今回の動画は、「トランプに見捨てられるビットコイン」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
暗号通貨、仮想通貨などと呼ばれますが、その代表的なビットコインの価格の下落が止まりません。

2025年10月に、1ビットコイン1890万円の高値をつけて以降、ダラダラと下げていたのですが、ここ1週間ぐらいでさらに下落が加速し、この動画を作っている2月6日金曜日現在で、1,000万円を割るところまで来ています。
下落率は48%ということで、この4ヶ月で半値というわけですから、かなり凄まじい下げっぷりとなっていますね。
その他にも有名な暗号通貨にイーサリアムやリップルという銘柄もあるのですが、どちらも昨年つけた高値から6割ぐらい下がっていて、メタメタな状況になっています。
最近の下落は、金や銀相場の暴落や、ビッグテックの株価下落など、これまで上がっていた銘柄や商品の下落が凄まじいので、その損失の穴埋めのための換金売りではないかと言われています。

この辺りのことについては、こちらの投資系YouTubeチャンネルを運営されている、戸松信博さんの動画が詳しいので、興味のある方はチェックしてみてください。

それで、私が不思議に思っているのは、トランプ政権の反応です。
トランプ氏は、2024年の大統領選挙の時に、ビットコイン支持者に対して、アメリカをビットコイン超大国にしていく!と宣言し、拍手喝采を浴びました。
また、昨年4月にトランプ関税を宣言した後に、株価が大きく下がりましたが、それで慌てて関税を3ヶ月延期し、各国との交渉期間に入りました。
これによって、株価は大きく回復し、結局、昨年1年間の株式市場は、S&P500指数で見ると、約18%上昇していました。
こんな感じで、株価の動きにはかなり敏感に反応していたトランプ氏ですが、ビットコイン超大国にすると言っておきながら、高値から半値近くにまで落ちても、知らんぷりというのは、どういうことなのでしょうか?
そこでこの動画では、トランプ政権が考えているビットコイン戦略とは何なのか?
そして、その最終的な目的について考察していきたいと思います。
それでは、参りましょう。
2、トランプのビットコイン戦略
まず最初に、トランプ氏のビットコイン戦略について、ざっと見ていきたいと思います。

2024年7月に、トランプ氏はビットコインカンファレンスで、アメリカをビットコイン超大国にすると宣言し、観衆から拍手喝采を受けていました。
その中で、BTCの国家備蓄のための基金を創設すると構想を明かしており、これは実際に、戦略的ビットコイン準備金という計画で、大統領就任後の昨年3月に発表されています。
その内容は、各省庁が犯罪などで取り上げたビットコインなどの暗号通貨を財務省が管理するというものです。
なお、シンシア・ラミス上院議員などのビットコイン推進派は、5年間で100万ビットコインの購入していくべきだと主張していましたが、このような買い増しについての法案は、今のところ通っていません。
なので、単に預かっているだけと言えるでしょう。
ただ、前のバイデン政権の頃までは、暗号通貨は怪しい金融商品と見なされていましたので、そんなことはない、投資先としての価値はあるし、暗号通貨業界で働いている人たちのやってる技術革新は応援すべきだという姿勢を見せましたので、社会的な評価は以前よりもかなり改善されたとは思います。

そして、もう1つやったのが、ステーブルコイン関連の法整備です。
2025年7月に、ジーニアス法を成立させ、それまで怪しい業者が多く蔓延っていた、ステーブルコインの発行を銀行などの認可事業者のみに規制し、消費者が損失を被らないように、ルールを定めました。

このステーブルコインとは、カジノやゲーセンで使える専用コインのようなもののことで、ブロックチェーン技術が使われているビットコインなどの暗号通貨の売買で使えるコインになります。
感覚的には、ペイペイなどの電子マネーの使い勝手に近いと思います。
銀行預金からペイペイなどのアプリに送金して、お店で使ったり、誰かに送金したりすることができますが、これと同じ感覚で、ビットコインなどの暗号通貨の売買をしたり、お店や個人に送金することができます。
ただし、ペイペイなどの電子マネーと違って、ビットコインなどの暗号通貨の売買をしたい場合には、取引所にコインを移しておかないとできない、という感じですね。

それで、日本でも電子マネーを使っている人は、かなり多いと思うのですが、ステーブルコインを利用する人も増えており、アメリカの地銀では、生き残れるか微妙なところまで追い込まれているようです。
というのも、ステーブルコインは、
①海外送金の手数料が安いので、仕送りがしやすい
②特に新興国では、アルゼンチンみたいに通貨レートが無茶苦茶になってしまうこともあるので、米ドルベースの資産で持っておいた方が安全と思う人が多い
③小売店、飲食店でも、クレジットカード利用だと2、3%の手数料が取られるが、ステーブルコイン決済なら、そんな心配もない
など、手数料が安くて、通貨価値が安定している、という機能があって便利だからです。
米政府にとってのメリットは、米国債の保有者が増えること
と、ここまでは、消費者目線でのステーブルコインのメリットについてのお話でしたが、実はアメリカ政府にとっても、ステーブルコインの普及は大きなメリットがあります。
というのも、このステーブルコインという商品は、例えば1ドル=1コインで両替した場合に、業者はその1ドルを米国債などの安定した資産で保管する義務があるからです。

