お次はグリーンランド。トランプのNATO解体の裏技 | イエ&ライフ

お次はグリーンランド。トランプのNATO解体の裏技

youtube原稿

今回の動画は、「お次はグリーンランド。今年はNATO解体イヤー」ということで、やっていきたいと思います。

 

1、はじめに

1/4日に、トランプ政権の次席補佐官であるスティーブン・ミラー氏の奥さんのケイティ・ミラーさんが、X上にこちらの画像を投稿して、3000万回以上の視聴をされていました。

 

(参考:X@KatieMiller)

 

この地図は、グリーンランドをアメリカの星条旗で覆ってしまったものであり、画像と共に、「soon」つまり、もう間も無く、グリーンランドもこうなるよ、というメッセージと取れます。

 

真ん中の画像が、その主席補佐官のスティーブン・ミラー氏ですが、トランプ氏とたびたび一緒に写っているものもあるので、見たことがある人も多いのではないでしょうか?

そんなトランプ氏に近しい人物の奥さんが投稿したということで、トランプ政権は本当にやる気なんじゃないか?と盛り上がっている状況です。

 

(参考:BBC)

 

実際、デンマーク首相のフレデリクセン氏は、この投稿の後に、グリーンランドは売り物じゃないし、同じNATOの同盟国なんだから、そういう脅しはやめてくれませんか?とクレームを入れています。

 

(参考:BBC)

 

実は、この騒動の前の、昨年12月に、トランプ氏はグリーンランド特使として、ルイジアナ州知事のランドリー氏を任命していました。

大使ではなく特使ということで、非公式な立場ではありますが、グリーンランドをアメリカのものにしたいという意志の表れとして捉えられており、デンマーク政府をヤキモキさせていたのです。

 

そして、1月3日未明のベネズエラ侵攻を受けて、こりゃあ、今年のトランプ政権はガチでやりにくるぞと、デンマーク政府の方でも青くなっているというわけですね。

そこで今回の動画では、なぜトランプ政権はグリーンランドを併合したいのか?について、考察していきたいと思います。

それでは、参りましょう。

 

2、グリーンランドとアメリカの関係

まず最初に、グリーンランドについて、これまで詳しく知りたいと思った人もいないと思うので、簡単に解説していきます。

 

(参考:Wikipedia「グリーンランドの米国による買収提案」)

 

グリーンランドという国は、イギリスよりはるか北、アイスランドよりもう少し西にある島であり、デンマークの自治領になっています。

人口は約5万6000人程度と、東京の福生市、大阪の高石市、愛知の常滑市ぐらいの、申し訳ないですが、ちょっとマイナーな地方都市ぐらいのイメージの島です。

 

それで、このグリーンランドには、数千年前からエスキモーが定住していたようですが、10世紀からノルウェー人が島の南部に定住し始めて、そのノルウェー王国が、1537年にデンマーク王国と同君連合を結成して、その後、1814年にノルウェーがスウェーデンに併合されて、残った独立国のデンマークが、ノルウェーの代わりにグリーンランドを面倒を見ることになって、今に至るという状況となっています。

なかなかややこしいのですが、デンマークがグリーンランドの面倒を本格的に見始めたのは、ここ200年ぐらいと言えるでしょう。

 

(参考:世界地理、世界史について、読んで知ってみませんか?」)

 

それで、これをアメリカを中心とした地図で見ると、こんな感じで、もうカナダの北隣みたいな位置にあるんですね。

ただもうこの辺りは、北極圏にあたりますから、カナダの北の方だとほとんど人も住んでいないでしょうし、1814年にデンマーク領にすると決まった当時は、測量もろくにされてませんでしたので、当時すでに独立国だったアメリカも、あまり興味がなかったようです。

 

(参考:Wikipedia「グリーンランドの米国による買収提案」)

 

しかし、19世紀後半以降、アメリカ政府の中でも、徐々にグリーンランドって、アメリカが買ったほうがいいんじゃね?という話が、されるようになっていきます。

1867年、1910年時点で、米国内そして、デンマーク側に非公式で話があったような記録が残っていますし、戦後すぐの1946年には1億ドルで買収を提案して断られています。

 

その後も、国内では色々とあったようですが、それが表面化してきたのが、2017年発足のトランプ政権からで、現在にまで続いているというわけです。なので、グリーンランドを買うという話は、かなり昔からあったものなんですね。

