今回の動画は、「チャッカリ国家ポーランド。大国に翻弄されてきた国の曲芸みたいな処世術」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
5/15に、米国防総省は、計画していたポーランドへの4000名の米兵派遣を中止すると発表しました。

これに先立って、5月頭にドイツからも5000人の米兵撤退を表明していたので、いよいよアメリカが欧州から本格的に撤退するのでは?と騒がれています。

ポーランドの地理的なポジションを確認しておきますと、ウクライナの西隣にあり、ドイツやフランスなどのNATO加盟国の中でも中心的な役割を担う国が、ウクライナへ軍隊や兵器、補給物資などを支援する際の通り道になっています。
なので、西ヨーロッパからロシアへ向かう際の、NATOの前線基地のような位置付けなのですが、そこへの米兵の派遣が中止になったということで、いよいよ、これからは欧州NATOがウクライナ戦争に対峙しなければいけなくなったと、解釈できると思います。
ところが、このポーランドという国は、いろいろと調べてみると、非常に面白い国で、特にイギリスをこれからさらに苦境へ追い込むための、泥沼みたいな役割を担う国なんじゃないかな?と感じました。
そこで今回の動画では、このポーランドという国ついて、歴史的な流れを踏まえながら、現在、いかに変な国になっているのか?について、ご紹介していきたいと思います。
それでは、参りましょう。
2、ポーランドの歴史

まず初めに、ポーランドの歴史について、ざっくりと見ていきましょう。
ポーランドはドイツとウクライナに挟まれたところに位置する、東欧の国なのですが、地形的に平野が多く、農作物が取れる豊かな場所だったこともあって、たびたび隣国の大国から攻め込まれる国だったようです。

それが一番ひどい形で現れたのが、1772年から1795年にかけて行われたロシア、プロイセン、オーストリアによる領土分割で、王様が死んで、後継者問題でゴタゴタしているところをこれら3つの国に介入されて、属国にさせられてしまったのです。
ポーランドの人たちは、このような隣国による支配に反発して、何度も蜂起したのですが、その度に鎮圧され、ポーランドという国が復活したのは、なんと123年後の第一次大戦後でした。

これでようやく国として独立できたと思ったら、その21年後には、ナチスとソ連が侵攻してきて、またまた占領されてしまいました。
この第二次世界大戦では、ナチスによるホロコーストもありましたし、その後の独ソ戦でも戦場となったため、結局、600万人ぐらいの方が亡くなったと言われています。これは、当時の全国民の2割ぐらいになったということなので、ここ150年ぐらいのポーランドの歴史というのは、本当に悲惨な目にしか遭ってなかったことがわかりますね。
なので、国家として独立したい!自立したい!他国の都合に巻き込まれたら、ろくなことにならない!という気持ちが、おそらく他の国よりも強いのではないかと思います。
このような歴史的な教訓を持っているため、ポーランドは他の欧州諸国に比べると、非常に移民の受け入れに対して慎重です。

2024年にEU外から入ってきている中東やアフリカからの移民をEU加盟国内で分担して受け入れようという話が出たのですが、この時も猛反対していたのはポーランドです。
これまで翻弄されてきた国が、今度は移民で混乱しろと?ふざけるんじゃねえ!ということなのでしょう。
また、最近のEUでは、ウクライナ戦争では、ウクライナ支援をしよう!気候変動対策をするために、車は全部EVにしていこう!アメリカ様が言ってるから、防衛費をGDPの5%にまで引き上げよう!など、加盟国の国民の意見などそっちのけで、勝手にいろいろと決めようとしており、各国の保守政党がEUやNATOからの離脱を掲げて、支持率を伸ばしています。
その中でも目立っていたのが、ハンガリーのビクトル・オルバン元首相だったと思うのですが、この人は4月に行われたハンガリーの総選挙で敗北してしまい、親EU派のペテル・マジャール氏が首相になってしまいました。

