今回の動画は、「FRBへの刑事捜査で、ドルを地域通貨に格下げさせるトランプ」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
1月9日に、トランプ政権がFRBのパウエル議長への刑事捜査を開始しました。これを受けて、11日日曜日に、パウエル議長自らSNSでこのことを報告し、今回刑事捜査を受けているのは、トランプ氏の利下げ要請に応じなかったことへの報復だと批判しました。

一応、刑事捜査の内容を見ると、FRB本部の改修プロジェクトが、2019年当時は19億ドルだったものが、25年には25億ドルまで上がり、最終的には40億ドルぐらいかかると言うことになりそうなため、わざと金かけて、チョロまかそうとしてるんだろという容疑のようです。
これは以前からトランプ氏が批判していたことでもあり、司法当局はその意向を受けてのものと思われます。

これに対して、各国の中央銀行総裁が反発して、連名で声明を出しました。
内容は、「中央銀行というのは、中立的な存在であり、政府とは独立しておくべきだから、トランプ政権はこんなことはやめるべきだ」という感じの批判です。

また、金融機関の大物たちも、相次いで非難声明を出しています。
アメリカ最大手の銀行であるJPモルガンのダイモンCEOや、バンクオブNYメロンのビンスCEOなど、やはりFRBに政府は介入すべきではないという感じの主張ですね。

しかし、このような批判をしている中央銀行のリストを見ると、イギリスや欧州各国、ブラジル、韓国、そして国際決済銀行のBISなどで、
例えば、日本や中国、インド、ポーランド、ハンガリーなどは、今回の非難声明に同調していません。
日銀は、ソフトバンクやユニクロなどの、日本企業の株式まで買い込んで、株価を釣り上げながら、物価高を容認してますから、中立性がどうのとか言う資格はゼロだと思うので、流石にそんな恥ずかしいことはできなかったのかもしれませんが、
メンツを見比べてみると、構図的には、
「グローバリズム vs 反グローバリズム」
または、
「リベラル vs 保守」
に近い分かれ方をしているように見えますね。

それで、今回のこの騒動については、次期FRB議長の有力候補の一人である、ケビン・ハセット氏がインタビューで答えていたのですが、
「トランプ氏が利下げを求めているのに、パウエル氏がそれを拒んだから、それに対する復讐のためだ」というメディアの解説は、どうも違うような感じでした。
ハセット氏の回答を一部抜粋しますと、
「司法省は、あの建物で何が起こっているのか見てみたいと決めたようだ。
あの建物は、ワシントンの歴史上どんな建物よりもはるかに高額だよ。
もし私がFRB議長だったら、彼らにそれをしてほしいと思うだろう。」
以上です。
これは単に、今回の建設費がべらぼうに高くなっているという意味ではなく、FRBがやってきたこれまでの悪事が、かなりの額になるから、自分だったら、喜んで刑事捜査をして調べて欲しいね、と言ってるように聞こえませんか?
これで思い出すのは、昨年の政権発足当初に政府効率化省を率いて、いろいろと暴きまくっていた当時のイーロン・マスク氏の発言です。
この真ん中の画像は、昨年2月の記事なのですが、FRBは職員が2.4万人もいるなんて、多すぎるだろ!監査させろ!という主張をしていました。
その後、5月にも今回の建設プロジェクトが25億ドルぐらいかかりそうだという話になった時にも、そんなにかける必要ないじゃん、監査しようぜ監査!と、やはり同じ主張をしていました。
それでも、FRBには、監査が入っていた形跡はなかったので、今回の刑事捜査は、昨年からの政府の懸案事項が、ついに動き出したと見た方がいいのではないかと思います。
そこで、今回の動画では、これからFRBがどうなっていくのか?について、考察していきます。それでは、参りましょう。
2、地域覇権国を目指す米国と、基軸通貨ドルの関係

FRBには、本当に色々な黒い噂がたくさんあるようなので、今回の刑事捜査が、どの部分を暴こうとしているのか?壊そうとしているのか?については、いろいろな解釈ができそうです。
ですが、今回の動画では、アメリカ大陸を優先するという、トランプ政権のモンロー主義の動きを中心に考察していきます。

昨年12月4日に、トランプ政権は国家安全保障戦略、NSSを公開しました。
その内容は、これからのアメリカは、西半球、つまり南北アメリカ大陸とその周辺を重視するので、欧州や中東、アジア、アフリカなどの面倒は見ない、アジアは日本や韓国が頑張ってくれ、みたいな感じの話でした。
それで、今年に入って早速、ベネズエラ侵攻でマドゥロ大統領夫妻を捕まえてNYに連行したり、グリーンランド欲しいなあと領有宣言してみたり、次はキューバやメキシコ、コロンビアもなんとかしなきゃなと脅したりと、南北アメリカ大陸への関与がかなり露骨になっていることがわかります。

