静岡県の土地価格の今後の見通し | イエ&ライフ

静岡県の土地価格の今後の見通し

静岡県の土地価格の今後の見通し静岡県

(画像出典:ウィキペディア Qurren 水戸芸術館より南方面を望む。

この記事では静岡県の

  1. この7年間の土地価格の動き
  2. 新型コロナの影響を含め、今後どうなるのか?

の2点について解説しています。

 

1、過去7年間の静岡県の不動産の上がり方の特徴とは?

まずはじめに、この7年間で静岡県内の不動産が、どのような動きをしてきたのかをザッと見ていきましょう。

 

この7年間の静岡県の公示地価を調べてみると、住宅地は5.9%の下落をしていました。

 

静岡県の公示地価の推移

(参考:国土交通省 地価公示)

 

ただ、静岡県と一口で言っても、かなり広いですから、上がってる場所もあれば、そうでない場所もあります。

 

そこで、今度は市区町村別に、この7年間の住宅地の上昇率を見てみましょう。

 

静岡県で住宅地が上昇しているのは、内陸部の一部

静岡県の公示地価の変化率マップ

(参考:国土交通省 地価公示)

 

ご覧のように、市区町村単位で見ると、浜松市中区、静岡市葵区、三島市、長泉町など、ほとんどが内陸に位置する市町村だけになって、それ以外のエリアはほとんどのエリアが下落していました。

 

なぜ静岡県では、一部のエリアしか上昇していないのか?

最初に結論をまとめておきます。

  1. 金利が低下したことで、同じ返済額でより高い物件が買えるようになった
  2. ところが、大企業の工場がある浜松市や三島市周辺以外では、人口が減少傾向にある
  3. さらに、農地の宅地化が進んでいるため、人口が減少傾向の市町村では、古い住宅地に対する人気がさらに減っており、土地価格が下がりやすくなっている

という状況になっていました。

 

では、これから1つずつ詳しく解説していきます。

 

①金利低下によって、買い手の購買力が上がった

そもそも、全国的に土地価格が上昇しているのは、金利の低下によるところが大きいです。

ご覧のように、2013年4月以降、日銀が国債を買い占める、異次元緩和政策を行うことで、金利を下げてきました。

 

日銀が国債を買い占めて、金利を下げた

異次元緩和政策と住宅ローン金利

(参考:ARUHI住宅ローン フラット35金利の推移 財務省 国債金利情報)

 

ザックリ言うと、この8年間で買い手は、同じ返済額で2割高い物件を買えるようになったということです。

例えば、フラット35で期間35年・月々の返済額が10.4万円とした場合、購入できる不動産は3,000万円から3,500万円まで上がったのです。

 

同じ返済額で購入できる物件価格が2割上昇した

 

月々の支払額は増やさずに、約2割高い物件を買える。しかもその物件が人気化しているとなれば、値段が高くても買おうとする人は増えますよね。

そのため、人気のエリアほど、土地価格が上昇してきたのです。

 

なので、そもそも静岡県内でも、上がりやすい環境にあったのです。では、なぜ一部のエリアだけしか、土地価格が上昇していないのでしょうか?

 

②静岡県内では、人口が減少している

最も大きな理由は、人口の減少です。静岡県内では、この7年間で約10万人減少しているのです。

 

静岡県の人口推移

(参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)

 

特に家を購入する中心年代である30〜40代の人口は、約8万人も減っていました。

 

静岡県の30〜40代人口の推移

(参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)

 

では、具体的にどこが、どれだけ減少しているのか?

