今回の動画は、「2026年の金と銀」ということで、やっていきたいと思います。
*この記事は、YouTubeの元原稿になります
1、はじめに
今年もあと半月ちょっとで終わりますね。
このチャンネルは、昨年11月ごろから本格的にこんな感じで動画を出し始めたのですが、当時は株や為替、そして金の話をけっこうネタにしてきました。

株(日経平均)は25,000円ぐらいまで下がるのでは?とか、
ドル円は120円を目指すだろう、とか、
金は30,000円までいきそうだとか、
まあ、無責任にあれこれ喋ってきたわけですが、株は逆に上がり、為替はほぼ横ばいで動かず、金は大きく上昇ということで、1勝1敗1分けという感じだったと思います。
それで、今年1年の変化率を見てみると、金が約6割、銀はなんと2倍以上も上がっており、日経平均の+27%、ナスダック100の+20%と比べると、かなり大きく上昇していました。
今年は、日経平均が史上最高値の5万円を乗せたということで、投資家界隈の間では、かなり盛り上がったのではないかと思いますが、それ以上に、金や銀などの貴金属の年だったんですね。

また、私は、YouTubeで活躍されている朝倉先生のチャンネルが好きで、よく見ています。
朝倉先生は、一貫して株高を主張してきましたが、見事に今年も当てており、さすがだなと思う一方で、最近の動画を見ていると、株価に対しては強気なんですが、物価とか、経済とか、これから日本が良くなるのか?という点で言うと、けっこうシビアな発言が目立ってきているように思います。
要するに、景気が良くなって株が上がると言うことではなく、日銀などの世界中の中央銀行が金を刷るのを止められなくて、通貨の価値が下がるから、現金よりも企業の株式の方が価値が高くなっていくんだ、と言う話ですね。
だから、普通の日本人の生活は、これからも厳しくなるし、だからこそ投資しなきゃいけないんだ、現金から逃げろと、そういうことだと思います。
この動画では、そのような経済環境の中で、金や銀の価格が、これからどうなっていくのか?について、考察していきたいと思います。
それでは、参りましょう。
2、世界経済における金と銀の位置付け
まず最初に、世界経済において、金や銀というのが、どのような位置付けになっているのか?について、押さえておきたいと思います。

1971年にアメリカのニクソン大統領が、金とドルとの交換を停止するという宣言を行いました。これはニクソンショックとも言われて、それ以降、1ドル360円だったドル円相場が、今のように変動為替制度へ変わり、毎日のようにドル円レートが動くようになっています。
現在は1ドル155円前後ですが、最も円高だった時は、1ドル80円を割れていました。
ドルと金が交換停止になったということは、ドルの価値がどこまで下がるのか分からない世界に突入したということです。
アメリカとしても、ドルの価値が下がり続けると、海外からの輸入物価が上がりますし、なんとかコントロールしたいとことです。
そこで何をやったのか?というと、1つは、1974年に行われたサウジ・リヤド密約です。
サウジアラビアを説得して、原油をドル決済にしてもらう代わりに、アメリカがサウジを軍事的に守るという、密約ですね。
しかし、2024年に50年たったので、この密約は終了したと言われています。
そしてもう1つが、金価格の操作です。
それまでドルと金を停止したことで、金価格がどんどん上がってしまうと、ドルの信頼性が崩れます。
こちらは、中央銀行の年間の金の売買量を表しています。

買い越しの時は上に棒グラフが伸びて、売越の時は下に伸びています。
ニクソンショックからリーマンショックがあった2008年ぐらいまで、中央銀行は金をずっと売却してきたことがわかりますね。
これによって、2000年前後まで、金はずっと下がり続けてきました。
現在1オンス4300ドルを超えてきていますが、当時は300ドルを割るところまで下がっていたので、10分の1以下だったのです。
投資の世界では、金は利息を産まないからろくな投資対象ではないと言われてきた時期がありましたが、これは、金にみんなの目がいってしまうと、ドルの信頼性がさらに崩れてしまうからという、金融関係者の思惑もあったのではないかと思います。
しかし、リーマンショック以降、中国やインドなどの途上国を中心に、中央銀行による金の購入がずっと続いているため、価格の上昇が止まらなくなっているというわけですね。

