今回の動画は、「ヘタレの美学。マクロンの2025年の通信簿」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
同じ1977年生まれで、年増の嫁さん持ちという共通点のあるマクロン大統領なので、個人的には、50手前で頑張ってる同級生として応援したい気持ちでいっぱいなのですが、世論調査を見てみると、マクロン氏の評価は年々下落傾向にあって、今年は過去最低の支持率だったようです。

理由はいろいろあると思いますが、首相がコロコロ変わるくせに、緊縮予算しか出してこないとか、移民が増えて大変だとか、ウクライナ戦争にも徹底支援して、終戦交渉の邪魔をしてるとか、特に今年は、いろいろとツッコミどころが多かった年だとは思います。

しかし、俺たちのマクロンが、こんな無能なわけがありません。
このチャンネルでは、アメリカやイギリス、ドイツなどの欧米諸国の政治経済についても、あれこれ動画を出していますが、他の国と比較してみると、フランスはずいぶんマシだというのが、正直な印象です。
特に、イギリスやドイツと比べてみると、
・移民の受け入れ数が、それほど多くないとか、
・絶対に頭がイカれた左派政党から首相を出さないとか、
そういうギリギリのところをきちんと押さえていると思います。
そこで、今回の動画では、どうしても誤解されやすいヘタレ政治家のマクロン氏が、これから欧州そしてフランスをどうしていこうとしているのか?について、考察していきたいと思います。
それでは、参りましょう。
参考書籍
本題に入る前に、書籍のご紹介をします。
それがこちらの「革命 フランス大統領マクロンの思想と政策」です。

著者は、マクロン大統領本人で、日本では2018年4月に出ているので、7年以上前の書籍ですね。
フランス版は2016年に出版されており、ベストセラーになっています。
翌年の大統領選挙での投票の参考にした人も多かったのではないかと思います。
内容的には、機能不全となったフランスという国家システムを、民主主義革命で再建しなければいけないということで、なんだか小泉竹中の構造改革のような雰囲気もありますが、現在のフランスが置かれている現状や国際社会での立ち位置などを考えると、結構発見があったりします。
それでは、本題です。
2、マクロンは何を目指しているのか?
まずこの書籍の中で書かれているマクロンの主張について、いくつか重要な点をピックアップしていきます。
(1)マクロンが壊したいものは、「停滞」
1つ目は、マクロンが壊したいものは何か?ということなのですが、それは停滞です。
フランスは公務員の割合が、労働者の2割以上を占めている、公務員天国の国です。

こちらは、OECD諸国の公務員の割合が高い順に並べたものですが、フランスはノルウェーやスウェーデンなどの北欧諸国に次いで、8位となっていますね。
一方で、日本はダントツの少なさとなっています。
8位というと、それほど高くないように思うかもしれませんが、上位の国の多くが、人口が1000万人未満の小国です。
それに対して、フランスは7000万人近い人口を要する、そこそこでかい国なのに、2割以上が公務員なわけですから、いかに無駄に公務員やってる人が多い国なのかがわかりますね。
その分、実際の経済活動、生産活動を担う人が少なくなりますから、移民で補うという形になっているわけです。
何も生産しない人が多い中で、生産者がこき使われているという状況を考えると、日本のシルバー民主主義と似たような状況と言えなくもないでしょう。
(2)マクロンが目指したいものは、生産者の国の復活
2つ目は、マクロンが目指したいものは、生産者の国の復活です。
1つ目に関連しますが、マクロンが目指している国づくりは、現在の日本が目指す将来像とかなり似ているように思います。

日本の事例に即して説明してみると、
①霞ヶ関の官僚による中央集権からの脱却
②業種ごとに分かれている社会保障制度の統合、これは、日本の氷河期世代の非正規労働者の社会保障問題に通じる部分がありますね
そして、
③大企業優先、公務員優先の社会制度の撤廃
などです。
要するに、何も生み出さない、大きな組織にぶら下がってる人たちを社会に放り出して、生産する個人になってもらおうというのが、基本的なビジョンだと思います。

