試されるスネ夫(英国)。トランプがベネズエラを侵攻する裏の目的 | イエ&ライフ

試されるスネ夫(英国)。トランプがベネズエラを侵攻する裏の目的

youtube原稿

今回の動画は、「試されるスネ夫。トランプがベネズエラを侵攻する裏の目的」ということで、やっていきたいと思います。

*この動画は、YouTube動画の元原稿です

 

1、はじめに

このチャンネルでは、以前にベネズエラにトランプが攻める理由について動画を上げましたが、今回はその続編です。

 

(参考:BBC)

 

11月29日に、トランプ氏は、ベネズエラの領空を閉鎖したと宣言しました。

9月にベネズエラ領海内の船舶を攻撃して、麻薬密輸犯を殺害するというとんでもない動きを始めたトランプ政権でしたが、その後も着々と米軍をカリブ海に集結させており、現在1.5万人の兵士と戦闘機、空母などの配備が進められています。

 

アメリカは、海外と戦争する場合には、議会による承認が必要となります。

なのに、今回の攻撃は、麻薬密輸の犯罪組織を殺してるだけだからOKなんだ、という話でゴリ押ししており、国際的な非難を浴びています。

 

そもそも、なぜベネズエラなのか?

以前の動画で、ベネズエラは、麻薬の主要生産地ではなく、それはお隣のコロンビアやペルーであり、トランプ政権がベネズエラを叩こうとしている理由は、別にあると考察しました。

 

それから約2ヶ月経ったわけですが、その後の情報を集めてみても、かなり怪しい点が満載です。

 

(参考:wikipedia「2025年、麻薬密売容疑者に対する米軍の攻撃」)

 

例えば、こちらは9月2日に行われた、第一回目の爆撃の動画から切り取った画像なのですが、左側では、確かに何人かが船に乗っている姿が確認されたものの、右側の画像に切り替わってしまうと、人影なのかどうかも微妙な距離になってしまい、本当に人が乗ってるのか、マネキンなのかよくわからない感じになってます。

そして、爆撃はこの右側の画像に向けて行われているため、船は木っ端微塵になってますが、本当に人が死んでいるのか?よくわかりません。

 

その後も似たような画像が投稿されていくのですが、11月20時点で21回の爆撃が行われており、83名が死亡したと発表されているものの、身元が判明しているケースは、83名中14名しかいません。

 

(参考:AP News)

 

さらに、9/2の一回目の攻撃があった後に、その犠牲者がいると言われている地域へAP通信の記者が向かったのですが、現地の人は、ベネズエラ政府が事前にきて、いろいろ捜査をしに来たため、怖くて外部記者に話せないと断られたとのことです。

これって、おかしくないですか?

 

もし、ベネズエラ政府が、アメリカの非道な行いを糾弾するのであれば、犠牲者の名前を公表して、国際社会を味方につけた方がいいはずじゃないですか?

それをやらないというのは、そもそも、死んでいないから話しようがないか、マドゥロ大統領の亡命交渉をしているため、アメリカをあまり怒らせたくないか、のいずれかでしょう。

 

また、今回の攻撃は、ベネズエラだけでなく、コロンビア沖や東太平洋上でも攻撃が行われており、その犠牲者の名前も公表されていないので、どこまで本当なのか、わからないというのが現状です。

こんな感じで、私から見れば、相当にプロレス臭のする、今回のトランプ政権のベネズエラ侵攻ですが、その意図は、一体どこにあるのでしょうか?

 

今回はこの点について、改めて考察していきたいと思います。

それでは、参りましょう。

 

2、トランプのベネズエラ侵攻の目的

私が今回調べてみて、あり得そうだなと思った理由は4つあります。

 

(1)中南米での政権転覆は、アメリカのお家芸

1つ目は、中南米でアメリカがやってるいつものやつです。

中南米は、アメリカの裏庭とも言われることがあり、戦後はCIAを使った政府の転覆活動がそこここで起こっていました。

 

(参考:Wikipedia)

 

1950年代はガテマラ、60年代はエクアドル、ドミニカ、ブラジル、70年代はボリビア、ちり、アルゼンチン、そして80年代はパナマと、いずれも政権を転覆して、親米政権へと変えてきました。

ベネズエラも90年代ぐらいまでは、アメリカと仲良しだったのですが、99年にチャベス氏が大統領選挙で勝利し、石油産業を国有化したことで、アメリカとの関係が悪化して、現在に至っています。

 

前回の動画で触れましたが、ベネズエラという国は、チャベスの跡を継いだマドゥロ政権になって以降、ハイパーインフレが起こったり、治安が悪化したりで、人口の2割ぐらいが海外に脱出している、実質的な破綻国家です。

