今回の記事は、「習近平の世界観」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
自民党の新総裁が高市氏に決まりました。
私のチャンネルでは、小泉進次郎氏が勝つのでは?と予想してましたが、またまた、見事に外れました。なかなか予想というのは、難しいものですね。

それで、国内の政策がどう変わるのか?というところも気になるところではありますが、世界の政治情勢をあれこれ分析することが多い、うちのチャンネルとしては、気になるのが対中関係です。
高市氏は、昨年の終戦記念日にも、靖国神社を参拝してまして、毎年のように言っているそうです。
安倍元首相が首相在任中に参拝したのは、2013年の冬だけで、それ以降の首相が靖国神社を参拝することは控えていますが、高市氏が首相になってから、それをどうするのか?中国との関係をどうしていくのか?が、個人的には気になっています。
とはいうものの、YouTube上では、中国、そして習近平政権に対するイメージは良くないので、行けば行ったで良くやった!と騒ぐ人が出てきそうな気がします。
でも、多くの人は、そんなに中国との関係を波風立てて欲しくないと思っていると思います。
そこで、この記事では、中国や、習近平政権に対して、もう少しフラットな見方ができないものか?ということで、最近出た書籍を参考にしつつ、私なりの中国に対する見方をご紹介したいと思います。
それでは、参りましょう。
参考書籍
本題に入る前に、今回の記事で参考にした書籍をご紹介します。
それが、こちらの「中国やアメリカに戦わずして勝つ」です。

著者は、副島隆彦先生という方で、投資や歴史、中国など、結構幅広いテーマで書籍を出されていて、これまで200冊以上も書かれている、すごい人です。
私は、サラリーマン時代から先生のファンなのですが、何がすごいって、田舎のTUTAYAとかにも、普通に売ってるんですよね。
うちの嫁さんは北海道の、札幌から1時間以上離れた街が実家なのですが、そこのTUTAYAでも、普通においてましたし、私の実家も岩手ですが、イオンの書店コーナーとかに、普通に置かれていました。
つまり、全国にファンがいて、しかも、ずっと本を出し続けていられるのです。
先生の投資本は、主に金を買えというものですが、それも20年ぐらい前から言ってて、もうあれから金価格も10倍ぐらいになってるはずです。
そんな副島先生ですが、毎年のように、こんな感じの中国関連の書籍を出されてます。
今回の書籍は、その最新版ということで、かなり刺激的な内容だったので、今回の動画でも一部、参考にさせていただきました。
気になる方は一度チェックしてみてください。
それでは、ここからが本題です。
2、中国共産党の歴史
まず最初に、中国、そして中国共産党について考える際に、絶対に押さえておくべきことは、その人口の増加具合だと思います。

中国共産党が、国民党を台湾に追い出して、政権を取ったのは、1949年ですが、当時の人口は約5億人でした。それが、2019年には、14億人越えということで、この70年で2.6倍にまで増えた計算になります。
これを日本と比較すると、日本は同じ期間で1.5倍にしか増えていないので、いかに中国がものすごい勢いで人口を増やしてきたのかがわかりますよね。
下の矢印と数字は、それぞれ、10年間で何人増えたのかを表しています。
1949年から59年の10年間で、1.3億人増えて、2割増でした。その後も、10年で1億人以上増えるペースは変わらず、2000年前後まで続いていることがわかりますね。
日本は、戦後の経済成長とともに、人口が増加してきました。
団塊世代の方々も、子供の頃は貧しかったでしょうが、社会人になる頃にバブルを経験し、今は年金生活に入って、まあ、私たち氷河期世代よりかは、良い経済環境で人生を送られてきたと思います。
ですが、中国は全く違います。
1950年代には、大躍進政策といって、経済や自然の法則に逆らって、無茶苦茶な政策を行ったために、何千万人という人たちが餓死したそうです。
そして、60年代から70年代には、文化大革命というのがあって、当時の知識人やらエリートが軒並み捕まって、酷い目にあったと言います。習近平氏の親父さんも、共産党の幹部だったのですが、この時に捕まってひどい目に遭ってますし、その後のトップになった鄧小平氏も、ひどい目に遭ってました。
それが毛沢東というイカれたおっさんが、死んで、収まったのが1977年です。

その時点で、なんと中国の人口は、9億人を超えていたのです。
つまり、貧乏なまま、人口が2倍近くにまで増え続けてしまったのです。
なので、あの頃に中国が崩壊していたら、おそらく、日本にも何百万、何千万人という難民が来たと思います。それをなんとか食い止めたのが、鄧小平氏だったのです。
鄧小平氏は、79年から「私たち中国人、多すぎ!」ということで、一人っ子政策を導入して、もう産むなよと、人口増加に急ブレーキをかけました。
そして、「黒い猫でも白い猫でも、ネズミをとる猫がいい猫だ」ということで、必死に働いて豊かになっていこうという方向へ舵を切っていったのです。