では、銀はどうかというと、銀は金よりも産業用途で使われる割合が高く、約半分が産業用に使われています。
また、2022年以降は、鉱山やリサイクルで生産される銀の量よりも、産業用での銀の使用量が増えているため、銀不足になりやすい状況となっています。
これは、中国による太陽光発電設備の大量生産が効いています。
日本では、メガソーラーが阿蘇山や釧路湿原をぶっ壊していますので、百害あって一利なしの、どうしようもないことになっていますが、世界中では砂漠や草原など、設置しても環境への影響が少なそうば場所や国はたくさんありますので、そちらへの輸出が進んでいるようです。
中国が今年、イランとの鉄道を開通させましたが、最初に運ばれたのが太陽光パネルだったと言われています。
ただ、2024年ごろから金と銀の価格は、かなり激しくなってきましたので、銀の使用量を抑える生産へと変わってきているようです。その一方で、AI関連の設備投資が、世界的に盛り上がっているので、今後はそちらの方で使われる可能性が高く、銀の産業向けの使用量は高止まりしそうな感じです。
3、化けの皮が剥がれてきた金・銀市場
このように金と銀に対する世界の需要は、年々増加傾向にあります。
しかし、これまで金や銀の取引をやってきたロンドン貴金属取引所や、シカゴの先物市場では、かなりマネーゲーム的な要素が強い感じでした。

昨年11月の大統領選挙でトランプ氏が当選したことを受けて、金に対しても関税をかけるのではないか?という思惑から、ロンドンの取引所からシカゴへ空輸する動きが活発化し、ロンドンの取引所の金がなくなってしまい、受け渡しまで2ヶ月以上かかる状況へ陥りました。
元々、ロンドンでも、金の取引では、全体の96%が現物の受け渡しを伴わない差金決済による取引だったようで、残り4%の分しか、現物の金のやり取りがなかったのです。
先ほど説明してきた通り、ドルの価値が下がらないように、中央銀行に金を売らせてきた歴史がありますので、取引所においても、金価格が上がらないように、価格操作をしてきたのでしょう。
実際、バークレイズ銀行が、以前に価格操作の疑いで罰金を受けてますので、そういう以前は大いにありました。

そして、このような状況は、金だけでなく、銀においても起こったのです。
11月末に、シカゴの先物市場で、現物を求める投資家が増えたことによって、11時間の緊急停止となりました。

その前の月の10月には、空売り用の現物の銀の貸し出し金利が、年利30%を超えるなど、現物の銀がなくなっているところでの、取引停止だったので、おそらく、この取引停止措置も、そのような流れの一つだと考えられます。
実際、インドの銀ETFは、インド国内で現物の銀を手に入れようとすると、プレミアムが余計にかかってしまうという理由で、募集を停止してしまいました。
しかし、海外の銀価格とインド国内の銀価格の価格差が開きすぎたというのは、要するに、海外の銀市場が、現物の銀を渡さないくせに、低い価格を提示することをやめなかったからだと思われます。
つまり、今のロンドンやシカゴなどの金や銀を扱う先物市場は、ヤクザの呑み行為と一緒なのです。
競馬場に行かないで、ヤクザを通じてギャンブルをやることを呑み行為というそうです。
これはもちろん違法で、今もやっているのかわかりませんが、実際に馬券を買わずに、ヤクザが胴元になって、お客さんに競馬をかけさせるということが、昔のヤクザのしのぎの一つと言われていたそうです。
競馬は、胴元が3割とるギャンブルと言われていますので、競馬場を通さずに代わりにヤクザが胴元になれば、その3割分がまるまる儲けになる計算になります。
金や銀の市場では、胴元が3割取ることはありませんが、ほとんどが差金決済で、現物がほとんど動きませんから、競馬場で馬券を買わずに、ヤクザを通じて呑み行為をやってるのと同じようなものですよね。
こういうインチキな市場が、現物をよこせ!あたり馬券をくれよというお客さんが増えてきたことで、ニッチもサッチも行かなくなってきたというのが、現在の金や銀の価格の動きだと思われます。
量的緩和を再開したFRB

