この記事では、「プーチン・トランプ会談の行方。ヨーロッパとロシアは、新しい冷戦へ」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
8月15日に、トランプ大統領とプーチン大統領が、アラスカ州の州都アンカレッジで、首脳会談を行う予定となっています。

第2期トランプ政権になって、2月以降、両国の閣僚が会合を重ねてきましたが、ついに、お二人が会談することになったので、いよいよウクライナ戦争も終わりか?と期待されているように思います。

しかし、今回の首脳会談では、当事者のゼレンスキー大統領が出席せず、そして、ゼレンスキー氏は、いかなる領土の譲歩も認めないとの発言を繰り返しています。また、このように領土の割譲を否定するゼレンスキー氏を欧州NATOは、全面的に支援しています。

また、トランプ氏はこの会談は、「探り合いの会談になる」と発言していることから、プーチン氏の要望を聞き取りながら、ロシアが占領しているウクライナ領土を、どれだけウクライナに戻すつもりなのか、そのための条件は何か、などについて、話し合う感じです。
そのため、トランプ氏とプーチン氏で話がついたとしても、ウクライナと欧州は、それを受け入れる可能性は低く、これで解決するという可能性は低そうに見えます。
今回の動画では、プーチン氏のウクライナ侵攻の目的を再確認しつつ、ウクライナ戦争がどういった形で集結するのか?それとも続くのか?について、考察していきます。
それでは、参りましょう。
2、プーチンの究極の目的とは?
まず最初に、プーチン氏が考える、ウクライナ戦争の停戦条件について、押さえておきたいと思います。

以前にこちらの2つの動画でも、ご紹介したのですが、ほとんどの日本人が全く知らされていない情報として、2014年のマイダン革命があります。
これは簡単にいうと、アメリカがウクライナを支援して、クーデターを起こした事件です。

英語版のwikipediaを見てみると、とてもよくわかるのですが、カナダの大使館に暴徒が匿われていたり、フランスやドイツの首脳なども、時間稼ぎのためにロシアに嘘をついたと発言しているなど、欧米諸国が、よってたかってロシアを騙して、ウクライナを欧米側に引き寄せて、ロシアと戦わせる準備をするために行なったクーデターだったようです。

この工作に、アメリカ政府は50億ドル以上のカネを突っ込んでいたということで、プーチン氏は、アメリカ政府が首謀者と考えているのは間違いないでしょう。

そして、その後は、現在ロシアが占領しているドネツク州やルハンスク州に、2014年から15年にかけて、ウクライナ軍が攻撃を仕掛け、200万人が難民となっています。

これは、国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチが、明らかにウクライナ軍が国民に向かって、銃を向けた事件として、報告しています。

これらの東部の州の住民は、ロシア語を話すロシア系住民であり、ウクライナ軍がこの人たちを攻撃するというのは、東京の政府が、関西に軍隊を送って住民を攻撃するようなものです。
しかも、そのエグさは、200万人もの難民が生まれていることから、イスラエルによるガザへの攻撃のようなものだったと思われます。
全く意味がわからない暴力であり、その黒幕がアメリカだったんですね。
プーチン氏は、2022年に戦争を始める当初から、ウクライナの非ナチ化を目的とすると公言しています。非ナチ化とは、ある民族を素晴らしいと讃え、それ以外の民族の存在を否定することです。

ナチスドイツがユダヤ人を迫害したようなことを、今のウクライナでは、ロシア語を話す人たちに向けてやっているということで、そのような状況を排除しなければいけないと、言っているんですね。
なので、実行部隊であるウクライナ政府と、その後ろにいるアメリカを無力化して、2度とロシアにちょっかいを出してこないようにすることが、今回の戦争の究極の目的といえます。
このような認識に立つと、今回のトランプ氏とプーチン氏との会談における、プーチン氏の要望は、おそらく2つです。
1つ目は、ウクライナの現政権、そして、ロシア系住民の虐殺に加担した官僚たちの一掃です。
これは、ウクライナで選挙を行うことと、終戦条件の中に、戦争関係者の引き渡しなどを入れることなどが考えられます。
そして、もう1つが、アメリカがロシア周辺でちょっかいを出さないようにするための確約です。
これが今回の首脳会談で、話されることではないかと思います。
ロシアは、ソ連崩壊後、アメリカにずっと騙されてきました。

プーチン氏は、いろいろなところのインタビューで答えてますが、NATOは東は1インチも進めないとアメリカが約束したのに、ずっと裏切り続けてきたと話しています。
なので、トランプ氏がいかにプーチン氏と仲がいいとか、話せるとかいっても、大統領が変われば、またロシアにちょっかいを出そうとする官僚や政治家が出てくるでしょう。
そうなれば、今回わざわざ3年以上も戦争した意味もなくなります。そのため、一度決めたら、もう後戻りできなくなるような、大きな変化が必要となります。
プーチン氏は米国のNATO脱退を求めている
では、それは何か?
それはおそらく、アメリカがNATOから脱退すること、そして、二度と欧州に戻ってこれないようにすることでしょう。