市町村別に調べてみました。

 

市区町村別の人口の変化(2013〜2020年)

増減数:赤色(+1万人以上)>オレンジ色(+5,000〜9,999人)>緑色(+1〜4,999人)>青色の↙️(−1〜4,999人)>紫色の↙️(−5,000人以上)

(参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」)

 

ご覧の通り、スズキなどの製造業の業績が好調な浜松市周辺や、東レなどの工場のある三島市周辺で、人口が増えている以外は、ほとんどの市町村で減少していました。

人口が減っているということは、土地に対する需要も減るため、土地価格も下がりやすくなっているわけですね。

 

③農地の宅地化も追い討ち

さらに、郊外の市町村については、農地の宅地化も土地価格の下落を加速させています。

実は、この10年で、静岡県内の農地は、約0.9万ヘクタール(ha)も減っているのです。

 

静岡県の農地面積

(参考:農林センサス 「2−8 経営耕地の状況」)

 

1haで約3,000坪ですので、30坪の戸建てに換算すると、約90万戸分の農地が住宅や、道路、工場、倉庫、ショッピングモールなどに変わっているのです。

 

農地の宅地化によって、今ある住宅地の人気が低下

農地の宅地化

 

農地が残っているエリアは、駅から離れた郊外に分布していることが多いです。

そのような農地が宅地化されると、数十戸単位の新しい街並みになるため、人気が集中する反面、それ以外の古い住宅地の需要が減り、土地価格が下がってきてしまうわけです。

 

2、新型コロナの影響はどうなのか?

静岡県の住宅地は、逆に上昇しているエリアもある

公示地価は、1月1日現在の土地価格であるのに対して、基準価格は7月1日現在の価格です。

そして、一部の土地については、1月と7月のどちらの価格も算出されているので、それらを比較することでコロナの影響を確認できます。

 

基準地価(7月の価格)公示地価(1月の価格)コロナの影響

 

静岡県の住宅地のコロナによる影響(1月→7月の変化率)

変化率:赤色(+0.1〜1%)>緑色(変化なし)>青色の↙️(-0.1〜0.9%)>紫色の↙️(-1.0〜1.9%)>黒色の↙️(-2%以下)

(参考:国土交通省 「土地総合情報システム」)

 

ご覧の通り、ほとんどの市町村で下落している一方で、浜松市、静岡市、三島市の中心部に近い住宅地では、影響がなかったようです。

 

今回のコロナによって影響を受けているのは、主に飲食店や観光業、ホテルなどの一部の業種ですので、商業地では大きな影響を受けています。

ですが、住宅地に限って見てみると、それ以外の業種で勤めている人の住宅に対する需要はそれほど下がっておらず、通勤に便利であまり価格が高くないエリアほど、影響が少なかったようです。

 

3、その他のリスク

新型コロナ以外にも、どんなリスクがあるのかをまとめました。

 

(1)この低金利はいつまで続くのか?

そもそも、異次元緩和政策とは、国債の金利を下げるために、日銀が国債を買い占めることで実現させてきた政策でした。

そして、これ以上は、金利が下がらない水準まで来ています。

むしろ、その副作用の方が話題になることが増えました。

 

例えば、預金者のお金を国債で運用していた地銀は、この異次元緩和によって、金利が低下したことで国債からの利息が減り、半数以上が赤字になっています。

 

金利低下で、赤字の地銀がどんどん増えている

地銀の決算状況

(金融庁:地域金融の課題と競争のあり方)

 

赤字が続けばいずれ倒産してしまいますから、いつまでも続けるわけにはいきません。

また、黒田総裁の任期である2023年までに、当初の目標である「年率2%で物価を上げること」は、達成できないこともわかってきました。

(参考:NHK「日銀 黒田総裁 今の任期中に2%の物価目標 達成困難に」)

 

つまり、2013〜2023年の10年間で、

  • 株や不動産価格は上昇した
  • 当初の物価目標は達成できず
  • 副作用として、金融機関の赤字行が続出

という状況になっているわけです。

 

そのため、黒田総裁の次の方が、この政策を続ける可能性は低いのではないかと予想されます。

目的を達成できずに、銀行が潰れて混乱してしまっては、意味がありませんからね。

 