それで、この国家安全保障戦略には、実はオフレコ版があって、それがアメリカの国防関連メディアの「Defense One」というところが公開しているのですが、
そこでは、現在の世界の政治経済、安全保障は、先進国を中心としたG7体制から、各地域のデカい国であるコアの5カ国、アメリカ、ロシア、中国、インド、そして日本のC5を中心に、話をしながら進めていくべきだと主張されています。
Defense One で公開された、このC5構想は、トランプ政権は否定していますが、トランプ氏が以前から言っていた、アメリカは西半球の面倒しかみないというモンロー主義に沿った内容でもありますので、おそらく、表向きは否定して見せただけでしょう。
なので、個人的には、この話はトランプ政権の本音だと思っています。
しかし、このような地域ごとに、大国が周辺国の面倒を見るような、多極的な世界になっていくとしたら、米ドルはどうなるのでしょうか?
普通に考えれば、それぞれの地域で使われる通貨は異なっていくはずですので、ドルは南北アメリカ大陸で使われる通貨に狭まっていくと考えるのが自然です。

そもそも、昨年のトランプ政権発足前から、政権周辺のスタッフから、基軸通貨の米ドルの見直しの議論というのはありました。
現在FRBの理事になっているスティーブン・ミラン氏が、トランプ氏が当選確定した後の、2024年11月に公開したマールアラーゴ合意という論文があるのですが、
この論文の中では、今の米ドル体制は、各国の中央銀行が外貨準備という形でドルを溜め込んでしまうので、アメリカの貿易赤字が膨らんでも、ちっともドル安にならないため、それがアメリカの製造業の復活の邪魔になっていると考察されていました。
なので、私はトランプ政権が各国を脅して、ドル安政策を求めると予想していたのですが、それは起こらず、円安がそのまま続いてしまってはいます。
しかし、各国に為替介入はさせていないものの、例えば、昨年4月から始まったトランプ相互関税は、各国からの輸出品に対して関税をかけることで、海外からの輸出を減らし、貿易赤字を減らそうとする試みです。

その中でも、アフリカや東南アジアなどの、アメリカからの輸入は少ないけど、輸出は多いという国については、かなり高い関税率がかけられました。
例えば、南アフリカに囲まれたレソトという国がありますが、ここは最貧国の一つと指定されており、アメリカ向けにリーバイスのジーンズを作っている国でもあるのですが、アメリカからの輸入が少ないため、当初は50%という高関税をかけられてしまいました。
現在は15%にまで下げられていますが、当初ここまで引き上げられたのは、輸出額よりも輸入額の方が圧倒的に少ない国に対しては、容赦しない方針だったからです。
そもそも、現在のような、米ドルが世界中で使われる一強の通貨であるということは、世界中の国々がドルを求めて、アメリカに輸出をしまくってくることになります。
地球の総人口は現在82億人ですが、アメリカは3.4億人と、5%にもなりません。
そんなわずかな割合の人口の国に、それ以外の国から「ドルをくれ、ドルをくれ」とモノが送られてきては、自国の製造業を復活させることも難しいですし、仮に製造業が復活したら、他の国から輸入する必要がなくなるので、他の国はドルを稼ぐことができなくて、さらに生活が苦しくなってしまいます。
だからこそ、トランプ氏からすれば、「遠い国のドルなんか使わないで、近隣国同士でなんとかしろよ」というのが、本音だと思います。
ただ、それを言ってしまうと、ドルが没落していく、みたいなイメージになるので、絶対に言いませんが、やろうとしていることは、そういうことです。

そして、その動きが露骨になって来たのが、昨年12月ごろからです。
トランプ政権は、アフリカの13カ国の大使を召喚しました。
大使とはアメリカの代表ですから、そのポストの人がいなくなったということは、アメリカとの貿易協定やら、経済協力やらの交渉が、さらに難しくなっていると予想されます。
さらに、ミネソタ州でソマリア系住民による大規模な福祉詐欺が発覚して、これをきっかけに、アフリカ、中東、東欧、東南アジアなどの75カ国の移民ビザを停止しまいた。
つまり、アメリカは、低賃金でも喜んで働きくために、移民としてやって来そうな、貧乏な国との関係をブロックし始めているのです。
こんなことをやれば、貧乏な国はドルが稼げず、さらに経済が苦しくなってしまいます。
では、これらの国はどうすべきなのか?というと、米ドルを使わない、貿易体制を構築するしかありません。
やはりここでも、ドル離れをして欲しいというトランプ政権の本音が透けて見えます。
しかし、ドル離れしろと言われても、他の国がドルを欲しがるのでは、変えようにも変えられません。
そこで今回のFRBへの刑事捜査です。
今回の刑事捜査の報道は、11日の日曜日にメディア各社から出されました。

