この記事では、「トランプ政権発足から見えてきた、1ドル120円シナリオの道筋」について、考察していきます。
このサイトでは、11月から、月に1回ぐらいのペースで、1ドル120円になるというシナリオについて、検証しています。
今回で4回目になりますが、11月に始めた時が152円で、この記事を作っている2月11日現在でも、だいたい152円ですから、ほとんど変わってませんね。
流石に160円を超えてきたら、言い訳を考えようかとも思っていますが、今のところ、ほとんど横ばいなので、今回も好き勝手に、今後の予想をしていきたいと思います。
そんな緩い考察なので、投資の参考にはしない方がいいですからね。
損しても責任は取れませんので、実際に円高になった時に、「もしかしたら、本当にそうなのかもな」と思ってもらうぐらいで、よろしくお願いします。
それでは、参りましょう。
1、これまで言ってきた「1ドル120円シナリオ」について
まずはじめに、このサイトで、1ドル120円シナリオを考えている理由について、簡単に整理しておきます。
- トランプ政権は、金融業やIT産業など、一部の国民しか豊かにならない経済構造から、なるべく多くの国民が豊かになるように、製造業の国内回帰を進めようとしている
- そのため、なるべく海外にドルが流れないように、貿易赤字の国に対して、関税をかけようとしている。要するに、もう輸出してくるな。輸出するぐらいなら、アメリカに工場を作って、アメリカで売れ、ということ
- 関税を上げても、為替の変動で相殺されては意味がないので、相手の国の通貨が高くなるように仕向けようとするだろう。昨年4月に自民党の麻生さんがトランプ氏と会談して以降、政府は3回の円買い介入を行って、円高へと誘導しようとしているため、今後もやる気満々ではないか?
ということが、私が考えている、円高になりそうだという理由です。
そして、先週、日米首脳会談が行われて、トランプ政権と日本政府との関係が、本格的に始動しましたので、ドル円相場も、これからが本番なのではないか?と期待しています。
では、この1ヶ月の間に、どんなことが起こっていたのか?そして、これからどういった経路で、円高が進みそうなのか?について、私の考察をご紹介します。
2、現在のドル円相場と日米金利差について
まず押さえておきたいのは、これまでのドル円相場は、特に2022年以降においては、日米の金利差の動きとともに、上下をしているということです。
こちらのチャートは、ドル円相場と、日米の10年国債の金利差を表しています。金利差が開いたタイミングで、何度もドル円相場が円安に触れてきたことがわかりますね。
為替は、いろいろな理由によって、上下しますが、今のところは、この金利差による影響が大きいと考えていいと思っています。
そして現在、多くの経済の専門家が円安予想をしているのは、この金利差が今後も続くと考えているからです。
その理由は、大きく2つあると思います。
(1)トランプ政権の関税政策が、インフレをもたらす
1つ目は、このようなトランプ政権の関税政策が、アメリカの物価上昇率をさらに押し上げそうなので、FRBも利下げをしないだろうということ。
カナダやメキシコに25%の関税をかけるとか、アルミと鉄鋼に対して、25%の関税をかけるとか、トランプ政権は、関税の引き上げをいろいろとやろうとしていますが、自動車メーカーのフォードの社長は、関税をなんとかしてくれと議員に働きかけています。
このままでは、値上げせざるを得ず、売り上げが下がることを心配しているのでしょう。
(2)政府債務が36兆ドルもあるのに、減税しようとしている
2つ目は、トランプ政権は、減税を公約としているため、税収が減ることで、さらに政府の借金が増えるのではないか?という懸念です。
現在、アメリカの政府債務は36兆ドルに達しており、年間の利払費も1兆ドルを超えています。
そのため、税収が減れば、さらに借金を増やさなければならず、しかも現在のような高金利の状況ですと、借金が雪だるまのように増えていくと思われているのです。
米国債を安心資産だと思っている投資家は多いと思いますが、それでも、どんどん米国債を発行していけば、金利を上げないと買い手がつきにくくなってきます。
このような理由から、日米の金利差は、これからも開いたままの状況が続きそうなので、円安が進むのではないか?と思っているわけですね。
日銀は、今後金利を上げるのか?
では、日銀とFRBの政策金利の見通しはどうなのでしょうか?
