生成AIの進化で投資詐欺が爆増する未来。そのパターンと対処法 | イエ&ライフ

生成AIの進化で投資詐欺が爆増する未来。そのパターンと対処法

youtube原稿

この記事では、「投資詐欺に気をつけろ。誰もが騙される生成AI時代に押さえておくべき、詐欺の見分け方」と言うことで、やっていきたいと思います。

 

1、はじめに

先日、googleが発表した生成AIモデルVeo3が話題となっています。

これまでもYouTube上では、生成AIを活用したイラストや画像、動画が数多く投稿されてきましたが、そのレベルが2つも3つも上がったような感じです。

 

(参考:Google)

 

具体的には、

・生成された動画のリアルさが、まるで映画並み

・しかも、音声もそれに合わせて生成できるようになった。人物の声や、風の音、車の音など、本当にその場で撮ったようにしか見えない

・有名人に喋らせることもできるようになったので、本当に言っているように聞こえる

・1枚の画像から、動画にして、喋らせることも可能

と言ったことができるようになっています。

 

具体的に見ていきましょう。

たとえば、こちらの左側の記事にある画像は、よく使われるネットミームとなっているものです。

 

 

これが、veo3を使うと、このように動画化され、しかも、セリフまで喋ってくれるようになりました。

 

 

やばくないですか?音声が入ると、一気にリアル感が増しますよね。

今回、Veo3を取り上げているYouTuberの動画をいくつか拝見しましたが、多くの人が「絶対騙される」と言ってました。

 

それほどに、衝撃的な進化だったと、私も思います。

そして、これによって、おそらくですが、詐欺広告の被害が、爆発的に増えていくのではないかと思われます。

 

そこで、今回の動画では、これからどんな詐欺広告が出てきそうなのか?

そして、それらの詐欺から身を守る対応方法について、考察していきたいと思います。

それでは、参りましょう。

 

2、詐欺被害の現状

まず最初に、投資詐欺の被害の実態について、簡単に押さえておきましょう。

警察庁のHPに、「特殊詐欺対策ページ」があります。ここに、被害の実態が詳しく書かれているのですが、被害の中心は50代以上の方が7割以上を占めています。

 

(参考:警察庁「特殊詐欺対策ページ」)

 

私のYouTubeチャンネルの視聴者さんの半分以上が50代以上の方なので、投資詐欺広告が表示される頻度も多いのではないかと思いますが、やはり若い世代よりもお金を持っているので、集中的に狙われているのではないかと思います。

 

(参考:警察庁「特殊詐欺対策ページ」)

 

そして、どこで最初に接触しているのか?というと、LINE、インスタ、facebookが男女ともに圧倒的に多いようですね。

Facebookとインスタの親会社のメタは、金のためなら何でもやるような、本当に碌でもない会社だと思うので、絶対に広告のクリックはしないことをお勧めします。

 

また、LINEも多いみたいですね。

LINEは以前は韓国が親会社でしたが、今はソフトバンクグループのヤフーの傘下にあります。

なので、日本人が運営している企業なわけですが、詐欺被害については、放置状態のようなので、家族や友人とのコミュニケーションツールとして割り切った方が、いいと思います。

 

そして、被害時の連絡ツールは、9割以上がLINEとなっています。

 

(参考:警察庁「特殊詐欺対策ページ」)

 

このことから、適当なアカウントで連絡して仲良くなったり、詐欺広告で誘導する先には、必ずと言っていいほど、LINEでの連絡が待ち構えているので、「投資案件とLINE」という組み合わせは、100%詐欺だと思いこむぐらいの方が、無駄な回り道の人生を送らずに済むと思います。

 

3、なぜ騙されるのか?3つの基本パターン

では、なぜみんな投資で騙されるのか?ということですが、これは、大きくは3種類あると思います。

 

(1)「儲かってる証拠」があると信じてしまう

1つ目は、儲かった、とアピールする人や証拠が出回っているため、その言葉を信じてしまうパターンです。

 

(参考:FBI)

 

2008年にナスダックの元会長だった、バーナード・マドフ氏が詐欺で捕まりました。

被害額は、500億ドルから650ドルと、当時のレートで見ると、だいたい5~6兆円にもなる、史上最大の詐欺事件でした。

 

被害者の中には、スティーブン・スピルバーグなどの有名な人もいれば、野村證券やあおぞら銀行などの、日本の大企業も名を連ねていました。

金融機関まで騙されるとか、おそらく、自分の頭で考えることができなかった人たちなのでしょう。

 