実際、トランプ政権は、今年2月の時点で、ヘグゼス国防長官が、欧州の米軍駐留をずっと続けるつもりはないと発言しており、9月に再配置計画を発表予定です。
なので、欧州から徐々に撤退するという流れはすでにできつつあります。
では、どうやって、二度と戻れないようにするのか?
それは、欧州各国の軍事的な自立です。

6月に、NATOサミットで、欧州各国政府に対して、これから10年で、防衛費をGDPの5%にまで引き上げることを約束させました。
これによって、欧州が軍事的に自立できるようにすることで、いずれアメリカの政権が変わって、欧州に米軍を駐留させようとしてきた時に、「うちはもう間に合ってますから」とキッパリ断れる状況を作ろうとしているわけですね。
ドイツは大喜びで、歴史的な法改正をさっさと実現させた
今年2月にドイツで総選挙が行われましたが、保守政党の「ドイツのための選択肢」略称AfDが躍進し、約2割の得票率をとり、他の政党は弱体化しました。
しかし、その後、CDUとSPDが連立を組むことで、AfDを排除しました。これは、自民党と立憲民主党が組んで、大連立を組んだようなものです。

このような政権としては不安定な状況にもかかわらず、なんと翌月の3月に、国防費の大幅な増額を提案し、可決されたのです。
憲法の改正も必要だったため、3分の2の賛成が必要だったのですが、AfDなどの一部の政党の反対はあったものの、それ以外の政党がほとんど賛成に回ったので、すんなりと通ってしまいました。
ですが、なぜ3分の2もの賛成が必要な法案が、これほどすんなり通ってしまったのでしょうか?
表向きの理由は、「ロシアの脅威」を挙げていましたが、これを信じた政治家は、おそらくほとんどいなかったでしょう。
というのも、ドイツはそれまで、ロシアからの安い天然ガスを使って車を作って、世界中で販売することで、経済を拡大できていたからです。
それより大きかったのは、やはり2月にヴァンス副大統領にダメ出しされて、メルケル元首相の側近だった、おじちゃんが泣いちゃった、ミュンヘン安全保障会議だったと思います。

これで、アメリカは、欧州の面倒は見ないとわかったことで、逆に「これって、アメリカから独立できるチャンスなんじゃね?」と、多くの政治家が考えたからだと思われます。
このように、プーチン氏の要求に対して、すでにアメリカもヨーロッパも動き出しているように見えるわけですが、では、どのようにして、今回のウクライナ戦争が終結するのでしょうか?
それが今回の記事のタイトルである、ロシアと欧州の新冷戦です。

ウクライナとロシアは、はっきりとした形での終戦にならず、東部4州をロシアが実効支配し、それ以外は欧州がウクライナ支援をすることで、睨み合いとなるという、展開となるのではないでしょうか?
このような形になれば、欧州NATOは、表向きは対ロシアで防衛費を増強できますので、アメリカからの自立を進めることができます。
ロシアとしても、いつも悪巧みをしてくるアメリカさえ、近くからいなくなってくれれば、安全保障上の脅威は減りますので、願ったり叶ったりです。
欧州は米国と他人になる準備を着々と進める
また、先日、アメリカ政府が、世界の人権状況についての報告書を発表しました。
昨年までのバイデン政権の頃は、LGBTQ的に遅れてるとか、進んでるとか、意味のわからない報告書を出していましたが、今回はヨーロッパが言論の自由を守らないおかしな国として認定しています。

つまり、現在の欧州とアメリカは、価値観を共有している国同士ではないと、トランプ政権は捉えているのです。
アメリカはアメリカで、イスラエルべったりのヤバい部分があり、欧州は欧州で、国民が移民に対してブチギレたら逮捕するという気狂いぶりを発揮しています。
9月に行われる国連総会では、パレスチナの国家承認をイギリス、フランス、カナダなどのG7諸国が行うと表明していますので、この点も、アメリカと相容れない姿勢を示すことになりますので、ますます心理的に遠くなる効果が期待できると思います。

これまで、アメリカと欧州は、同じ価値観の国同士ということで、NATOの結束力を高めてきましたが、それが全く理解ができない存在同士となってくれば、「欧州の仲間たちをロシアから助けよう」なんて思うこともなくなるのではないでしょうか?

このように、欧州とアメリカは、身(軍)も心(価値観)も離れた恋人同士となる準備が整ってきたように思います。
その先にあるのは、欧州の自立であり、ちょっかいを出したがる戦争屋の国、アメリカとの絶縁です。
そうなると、気になるのは、東アジアですよね。
国防総省のNo3のエルブリッジ・コルビー氏は、これからは中国だ!ということで、日本でも本を出しており、日本の防衛費も3.5%まで上げろ、台湾は10%だ!と息巻いています。

このまま行くと、日本も対中国で軍備を強化することになり、欧州にとってのロシアのように、日本、インド、オーストラリアのクワッドが、中国包囲網を作ることになりそうな感じです。
ところが、最近のトランプ氏の動きを見ると、どうもこれも怪しくなってきたように思います。
もしかしたら、日本はこれからアメリカから独立するのではないか?という出来事が、いろいろと出てきているように思うのです。
この点については、改めて動画にしたいと思います。







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