まずは日銀を見てみましょう。
1月に政策金利を0.5%に引き上げることを決めましたが、その後も利上げをする方向で議論を進めています。
元日銀理事の早川氏が、ブルームバーグのインタビューに、来年には1.5%ぐらいにまで上げるのではないか?と答えています。
ここまで上げるのかは、今後の景気次第なのでしょうが、今年の更なる利上げについては、7月と予想する専門家が5割程度います。
今後は半年に一度ぐらいのペースで、利上げを行うのではないかとムードがあるようです。
FRBは、利上げに慎重
一方で、アメリカはどうでしょうか?
2/11、議会証言で、パウエルFRB議長は、政策金利を引き下げることはしないと発言をしました。これによって、2月12日現在、ドル円相場は153円にまで1円ほど円安になっています。
トランプ政権が、関税をこれからかけまくりそうなので、ここで金利を下げて、まあたインフレが加速したら、何を言われるかわからないということなのでしょう。
先ほど、円安を予想している専門家が多い理由として、関税によるインフレと、減税による国債発行の増加に伴う金利上昇を挙げましたが、そのシナリオ通りの反応を示しているように見えますね。
3、それでも円高だと予想する理由とは?
日本の金利は上がっても、アメリカは金利を下げないのであれば、日米の金利差はなかなか縮まりません。では、ドル円相場も、このまま円安が続くのでしょうか?
もちろん、私個人としては、こんな記事を作っているわけですから、そうは思っていません。
その理由について解説していきます。
理由は大きく2つあります。
(1)トランプ政権のウルトラCが待っている
1つ目は、トランプ政権のウルトラC的な政策です。
以前のこちらの動画でいろいろと取り上げていますが、現在のトランプ政権は、これまでのアメリカ政府の悪事をどんどん暴露していきながら、政府機能の削減に取り組んでいます。
YouTubeでも、多くのチャンネルが取り上げているのが、USAIDという、アメリカの海外支援の政府機関の汚職ですね。
この政府機関は、1万人ほどの職員がいましたが、海外の性転換手術への支援や、トランスジェンダーの普及活動、あとはテロ組織への支援などもやってることがバレて、97%の人が休職扱いとなり、約6兆円の予算もストップしました。
NHKや日テレ、日経新聞などのメディアや、外務省などの官公庁、そのほかにもいろいろな団体にたくさんの献金を行っていることがバレてきています。
日本でも、大統領選挙では、民主党のカマラ・ハリス氏が優勢との報道ばかりでしたが、それは、オールドメディアがUSAIDからお金をもらっていたからだったんですね。
このような活動の先頭に立っているのは、テスラのCEOでもあるイーロン・マスク氏なのですが、トランプ氏による大統領令のお墨付きもあって、財務省にアクセスして、情報へのアクセスを妨害しようとしてきた政府高官をクビにしたり、メチャクチャやっています。
そして、今後は国防総省の長官のピート・ヘグゼス氏が、同省の金の使い道についても、調べて欲しいといってますし、FBIが頑なに拒んできた、ケネディ大統領やキング牧師などの暗殺についての報告書の開示も行われる予定にあります。
なので、本当にこれまで闇に葬られてきた、いろいろなことがひっくり返りそうな状況になっているわけです。
36兆ドルの借金も嘘?
そんな中、トランプ氏は、なんと現在の国債の支払いにおいても、
「非常に詐欺的な行為が見つかっている。つまり、債務規模はわれわれが考えているより少ない可能性があるということだ」
と、不正が見つかったと発言しています。
現在36兆ドルあって、利払が1兆ドルを超えていると言われている、アメリカの政府債務に関する話が、実は嘘だったかもしれない、という話が出てきているのです。
もしこれが本当だとすると、現在の長期国債の金利は、下がる可能性が出てきます。そうなると、これまでの円安の根拠になっていた、日米の金利差がさらに縮小する可能性があります。
(2)政府の経済統計の嘘も、これから暴露されていく?
そして、もう1つ、素朴な疑問が生まれます。
これほど前政権までの、アメリカ政府のやり方がメチャクチャだったと明らかになってきたのに、なぜ雇用統計などの、経済指標だけは正しいと言い切れるのでしょうか?