やっていたことは単純で、要は預かったお金を適当に投資をするふりをして、儲かったとアピールして、さらに他の人からお金を集めるという、いわゆる「ねずみ講」、ポンジスキームと呼ばれるものです。

1960年代から、ねずみ講をやっていたのですが、その時々で、都合の良い投資方法をでっち上げて、お客さん向けの明細書にも、「こうやって儲けました!」という内容のものを送っていたので、みんなすっかり騙されてしまったのです。

 

SECはそれまで何度も、マドフ氏の会社の監査に入っています。

ですが、その都度、完璧な書類を用意したり、捜査の穴をついたりして、50年近く逃げ続けることができました。

そして、最終的には、リーマンショックで金が必要になった投資家が殺到したことで、降参したというわけです。

 

このことから分かる通り、儲かったとか、すごい投資法とか、そういうものは、体裁を整えれば、なんとでもなるのです。日本の大企業だって、普通に騙されているんですからね。

現在、SNSで行われている詐欺についても、PCやスマホに表示される利益額とか、貯金の残高とか、そういうものを証拠として出して信じさせようとしますが、こういう画面だって、いくらでも作れます。

 

なので、ネット上の儲け話は、100%ウソと思っておいて、間違いないと思います。

何かに乗るなら、最低1年以上、その人の情報発信を追っかけるぐらいの、慎重さが必要だと思います。

 

(2)有名人が言うと、信じてしまう

2つ目は、有名人やインフルエンサーが言ってるように見えるからです。

SNSが普及したことで、多くのインフルエンサーが生まれています。それらのインフルエンサーは、YouTubeであれば、広告収入が入りますが、それだけではやっていけない人も多いと思います。

 

(参考:ねとらぼ)

 

なので、企業からの宣伝依頼を仕事にもらうわけですが、投資案件を引き受ける人も結構います。それが、結構怪しい場合もあるわけです。

 

無断利用も増えている

また、有名人の画像を無断で使って、これだけ儲かったと宣伝する業者?というか、犯罪集団も増えています。

 

 

今年に入って、ミャンマーで日本人が監禁された状態で、電話やLINEで詐欺の勧誘を行う「かけ子」をさせられているということが、ニュースになって話題となりました。

日本語で出している詐欺広告の多くが、このような海外を拠点とした、どこかの国のやべえ人たちが仕切っているものなので、「日本人ならこんなことはしないだろ」みたいな、モラルのラインを簡単にぶっちぎってきます。

 

日本人のモラルが通用しなくなってる

私が個人的に、ここ1、2年で衝撃を受けたのが、フェイスブックに出てた、森永卓郎さんの入院中の写真を添えた、投資勧誘広告です。

 

(参考:日刊スポーツ)

 

あまりに手口が気持ち悪くて、スクショは残してませんが、こんな感じの写真と共に、私の命はもう長くないので、最後に皆さんのために恩返しがしたい。みたいな文章が投稿されていて、登録を誘導するようなものでした。

 

Facebookは、2023年の夏ぐらいから、前澤さんの写真が勝手に使われた詐欺広告が出回って、前澤さんも被害を訴えていましたが、この頃からfacebookの売り上げが、急激に伸びています。

おそらく、審査基準を緩くした結果、犯罪広告でもやりたい放題になったためでしょう。それで、海外の犯罪集団が、暗躍しているのだと思います。

 

(3)不安を煽る系コンテンツの方が、よく見られるようになっている

3つ目は、不安を煽るコンテンツの方が、よく見られるからです。

新型コロナで緊急事態宣言が出されたり、ウクライナ戦争が始まって物価上昇が止まらなくなったり、トランプ政権が始まって、相互関税で株価が暴落したり、リストラをするところが増えたりと、社会がどんどん不安定化してきていますから、YouTube上でも、そういう関係のニュース解説が、再生数が高いように思います。

 

 

特に、日本は終了系の動画は、投資に繋がりやすいです。

財政破綻とか、少子高齢化で日本崩壊とか、そういう話を信じてしまうと、「じゃあ、海外にお金を逃すしかありませんよね」という結論に辿り着きやすくなりますからね。

 

私も、20年以上前に、証券営業をやっていましたが、当時の日本の借金が確か600兆円ぐらいあって、GDP比で100%をすでに超えていました。

それで「このままだと日本やばいですよ。オーストラリアドルで高金利の債券を買いましょう」みたいな営業トークを使っていましたし、そういった話で海外投資をしたお客さんは、結構いたと思います。

 

昨年から新NISAが始まって、結構な額のお金が、海外投資に向かっていますが、物価上昇が止まらないことから「本当に日本はやばいかも」と思う人が増えているのでしょう。

なので、不安を煽った上での投資勧誘は、むしろ今の方が効果的なのかもしれません。

 

4、これから、どんな手口が出てくるのか?