そして、12月12日に、FRBは短期国債の購入を開始しました。
先月11月までは、FRBは手持ちの国債などを売却して、資産を減らすQTをやってきましたが、それを終了し、すぐにその逆のQE、つまり量的緩和を開始しました。
アベノミクスが始まった当時、日銀が異次元緩和と言って、国債を買いまくりましたが、これをFRBも再開したのです。
その理由は、おそらく、現在のアメリカの景気がボロボロになってきたためでしょう。
9月に自動車版のサブプライムローンを取り扱っていたトライカラー・ホールティングスが破綻し、10月には自動車部品大手のファーストブランズが破綻しました。
景気悪化によって、消費者ローンや自動車ローンの利用者が増え、しかも延滞する人が増えているため、貸している企業の破綻が始まっているのです。
そのため、このような影響が他に飛び火しないように、金利の引き下げや国債の買い入れをすることで、金融システムを守ろうとしているのでしょう。
ですが、中央銀行が国債を買い入れるということは、市中に出回るドルの量が増えますので、インフレがさらに進みます。
AIバブルも怪しくなってきた
また、AIバブルも、かなり怪しくなってきました。

ソフトバンクとチャットGPTの運営会社であるオープンAIと一緒に、スターゲート計画を進めていた、大手IT企業のオラクルが、トランプに脅されて3兆円近い借金を新しく作って、AIのデータセンターに全力投資をさせられているため、現金が減ってきており、やばくね?ということで、株価が暴落してきています。
最近Googleが出した生成AIモデルのGemini3が、チャットGPTよりもかなり優れているということで、オープンAIが慌てて緊急事態宣言を社内に出したそうですが、このままいくと、Googleの一人勝ちになる可能性が出てきており、勝ち組と負け組が、来年あたりからはっきりしてきそうな雰囲気です。

また、今年、大きく株価と業績を伸ばした、生成AI向けの半導体大手のNVIDIAは、最近「俺たちはエンロンとは違います」という内容のメモを金融機関向けに送付したそうです。
エンロンとは、2001年に破綻したエネルギー会社なのですが、詐欺会計と詐欺取引で破綻した会社です。
そんな会社を引き合いに出して、俺たちは違うなんてことをわざわざ言うなんて、まるでトヨタが「うちはビッグモーターみたいな会社じゃありません」と言ってるようなものです。
そんなことわかってるよ。ていうか、なんでわざわざ、そんなこと言うの?と言う話です。逆に、何かあるんじゃないか?と疑ってしまいますよね。
以前から、このチャンネルでは、AIバブルに関わる企業が、このような感じの、怪しい挙動を見せていることをお伝えしてきましたが、来年あたりには、この辺りのいい加減な会計処理も、隠しきれなくなってくるのではないかと予想しています。
つまり、来年のアメリカや日本の経済は、本当に景気がいいのかよくわからん、政府や大企業による大本営発表と、FRBによる量的緩和によって、悪性のインフレが起こる可能性が高そうなのです。

今年4月から、トランプ関税が始まって、その影響がどのような形で出ているのか?はっきりしない感じですが、過去の関税の引き上げによる影響を見ると、関税分価格が上がるので、人々の消費量が減ることで、物価が下落してきたと言います。
日本でも、消費税が上がるのに合わせて、消費が減って景気が悪くなってきましたが、それと同じイメージですね。
なので、来年もこの傾向は続いて、関税による買い控えと、景気の悪化、物価上昇は落ち着くと思われますが、量的緩和によって、株や貴金属にお金が行きそうな感じがします。
今年は株よりも貴金属の方が大きく上がりましたが、来年も金や銀の方が上がるのではないかと思ってます。ただ、銀は今年倍以上に上がりましたので、流石にちょっと加熱しすぎな感じがしますね。
ちなみに、私自身は、株も貴金属も、投資はしてません。
以前に大損こいたのと、価格の上げ下げに一喜一憂するタイプだとわかって、やめました。
私のように、性格的に投資に向いていない人は、けっこういると思います。
そう言う人が、投資にのめり込むと、貴重な人生を無駄に過ごすことになるので、本業でなんとかしようと、あれこれ努力した方が、有意義な人生を送れると思います。
ただ、投資という視点を入れると、社会の仕組みの理解がしやすいということも事実です。このチャンネルでは、儲け話というよりは、社会を理解するという意味で、こういうテーマの動画を今後も出していきたいと思っています。







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