つまり、ステーブルコインの発行額が増えれば増えるほど、米国債の購入額も増えるのです。そのため、最大手のテザーは、約1223億ドル、約19兆円分の米国債を保有しており、その規模は韓国の保有分と同じレベルにまでになっています。
なので、今まだドルのまま持っている人たちをこのステーブルコインに誘導することで、もっと米国債を保有させることができるのです。

では、まだ米国債のような形で保有していなくて、ドルを持っている人たちは誰か?というと、これはユーロダラーの保有者でしょう。
ユーロダラーとは、米国外にあるドルの現預金のことで、その規模は10~13兆ドル、約1,500兆円から2,000兆円と言われています。
アメリカ政府の債務が38兆ドルまで膨らんで大変だと言われていますが、このユーロダラーの規模は、その3分の1ぐらいになるので、ここを攻めることができれば、十分に買い手を確保することができますよね。
今、アメリカでは、ステーブルコインの法整備だけでなく、株や投信、債券などの金融商品についても、ビットコインなどの暗号通貨と同じように、ブロッックチェーン上で運用できるようにと変えてきています。

例えば、最近ですと、JPモルガン銀行は、マネーマーケットファンド、昔の日本でいうところの中期国債ファンドみたいな商品製の投信を、ブロックチェーン化、これはオンチェーン化と言いますが、これにしてリリースしました。
このように金融商品をオンチェーン化すると、取引履歴が残るので、例えば、犯罪者の資金がどこからどこに行ったとか、そういうことが追跡できるようになりますし、証券会社や運用会社の営業時間など関係なく、好きな時に即時決済することができるようになったりします。
なので、全体的に便利になって、管理しやすくなるということで、この流れは進んで行かざるを得ないと思うのですが、そうやってアメリカが盛り上がれば、海外から米国に投資しようとしている人たちのユーロダラーも、どんどんブロックチェーン化されたステーブルコインを経由することになっていくでしょう。
そうなると、米国債の安定保有が進むと、そういうわけです。

なので、おそらくですが、ビットコインというのは、このような金融商品のオンチェーン化が進むまでの、客寄せパンダというのが、トランプ政権の考えなのではないでしょうか?
だからこそ、ビットコイン準備金として立ち上げたものの、買い増しもしなかったのだと思います。

さらに今回、FRBの次期議長にケビン・ウォーシュ氏を指名したことで、FRBがこれまでスリ散らかして積み上げてきたドル資産の回収を進める可能性が出ています。
ウォーシュ氏は、2006年から11年まで、FRBの理事を務めていた人で、2011年に量的緩和、日本でいうところの異次元緩和ですね、これをFRBがやることに反対して、辞任したという経歴の持ち主です。
そんな人が、次期のFRB議長に指名されたということは、これまでのスリ散らかし一辺倒だった、通貨政策が変わってくる可能性があります。
ビットコインが生まれたのは、2009年なのですが、その前年にリーマンショックがあって、この時にアメリカの金融機関が無茶苦茶やってて、しかもFRBがそれを放置していたということで、米ドルなんて信用ならねえ!と思った人たちの対抗策として、発行量が限られているビットコインや、金などに注目が集まって、そこから火がついたという経緯があります。
しかし、ウォーシュ氏が、当時の考え方を持っているのであれば、FRBが増やしてきた米国債や社債、住宅ローン担保証券などの金融商品を売却してドルを回収していくはずですので、ドルの価値の安定化を目指していくことになります。
そうなると、アメリカはどうせインフレが進んで米ドルの価値が下がるんだから、ビットコインを持っておいた方がどんどん上がるんだ、というビットコイン信者が持っているであろうシナリオが、崩れてくる可能性がありそうです。
ただ、最近の暴落の原因は、中国の投資家による投げ売りの可能性が高そうなので、トランプ政権のこういった思惑とは関係なしに、上がる可能性はありますので、正直な話、これからどうなるのかはよくわかりません。
ただ、トランプ政権がビットコイン大国とか、暗号通貨の首都といった、派手な言葉で宣伝しようとしているのは、むしろ、ステーブルコインの普及を進めるためなのだろうと思っています。
この辺りの進捗は、たまに動画にしていきたいと思います。







コメント