マクロンの革命には、このような文章があります。
「正当な繁栄とは、一人一人が何かを作り出し、活動し、起業する自由、それを可能にするためのチャンスを与えられる平等、そして社会における博愛、特に社会的弱者に対する博愛がもたらされることだ」
以上です。
しかし、このような綺麗事を喋ってはいるものの、一方で、環境は大事、グリーンテックは大事などの、グローバリストが大好物のアホな政策を支持してるとも書かれています。
また、最近のウクライナ戦争でのロシアへの徹底抗戦の姿勢を見ると、マクロンはグローバリストとみている人は多いのではないでしょうか?
マクロンは反グローバリストだと思う
ここはどちらが本当のマクロンなのか?を考えなければいけないのですが、私はマクロンは、実は反グローバリスト側の人間だと思っています。
そう思う理由は、トランプやプーチン、習近平などの、反グローバリストの政治家と仲がいいということです。

例えば、欧州の政治家の中で、プーチン氏と最も頻繁にあったり連絡をとっているのは、マクロンです。
2024年2月24日から始まったロシアのウクライナ侵攻の直前まで、プーチン氏に何度も電話をかけ、モスクワにも直接会いに行って、戦争回避の説得に当たっていたのはマクロンでした。

また、昨年12月に、火事で焼けたノートルダム大聖堂が再建したことでの式典にトランプ氏を招待して、ゼレンスキー氏も交えて、トランプ政権発足後のウクライナ戦争の決着の仕方についての作戦会議も開いています。
当時、石破首相がトランプ当選直後に電話をかけて、安倍元首相のように早期の会談を行いたいと打診しましたが、ワンコロのように擦り寄ってきそうだったのがウザくて、後にしてくれと断られてましたが、マクロン氏とは喜んで合っていたのです。

そもそも、マクロンはNATOはアメリカにおんぶに抱っこの状態から抜け出して、欧州として自立すべきだと言っていた人です。
2019年はNATO設立70周年の年でしたが、この時にマクロンは、今のNATOは脳死状態だと批判しています。アメリカに支配された状態なんてダメだよと言ってたのです。
この主張は、まさに反グローバリズムだと言えるでしょう。
というのも、トランプ政権以外のそれまでのアメリカの政権は、NATOの加盟国を増やして、ロシアを挑発し続けてきたからです。ウクライナ戦争の挑発をし続けたのは、オバマ政権とバイデン政権でした。
そういうアメリカのやりたい放題を防ぐためにも、アメリカに負んぶに抱っこの状態はダメだという批判だったのだと思います。
3、マクロンは今年、何をやったのか?

このように考えた場合に、マクロンの今年の動きは、どう解釈できるでしょうか?
私は、ウクライナ戦争が長期化しているのは、ロシアがわざとウクライナ戦争を長引かせることで、欧州やアメリカの兵器や金を浪費させ、2度とロシアにちょっかいが出せないほどの、国力の弱体化を進めるためだと考えています。
アメリカは、トランプ政権になったことで、旧来の戦争屋が排除され、テック系の企業を中心とした新しい軍産複合体へと生まれ変わろうとしていますが、イギリスやEU諸国は、武器を浪費させて経済的に崩壊させないと懲りねえ奴らだとみていると思います。
というのも、欧州には、トランプ政権のように、強権的にグローバリストをぶっ叩ける政治家、政党が生まれていないからです。
そのため、マクロンはプーチンやトランプの考えている、ウクライナ戦争の長期化と、アメリカのNATOからの撤退に手を貸してきたのではないかと思います。
具体例で見ていきましょう。
(1)2月の欧州首脳会議で、戦争継続に手を貸す
1つ目は、2月の欧州首脳会議です。
1月に、トランプ政権が発足して、2月にはトランプ氏とプーチン氏による電話会談が行われ、その時にウクライナ戦争の終戦交渉は、ウクライナや欧州は参加させないで行うということが確認されました。

これに怒ったのが欧州首脳だったのですが、その時にみんなを集めて、これからどうする?と会議を開催したのがマクロンでした。
フランスのエリゼ宮に欧州首脳を集めて、仲間はずれにされたけど、僕たちだけで頑張ろう!ロシアに徹底抗戦しよう!ウクライナを一緒に守ろう!ということを決めたのです。
これによって、「プーチン・トランプ 対 欧州」という構図が出来上がり、終戦交渉はずっと平行線を続けることとなりました。
ウクライナ戦争の長期化という意味で言えば、大成功だったわけです。
(2)やべえ法案はドタキャン
2つ目は、そうは言っても、やべえ法案はドタキャンということです。
今月12月に行われたEUサミットでは、ロシアの凍結資産を活用して、ウクライナの戦費に充てるという話が出ていたのですが、結局、フランスやベルギーなどが反対に回って、グダグダになって終了しました。