また、1970年代に入ると、それまで国交が断絶していたアメリカとも、関係が修復されつつありました。1971年にキッシンジャーが訪中し、1979年にはアメリカと正式に国交樹立をします。
これ以降、経済関係も徐々に深めていくことができるようになりました。

しかし、それから10年後の1989年6月に天安門事件が起こります。
これは、民主化を求めた学生が、北京の天安門広場に集まって抗議活動をしていたのが、どんどんエスカレートして、暴徒化したため、軍を出して鎮圧に乗り出し、多数の犠牲者が出たという事件でした。
この時に、海外に逃げた学生や人民軍の脱走兵、警察職員などが、400名以上いたと言われており、イエローバード作戦という名前で知られています。
この作戦はWikipediaにも載っているのですが、この海外への脱走の手引きをしたのが、アメリカのCIAや、イギリスのMI6などの諜報機関で、そもそもの、この抗議活動に資金や物資を提供していたようです。
なので、この天安門事件というのは、おそらく、米英による政府転覆工作だったのでしょう。

さらに、この天安門事件は、4月から始まっていたのですが、5月にソ連のゴルバチョフ書記長が訪中しており、これをきっかけに、欧米のジャーナリストが集まっていた時期でした。
このように、欧米のメディアがみんな見ている中で、わざと学生たちを煽って暴発させ、それを共産党が鎮圧せざるを得ない状況へと追い込んだのだろうと考えられます。
実際、その後、中国はG7から経済制裁を受け、窮地に陥ります。
アメリカとしてみれば、「お前らは、俺たちの下請けであって、でかい面すんなよ。いつでも、他の国に仕事を渡すことができるんだからな。」ということだったのでしょう。
また、イギリスも、1982年に鄧小平氏とサッチャー首相が会談を行った時に、サッチャーが香港の返還を渋った際に、「じゃあ、軍隊出して制圧しますから」と脅されて、ビビったということがあったため、中国に対して、仕返しをしてやりたかったのだと思います。
この頃から、イギリスという国は、腐ってるどうしようもない国だったんですね。

つまり、中国から見れば、アメリカというのは、仲良くしようぜとすり寄ってきたと思ったら、10年も経ったら、罠に嵌めようとしてくる、訳のわからない国というのが、実際の評価ではないかと思います。
とは言うものの、当時は米ドルが基軸通貨であり、経済も軍事も世界最強の国でしたから、ヘタに逆らったら、何をされるかわかりません。
なので、アメリカにはへーコラするフリをして、着々と軍事、経済を伸ばしていくという戦法へと舵を切ったのだと思われます。

それで、日本にとってみると、中国は韓国とともに、反日教育がひどい国という一面もあると思うのですが、この反日教育が始まったのは、1995年からです。
なぜこんな時期に始まったのか?というと、これは天安門事件の影響からです。
当時、中国の学生は、民主化を求めて天安門に集まってきた訳ですが、文化大革命から10年程度しか経っておらず、まともな生活ができる人は、ごく限られていました。
例えば、2020年に李克強首相が、中国では6億人の月収が1,000元、約1.5円でしかなく、貧困の解消はまだできていないと発言していました。
この時期は、中国は不動産バブルも弾けておらず、景気がまだまだ良かった時期です。
それでも、半分ぐらいが貧困ラインで暮らしているという訳ですから、その30年前であれば、日本人の感覚で、普通に暮らせていた人たちは、おそらく、1割にも満たなかったと思います。
なのに、そんな人たちが自由をよこせ、選挙させろと騒いだので、まだ残りの9割をなんとか食わしていく方が先だろ!ということで、経済成長を優先させたのでしょう。
そして、人権人権言ってる奴はぶっ潰す!ということで、そういう舐めたことを言う中国人を周りの人間が叩けるような教育、つまり反日教育を始めたのではないかと思います。
当時、中国の人たちにとって、リベラルな思想を持っていて、身近にある国といえば、日本でした。
なので、日本にかぶれて、リベラルな人権意識を持つ人が増えると、また、アメリカや、イカれたブリカスが、CIAやMI6とかを使って、暴動を起こそうとします。
そのような日本への共感を防ぎ、リベラルな人間を増やさないために、反日教育を始めたのではないでしょうか?