そのため、バイデン政権の時にメキシコとの国境を解放したところ、たくさんのベネズエラ人が不法移民として入ってきてしまい、それらの人たちの一部は、犯罪者として暴れ回っていました。

 

なので、これ以上マドゥロ政権に任せていたら、ぶっちゃけ、さらに難民が増えてしまい、周辺国も迷惑ですから、周りの国も案外、トランプ政権を応援してるのではないかと思いますね。

 

(2)ベネズエラ産の原油が欲しい

2つ目は、ベネズエラの原油が欲しいということです。

トランプ氏がベネズエラを攻めようと言っていたのは、今回が初めてではなく、第1期の頃からそう発言をしていました。

 

(参考:La Nation)

 

実際、第1期の2019年には、フアン・グイド氏をベネズエラの暫定大統領に勝手に承認してました。

99年にチャベス氏が大統領になって、アメリカの石油企業の権益も失われましたので、それを取り戻すことができれば、政治的なアピールにもつながりますし、アメリカの利益になるという理屈は十分に立ちそうです。

 

(3)世界中の米軍の撤退先

3つ目は、世界中の米軍の撤退先に使えるということです。

現在、アメリカは、ルーマニアなどの東欧諸国から、米兵を少しずつ引き上げてきています。その規模は、詳しい報道はありませんが、数千名規模と言われており、この数は今後さらに増えていくものと予想されます。

 

(参考:CNN)

 

では、この浮いた米兵や軍隊は、どこに配置されるのでしょうか?

現在カリブ海に1.5千人の兵力が集結しているようですが、これらの撤退してきた部隊の受け皿になっているのではないでしょうか?

 

(参考:Politico)

 

実際、9月にリークされた、国家防衛戦略の草案では、中国よりも米大陸を優先すると書かれていたようです。

国防総省の参謀のエルブリッジ・コルビー氏は、日本で東アジア・ファーストという本を出しており、そこでは、これからアメリカは欧州や中東から撤退して、東アジア、つまり中国の封じ込めに力を入れるべきだと書かれていたのですが、そうやって東アジアに兵を集中させると、本当に米中でバチバチになってしまいますから、日本や韓国、台湾などにがんばらせる方針に変えたのでしょう。

 

(4)イギリスを戦争に巻き込む(そして追い出す)

そして、4つ目が、イギリスを戦争に巻き込みたいのではないか?ということです。

カリブ海に集めた戦力の中には、ジェラルドRフォードという最大級の航空母艦などの戦艦をたくさん集めています。

 

(参考:ガーディアン)

 

そして、その中には、米駆逐艦のUSSウィンストン・チャーチルも含まれており、実はそこにはイギリス海軍の上級将校も常駐しているというのです。

そのため、このまま戦争が始まれば、イギリスもベネズエラに軍事行動を起こしたということになりますので、それはやばいということで、カリブ海域の麻薬密輸船に関する米国との情報共有を一時停止しました。

 

(参考:The Japan Times)

 

このようなパターンは、以前にもありました。

6月にイスラエルがイランに攻撃を仕掛け、12日間戦争が起こりましたが、その時にアメリカがイランの各施設にミサイルを撃ち込んで、手打ちとしました。

 

この時に利用される予定だったのが、インド洋に浮かぶ米英共同保有だったディエゴ・ガルシア島の基地です。

しかし、イスラエル軍によるイランへのテロ攻撃と、それに続くアメリカによるイラン攻撃は、かなり強引だったため、国際的な批判もあり、イギリスはこの基地の利用を渋ったため、アメリカのミズーリ州から爆撃機が送られてきました。

 

どちらも、アメリカの強引な動きに、イギリスがついていけないような状況を示しています。

これまで、アメリカは、イギリスからの移民によって建国された国でもあるため、イギリスとの関係も深く、例えば、ファイブアイズと呼ばれる、イギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの5カ国による機密情報の共有協定もありますし、アメリカが無茶苦茶な戦争を起こしても、イギリスも参戦するというような特別な関係にあります。

 

例えば、イラク戦争なんかがそうですね。

イギリスという国は、金融以外は大した産業もなく、移民を大量に受け入れて治安が悪化したり、環境環境と吠え続けて、製造業がどんどん逃げ出しているような、しょうもない国なんですが、海外の軍事拠点は42カ国に展開しており、なんと145もの軍事施設を持っています。

 

ウクライナ戦争でも、イギリスはアメリカ、ドイツに次いで、3番目に軍事支出が大きい国であり、ガラの悪い戦争国家なんですが、アメリカもトランプ政権になって、海外の戦争から手を切りたいこともあって、今まで通りコバンザメのように次いてきたイギリスが、もう鬱陶しいのでしょう。