それで、デンマークに対して、公式に買収を打診したのが、1946年なんですが、その理由は、1940年のナチスドイツによるデンマーク侵攻がきっかけです。

 

(参考:wikipedia「ドイツによるデンマーク侵攻」)

 

この時、ナチスドイツがデンマークをせめて、6時間もせずに全面降伏してしまいました。

デンマークはグリーンランドも支配してましたから、ドイツがデンマークを併合すれば、グリーンランドもドイツのものになります。

そうすれば、もうアメリカとは目と鼻の先にドイツの軍事施設ができる可能性もあったわけで、こんなヘタレのデンマークに、グリーンランドを任せちゃいけねえなあ、ということで、1941年にアメリカはグリーンランドに基地を建設し、ドイツからの攻撃に備えたというわけです。

 

(参考:Wikipedia「グリーンランドの米国による買収提案」)

 

それで、大戦が終わった翌年の1946年に、アメリカはデンマークに1億ドルでグリーンランドを買うと提案したのですが、デンマークはこれを断りました。

戦争も終わったし、グリーンランドが戦場になることもなかったし、アメリカが返してくれると思ってたので、びっくりしたというのです。

 

しかし、アメリカからすれば、お前らみたいな弱っちい国が、領土を守るつもりもないくせに、グリーンランドを主張するなんてあり得ねえだろという話です。

それでデンマークはびびってしまって、NATOに入りました。同じNATOの同盟国だから、そんなきついこと言わないで、というわけです。

 

(参考:wikipedia「ピツフィック宇宙軍基地」)

 

こういう弱みもあったので、冷戦期のデンマークは、グリーンランドをアメリカの好き放題にさせてきました。

アメリカも、別に自分の国の中には入っていなくて、北部にチューレ空軍基地を作ったり、1万人の米兵を駐留させたりと、好き放題できたので、特にブチギレルこともありませんでした。

そして、冷戦終結後には、戦う敵もいなくなったので、むしろ基地は縮小させていき、現在は、ピツフィク宇宙軍基地に名称変更して、数百名の米兵が駐留していると言われています。

 

(参考:ガーディアン)

 

このような安全保障上の紆余曲折があった一方で、最近は鉱物資源がたくさんあるから、アメリカが欲しがっているんだという話も出ています。

グリーンランドには、未開発のレアアースやウランの交渉があり、企業による資源探索が続いていますが、過去に深刻な環境汚染で住民が被害にあったため、住民側の反対によって開発が進んでいない状況にあります。

 

現在稼働している鉱山は1つしかなく、そして採掘を反対された企業は、グリーンランド自治政府に訴訟を仕掛けているのですが、その会社がオーストラリアの会社で、その株式の一部を中国資本が持っているということで、なかなかにややこしい展開になっている状況です。

 

(参考:aa.com.tr)

 

というわけで、ここまでのグリーンランドの状況や歴史について、簡単に見てきましたが、結局、なんでアメリカが買いたいのか?

その目的が曖昧な感じがしませんか?

例えば、安全保障上必要なんだということであれば、すでにデンマークは過去の後ろめたさや、軍事費に金を出したくないということもあって、アメリカの好き放題ができています。

 

そして、鉱山開発についても、アメリカが併合したからといって、住民が反対する状況は変わりません。

住民全員をどこかへ追い出すのは強引すぎますし、企業に住民の環境にも配慮しろと強制しながら、開発を進めるということであれば、別にデンマークのままでも、アメリカ企業にそういう指導をするなり、補助金を出すなりして、採掘を進めさせれば良さそうです。

 

なのに、なぜトランプ氏は、グリーンランド購入にこだわるのでしょうか?

