リバースモーゲージの利用を検討し始めると、最初にブチ当る壁がおそらく「推定(または法定)相続人全員の承諾が必要」という点でしょう。
子供や兄弟にお金のことを相談するのは気が進まない方も多いでしょうし、仕事が忙しくて連絡が取れないといったケースも多く、なかなか面倒ですからね。
この記事では、推定相続人とその範囲について解説します。
推定相続人とは?
推定相続人とは、「現時点で相続する権利のある人」を指します。
その範囲はどこまでかというと、
- 配偶者
- 第1順位(子供・孫・ひ孫)
- 第2順位(両親・祖父母)
- 第3順位(兄弟・甥・姪)
までになります。
推定相続人の範囲
「推定相続人全員の承諾書が必要」という場合には、これらの親族全員からの承諾書が必要になるんですね。
なぜ、ここまで面倒なのかというと、相続の発生が数十年後になるからです。
今存命の親族も、数十年後となれば、どうなるかわかりません。
特に兄弟であれば、年齢も近いでしょうから、天寿を全うする頃にはご兄弟が相続して売却を行うのはかなり難しい状況のはずです。
そのため、甥や姪といった、普段はあまり接触のない親族にも承諾が必要となってくるのです。
なぜ全員の承諾が必要なのか?
また、実際に相続が発生した時に相続人が複数人いる場合には、遺産分割協議書を作成して、相続人全員の承諾がないと財産の相続ができません。
相続手続きがすまないと名義の変更も売却もできないため、返済期限を過ぎて遅延損害金を支払わなければいけなくなります。
「相続人全員の承諾」を金融機関が求めるのは、わざと厳しくしているわけではなくて、そうしないと相続時にトラブルになる可能性があるからなんですね。
相続人からの同意がいらないのは「充実人生」
しかし、推定相続人の承諾なしに契約ができるリバースモーゲージがあります。
それが東京スター銀行の「充実人生」です。
なぜ東京スター銀行の「充実人生」では、相続人の承諾が必要ないかというと、返済方法が「代物弁済(自宅を銀行に渡してチャラにする)」だからです。
他の銀行のように、相続人が自宅を相続して売却をする必要がなく、そもそも相続財産の対象から外れてしまうため、相続人からの了承が必要ないんですね。
そのため、たとえば1億円で売れる自宅を担保に、1000万円のお金を借りて死んだ場合、差額の9,000万円は相続人に戻ってきそうなものですが、相続財産から外れているため、相続人に支払われることはありません。
(質問)自分が死んだら自宅は銀行にとられてしまうのですか?
(回答)担保物件による代物弁済
<中略>
なお、担保不動産をお借入残高より高く売ることができても、その超過分をご相続人の方に返金することはいたしかねます。
ですから、もし少しでも多く相続人に財産を渡したいのであれば、なるべく多く借り入れておく必要があります。
充実人生では、たとえ目一杯お金を借りたとしても、預金口座に預けていれば、その分に金利はつかないので、少ししか借りない方がいいと思わず、なるべく多く借りておいた方が有利です。
また、土地価格が下落して担保評価が下がってきた場合には、一部返済しなければいけなくなりますが、預金口座に預けている分を返済に回せばいいので、「借りすぎて首が回らなくなる」という心配はありません。
(あくまで使わずに預金に置いておいたら、という場合だけですが、、、)
推定相続人がいない場合はどうなるのか?
この点についても、悩まれる人は多いかもしれません。
金融機関のホームページを見ても、「推定相続人全員の承諾が必要」と書かれているだけで、相続人がいない場合については書かれていませんからね。
しかし、東京スター銀行の充実人生ならば、相続人がいなくても申し込みが可能です。
(質問)私には相続人がいません、どのように契約が終了するのでしょうか?
(回答)法律手続きに則った対応となります。管轄裁判所により選任された相続財産管理人によって、債務が弁済されることになります。
そのため、現在1万人以上の方が充実人生を契約しています。
相続人が売却するのではなく、代物弁済(自宅を渡してチャラにする方法)だからこそ、他行とこれほど契約件数に差が出ているのでしょう。
東京スター銀行の充実人生については、こちらの記事で詳しく解説しました。
「充実人生」以外を選ぶメリットとは?
少しでも財産を相続人に残したいのであれば、手間はかかりますが、「推定相続人全員の承諾」を得た上で、他行で申し込むのがいいでしょう。
また、自宅以外の財産があまり多くない場合だと、自宅の相続をめぐって相続人同士のトラブルになることは珍しくありません。
相続トラブルは、相続財産が5,000万円以下で75%を占める
そのため、自宅を売却することを前提にしたリバースモーゲージを利用すれば、相続人同士の争いを防ぐ効果はあります。
このような点をメリットと感じられるのであれば、面倒であっても利用する価値はあるでしょう。
また、このサイトでは、47都道府県の主な市区の土地価格の現状と、将来予想について解説しています。
こちら↓のページから、各市区を探せますので、興味のある方はご覧になってみてください。
コメント