はい、どうも。ゴトウです。
この動画では、「東京23区の土地価格の、①この5年間の動きと、②今後の見通し」について、解説します。
1、東京23区の土地価格の推移
まずは、東京23区の土地価格の推移について、見ていきましょう。
国土交通省が毎年発表している地価公示をもとに、アベノミクスが始まった2013年以降の住宅地、商業地の土地価格の変化について見ていきましょう。
それがこちらです。

住宅地、商業地ともに上昇が続いていますね。
新型コロナで、2020~21年は下げましたが、また復活して、むしろ上昇率は、以前よりも高くなっています。
特に今年は、住宅地は前年比で7.9%のプラス、商業地は、11.8%のプラスと、アベノミクス以降で、最も高い上昇率となっていました。
市区町村別
次に、市区町村別で、もう少し詳しく見てみましょう。
まずは、住宅地について見ていきます。

赤色が、前年比で7%以上の上昇エリアで、以下オレンジ、黄色、黄緑と続きます。
全域で上昇しており、特に23区の中心部ほど高い傾向にありました。
次は商業地を見てみましょう。

商業地は、23区全区において、赤色となっていました。多摩地区でも、23区に近いエリアほど上昇率が高い傾向にありました。
このように、住宅地、商業地ともに、絶好調な23区の土地価格ですが、新しく建てられた住宅の戸数も、土地の取引を伴う不動産登記件数も、この5年間で見ると、全国的に横ばいかむしろ減少傾向にあります。

買い手が増えているから、土地価格が上がっているというわけではないのです。
では、なぜこれほど、土地価格が上昇しているのでしょうか?
土地価格の上昇の理由はインフレ
その理由は、インフレです。
特に、2022年からのロシアのウクライナ侵攻あたりから、木材や鉄鉱石、原油などの資源価格が上がってきたことで、建築費がこの3年ぐらいで3割上がっているのです。

これによって、戸建て、マンションともに、新築価格が大きく上がっており、中古の戸建て・マンションの価格も連れ高しています。

東京23区の中古住宅を見てみると、2020年から25年までの5年間で、中古マンションは56%、中古戸建は33%上昇していました。
マンションは、駅周辺に立地しているものが多いので、そのマンション価格が上昇することで、駅近の住宅地の価格も連れ高しています。
そのため、傾向的には、駅周辺ほど、土地価格があがりやすくなっているようです。
また、株高、円安の影響も大きいですね。

過去の中古マンションと日経平均株価の関係を見ると、かなり似たような動きとなっています。日本の金融資産の6割以上を持っており、ここ10年以上の株高で、金融資産が膨れ上がっています。
しかし、70代、80代になってくると、たくさん資産を持っている人は、相続税対策を考えるようになります。そして、いつでも換金しやすい都心部のマンションは、相続税評価を下げられるため、節税対策に使われています。
また、昨年は円安が進み、1ドル160円を超えました。
これによって、海外の投資家が日本の不動産を割安だと判断し、さらに買い進んだと考えられます。
2、区別の変化率
ここからは、各区の土地価格の変化率を地図上に落としてみましたので、チェックしていきましょう。
*なお、各区の地図をこのページに表示させたところ、ページが重くなって開きにくくなったので、画像下の参考リンクに、各区のページのリンク先を貼ってます。地図をもっと詳しく見たい場合に、ご活用ください。
(1)都心3区
こちらは都心3区の千代田区、中央区、港区です。

濃い赤色のマークが、2020年から25年の5年間で50%以上の上昇をしているエリアで、以下、ピンク、オレンジ、黄緑と続きます。
マイナスの地区は、青と紫の矢印のマークのものになります。
ごちゃっとしていますが、赤やピンクが大きく上昇しているものとしてみてください。
港区は、新橋や六本木などの北側よりも、高輪ゲートウェイ駅や品川駅方面の南側、湾岸エリアで、ピンク色のマークが目立ちますね。
千代田区ですと、丸の内や日比谷のようなオフィス街では、むしろ下落しています。上昇エリアは、北側の神田や御茶ノ水、市谷などに偏っていました。
中央区も、東京駅の周辺はあまり上がっておらず、銀座では大きく下落しています。大きく上がっているのは、月島や馬喰町など、隅田川沿いに多い印象です。
これら都心3区では、オフィス街や商業エリアは、それほど上がっておらず、湾岸部、隅田川沿いなどの、マンションが立ちそうな住宅エリアの需要が高いような感じですね。
(2)城東地区
次に、城東地区を見ていきましょう。