実は、すでに異次元緩和をやめる準備に入っている

とはいうものの、「異次元緩和をやめます」と発表すれば、金利が一気に上がる可能性もありますから、日銀でも慎重に進めているように見えます。

なぜかと言うと、日銀の国債を買い占めるペースが、2018年頃からすでに減らしてきているからです。

 

日銀が国債を買い占める比率を減らしている

日銀の国債買入れ比率

(参考:財務省 2021.6.24「国の債務管理の在り方に関する懇談会(参考資料2)」)

 

2021年現在、日銀が買い占めている比率は、期間1〜10年の国債(赤色の線)で約60%程度、期間10年超の国債(灰色の線)で8.7%にまで下がっています。

 

このまま、買い占める量を減らしていけば、いずれ金利も徐々に上がっていくことになります。

 

金利が上がると、同じ返済額でも買える価格が下がる

金利上昇で下落

 

なお、金利が上昇すると、住宅ローンの返済額が増えるため、不動産価格は下落していきます。

 

そのため、特に売却を検討している人は、異次元緩和で低金利が続いているうちに、準備をしておいた方がいいでしょう。

 

 

(2)これから静岡県の人口はどうなるの?

国立社会保障・人口問題研究所が、今年発表した静岡県の人口の見通しによると、2030年までに23.5万人減少するそうです。

 

静岡県の人口は、2030年までに23.5万人減る

静岡県の人口予測

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)

 

また、家を買う中心年代である30〜40代も、2030年までに約18万人減る見通しです。

 

静岡県の30〜40代人口は、2030年までに約18万人減少

静岡県の30〜40代人口の予測

(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)

 

家の買い手が今よりも2割近く減るので、すでに下落傾向にエリアでは、さらに厳しくなっていくでしょう。

 

結論:売るなら?買うなら?

 

というわけで、静岡県の今後の土地価格についての結論は、以下の通りです。

  • 今回の土地価格の上昇は、日銀の異次元緩和がきっかけ
  • 静岡県内では人口の減少が進んでいるため、静岡市・浜松市、三島市周辺の一部を除いて、土地価格は下がる二極化が進んでいる
  • 若い世代の人口がさらに減少していくので、これまで下落傾向だったエリアでは、さらに厳しくなっていきそう

と言えそうです。

 

買うなら:商業地の周辺は様子見、それ以外は買い

新型コロナの影響が大きい商業地の周辺では、今後も影響が出ますので、坪単価が高いと感じられる場合には、まだ様子見の方がいいでしょう。

しかし、それ以外のエリアでは今が買い時の可能性が高いと思われます。

その理由は2つあります。

 

①土地価格の下落分よりも、待っている間の家賃の方が高くつく

例えば、坪30万円ぐらいの土地であれば、40坪でも1,200万円程度で買えます。

仮に数年で1割下げたとして120万円ぐらいしか安くなりませんから、その間の家賃を考えると、早めに買った方がトクになりますよね。

 

②異次元緩和で低金利の今がチャンス

また、現在は住宅ローンがかなり安いため、月々の返済負担が軽いのもチャンスです。

ですから、もし家を買おうと思っているのならば、土地価格が下がるのを待つよりも、金利が上がる前の今のうちに買うのがベストでしょう。

 

ただし、購入を検討する場合には、今後の金利上昇を想定しておかないと大変なことになるので、「フラット35」「10年以上の固定金利」でも返済ができるかどうかで予算を考えるべきでしょう。

 

非公開物件=安い物件

不動産を売る理由はさまざまですが、「周りに知られずに売却したい」という売主は一定の割合でいます。

そのような物件は、ネット上にも出回らず「非公開物件」として登録されます。

また、売主はあまり相談する相手を広げたくないため、まずは建てたメーカーに相談する場合が多いです。

 

非公開物件の実態

 

当然、このような物件は少ないお客さんにしか目にとまる機会がないため、相場よりも価格の安い可能性が高いのです。

 

こちらの「タウンライフ」に登録すると、お近くの複数の不動産会社から、非公開物件の情報を教えてもらえます。

 

タウンライフ家造り

 

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売るなら:金利が上がる前に売った方がいい

アベノミクス以降のこの7年間は金利の低下によって、買い手が月々の返済額を引き上げなくても値上がりした家を買える時期でした。

不動産を売るなら、金利の低い今が1番のチャンスと言えます。

 

特にコロナショックの影響は、長期間になる可能性もあり、景気が悪化するほど買い手が減っていきますので、今のうちに準備をしておいた方が後悔しないはずです。

 

公示地価を信じると損をする?