なので、アメリカとしては、さっさとイギリスと縁を切りたい。そのために、今回のベネズエラ侵攻のような、国際的な避難が起こるような、ゴロつきみたいな戦争を起こして、

コバンザメのイギリスといえども、ついていけないような状況を作ろうとしているのではないかと思います。

 

(参考:The Daily Beast)

 

実際、トランプ政権は、イギリスに対して、相当舐めた態度をとっています。

今年5月に、FBI長官のカッシュ・パテル氏がロンドンに行ったのですが、ここで高官級の会議が行われた際に、トラック運ちゃんがかぶるようなキャップと緑色のパーカーで出席し、スーツ姿のイギリス人たちを挑発してました。

 

緑色のパーカーですよ?

お前ら、コバンザメのブリカス人には、これぐらいがちょうどいいよな?とでも言いたかったような、そういう挑発ぶりだと思います。

 

それだけではありません。

FBIはイギリスにも駐在事務所があるらしく、イギリスの諜報機関のMI5と情報共有しつつ、共同作業を行うこともあったようなのですが、このFBIの駐在体制をこのまま維持してくださいとMI5が要請したところ、「わかりました」と答えながら、逆にそれらの駐在員をアメリカに送り返してしまい、MI5の人たちをブチギレさせていました。

これらの動きから見ると、おそらく、トランプ政権は、イギリスとの情報共有をもうやめたい、縁を切りたいということなのではないでしょうか?

 

3、トランプがイギリスを嫌う理由

では、なぜトランプ政権は、イギリスをこれほど嫌っているのでしょうか?

それは、アメリカという国が、独立して以降も、イギリスから何度となく、ちょっかいをかけられてきた国だからです。

 

(参考:wikipedia「アメリカの大統領一覧」)

 

こちらは、歴代のアメリカ大統領のうち、任期中に退任(ほぼ死亡が理由)した人のリストです。

政党の中に、ホイッグ党というのがありますが、これは共和党の前身の保守政党です。保守政党を紫色にしていますが、ほとんどが保守政党なことがわかりますよね。

 

一方で、民主党で、任期途中で辞めた大統領は、フランクリン・ルーズベルトとケネディだけですが、ルーズベルトは4期目に突入したのちの脳出血による死亡であり、普通は2期までですから、これは例外でしょう。となると、ダラスで民衆の前で銃殺されたケネディだけとなります。

ニクソンは死んでませんが、ウォーターゲート事件とかいう、何が悪かったのかよくわからんスキャンダルで退任させられましたし、昨年はトランプ氏が何度か暗殺未遂にあってますよね。

 

では、なぜホイッグ党、共和党出身の大統領の暗殺や謎の死亡が、不自然なほどに多いのかというと、それは、おそらく、イギリスの関与です。

民主党は、19世紀の頃から、イギリスとの貿易で成り立っていた政党で、現在であればNYやカリフォルニアなどの、大都市が支持基盤と見られていますが、南北戦争前は南部諸州が民主党の地盤でした。

黒人を奴隷としてコキ使って作った安い綿花をイギリスに輸出することで、儲かっていたのが、南部の州だったからです。

 

(参考:wikipedia「アラバマ請求」)

 

実際、南北戦争の時に、イギリスは南軍の肩を持ちました。

海上封鎖をしたり、軍艦の建造、武器や弾薬の供与などもしていましたので、のちに北軍が勝利して、アメリカがイギリスに「おめえら、俺たちの戦争の邪魔しやがって」と賠償請求を行い、イギリスは1550万ドルを支払っています。これは、アラバマ請求と言われます。

昔っから、アメリカの民主党はグローバリズムの政党で、イギリスと仲良しの政党だったんですね。

 

 

その後の大きな戦争を始めた政党を見ても、やはり民主党が圧倒的に多いです。

第一次、第二次世界大戦、米ソ冷戦、ベトナム戦争、そして、ウクライナ戦争と、ほとんど民主党なのです。

 

世界大戦はイギリスを助けるためですし、米ソ冷戦を宣言した前年に、イギリスのチャーチルが、アメリカで鉄のカーテン演説を行い、ソ連との徹底抗戦を訴えかけました。

ウクライナ戦争でも、開始数ヶ月で停戦交渉に入っていたのに、それを邪魔したのは、ボリス・ジョンソン元首相です。

 

(参考:朝日新聞)

 

極め付けは、昨年の大統領選挙で、イギリスから政府職員を100名送り込んで、カマラ・ハリス氏の応援を行っていました。どんだけ、民主党を勝たせたかったんだよ、って話です。