(参考:wszystkoconajwazniejsze.pl)
そのため、もうEUに楯突く人がいなくなったように思われてますが、実はポーランドのナブロツキ大統領が、ゴリゴリの保守政治家で、EUに自国の主権を明け渡すことに大反対しています。
こちらの記事で、ナブロツキ氏の考え方について載っていたので、抜粋しますと、
「私はポーランドの欧州連合加盟を支持していますが、政治制度や司法制度、安全保障といった問題は、ポーランド憲法、ポーランド大統領、ポーランド政府のみに留保されるべきだと考えています。
それは、すべての加盟国にとって当然のことです。」
以上です。
つまり、EUの訳のわからんお役人が勝手に決めたことには従わないと言ってるのです。
こんな感じで、ポーランドという国は、1999年にNATO、2004年にEUに加盟しているものの、今でも自国ファーストを貫き続けている国なんですね。
3、イカれてるシコルスキー劇場

と、ここまでの話だけ見ると、ポーランドというのは、しっかりしてる国だなあという印象ぐらいしか持たないと思うのですが、面白いのはここからです。
この国は非常に絶妙なバランスで、いろいろな政治家が役割分担をすることで、グローバリストとトランプやプーチンとの関係を維持しつつ、現在のポーランドの国益を最大限に伸ばしているとしか思えないのです。
この点について、詳しく見ていきましょう。
まずはこの動画のサムネに使ってきたこちらの政治家について、ご紹介します。

この人は、ラドスワフ・シコルスキーという政治家で、現在副大統領と外務大臣をやってる人です。
オックスフォード大学出身で、イギリスのスペクテイターなどのメディアや、アメリカン・エンタープライズ研究所などのシンクタンクでの勤務もあり、英米のグローバリスト的な職歴の持ち主であり、対ロシア強硬派、イギリス万歳な人です。

それで、この人の何がヤバいのかというと、2022年2月にウクライナ戦争が始まって、その年の9月に、ドイツとロシアを結ぶ天然ガスのパイプラインのノルドストリーム2が、何者かに爆破されるという事件が起こったのですが、
この事件の翌日の、誰が犯人かもわからない状況の中で、Twitterに「Thank you USA」と、この爆破された画像と共に投稿したのです。
ノルドストリーム2は、ロシアからドイツへ、直接天然ガスを送り込めるインフラだったので、間に位置するポーランドを超えて、ロシアとドイツがさらに友好関係を深めるようなプロジェクトでした。
過去の歴史に当てはめてみれば、250年前のポーランド分割も、第二次世界大戦中のナチスとソ連によるポーランド侵攻も、ドイツとロシアが仲良くなった後というのは、ポーランドにとってロクなことがありませんでした。
なので、このノルドストリーム2の建設計画に対して、ポーランドは以前から反対していたのですが、それが何者かに爆破されたということで、シコルスキー氏がやったあ!と喜びの投稿をしたという訳です。
ですが、まだ誰が壊したのか判明していない時期に「Thank you, USA」と投稿するのは、犯人をバラしてるようなものです。
こんなん、面白がってやってるとして、思えませんよね?
また、このシコルスキー氏は、たびたびイギリスに行っては、ウクライナ戦争にもっと金を出せと焚き付けています。

昨年10月に英国下院で講演をしたのですが、その時にイラン製のドローンを持ち込んで、
このドローンはロシアから長距離でやってくるんで、NATO諸国にもせめて来れるんですよ!
なんとかしましょうよ!
金出してくださいよ!
ウクライナ戦争はあと3年ぐらいは続きそうなんで、NATOのリーダーであられるイギリスさんには、もっと頑張ってもらわないと困るんですよ!
と、煽り散らかしてきました。
完全に、イギリスにもっと金を出させて、浪費させようとしているのです。
じゃあ、このポーランドという国は、ロシアと戦争したくてしたくてたまらないのか?というと、全くそんなことはなくて、国防大臣がたまにメディアのインタビューに応じているのですが、「うちは兵士をウクライナに送りません」と、毎回同じことを言って、派兵を否定しています。

つまり、単にアホな欧米諸国にウクライナ戦争という名目で金を使わせて、そのおこぼれを預かりたいだけの、ちゃっかりした国なのです。
実際、それはポーランドの経済にも好影響を与えています。