 

この記事では公示地価をもとに解説していきましたが、公示地価は「その地域の平均的な価格」なため、実際の取引ではこれ以上に高く、または安く取引されることがあります。

 

例えば、藤枝市内に「高岡(たかおか)」という、藤枝駅の南側1kmほど離れたところに広がる住宅地があります。

 

こちらの公示地価と実際の取引を比べてみると、

  • 公示地価:25万円/坪
  • 実際の取引価格:9.5〜29万円/坪

と、公示地価の約0.4〜1.2倍で取引されていました。

最高価格は、最低価格の約3倍です。

 

【藤枝市高岡の公示地価】

藤枝市高岡の公示地価

  • 藤枝駅から1,600mの距離、徒歩約20分(1分=80m)
  • 76,500円/㎡ × 3.3(㎡/坪) =25万円/坪

(参考:国土交通省地価公示・都道府県地価調査)

 

【藤枝市高岡の土地取引(過去2年間)】

藤枝市高岡の土地取引

  • 藤枝駅から徒歩18〜21分のエリアで、9.5〜29万円/坪で取引されている

(参考:国土交通省 不動産取引価格情報検索)

 

このような感じで、全国の公示地価と実際の取引を調べてみたのですが、やはり公示地価と実際の取引ではかなりの価格差があることがわかりました。

 

同じ地域なのに、

「公示地価の3割増し、場合によっては2倍以上の価格で取引されている」

といった取引がゴロゴロ見つかったのです。

 

都道府県住所公示地価/坪取引価格/坪公示地価の何倍?
静岡県静岡市葵区音羽町71万円51〜85万円0.72〜1.2倍
静岡県浜松市中区鴨江31万円0.85〜40万円0.03〜1.29倍
静岡県富士市松岡24万円17〜32万円0.71〜1.33倍
静岡県富士宮市黒田15万円5〜18万円0.33〜1.2倍
静岡県沼津市東椎路27万円18〜31万円0.67〜1.15倍
静岡県三島市加茂33万円33〜44万円1〜1.33倍
静岡県磐田市国府台27万円27〜32万円1〜1.19倍
静岡県焼津市塩津20万円2.8〜22万円0.14〜1.1倍
静岡県掛川市久保22万円16〜28万円0.73〜1.27倍
静岡県藤枝市高岡25万円9.5〜29万円0.38〜1.16倍
静岡県袋井市愛野南22万円16〜26万円0.73〜1.18倍
静岡県島田市横井25万円10〜29万円0.4〜1.16倍
静岡県御殿場市東田中22.6万円20〜29万円0.88〜1.28倍
静岡県伊東市八幡野12万円1.8〜15万円0.15〜1.25倍
静岡県湖西市鷲津16万円7.5〜25万円0.47〜1.56倍
静岡県長泉町下土狩43.5万円23〜59万円0.53〜1.36倍
静岡県熱海市春日町31万円22〜38万円0.71〜1.23倍

 

つまり、あなたの不動産はもっと高い評価額の可能性があるのです。

では、どうやってそれを調べられるのか?

 

答えは不動産の一括査定です。

というのも、複数の不動産会社の査定を比較することで、「あなたの不動産を得意とする会社の査定額」がわかるからです。

 

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新型コロナの影響は、長く続けば続くほど、土地価格にも影響を与えることになりますので、早めの準備が成功につながります。

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