その理由は、私が思うに、NATOやデンマークと手を切りたい、ということだと思います。

 

デンマークが好き放題させてくれるのは結構だけど、お前らとは、もう仲良くしたくないんだよ、NATOだって、もう撤退したいんだよ、というわけです。

実際、アメリカ第一主義の共和党政治家のトーマス・マッシー氏は、先月NATO離脱法案を提出しています。

 

この法案が通る可能性は低いと思いますが、アメリカの保守層の考え方は、もうこっち側です。

ウクライナ戦争に金を使いたくないし、NATOに入っているからといって、欧州に兵士を送るよりも、もっと国内の治安維持とか、米国を安全にするために軍を使えよというわけです。

 

先ほどの地図を見て貰えばわかるように、グリーンランドは、カナダの北隣で、アメリカ大陸の端っこのような位置にありますので、ここまでは確実に、俺たちのモンだというわけでしょう。

 

3、トランプのNATO解体の裏技

 

そして、今回のベネズエラ攻撃は、トランプ政権によるNATO撤退、下手をすると、NATO破壊の狼煙になっている可能性すらあります。

 

(参考:CNN)

 

ベネズエラ攻撃の後の、アメリカ側のグリーンランド取得の動きの匂わせに対して、デンマークのフレデリクセン首相は、このようにビビり散らかした発言をしています。

 

「もし米国がNATO加盟国を軍事攻撃することを選択すれば、

 NATOも含めすべてが停止し第二次世界大戦終結以来、

 提供されてきた安全保障も停止するということを明確にしておきたい」

(参考:CNN)

 

以上です。

もう、デンマークとしては、アメリカが攻めてくるつもりだと、思っているのです。

 

NATOは、集団防衛の原則というものがあって、加盟国のいずれかの国が攻められたら、全加盟国に対する攻撃と見做すというものがあります。

これによって、主に旧ソ連や、現在のロシアに対して、「攻めてきたら酷い目に遭うぞ」と脅してきたわけです。

 

ところが今回、同盟国同士で戦争になりそうな感じになってきました。

こうなったら、集団防衛の原則も何も意味がありません。信頼関係も崩壊して大変なことになります。

 

(参考:CNN)

 

ですが、これこそが、まさにトランプ氏が求める展開でもあります。

なので、トランプ氏は、ベネズエラ侵攻後に、グリーンランドへの軍事行動を匂わせるような発言もしていますね。

 

抜粋しますと、

「グリーンランドは必要だ…非常に戦略的に重要な場所だ。グリーンランドはロシアと中国の艦船で埋め尽くされている」

「国家安全保障の観点からグリーンランドは必要だが、デンマークにはそれができない」

(参考:CNN)

以上です。

 

敵国の中国やロシアを言い訳にして、デンマークには俺たちが求めるレベルの防衛をしてくれないし、その能力もない。

だから、しょうがないから、俺たちがこの島を占領するしかないんだと、そういう理屈ですね。

 

ベネズエラ侵攻も、麻薬ギャングと手を組んでたからだという名目ではありましたが、800万人もの難民を世界中にばら撒くような破綻国家に対して、遠慮なんかする必要がないという開き直りもあったと思います。

完全に似てますよね。

 

グリーンランド軍事侵攻のメリット

(参考:The HILL)

 

これまで私は、トランプ氏がNATOから撤退するだろうと予想してきましたが、そうは言っても、議会承認が必要だと思っていました。

2023年にマルコ・ルビオ国務長官が、大統領がNATOからの一方的な脱退を禁じる法案を提出し、可決されていたからです。

 

ですが、もしアメリカがグリーンランドを攻めれば、

①アメリカがNATOから追い出されるか

②アメリカ抜きで欧州が新しい組織を作るか

③カオスな状態のまま、ロシアと対峙するか

のいずれかに追い込まれると考えられます。

 

これって、トランプ氏が求めているNATOからの撤退に近づくわけですので、やらない理由はありません。

同じ同盟国のデンマークが、自分たちの国を軍事占領しに来るかもしれないとビビっているのは、こういうトランプ政権の意図を汲み取っているからではないでしょうか?

 

と言うわけで、今回はトランプ政権のグリーンランド買収または占領の可能性について、考察してみました。

イランの大規模デモも、犠牲者が増えてきたら介入するとか言ってますし、今年のトランプ政権は、国際法はガン無視で、やりたい放題やっていきそうな感じですね。

もちろん、その先には、欧州グローバリスト国家の崩壊と、多極化した世界に繋がっていると思います。

 

この記事を書いた人
ゴトウ

証券会社で12年間勤務。営業と店舗マーケティングに従事後、2018年から当サイト「イエ&ライフ」を運営しています。

不動産価格の動きの理解や今後の予想は、金融マーケットの知識があると理解しやすいため、読者のお役に立てるのではないかと、サイトを運営しています。

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