この記事では、奈良市の
- 新築のマンション価格
- 中古マンション価格の動き
- マンション価格の今後の見通し
の3点について、詳しく解説していきます。
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1、奈良市のマンション価格
(1)新築マンション価格
*2022年12月現在
*面積・価格は概算(100万円単位)
マンション名 | 価格(万円) | 面積(㎡) | 最寄駅(徒歩) | 総戸数 | 入居時期 |
---|---|---|---|---|---|
ピアッツァコート平城山 | 2621-3393 | 70-85 | 平城山(4分) | 54 | 即引渡可 |
ルネ富雄 | 3408-4438 | 66-77 | 富雄(5分) | 244 | 2023年2月 |
シエリア西大寺 | 未定 | 65-83 | 大和西大寺(7分) | 61 | 2024年4月 |
プラウド奈良大宮町 | 未定 | 59-81 | 新大宮(8分) | 48 | 2023年8月 |
ポレスター学研奈良登美ヶ丘 | 4790 | 81 | 学研奈良登美ヶ丘(8分) | 79 | 即引渡可 |
プラウド奈良三条宮前町 | 5080 | 75 | 奈良(5分) | 43 | 即引渡可 |
ローレルコート奈良三条宮前町 | 未定 | 63-85 | 奈良(6分) | 70 | 2024年4月 |
(2)中古マンションの取引価格
新型コロナで混乱した2020年は、20万円/㎡を割り込んだ時もありましたが、22年には30万円/㎡を超す月もあり、徐々にではありますが、高値を更新してきています。
2、なぜ、奈良市の中古マンション価格は安定しているのか?
新型コロナ以降、景気が悪化しているにもかかわらず、マンション価格が安定している理由はなんでしょうか?
なので、これまで上昇してきた主な理由を2つ、解説します。
①世帯数の増加が続いている
最も大きな理由は、世帯数が増加している点です。
奈良市では、人口が減少傾向にあるものの、世帯数は一貫して増加しているのです。
1〜2人で住む高齢者世帯が残る一方で、市外からの単身者や結婚して新しい世帯を作る人がいるため、全体で見ると、世帯数は増加傾向なんですね。
(参考:総務省統計局 「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」)
世帯数が増えていると言うことは、それだけ住居に対する需要も増えますので、戸建てやマンション価格の上昇につながっているわけですね。
②新築マンションの販売が減っている
さらに、新築マンションの供給戸数は年々減っています。
2018年ごろからすでに新築マンションの供給が減っていましたが、新型コロナでさらに減少しているのです。
人口が増えているのに対して、供給戸数は減っていますので、どうしても買いたい人は、多少価格が高くても買ってしまっているわけですね。
というわけで、まとめると、
- 奈良市の世帯数は増加しており、戸建て・マンションに対する需要が増え続けている
- それにも関わらず、マンションの販売は減っており、絶対欲しい人は、高くても買わなければいけない人が多い
といった理由から、新築・中古ともにマンション価格が上昇しているわけですね。
3、これからどうなる?気になる2つのポイント
では、ここからは、「今後の奈良市のマンション価格に影響を与えるかも?」と気になる2つのポイントについて検証していきましょう。
(1)いよいよ金利上昇が本格化しそう
低金利によって、住宅ローンが組みやすい状況が続いていますが、2024年以降は、この環境がいよいよ変わってきそうです。
すでにフラット35などの長期固定の住宅ローンは金利が上がってきていますが、変動金利もそろそろ上昇に転じてきそうなのです。
(参考:ARUHI、住信SBIネット銀行、SBI新生銀行)
なぜ金利が上がってきているのか?、というと、物価が上がってきているからです。
戦争によって、海外から安い商品が入りにくくなり、円安が進んだことで、さらに物価が上昇しているのです。
この物価上昇をおさえるためには、消費を減らさないといけません。
そのため、日銀は、まず10年国債などの金利を引き上げました。これによって、フラット35などの固定金利のローンが影響を受けています。
ですが、物価上昇は止まらず、前年比で3%前後の上昇を続けています。
そのため、現在マイナス0.1%のままである政策金利も引き上げると見られています。
2024年2月現在、経済関係のメディアを見てみると、だいたい4月前後ではないか?という予想が多いですね。
メディア名 | 時期・利上げ幅などの内容 | リンク先 |
