経済メディアの終わり。トランプの政策を読み間違え続ける理由 | イエ&ライフ

経済メディアの終わり。トランプの政策を読み間違え続ける理由

コラム

この記事では、「新聞という末期メディア。世界をさらに読み間違える無用の長物」ということで、やっていきたいと思います。

 

1、はじめに

トランプ政権発足から、2ヶ月ほど経ちましたが、アメリカでは、リベラル系メディアと保守系メディアの断絶が相変わらず続いています。

その中でも、リベラル系のメディアの視聴率の減少は著しく、昨年末の時点でも、CNNやMANBCなどの、ケーブルテレビの視聴率は大統領選挙以来、なんと半減してしまいました。

 

(参考:Yahoo!Finance)

 

これらのメディアは、カマラ・ハリス氏を応援して、トランプ氏をこき下ろしていたということもそうですが、選挙予想でも、ハリス氏が勝利するとずっと報道していましたので、蓋を開けてみた結果の、大外れっぷりに、視聴者の多くが騙されたと感じたのでしょう。

 

また、今年に入って、アンチ・トランプで人気を博していた番組の司会者も、次々と辞めているようです。

 

(参考:Hindustan Times)

 

今期のトランプ政権は、イーロン・マスク氏にバシバシリストラをさせていたり、どんどん政策を進めていますので、リベラルの外野が番組で何を騒いでも、見てるだけ時間の無駄だと感じている視聴者が多いのでしょう。

その一方で、トランプ氏を応援してきた、保守系メディアのFOXニュースは、視聴率、視聴者数ともに絶好調で、保守系メディアの成長と、リベラル系メディアの衰退が、如実に現れているようです。

 

(参考:Fox)

 

では、日本はどうなのか?というと、テレビや新聞は、企業による広告費が年々減少しており、コンテンツの質も下がってきているため、部数、視聴率ともに減少傾向にあり、この流れは止まりません。

新聞ですと、唯一、日経新聞が、デジタル版が好調だということもあって、減少率が小さくて済んでいるようですが、他は軒並みダメな状況のようです。

 

(参考:Yahoo!ニュースFacta

 

理由はいろいろあると思いますが、やはりYouTubeやSNSで伝わってくるニュースと、テレビや新聞で報道される内容が、あまりに違いすぎて、しかも、これらのオールドメディアの報道内容が、あまりに偏っていたり、不愉快であったり、既得権に寄り添ったものだからでしょう。

 

個人的にすごいなと思ったのは、昨年の兵庫県知事選での斎藤知事に対するネガティブ・キャンペーンですね。

これ、まだやってるみたいですね。

 

(参考:FNN)

 

やり直し選挙で、再選したのに、辞めろ辞めろと、県民の方の意思は無視ですからね。気持ち悪いので見てませんが、どういう人があっち側なのかが、みんなわかったのではないでしょうか?

 

とまあ、いろいろと言いたいことはありますが、それは今回の動画のテーマではありません。

今回言いたいことは、トランプ政権で世界が変わってしまっているのに、それについていけない新聞やテレビが、これからどのようにして、世界を読み間違えるのか?そして、予想を外していくのか?についての考察です。

 

それは、おそらく、兵庫県の斉藤知事に対する印象が、YouTubeで語られる内容と、テレビで報道される内容ほどに、全く別世界のものになるのではないか?

特に、経済の予想については、大きく勘違いする可能性が高く、日経新聞の価値は大きく下がるのではないか?と考えています。

それでは、参りましょう。

 

2、自由貿易と保護貿易

今回の動画を作ろうと思ったきっかけは、こちらのYouTubeチャンネルリハックの「あつまれ経済の森」コーナーでの、河野龍太郎さんと後藤さんとの対談動画です。

日本がなぜこれほど貧乏になったのか?について、解説されているもので、とても面白いので、まだご覧になっていない方は、前半だけでもご覧になられることをお勧めします。

 

 

また、この動画を受けて、私もこちらの動画を作成しました。トランプ政権の政策と絡めて知りたい方は、こちらもどうぞ。

 

 

この対談動画は、要するに大企業が従業員の賃金を上げなかったから、貧乏になったんだ、ということが結論のものです。

 

 

それで、私が印象的だったのは、後半の中盤ごろで、司会の後藤さんが、企業が従業員の賃金を上げない理由について、

「企業は世界的な競争をしているんだから、人件費をなるべく抑えたいと思うのは当然だし、仕方ないのでは?」

みたいなコメントをされていたのですが、それに対して、河野さんが「資本家サイドの考えに毒されている」という指摘をされていたことです。

 

この「資本家サイドの考え」というのは、要するに客目線だということです。自分がお客さんだった場合、安くて良いものを選びますし、買い物に失敗したら、別の商品を買いますよね。

ですが、従業員の労働力を、安くて代えのきく商品のように考えてしまうと、その従業員だって、お客さんになるわけですから、すべての企業が、従業員であり、お客さんにもなる人の手取りを減らせば、回り回って、自分たちの会社の売り上げも下がってしまいますよね。

 

それをやって、海外で儲けて、経営者と投資家だけに利益を分配してきたのが、この30年だったという話です。

しかし、ここ数年の物価高で、低所得層の人たちの生活がどんどん苦しくなってきて、このひどい生活を作ってきた自民党や、財務省などに対して、声を上げる人が増えてきました。

 

(参考:NHK)

 

昨年の総選挙では、自民党も公明党も、維新も惨敗でしたが、それは、こういった一部の人だけを儲けさせてなんぼの政党が嫌われたからでしょう。

 

そして、1月から第2期トランプ政権が発足しました。

今期のトランプ政権は、長官級の人事がさっさと進んでおり、かなりのスピードで、今までの政府の無駄や汚職を暴露しながら、改革を進めています。

 

(参考:NHK)

 

そんな中でも、重要なのが、国内の製造業の復活です。

関税を引き上げて、海外からの投資を呼び込み、自分の国で消費するものは、自分の国で生産するという政策を進めています。

 

これを日本のメディアはどう伝えているでしょうか?