台東区では、浅草駅より北側のあたりが、かなり広範囲で上昇していますね。
江東区は、豊洲駅、亀戸駅などの駅周辺で大きく上昇している印象です。

葛飾区は、オレンジ色がほとんどでわかりにくいと思いますが、新小岩駅や綾瀬駅の周辺で、2割以上の上昇をしています。このような、一部の人気駅の周辺は、上昇率が高いですが、一方で、金町(かなまち)駅より北側の水元(みずもと)地区は、駅から1km以上離れていることもあって、上昇率は低めです。
墨田区も、全域オレンジですが、両国駅や錦糸町駅のあたりが、3割近い上昇をしています。
隅田川沿いは、先ほどの中央区でも大きく上昇していましたが、対岸のこちら側もけっこう上がっていますね。
江戸川区は、平井駅のあたりが高いです。
また、都心から少し距離があるからか、駅周辺は高いものの、駅から離れた住宅地では、10%未満の上昇を示す緑色のマークがちらほら見られます。
(3)城西地区
次は、城西地区です。

渋谷区は、渋谷駅や原宿駅、新宿駅の近くで、緑色のマークが見られますが、これは坪単価が1000万円以上の商業エリアです。ここまで高くなると、家賃も高くなるし、敬遠されているのかも知れません。
その周りで、ピンクのマークが見られますが、坪200~300万円のエリアが多い印象ですね。都心の住宅需要は高いので、マンション建設で儲かりそうなところは、上がりやすいということなのでしょう。
新宿区も同様です。
新宿駅に近いところほど、緑や青のマークが目立ってます。商業エリアは、単価が上がりすぎたため、下落しているところもあるんですね。
目立って上がっているのは、飯田橋駅や、曙橋駅といった、すぐに職場に行けるような駅近エリアでした。
中野区でも同じように、中野駅や東中野駅など、新宿駅に近い駅近エリアほど高い傾向にありました。

世田谷区は、都心に近い東側がオレンジ色で、西側と荒川沿いが緑といった感じですね。
その中でも、下北沢駅、三軒茶屋駅、池尻大橋駅などの、渋谷に近い駅周辺は2割以上上がっていますが、他はだいたい10%台となっています。
また、下北沢でも、坪単価の高いエリアは、あまり上がっていないことから、商業エリアの需要はそれほど高くなく、マンション需要によるものと考えられます。
杉並区は、中央線沿いの駅周辺が高いですね。阿佐ヶ谷駅、荻窪駅、高円寺駅などで3割から4割の上昇をしています。駅から遠い住宅地でも、オレンジ色が広がっていますが、だいたい15%前後のところが多い印象です。
練馬区は、東半分がオレンジ、西半分のさらに北側が緑といった感じですね。
大泉学園のあたりは、駅からも遠いところが多く、しかも、農地もそこそこ残っているので、次から次へと宅地化されて、土地があまり気味なのかも知れません。
(4)城南地区
次は城南エリアです。

目黒区は、恵比寿駅と渋谷駅から、ちょっと離れた住宅地のあたりに、ピンク色が目立っているような印象です。
これも、新宿の周辺で見られた現象に似ていますね。
品川区は、沿岸部と戸越銀座駅のあたり、目黒駅から少し離れたあたりなど、やはり住宅地としての利便性で、見られているような印象ですね。
大田区は、湾岸地区でピンクのマークがありますが、これらはいずれも工業専用地です。
大森駅や旗の台駅のあたりでは、2割以上の上昇エリアもありますが、それ以外は、だいたい15%前後というところですね。
また、田園調布のあたりは、あまり上がっていないようです。
YouTubeでも、田園調布って廃れてきた?みたいな動画がいくつか見られますが、高所得者もでかいお屋敷を建てるよりも、職場に近いマンションを選ぶようになっているのかも知れません。
(5)城北地区
次は、城北エリアです。

文京区は、都心に近いこともあって、ピンク色のマークがそこここに目立ってますね。
本郷三丁目駅や春日駅など、南側のエリアほど、上昇率が高い地区が多い印象です。
豊島区も、池袋駅の周辺よりも、そこからちょっと離れた駒込駅や、要町(かなめちょう)駅のあたりが高いですね
しかし、板橋区まで離れると、大山駅や新板橋駅などの、都心に近い南側の駅周辺で高く、北側に行くほど、上昇率が低めになっていました。