ただ、これは日本人から見れば、タイミングが悪すぎでした。
89年に天安門事件があって、G7諸国から総スカンを喰らっていた時に、中国の国際評価を回復させるのに貢献したのが、日本だったからです。
92年に平成天皇が訪中し、日中関係が良好なことをアピールして、世界的な評価が回復した2、3年後に反日教育を開始すれば、日本人から見れば「恩を仇で返しやがった」と思われても、しょうがありませんよね。
これが今にまで続いている、中国憎しの人たちの原因だと思います。

しかし、これを一歩離れて見てみると、中国という国がどうやって生き延びてきたのかが見えてきます。
簡単にいうと、中国と中国共産党は、国が崩壊しないためなら、その時の時代状況に応じて、なんでもやって来たのです。
毛沢東の頃は、植民地から独立するためならなんでもやりました。隣のソ連が強い国だったので、兄貴として慕い、兄貴の真似をしようとして無茶苦茶やって、結果的に貧乏子沢山の国になりました。
それが鄧小平に変わって、これ以上、人が増えすぎて貧乏が続いたら、飢えた人間がブチギレて、昔の中国の王朝のように潰れてしまうということで、国を豊かにするということだけに邁進することになりました。
ちょっと豊かになって、リベラルになりそうになったら、愛国者教育を導入して、日本やアメリカを敵対視することで、国内の不満を抑えて来ました。
そして、現在の習近平政権です。
習近平政権になってからは、それまでの鄧小平時代の豊かになれるなら、何やってもOKとやってきて、おかしくなってしまった社会のバランスを取るために、公務員の汚職を取り締まったり、BRICSを推進して、アメリカからの独立を図っているという状況です。
YouTubeで見る、習近平氏の動画は、だいたい独裁的で、経済センスもなくて、だからバブル崩壊が止まらないんだ、中国はついに終わる、みたいな内容が多いと思います。
ですが、習近平氏の生い立ちを見てみると、ちょっと違うんじゃないかなと思わせられます。

習近平氏は、親父の習仲勲氏が人気があったため、毛沢東に妬まれ、文化大革命で捕まってしまい、息子の習近平氏もひどいいじめに遭っていたようです。
そして、15歳になってからは、田舎に飛ばされて、そこで5年以上農作業をやらされ、洞窟暮らして、ノミやらダニに体中を刺されて大変な日々を経験しています。
中国が豊かになったのは、この30年ぐらいですから、今の60代、70代の人は、それこそ、地獄のような体験をした人も多かったと思われます。
そして、ようやく21歳の時に精華大学に入学できたのですが、15歳から農作業ばかりしてたので、学業についていけません。
そういう人が多いのが、習近平氏の同世代の人たちであり、それより下の、まともに高校大学へと行くことができた、お行儀のいいエリートに対しては、ちょっと物足りないというか、修羅場を潜ってねえじゃん、みたいな思いを持っているように思います。

なので、そんな経験をしている習近平氏から見れば、不動産バブルが崩壊しても、投資目的で作っても意味ねえだろ!となりますし、
学習塾だって、受験戦争を煽っても、点数稼ぎの子供しかできないじゃないか!となりますし、
鄧小平、江沢民時代の汚職まみれの官僚を野放しにしてれば、人民の不満が爆発するので、容赦無くぶっ潰すべきだ、となります。
これをメディアは強権的と言って批判する訳ですが、経済成長の恩恵を受けていない、6億人以上の人たちからみれば、よくやったということになる、だからこそ、2012年からの長期政権が続いているのだと思います。

そして、面白いのは、現在のトランプ政権が、ますます中国の後を追おうとしているという点です。
トランプ政権前までは、左翼リベラルが人権人権とうるさくて、不法移民を大量に受け入れて、治安が最悪なことになりました。
しかし、現在のトランプ政権は、海外の軍も国内に呼び寄せるとか、州兵を連邦政府の管理下において、大都市の不法移民を軍隊を使って掃討するとか、まるで天安門事件の時の中国のような強引さを見せています。
そして、保守政治活動家のチャーリー・カーク氏が暗殺されたことで、さらにリベラルな人たちを「極左=テロリスト」とみなして、ガンガン取り締まる一方で、キリスト教的な価値観に立ち返ろうとしています。
これなんかも、リベラルを否定するために、ナショナリズムとしての、反日教育を導入した中国と、重なりますよね。
なので、今のアメリカ政府あは、鄧小平時代、天安門事件以降の中国の後を追うような展開になって来ていると言えると思います。

その一方で中国は、これまでの反日教育色を押さえて来ています。
2024年の、愛国主義教育法では、反日色は薄れ、台湾の独立は断固として反対するとか、中国民族発展史という中国の未来像についても、教えることになりました。
購買力平価ベースのGDPでは、アメリカを抜いて1位になった中国にとって、小国の日本を仮想敵にし続けることは、「じゃあ、いつ攻めるんですか?」という話が盛り上がってくる可能性だってあります。
BRICSを束ねる中国が、そんなことになれば、他の国だって逃げ出しますので、いつまでも反日!反日!とやりにくい状況へと変わって来ていると思います。
そういう中で、高市氏が、これから中国とどのように向き合っていくのか?
状況を見ていきながら、今後もあれこれ、考察動画を出していきたいと思います。







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