現在、イーロン・マスク氏率いる政府効率化省は、あらゆる政府省庁のシステムにアクセスをして、その不正を見つけようとしています。
このような政府効率化省の動きに、政府職員の労働組合や、民主党系の議員などの反発はもちろんあって、調査の差し止めの訴訟が、幾つも出ています。
しかし、それらの訴訟もほとんど時間稼ぎになっておらず、裁判所による却下の判断も出てきました。
雇用統計などの、金融政策の重要情報となる経済統計を作成している労働省にも、これから本格的に査察に入っていくことになります。
昨年の「アメリカの景気がいい」ニュースは、選挙対策だった可能性も
昨年の大統領選挙では、アメリカの景気は強いと、マーケット関係者を中心に叫んでいました。それは、雇用統計などの経済統計が強いと判断されていたからです。
しかし、トランプ氏が当選したということは、治安が悪化し、生活が苦しくなっていたアメリカ国民が増えていたからですよね?
ということは、民主党候補を再選させるために、経済統計をいじっていた可能性は十分にあり得ると思います。
FRBが政策金利を引き下げないのは、物価は上昇しているけど、景気がいいと判断しているからです。
ですが、実は景気は悪いけど、物価は上がっているという状況だと判明すれば、その場合には、企業活動をやりやすくするために、金利の引き下げが行われるのではないでしょうか?
そうすると、長期金利、短期金利ともに、日米の金利差はさらに縮小していくため、ドル円相場は、円高に触れやすくなると思います。
4、円キャリー取引が終わりそう
また、今後金利差が縮小していくと、円キャリー取引の本格的な縮小が進むと考えられます。
昨年8月に日経平均が3,000円以上下落して、ドル円も140円近くまで、急激に円高が進みましたが、当時は、円キャリー取引の解消が進んだためだと騒がれました。
円キャリー取引とは、金利が低い円でお金を借りて、そのお金をドルに変えて、米国債などで運用するという投資戦略のことです。
昨年7月末に日銀が利上げを行ったことで、日米の金利差が縮小するという見方が広がり、このやり方はもうダメだと、反対決済をして逃げる投資家が続出したと言われています。
こちらのチャートは、シカゴの通貨先物市場のもので、黒色の下に伸びている棒線が、円売りドル買いの取引量を示しています。
7月から8月にかけて、この取引量が急減し、その後はほとんど見当たらないことからも、円キャリー取引は終わったと見る人もいるようです。
ですが、こちらの取引は、先物市場の中だけでのものであり、実際にこの取引をやっている人が、米国債を買っていたわけでもありません。
あくまで、指標的な意味合いでしかないのです。
円を借りて、ドルを買うという取引は、日本の銀行でもドル預金がありますし、世界中の多くの所でやれますので、全てを把握するようなデータはありません。
しかし、その手がかりとなるようなものの1つとして、こちらの外国銀行の在日支店の貸出金のデータがあります。
HSBCやシティバンクなどの、海外の銀行の日本支店が貸し出しているお金のデータですね。
赤色の線が、その貸出金の推移なのですが、ご覧の通り、かなり上下が激しいです。
例えば、工場を建てるとか、お店を出すとか、そういった事業にお金を貸しているのであれば、期間は5年10年20年という単位となるはずなので、こんなに短期間で数千億円、数兆円の増減があるのって、おかしいですよね?
これはむしろ、いつでも売買ができる、金融商品への投資が、かなり多いと考えて良いのではないでしょうか?
特に、2022年以降の急激な伸びは、ドル円相場の動きと似たような動きとなっており、しかも、昨年12月現在でも、貸出金の残高は、過去最高水準にあることから、円キャリー取引が、8月以降も続いている可能性が高いと思われます。
もし、今後、金利差が縮小していけば、円キャリー取引も縮小していくため、ドルから円に反対決済をして、貸出金が減っていくことになります。そうなれば、円高要因となりますよね。
為替系の投資をしている人は、トランプ政権の今後のひっくり返るような情報にも、注意をした方がいい
というわけで、トランプ政権発足後の、この3週間ぐらいの動きを踏まえて、一ドル120円シナリオについて、考察してきました。
これまでの記事では、日本の円買い介入による円高シナリオを考えていましたが、案外、金利差の縮小による円高の可能性も出てきたんじゃないかな?というのが、今回調べてみて、感じた印象です。
もちろん、金利差の縮小シナリオには、これからトランプ政権による、経済統計や、政府債務に関するスキャンダル、暴露が重要となってきますので、その内容次第で展開も変わってくるとは思っています。
ですが、今のトランプ政権のやってることの過激さを知れば知るほど、やりそうだなあと思ってしまいますね。
経済の専門家は、こういう可能性を考慮しての分析は、オフィシャルではできないと思いますので、投資をする際には、ご自分の判断がさらに重要になっていくように思います。
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