足立区も、南側の北千住駅や綾瀬駅のあたりが高いですが、北側では緑色のエリアが増えていますね。
荒川区も、日暮里駅や三ノ輪駅、町屋駅などの駅周辺が高いです。
北区も王子駅や赤羽駅のあたりが高いですね。
というわけで、全23区、駆け足で見てきましたが、この5年間の動きを強引にまとめるとこんな感じです。
・東京駅や渋谷駅、新宿駅などの、坪単価のオフィスエリア、商業エリアでは、あまり上がっていない
・上昇率が高めなのは、これらのオフィスに通いやすく、距離もそれほど離れてない住宅地、特にマンションが立つような近隣駅の周辺
・都心から離れると、緑色のエリアが増えていくが、下落しているところはない
といったところでしょうか。
3、これからどうなるのか?
ここまで東京23区内の土地価格の動きについて見てきましたが、今後はどうなっていくのでしょうか?
基本的には、ここまで各区について、ご紹介してきたような傾向はそれほど変わらないと思います。
その理由は4つあります。
(1)人口集中
1つ目は、23区への人口集中です。
圏外から引っ越してきた人と、出ていった人を差し引いた、転入超過数というデータがあります。

東京23区全体で見ると、日本の中心部ということもあって、若い人の人口流入が継続的にありますし、外国人の移住者もさらに増えています。
青色の部分が、15から29歳の若い世代で、灰色が外国人となっています。青色、灰色、いずれも大きくプラスになっていますね。
一方で、肌色の部分は、0~14歳の移住です。これらの子供たちは、一人で移住はできませんから、基本的には子育て世帯が移住していると考えられます。
新型コロナがあった2020年以降、この数は一気に増えました。特に21年がピークとなっており、その後は少なくなっていますが、都心回帰という動きよりも、出生数の急激な減少によって、家を持とうとする世帯が減ったのだと思われます。
こちらも、各区ごとに、ざっと見ていきましょう。

都心3区は、新型コロナ以前は、千代田区、中央区へ30~40代の移住者が結構いましたが、新型コロナ以降は、逆に出て行ってますね。ただ、その一方で、若い世代と外国人は相変わらず安定して増えていました。
城東地区も傾向は同じです。特に、また、外国人の移住者もかなり伸びていますね。

墨田区、江戸川区は、子育て世帯が新型コロナ以降、大きく流出しました。その一方で、墨田区は若い人と外国人が増えています。

江戸川区も外国人は増えていますが、若い人は減少傾向な印象です。
城西地区も、子育て世帯の流出が目立ちますね。また、新宿区は、外国人の伸びが大きい感じです。

世田谷区や杉並区は、2021年に転出超過となりました。中心部から離れているところですが、これよりさらに郊外に流れた人が多いようです。

また、城南地区の目黒区、品川区、大田区も、新型コロナの時には、転出超過でした。
総じて、西側の区は、リモートワークが広がった時期に転出超過だった句が多い印象です。

同時期に、湘南や八王子、町田あたりで、移住者が増えていましたが、そちらに流れた人が多かったのでしょう。
次は城北地区です。

文京区や豊島区は、それほど子育て世帯の脱出は見られませんね。

荒川区は、これまで外国人があまり増えてませんでしたが、ここ1、2年で大きく増加してきました。北区、足立区でも増えていますね。
こんな感じで、新型コロナ以降、だいたいの区において、子育て世帯が郊外に移住する流れができている一方で、若い世代は安定して入ってきて、外国人はむしろ増加傾向にあります。
政府はここ2、3年で、外国人の移住者を増やしており、年間35万人ペースで受け入れています。その受け皿となっているのが、東京23区であり、これは主に賃貸需要を増やします。
東京23区では、この2年ぐらいで家賃が1割ぐらい上がっていますが、それは、外国人の移住者の増加とタイミング的には一致しています。

また、このような賃貸需要を狙ってか、銀行でも不動産業向けの新規貸出は増加傾向にあり、昨年はここ30年ぐらいで、最高を更新しました。そのため、賃貸で儲けられそうな駅周辺では、土地も高く取引されているのでしょう。
政府が外国人の受け入れを、どのぐらいのペースで考えているのかわかりませんが、このまま続くのであれば、賃貸需要はまだまだ強そうな感じがしますね。
(2)未婚化、少子化
2つ目の理由は、未婚化、少子化で持ち家需要が減るということです。
2018年から23年までの5年間で、東京23区では出生数が19%減ってます。