なので、12日以降のマーケットで、このニュースが反映されたわけですが、米ドル指数はそれほど動いていないものの、日経平均やビットコイン、金価格など、だいたいの金融資産において、上昇していました。
ドルの信任が下がったというよりは、ドルや円、ユーロなどの先進国の通貨が、株や金、ビットコインなどの金融商品に対して、目減りしているような感じでしょうか。
銀も凄まじく上がっていますね。
刑事捜査で、どんな悪事が出てくるのかわかりませんが、何が出ても、ドル、もしかしたら、先進国の通貨全ての信任低下に繋がるものになりそうなことは、容易に予想がつきます。
それで、実は、トランプ政権のやってることというのは、プロジェクト2025という、ヘリテージ財団が作成した、政策提言書に沿っている疑惑があります。

このプロジェクト2025は、900ページ以上ある提言書なのですが、こちらのプロジェクト2025トラッカーというサイトが、この提言書の中から、やるべきことリストをピックアップして、その進捗状況をチェックしてくれています。
現在320の提言のうち、129項目が終了し、68項目が裁判所の結果待ちなどの、着手中になっている状況です。
途中のものも含めると、進捗率は61%にまでなります。
毎月何かしらの提言が着手、または完了しており、少しずつ進捗率も上がっています。
そして、何とこの提言の中には、FRBの廃止や、景気対策のためにやった、量的緩和政策で膨らんだ資産の圧縮なども含まれます。
資産の圧縮とは、日本で言えば、日銀が異次元緩和と言って、日本円を刷り散らかして、2013年から株やら国債やらを買いまくって来ましたが、これを全部売却して現金化して、スリ散らかした円を回収するような、そんなイメージです。
日本でこれをやれば、金利は上昇し、株価は暴落します。アメリカでも、同じようなことが起こるでしょう。これを計画の中に入れているのです。
今年はアメリカでは中間選挙があるので、株価暴落や金利上昇は望んでいないと思いますし、FRBを廃止したとしたら、各銀行が通貨を発行するという、1913年以前のアメリカのようになるので、どんな世界になるのか、想像もつきませんが、
今回の捜査は、このFRBの廃止か、景気対策のために金を刷らせるのをやめるという、ノルマに近づくものだと予想しています。
もしこの見立てが正しいとすると、今回の欧州やブラジル、韓国などの中央銀行や、大手銀行がトランプ氏の圧力による刑事捜査を批判しているのは、現在の基軸通貨システムで得をして来た人たちが、「俺たちが損するようなことはやめてくれ」と言っているということなのかもしれません。

そして、気になるのは日銀ですよね。
アメリカからの圧力を恐れて黙っているという可能性もありますが、トランプ政権が考えているであろう、ドルの地域通貨への撤退に、一枚噛んでいるからなのかもしれません。
これまで日銀は、低金利を続けることで、外資の金融機関に低い金利で金を貸せる環境を作ることで、円キャリー取引をやりたい放題させて、儲けさせて来ました。
しかし、最近の日本の長期国債は、どんどん上昇傾向にあり、10年債は2%を超え、27年ぶりの水準にまで来ています。
そのため、昨年12月に日銀は0.75%に利上げをしましたが、今年はさらに1回から2回の利上げが行われるだろうと、市場関係者は予想しており、政策金利は1%から1.25%ぐらいにまで上がりそうです。
このように日本は金利を引き上げていき、アメリカは逆に利下げの圧力をかけに来ますので、日米の金利差はさらに縮まります。
そうなると、円で借りてドルを買うにしても、為替リスクをとってまで、金利差での儲けがおいしくなくなるので、このような円キャリー取引と呼ばれる取引は、解消されていく可能性が高まります。
考えてみると、金利が低い円でお金を借りて、世界中の高金利の商品を買って利鞘で稼ぐというやり方も、ドルが世界中で通用するから成り立つ取引です。
しかし、トランプ政権がドルを地域通貨にするつもりであれば、このキャリートレードは邪魔なものでしかありません。となると、アメリカはこのキャリートレードを終わらせろと、日本に要請してくるのではないでしょうか?
というか、すでにもう要請が来ているからこそ、長期金利の上昇を放置して、利上げをする理由を作っているのではないでしょうか?
日本の国債に占める、海外投資家の割合は、6.6%でしかないのに、金利がどんどん上昇しているのは、海外の投機筋による売り崩しではないかと思うのですが、日銀はこれを放置しているように見えるからです。
なので、もし長期金利がこの調子で、どんどん上がってくるのであれば、日銀の利上げ幅はさらに上がりますので、いずれ、どこかのタイミングで、円キャリー取引の解消が始まると思われます。
そして、そのタイミングは、トランプ政権によるFRBの刑事捜査とその後の解体作業に合わせてではないでしょうか?
このシナリオについては、今後のFRBへの捜査の進展を追いかけつつ、検証していきたいと思います。







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