話ですが、NATO各国に与えたGDPの5%まで軍事費を引き上げるというノルマに対して、未達成の国については、意思決定期間での投票権を剥奪すべきだと考えていると発言もしていました。
そもそも、5%というノルマに必要性を感じているのは、ロシアと敵対したいイギリスや北欧諸国であって、ロシアから遠いスペイン、イタリアや、ロシアから天然ガスや原油を輸入している東欧諸国は、ロシアと敵対する理由がありません。
そのため、このような締め付けは、むしろ、内心はロシアと仲良くしたい国々をNATOから間引いていくために行っているようにも見えますね。
役職定年で困ったおじさん作戦
つまり、現在のアメリカは、「役職定年して困ったおじさん作戦」を実行しているのです。

*すいんません、この本は読んでませんが、画像がそれっぽいので使わせてもらいました
役職定年した困ったおじさんというのは、責任がないくせに口出しだけはしてくるので、会社にとって、利益よりも混乱を巻き起こす存在になりがちです。
しかし、アメリカはNATOという組織の弱体化や解体を狙っているので、わざと困ったおじさんを演じていると、いうわけです。
②中東からの撤退
では、中東についてはどうでしょうか?
こちらは、池乃めだか師匠の「今日はこれぐらいにしといたろ!」作戦をやっているように思います。

中東についても、アメリカは軍事的な関与を減らしたいと表明しています。
そうなると、今やってるイラン戦争はどうなるんだ?となるわけですが、イランが核兵器を持ったり、シリアやレバノン、イラクなどのイスラム過激派を支援し続ける限り、中東はずっと不安定なままなので、さっさと政権を転覆してしまいたいというのが、トランプ政権の本音です。
しかし、イラン戦争に大勝利してしまっては、その後に湾岸諸国からの撤退が難しくなります。アメリカ様のおかげで、中東が平和になった!あなた方は救世主だ!みたいな状況になっては、各国政府としても、出ていかないでくれとすがりつきやすくなりますからね。
そこで、イランに勝利するのは最優先事項ではありますが、湾岸諸国の特に国民から、そこそこ嫌われることも重要です。
そのため、勝利しながらも再起不能状態になりながら「今日はこれぐらいにしといたろ!」と捨て台詞を吐いて去っていく状況を作っているように思います。
①米軍基地がボロボロ
ちょっと具体的に見ていきましょう。
まずは現在の湾岸諸国にある米軍基地の状況についてです。

今回のイラン戦争では、開戦当初からイランによる湾岸諸国の、特に米軍基地への攻撃がかなりやられました。
その結果、イラン周辺にある13の米軍基地が、ほぼ居住不可能な状態になっているようです。
NY Timesの報道によると、クウェートやカタール、バーレーン、サウジ、イラクなどの米軍基地がやられているようですね。
②ホテルに撤退した米軍にイランが攻撃予告
また、3/27に、イランは米軍を受け入れているバーレーンとUAEのホテルに対しても、攻撃すると最後通牒を突きつけてきました。

これらの攻撃されて破壊された米軍基地から撤退した米兵は、湾岸諸国のホテルに駐留して作戦を継続しているようです。
そのため、イランはこれらの米兵がたくさん宿泊しているホテルに攻撃を仕掛けると言ってるんですね。
湾岸諸国から見れば、民間人の施設にまで被害を広げている米軍は、迷惑な存在以外の何者でもないように見えるでしょう。これらの国の国民だったら、米軍に対してけっこうムカついているのではないでしょうか?
しかし、こんな迷惑な米軍に対して、湾岸諸国は支持を崩していません。

開戦当初は、米軍が自国を守ってくれなくて、イスラエル防衛に出払ってしまったと不満を漏らしていた、政府高官のボヤキが出ていたりしましたが、現在はイランをさっさとイランをぶっ叩いて、平和な中東の状態にしたいと考えを変えてきているようです。
3、まとめ
というわけで、ここまでのことをまとめると、こんな感じになります。


ということではないでしょうか?
なので、現在のイラン戦争も、長期化するのか?うまく交渉が進んで、もう少しで終戦に至るのか?まだよくわかりませんが、一応、トランプ政権のシナリオ通りに進んでいるように思います。
そんな中で気になるのは、クズの国イギリスです。

今回のイラン戦争は、ホルムズ海峡をイランというやべえ政権の管理下に起き続けることで、海上保険や原油価格を引き上げることで、ロンドンが儲けるという現在のシステムを壊そうとする動きでもあります。
なので、トランプ政権は、米国国際開発金融公社を使って新しい戦争リスク保険を立ち上げ、それを米中央軍に護衛させるという仕組みを作って、ロンドンの支配体制から解放しようとしています。
そうなると困るのはイギリスです。
そのためかわかりませんが、イギリス海軍は、呼ばれてもいないのに、攻撃型潜水艦を中東に送り込んできました。
アメリカによるホルムズ海峡の管理がうまくいくことを邪魔するために、送り込んできたのではないでしょうか?今後、ホルムズ海峡を航行中のタンカーで、不審な事故があったら、こいつの仕業ではないかと思いますね。
基本的にイギリスは、金融で食ってる国なので、世界が不安定になればなるほど、原油などの資源価格が上下するので、儲ける機会が生まれます。相場師にとって、困るのは下がり続けることではなく、相場が動かない凪の状態なのです。
現在のトランプ政権がやろうとしている中東安定化のための動きは、そのような相場師にとって都合の悪い流れになりますので、この潜水艦を使わなくても、何らかの形で邪魔してくることは間違いないと思います。
ただ、トランプ氏は、そのような動きを直接名指しして、ぶっ叩くということはしないでしょうから、また別の芸風を使って、ぱっと見では訳がわからんパフォーマンスをしつつ、イギリスをいなしていくのではないでしょうか?
イラン戦争については、引き続き、追いかけていきたいと思います。






コメント