結婚する人も、子供を産む人も減っているわけですから、持ち家の需要はさらに減っていきます。
昨年、政府が5年に1度の人口推計を出しましたが、この推計のメインシナリオでは、合計特殊出生率が1.3倍がずっと続くことを想定したものでした。
ですが、実際にはすでに1.15倍となっており、すでに政府予想が当てにならなくなっています。
こちらのグラフは、今のペースで、年率5%程度の出生数の減少が続いた場合の、0~14歳の人口の予想です。
青が政府予想で、赤が私が作成したものですが、このままいくと、0~14歳の人口は、これから10年で2割減ると考えられます。
人が家を買う理由は、結婚や出産で、今の住居が狭くなってきたからということが大きいでしょう。
ですが、そのような人がさらに減っていくわけですから、持ち家に対する需要はさらに減っていくと考えられます。
(3)死亡者数、相続件数の増加
3つ目が、死亡者数、相続件数の増加です。
今年は2025年問題ということで、団塊世代が75歳以上の後期高齢者に突入したことで、医療費や介護などの社会保障費用の増加がさらに進むと騒がれています。

それとともに、日本国内では、死亡者数も増えています。高齢化が進んでいるわけですから、亡くなる人が増えるのは自然なことと言えます。
ですが、死亡者が増えるということは、もし相続人が一緒に住んでいなければ、その家は空き家になってしまいます。
ここ数年の不動産価格のさらなる上昇によって、不動産の相続税評価はさらに上がっています。
そのため、相続税を支払う人の割合は、約1割にまで増えています。
おそらく、この傾向はさらに進むので、相続税を支払わなければいけない人は、これからさらに増えるでしょう。

また、東京23区の高齢化は、これからが本番です。
85歳以上の人口予想では、2035年まではずっと増加が予想されています。そのため、相続件数は今後さらに増えていくと予想されます。
(4)株高、円安がいつまで続くのか?
そして4つ目が、株高、円安の行方です。
特に中古マンション市場については、日経平均株価との似たような感じで動いてきました。リーマンショックがあった2008~09年にかけては、都心3区のマンション価格も2割以上下落しています。

なので、今後も株価が上がるのであれば、富裕層による高値買いは続くでしょうが、下落するのであれば、それも止まります。

昨年は1ドル160円の超円安だった時期もあり、外国人観光客による爆買いで、東名阪の百貨店は、過去最高の売り上げを出していました。
しかし、今年に入ってからは、1割ぐらい円高が進んだことで、売り上げの前年比割れが続いています。なので、円安が進むかどうかも、外国人の日本買いが続くかどうかのポイントとなるでしょう。
というわけで、結論です。
東京23区の土地価格についてまとめるとこうなります。
・若い人や外国人が23区に移住する流れは変わらず、家賃は上がりやすく、銀行も金を貸すので、人気エリアほど、価格が上がりやすい状況は続く
・その一方で、未婚化、少子化がさらに進むため、買い手はさらに減っていく
・さらに、高齢化はこれからが本番で、死亡者もさらに増えるため、売り物件は増えていく
つまり、売り手は増えるけど、買い手は減っていくので、買い手がつきにくいエリアはさらに増えるというわけです。
なので、人気エリアではない、駅から遠い、賃貸需要が少ない戸建てエリアほど、今後はさらに厳しくなっていくでしょう。
ただし、金融市場は、トランプ政権の動きに振り回されていくので、株安、円高になった場合には、投資家向けの不動産市場は、影響を受けそうですから、そういったエリアについては、金融市場の動きも合わせて見ていく必要がありそうですね。
買うなら?売るなら?
最後に、このような予想を踏まえると、住宅購入または売却を考えている人は、どうしたらいいのか?について、考えてみます。
買うなら?

まずは、買いたい人についてですが、人気エリアのマンションや戸建ては、比較的、需要も高いため、価格の大きな値崩れは、当分期待はできないと思います。
しかし、都心から離れた区の、駅から離れたエリアでは、あまり上がっていません。
買い手は減ってきていますし、今後はさらに減っていくでしょうから、人気エリアを選ばなければ、安く買える可能性はあるでしょう。
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売るなら

次に売りたい人についてですが、都心に近いとか、駅周辺では、住宅の需要は強いので、高く売れる可能性は高いでしょう。
ですが、基本的に、今後増えるのは、地方からの若い世代と外国人ですので、主に賃貸需要です。
婚姻数の減少や出生数の低下はさらに進みそうですので、持ち家の需要は下がりますから、賃貸物件を建てやすい場所であれば、まだまだ上がるかもしれませんが、そうでなければ、買い手を探すのに苦労する可能性は上がっていきそうですね。
また、都心部の不動産は、株高、円安の恩恵を受けて、上がっているところも多いです。
国内外の投資家が買いそうなマンションであれば、転売目的の購入もありそうですので、金融市場の動き次第で、大きく影響を受ける物件も出てくるでしょう。
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周りで売り土地がそのまま放置されているとか、新しい家が立たないとか、人口が減少しているなどのエリアでは、公示地価を参考にしても、なかなか売れないといったこともあるので、注意が必要です。

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