ウクライナ戦争が始まって以降、
①ウクライナからの難民が100万人以上来ており、そのうち80万人が労働者として雇用され、GDPの2.7%分の貢献となっています
②ロシアからウクライナへの石油製品の停止によって、ポーランド経由のウクライナへの石油製品の輸出が急増し、対ウクライナで貿易黒字に転換しています
③ポーランドがウクライナ支援の物流拠点となったために、ウクライナへの輸送関係の産業も潤っています
などなど、まるで朝鮮戦争で、戦争特需が起こり、経済が復活した日本のようなポジションにいるのです。

また、その一方で、ロシアはどうかというと、もうウクライナ戦争は5年目に突入しているのですが、特に今年に入ってからのウクライナ戦争はグダグダな展開となっており、死傷者がゼロの日も結構あって、なんでこれで和平交渉が進まないのか?よくわからない状況となっています。
これはもちろん、アメリカ側からすれば、NATOから米兵をどんどん撤退させるための口実に使えていますし、ロシアから見ても、欧州諸国に無駄金を使わせたり、資源の輸出もストップすることで、産業を潰す作戦にもなっています。
なので、ロシアを敵対視して、イギリスをけしかけて戦争を続行させようとしているシコルスキー氏の行動というのは、
欧米のグローバリスト的な動きと言えなくもありませんが、むしろ、プーチンやトランプの思惑通りの展開にするためのものではないか?とすら思えてきます。
このように考えると、実は現在のポーランドというのは、それぞれの政治家が、独特な役割を担うことで、ポーランドの国益を最大化させようとしているように思います。

外務大臣のシコルスキーは、イギリスを煽って、ウクライナ戦争を続けさせようとしてますし、
大統領のナブロツキは、バカなEUやNATOが提案に巻き込まれないように、嫌なことにはNO!と言い、ブレーキを踏んでいますし、国防大臣も派兵は絶対に拒否してます。
そして、首相のトゥスクは、EUやNATOにいい顔をする役割を担っているように思います。
このような役割分担によって、ウクライナ戦争を利用して、戦争に巻き込まれるようなリスクは犯さずに、大儲けできるているように見えますね。
ということで、ここまでのことをまとめると、こんな感じになります。
①ポーランドは、18~20世紀初頭までの祖国消滅と、第二次大戦での占領、共産圏への組み入れによるソ連との関係など、抑圧的な時期が続いてきたこともあって、戦後の政策は自国ファースト的な価値観の政治家が多い
②そのため、大量の移民受け入れや、EUへの主権献上みたいなアホなことはしないで済んでおり、経済成長も続いていることから、成功している国
③そして、今回のウクライナ戦争では因縁の関係にあるロシアを徹底的に敵視するシコルスキーが、グローバリストとして大暴れ中
④ところが、それがプーチンのウクライナ戦争長期化作戦にピッタリハマって、イギリスのカネを浪費させ、国力の弱体化を誘発している
⑤さらに、欧州の支援が続く限り、物流のハブとして経済的にも潤うので、欧州内のウクライナ戦争継続派として騒ぎ続ける(自分達は戦争しない)
というところでしょうか。

ポーランドは、原油の約5割をサウジから輸入しており、今回のホルムズ海峡封鎖の影響は避けられないと思いますが、地理的にノルウェーに近いことから、現在3割を輸入しているノルウェーからの原油をさらに増やしていくものと予想されます。
一方で、イギリスは北海原油の新規採掘を永久に停止する法律を通そうとしているようです。これによって、イギリスの立つ工業化がさらに進むと思うのですが、ウクライナ戦争で必要となる兵器はどうやって調達するのでしょうか?
イギリスは今、環境保護主義者たちや、移民受け入れ派、そしてポーランドのシコルスキーみたいなウクライナ支持派に囲まれて、完全に詰み将棋のような状況になっていると思いますね。
他の欧州の政治家の中にも、こうやってイギリスを締め上げることに喜びを感じてる人はいそうな気がしますので、今後調べて動画にしていきたいと思います。






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