なので、ウクライナ戦争をやったのは間違いだった。さっさと終わらせたいと言ってるトランプ氏から見れば、イギリスという国は、アメリカを戦争に巻き込む疫病神のような国なんですね。

 

そのため、トランプ政権は、このようなイギリスと手を切るために、あの手この手を使って、嫌がらせをしているように見えます。

先ほどの、カッシュ・パテルFBI長官の露骨な態度もそうですが、今回の強引なベネズエラ侵攻も、イギリスとの同盟関係の解消を狙ったものと見えなくもありません。

 

9月末に、海外基地の高官800人を集めて、ヘグゼス長官とトランプ氏がパワハラ演説をしましたが、その中で語られていたのは、国防総省はこれから戦争省へと名前を変えるし、その機能も変わっていくというものでした。

国防のための組織ではない。戦争のための組織なんだという宣言です。守りではなく、攻めです。

 

今の日本もそうですが、現代の軍事同盟というのは、相互に攻められたら、お互い助け合いましょうね、というものです。

しかし、アメリカはこれからむしろ攻めると言ってるわけですから、同盟を続けるということは、攻める時にも一緒についていく、少なくとも、手助けはするということになります。

 

現代社会において、海外に戦争を仕掛ける正当性なんてありませんから、それに従えば、一緒に戦争犯罪国になります。

つまり、イギリスは、アメリカと一緒にイカれた戦争を仕掛ける国になるか、アメリカと距離を置いて、まともな判断をする国でい続けるかの、2択を迫られているのです。

 

(参考:BBC)

 

ウクライナ戦争については、その前に起こっていたマイダン革命についての報道がそれほど広まっていないので、「ロシアは悪で、ウクライナは善」という構図を叫び続けることが、まだできていますが、今回のベネズエラや、イスラエルのイラン攻撃、ガザ攻撃は、そうはいきません。

最近のイギリスの態度を見ていると、さすがにアメリカとは歩調を合わせないようになっていますが、これがさらに進んでいけば、アメリカとイギリスとの合同軍事演習とか、情報共有とか、基地の共同運営とか、そういうものも減って行かざるを得なくなるでしょう。

 

 

それと、これは別の動画で詳しく解説したのですが、アメリカとロシアがウクライナ戦争を長引かせているのは、イギリスなどの欧州のグローバリスト諸国を潰すためだと見ています。

戦争が長引くことで、ロシアからの安価な資源が手に入りにくくなっているため、ドイツの産業はガタガタになっており、産業生産指数はこの5年で2割近く下がっていますし、自動車や化学産業などの工場が中国やアメリカに移転して行っています。

 

また、アメリカは米中貿易戦争の火種を欧州にまで飛び火させることで、中国の欧州での貿易を断念させようとしています。

9月にオランダの半導体大手のネクスペリアが、中国人経営者を追い出したことを受けて、中国国内の半導体材料の輸出が止まり、自動車向けの半導体供給が一時ストップしましたが、これを裏で手を引いていたのもアメリカです。

 

(参考:Politico)

 

このように、欧州の産業を徐々に弱体化させているため、イギリスを含めた経済はボロボロになりつつあります。

そのため、イギリスの外務省は、資金が足りなくなってきたということで、大使館や外交官向けの高級マンションの売却を行うことを検討していると報じされています。

 

イギリスは、約5000億円の海外資産があるようですが、6500件ある不動産のうち、数百の建物が深刻な荒廃状態にあるということで、全く金が足りなくなっている模様です。

この調子で、イギリスを追い込んでいけば、財政破綻や国家機能の縮小がさらに進むため、戦争に関わって儲けようとか、アメリカについてって、おこぼれに預かろうとか、そういう、姑息なことを考える気力すらなくなるタイミングが来るのではないでしょうか?

 

というわけで、今回はトランプ政権がベネズエラを攻める理由について、アップデートしてみました。

トランプ政権の大袈裟な動きというのは、この10ヶ月ぐらいで、まあまあ慣れてきましたが、その意図するところを考えるのには、なかなかに頭を使いますね。

ですが、最近はイギリスをぶっ叩くため、という仮説を入れてみると、案外話の筋が通りそうな案件が多くなっているように思います。

 

この記事を書いた人
ゴトウ

証券会社で12年間勤務。営業と店舗マーケティングに従事後、2018年から当サイト「イエ&ライフ」を運営しています。

不動産価格の動きの理解や今後の予想は、金融マーケットの知識があると理解しやすいため、読者のお役に立てるのではないかと、サイトを運営しています。

また、2024年からYoutubeチャンネルも始めました。
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