ブルームバーグ | 3月にマイナス金利解除。年内に+0.25%へ | 参考記事 |
野村総合研究所 | 4月か10月か | 参考記事 |
東京財団政策研究所 | 4月 | 参考記事 |
日経新聞 | 3〜4月 | 参考記事 |
ロイター | 4月は早すぎる | 参考記事 |
そうなると、変動金利にも影響が出てきますので、一般世帯が現在の価格で住宅を購入することは、難しくなってくるでしょう。
高額マンションをギリギリの住宅ローンで買っている人がやばい
変動金利の上昇によって、影響を受けそうなのが、ここのところ大きく上昇している大都市圏の駅近マンションです。
というのも、新築・中古マンションの購入者の7〜8割が、変動金利を利用しているからです。
今までは、ネット銀行で申し込めば、0.3%台という、かなり安い条件で住宅ローンを組めてきたわけですが、今後はこの条件が厳しくなってきます。
異次元緩和政策が始まる前の2012年ごろまでは、変動金利も1%前後でした。そのため、今後数年かけて、1%前後の水準にまで引き上げていくと予想されます。
1%金利が上がると、不動産価格は15〜20%下がる可能性
ちなみに、金利が1%上がると、住宅ローンの利息は、35年で15〜20%増えます。
例えば、月に約10万円の返済を考えている人であれば、現在なら3,500万円の物件が買えますが、金利が1%上がると、毎月10万円の支払いで、3,000万円の物件しか買えません。
政策金利は少しずつ引き上げていくと思われますので、すぐに大きく下落するわけではありません。
ですが、購入を検討されている方は、変動金利でギリギリのローンを組むのは危ないので気をつけてください。
(2)これから奈良市の人口はどうなるの?
国立社会保障・人口問題研究所が、2018年に発表した奈良市の人口の見通しによると、2020→30年の10年間で約24,000人減少するそうです。
奈良市では、これから10年で約24,000人減る
(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)
また、30〜40代人口では、2020→30年の10年間で約19,000人減る見通しです。買い手となる世代の人口が、これから10年で2割近くも減ることになります。
奈良市の30〜40代人口は、2020→30年で約19,000人減る
(出典:国立社会保障・人口問題研究所 平成30年度人口推計)
これまでの人口の増え方、減り方を見ても、駅周辺では安定するものの、郊外では減少する傾向が進むと考えられます。
そのため、駅近の便利なマンション以外では、購入は控えられるかもしれません。
4、結論:買うなら?売るなら?
以上のことから、奈良市のマンション価格は、
- 新型コロナの影響で一時的に下落していたが、その後は回復傾向にある
- 駅周辺に人口が集中する傾向は、今後も変わりにくいため、マンション価格も安定していきそう
- 今後下落するとすれば、金利上昇が最も注意すべきリスク
と言えるでしょう。
買うなら:下落を待つよりも低金利の今がチャンス?
これから変動金利の上昇が始まりますので、8割近い人が変動金利を利用している現在の状況も減ってくるでしょうから、価格は下がりやすい環境になります。
ですが、急激に金利を引き上げることはなさそうなので、少しずつ価格に影響が出てくるでしょう。
そのため、もしこれから購入を考えるのであれば、ギリギリの返済計画で購入することはやめた方がいいでしょう。
売るなら:超低金利の今が1番のチャンス
ここまで説明してきたように、ここまでマンション価格が上昇したのは、金利の低下・変動金利の利用者の増加が1番の理由です。
しかし、この金利はこれ以上下がりようがありません。
これ以上の価格上昇は、購入される方の年収が増えなければ、難しいところにまできていますし、今後の金利上昇リスクも考えると、一般世帯が購入する物件は、今が高値になってくる可能性が高いです。
不動産会社によって、売れる価格が違う?
マンション価格は、間取りが似ているため、どこの不動産会社に頼んでも、だいたい同じぐらいの金額で売れると考える方が多いですが、一概にはそうは言えません。
というのも、戸建てやマンション、エリアによって得意な会社が異なるからです。
また、不動産会社同士で取引情報の共有をほとんどしていないため、「依頼した不動産会社が、実はあなたの物件を取り扱ったことがない」ということも起こりえます。
そのため、高く売却をしたいのであれば、あなたの住むマンションの売却実績のある会社を探した方がいいでしょう。
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