例えば、日本の代表的な経済メディアである日経新聞は、関税について、日米のGDPを下げる、迷惑な政策をやろうとしている、みたいな論調が多い印象です。

 

(参考:日経新聞)

 

しかも、こちらの記事では、経済学者にヒアリングをして、さも、正しいのは自由貿易で、関税は間違っていて、大混乱を引き起こす、みたいな印象を与えようとしています。

 

関税で世界経済が混乱したら、低所得の人がさらに厳しくなる、という言い分もあるでしょう。

確かに、関税は世界的な貿易を停滞させるでしょうし、影響は出るでしょう。ですが、今まで通りやっていたら、格差がさらに拡大していくしかないんですよ?

今でも物価高で大変なのに、「クビになるよりマシだろ、これまで通り我慢しろ」というのは、あまりにも酷すぎると思いませんか?

 

本来であれば、トランプ政権がこのような保護主義的な政策をやった場合に、どうやって復活しようとしているのか?勝算はあるのか?その可能性について検証した方が、いいはずです。

 

(参考:wikipedia「米国の関税」)

 

例えば、アメリカの関税の歴史を見てみると、19世紀は、南北戦争前までは低関税で、やはり今のように自由貿易体制でした。この時期は、映画の「風と共に去りぬ」のように、南部では黒人を奴隷としてコキ使って、綿花をイギリスに売りつけることで、貴族階級が出来上がっていました。

それが、南北戦争で北軍が勝利し、関税も引き上げられていったことで、国内産業が育ち、経済が活性化していきます。

 

先ほどご紹介した動画の中でも、河野さんは、1870年代以降、アメリカでは子供や女性をこき使っていた状況を法律で制限したり、労働組合を作ることを許したりして、資本家から労働者に利益の配分を増やしていくことで、アメリカ国民の購買力が上がり、経済成長が進んだと話されていますね。

こんな感じで、労働者を守ることで、国民の購買力を上げることが、多くのビジネスが起きる土壌を作ることになるはずなんです。

 

なのに、保護主義的な経済は、悪影響ばかりだ。

みたいな、自由貿易こそ正解みたいなことを延々と言い続けている経済メディアは、今の日本にとって害悪な存在でしかないと思います。

 

こういった風潮を利用して、経営者もコストカットやリストラばかりやってるわけですからね。

おそらく、日本の新聞、テレビは、トランプ政権の政策の意図や、その成果をきちんと取材せず、検証もしないで、これからも批判するだけでしょう。

 

ヨーロッパもアメリカから縁を切られているような状況のため、トランプ政権に対して、批判的なことしか記事にしないでしょう。

 

(参考:ガーディアン)

 

そもそも、ウクライナ戦争の継続派が与党を占めていますので、トランプ政権に対しては批判的なものになるでしょう。そして、リベラル的なふりをして、検閲やりたい放題の体制と、安い労働力になる、移民受け入れOKの自由貿易主義的な価値観で、政策を批判することになるはずです。

 

すると、どうなるのか?

結局、株価と企業の利益だけの話になってしまいます。

物価高で一般庶民が苦しんでも、少子高齢化が進んでも、都内の不動産価格が上がりすぎて手が出なくなっても、「株価が上がってるからいいじゃないか」「企業の業績がいいんだから、いいじゃないか」という話に行き着きます。

また、これからトランプ関税で企業の業績が悪くなったら、「リストラもしょうがない」ということになるでしょう。

 

つまり、こういうことです。

これからの日本のメディア環境は、新聞やテレビは、大企業の経営者や政治家、外国の株主などの、既得権益を守るための、白々しくうるさいスピーカーでしかなくなり、そうでない一般庶民は、YouTubeやSNSでの情報を信用する、という流れが、さらに進むと考えられます。

 

これはこれで、喜ばしいことではありますが、衰退する企業というのは、なりふり構わないので、これからさらに社会に対して迷惑をかけていきそうな気がします。

例えば、最近ですと、日経新聞が、デモクライシスというキーワードで特集を組んでいます。デモクラシーつまり民主主義が、危機だという特集ですね。

 

(参考:日経新聞)

 

内容は、SNSのフェイクニュースでみんな騙されるようになる、という昨年の大統領選挙で、トランプ氏に投票する共和党の人たちや、イーロン・マスク氏のX上で拡散される情報をフェイクと決めつけて騒いでいた、アメリカのリベラル系メディアと全く同じことを周回遅れでやっているようです。

 

なぜアメリカがトランプ政権を選んだのか?

なぜ有権者がSNSを信用するようになったのか?

という根本的な問いに対して深掘りせず、「テクノロジーで騙したからだ」などという、安易な解答を持って、SNSを批判するという幼稚さです。

 

わざわざ選挙に行く人間が、自分の人生や生活実感などを参考にせず、ただネットの情報に触れるだけで、コロリと騙されてるんだ、などという、あまりにも幼稚で、人間を馬鹿にしすぎているように思いますね。

落ち目になってくると、こういう恥ずかしいことを平気でやるようになるのが、オールドメディアなので、今後はさらに気をつけた方がいいと思います。

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この記事を書いた人
ゴトウ

証券会社で12年間勤務。営業と店舗マーケティングに従事後、2018年から当サイト「イエ&ライフ」を運営しています。

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