欧州みんなで結束して、ロシアに対抗しようと言っておきながら、本当にプーチンが怒りそうなことは、ドタキャンして潰すというわけです。
トランプ氏は、4月の相互関税発表以降、主に中国に対する弱腰から、トランプはいつも逃げる、「Trump Always Chickens Out 」略して “TACO” と呼ばれていましたが、マクロンも “MACO”なヘタレっぷりを見せていたんですね。
このように、欧州諸国は、ロシアに対して、ウクライナを守るんだという姿勢を明確にして、ウクライナ戦争を終わらせないようにしておきながらも、ロシアの資産没収はしないというところで、ダラダラと戦争状態を続けているように見えます。
(3)キモいふりをして、米国の欧州撤退の口実を作る
そして3つ目は、キモいふりをすることで、アメリカのNATO撤退を促してきたということです。

12月24日に、アメリカが欧州の言論弾圧をしてきた政治家、活動家5人の入国を禁止すると発表しました。
その中でも有名なのが、マクロンが指名した元欧州委員のティエリー・ブルトン氏です。
この人は、昨年8月にイーロン・マスクがX上でトランプと公開インタビューをしようとしたところ、「それはヘイトスピーチの可能性があるからやめろ」と、口出ししてきた人です。
なんで、アメリカ大統領選挙の活動を欧州のどっかのおっさんがやめろと口出しできるのか?と、頭がイカれてる人だと、私は当時は思っていたのですが、この人の経歴を見てみると、アメリカでソフトウェア会社を起業して、その後、いろいろな会社の立て直しを任されるようになって、最終的には、フランスのNTT的な存在の、フランステレコムも復活させたという、まるでフランス版の稲盛和夫先生のような人でした。

そんな人が、頭がイカれてるわけがないということで、その後の動きも見てみると、この8月の騒動の翌月に、EU委員長のフォンデアライエン氏と喧嘩して、クビになってるんですね。
また、その後の昨年12月に、ルーマニアの大統領選挙があった際に、極右候補者として、欧米メディアから嫌われていたジョルジェスク氏が投票率1位だったのですが、アメリカの横槍が入って、その後おそらく、EU委員会も圧力を行ったのでしょう。
この選挙結果は無効となったのですが、この時にもブルトン氏は、EU委員が選挙を無効にさせたけど文句ある?なんなら、ドイツでもAfDが勝ったら、同じことをするよと発言していました。
これは脅しとか、挑発のように聞こえるかもしれませんが、この時期はすでにブルトン氏は欧州委員をクビになってるのです。
なので、この発言はむしろ、欧州委員会のやべえ体質を暴露したと取れるでしょう。

こういうやべえやつのふりをして、そして、欧州をやべえやつの集まりだとアピールすることによって、アメリカが欧州から軍隊を撤退させる口実ができつつあるのだと思います。
12月に入って、トランプ政権は国家安全保障戦略を発表しましたが、この内容を見ると、欧州をボロカスに叩いていました。
言論の自由も守れない、狂った国々であり、まともな国々に復活してもらいたいみたいなことが書かれていました。
そして、このようなアメリカ政府の欧州に対する認識がオフィシャルになったことで、欧州からの米軍の撤退が現実味を帯びてきています。
例えば、現在ドイツの国防省は、アメリカ国防総省との連絡網がブロックされているそうです。そのため、ドイツ大使館を通じてしか連絡できなくなったと、現役の将軍がインタビューで語っています。
欧州には、まだ米軍が何万人と駐留していますので、それらの人たちが撤退すれば、ロシアの目的も達成されるので、終戦に近づくでしょう。ですが、まだ本格的な撤退の動きは出ていないので、ウクライナ戦争はもう少し続きそうな気がしますね。
そのため、マクロン氏による、
「ウクライナを守るんだ!
ロシアとは徹底抗戦だ!
でも、ロシアを怒らせるなよ!
言論の自由?
なにそれ美味しいの?」
みたいな、ふざけた動きは、これからも続くと思います。
それは、ハタから見ると、一貫性のないように見えたり、フランス国民のためになっていないように見えたりすると思いますが、その裏には、こういった意図が隠されているのではないかと思いますね。
イギリスやドイツについては、政治家や官僚のいかれてるからか、移民犯罪や産業の衰退が酷いことになっているため、どうしても批判的な見方になってしまいがちですが、マクロンとフランスについては、これぐらいで見るぐらいがちょうどいいのではないかと思います。
今後も定期的に、マクロンのヘタレ具合を動画にしていきたいと思います。






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