では、今回のGoogleのveo3によって、どんな手口が出てくるのでしょうか?

私が今のところ思いつくのは、3つあります。

 

(1)有名人に喋らせる動画が流行る

1つ目は、皆さんが予想していることと思いますが、有名人が喋る投資詐欺の動画広告ですね。

先ほど、森永卓郎さんの例をご紹介しましたが、経済評論家と呼ばれる人は、YouTube上でもたくさんいます。

 

 

私のYouTubeのおすすめ欄には、エルミン・ユルマズさんや、ホリエモン、高橋洋一さん、三橋貴明さん、朝倉慶さんなどが出てきますが、こう言った人たちが喋っている詐欺広告が、間違い無く出てくるでしょう。

 

特にFacebookとinstagramは、スラム街のような場所になってるので注意が必要です。

なので、たとえ知り合いと繋がっている大事な場所だとしても、スラム街で友達と待ち合わせをしているんだ、ぐらいに思うぐらいで、ちょうどいいのではないかと思います。

 

(2)ショッキングな動画で、信じ込ませる

2つ目は、有名人が病気になっている姿を見せるというような、そういうショッキングな映像や音声とともに、詐欺広告が作られるでしょう。

先ほどの、森永さんの入院写真とともに投稿された詐欺広告も、かなりインパクトがありました。がんでやつれた姿を見せられると、第一印象で「かわいそう」とか「頑張ってほしい」とか、そういう感情が動かされます。

 

 

そして、その投稿を本物だと感じてしまいやすくなります。感情が動いたという事実は、その人にとってはリアルだからです。

なので、「死ぬ前に皆さんに~」みたいな投資勧誘をしてくれば、それは確かにコロッと行く人も出るだろうなと思いますよね。

 

このような、人の不幸や命をダシにして、騙して金を取ろうという感覚は、普通の日本人の想像をはるかに超えています。

おそらく、どこかの国のやべえ人たちが、金を持ってる日本人を狙って、やっているのでしょうし、それで広告料を取っているフェイスブックなどの会社は、止めることはしないでしょう。

 

なので、どんな人が何を喋っていたとしても、それが投資につながるのであれば、100%詐欺だと考えるぐらいで、ちょうどいいと思います。

 

(3)フェイクニュースをでっちあげる

3つ目は、フェイクニュースを活用した投資勧誘ですね。

たとえば、NHKのニュース番組の体裁で、「アメリカが財政破綻宣言をした」とか、そういうフェイクニュースの動画が出回ったりする可能性は十分にあります。

 

 

さすがにこれは、他のニュースなどをみて確認できるので、難しいかもしれませんが、「どこかの国で、金鉱が発見された」といった、ちょっとあまり知られていないニュース動画とともに、これに私たちと一緒に投資をしませんか?みたいな勧誘が出てきそうな気がします。

 

化粧品も絶対にやられる

それ以外にも、シミが消える成分が発見されました!みたいな、フェイクニュース動画とともに、化粧品の勧誘をする広告も増えるでしょうね。

そこに出演しているシミが消えたと喜んでいる女性は、すべて生成AIで作られたものになっていきます。

本当に、Facebookやインスタは、注意した方がいいでしょう。

 

まとめ

というわけで、今回は生成AIの進化とともに、詐欺広告がひどいことになりそうだ、ということについて、考察してきました。

 

 

最近よく感じるのは、

・生成AIの進化のスピード、と、

・どこぞの国の犯罪に対するモラル、が、

日本で普通に生きている私たちにとって、想像のはるか上を行ってるなーということです。

 

「さすがにこんなことは起こらないだろ」

「日本人なら、こんなことしないでしょ」

みたいな期待は、簡単に打ち砕かれていくので、注意していきましょう。

 

合言葉は、

「ネット上の投資話は、全部詐欺」

「LINE、インスタ、Facebookは、友人や家族と会えるスラム街」

です。

この記事を書いた人
ゴトウ

証券会社で12年間勤務。営業と店舗マーケティングに従事後、2018年から当サイト「イエ&ライフ」を運営しています。

不動産価格の動きの理解や今後の予想は、金融マーケットの知識があると理解しやすいため、読者のお役に立てるのではないかと、サイトを運営しています。

また、2024年からYoutubeチャンネルも始めました。
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