老後資金の活用法として、雑誌やニュースでもたびたび話題になるリバースモーゲージですが、東名阪で提供している銀行が多いため、「北海道銀行ではどうなの?」と気になる人もいますよね。
ですが、北海道銀行が提供しているサービスは、普通のリバースモーゲージとちょっと違います。
この点を誤解して相談に行くと、「全然思ってたのと違う」とムダ骨になってしまう可能性があるのです。
そこで、この記事では、
- 北海道銀行のリバースモーゲージの特徴メリットとリスク
- 他行との違いは何か?
- どんな人が使ってはいけないのか?
について、詳しく解説していきたいと思います。
道銀活用型リバースモーゲージの特徴
はじめに、一般的なリバースモーゲージ・ローンについて少しだけ解説します。
リバースモーゲージ・ローンとは?
リバースモーゲージ・ローンとは、
「自宅を担保にお金を借りられて、死んだ後に売却して清算」
する仕組みのローンのことです。
その主なメリットは、
- 死ぬまで自宅に住み続けられる
- 高齢でもお金を借りられる
の2点が大きいですね。
デメリットとしては、
- 死ぬまで金利がかかる(場合によっては払い続けなければならない)
- 相続人の了承が必要な場合がある
- 担保の資産価値が借入額よりも下回ると、返済しなければいけない
といった点があります。
道銀のリバースモーゲージは何が違うのか?
ところが、道銀のサービスは、「自宅を誰かに貸して、その家賃収入の権利を担保にお金を借りる」仕組みです。
つまり、「今の家に住みながら、お金を借りる仕組み」ではないのです。
道銀のリバースモーゲージ | 一般的なリバースモーゲージ | |
自宅に住み続けられる? | 住み続けられない | 住み続けられる |
借入金の返済は? | 毎月返済する | 死後に売却して返済 |
年齢制限 | 50才以上 | 55〜65才以上 |
最終的に自宅は? | 借入金を返済して、自分の手元に戻ってくる | 死後に売却 |
そのため、
「使っていない空き家を誰かに貸して、その家賃収入を担保に、まとまったお金を借りたい」
「大きすぎる戸建てから、駅近の賃貸マンションに移りたい」
といったニーズに応えるのが、道銀活用型リバースモーゲージと言えるでしょう。
自宅の借り手を探してくれるJTIとは?
自宅を賃貸に回して、借主を探してくれるのは道銀ではなく、「移住・住み替え支援機構(JTI)」と呼ばれる一般社団法人です。
JTIは、自宅の所有者と借家契約を結び、空室時の賃料保証も行いながら、賃貸物件を探している人に貸し付けます。
その賃料収入を原資に、道銀から借りたお金の返済を行う仕組みになっているのです。
ですから、まとまったお金が必要ない場合には、道銀活用型リバースモーゲージを活用する必要はなくて、直接JTIと契約することで、月々の家賃収入を受け取ることができます。
道銀活用型リバースモーゲージの契約条件
*2018年12月31日現在
項目 | 条件 |
年齢 | 50才以上 |
年収 |
安定的かつ継続的な収入が見込める方 |
対象物件 |
JTI*が家賃保証をつけられる条件の物件 |
資金使途 |
自由(ただし、事業資金・投資資金はのぞく) |
借りられる金額 |
|
対象地域 |
北海道のみ |
推定相続人の同意 | 不要 |
返済方法 | 元本+金利分を毎月返済 |
金利 | 2.825%(半年に1回見直しの変動金利) |
費用 |
54,000円 期間10年以上、または借入額が500万円以上の場合 |
道銀活用型リバースモーゲージの注意点
①住み続けながら、お金を借りる仕組みではない
繰り返しになりますが、他人にマイホームを貸すことになるため、自分たちはどこかへ引っ越さなければいけません。
そのため、「死ぬまで住み続けながら、お金を借りられる」という仕組みではない点に注意してください。
②他人へ貸せる物件でなければ使えない
道銀活用型リバースモーゲージは、自宅の家賃収入を担保にお金を借りる仕組みですから、他人に貸せるような物件でなければ利用できません。
また、借りられるお金は、家賃収入で返済できる範囲内ですから、家賃が安いエリアでは当然借りられる金額が少なくなります。
道銀活用型リバースモーゲージのリスク
ここからは、考えておくべきリスクについて解説します。
①借主がつかなくなった場合
道銀活用型リバースモーゲージでは、移住住み替え・支援機構を通じてマイホームを貸し付けるわけですが、借主がいなくなった場合にも家賃保証が受けられるものの、その保証額にも限度があります。
ここ数年でサブリース問題が社会問題となっていますが、借り手がいないのに、有利な条件だからとアパートを建ててしまった人が、借金で首が回らなくなっているのが現状です。
そのため、あまりに遠い郊外のエリアの物件の場合には、長めの返済計画でお金を借りるのは家賃が入ってこなくなるリスクがあるので注意が必要でしょう。
②過度な借り入れは危険
道銀活用型リバースモーゲージの金利は現在2.825%ですが、今後の金利情勢によっては、かなり上昇してしまう可能性があります。
というのも、現在の低金利は日銀の異次元緩和政策によって実現されているものだからです。
異次元緩和政策については、こちらの記事でかみくだいて解説していますが、ようするに、「日銀がお金を刷って刷って刷りまくって、株や国債を買っている政策」なんです。
なので、本当はこれは禁じ手なのです。
そのため、アメリカはとっくの昔にやめてますし、EUも2018年末でやめました。
残るは日本だけなのです。
異次元緩和政策のメリットの1つとして、「円安に誘導できる」点がありますが、これは逆を言えば、他の国が損をしていることになります。
アメリカと中国の貿易関係がゴタゴタしていますが、日本だってこんな状況を続けていては、ブーイングが来るでしょう。
いずれ異次元緩和を辞めざるを得ません。
そう考えると、今後は金利が上昇しますので、プライムエイジで1,000万円借りている人は、
- 金利3%:月2.5万円(現在)
- 金利4%:月3.3万円
- 金利5%:月4.1万円
と負担が大きくなっていく可能性があるのです。
そのため、必要以上に借りて使いすぎるのは、リスクが大きくなるので注意が必要ですね。
もう少し詳しく知りたい方は、こちらから公式ホームページへと移動できますので、そちらで確認してみてください。
また、このサイトでは、47都道府県の主な市区の土地価格の現状と、将来予想について解説しています。
こちら↓のページから、各市区を探せますので、興味のある方はご覧になってみてください。
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