今回の動画は、「トランプの多極化戦略。2026年の一発目は、ベネズエラ攻撃」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
1月3日未明に、米軍がベネズエラの首都カラカスを空爆、侵攻し、マドゥロ大統領夫妻を拘束し、NYへ連れていくという事件がありました。

以前からトランプ政権は、ベネズエラのマドゥロ政権に対して、アメリカに麻薬やギャングを送り込んでくるひでえ国だと批判しており、ベネズエラ近海のカリブ海に1万5000人規模の米兵や空母、航空機などを集結させて、近海を通る麻薬密輸船を撃ち落としていました。
さらに、トランプ氏は、1999年のボリバル革命によって、ベネズエラの製油所が国有化されたことで、米国企業の原油権益がなくなった過去を持ち出して、俺たちから奪った原油を取り返すとも発言していましたので、まあ、そういった理由も大きな動機だったと思います。
そして、そういう下心を隠そうとせずに今回の米軍の行動があったため、国内外から非難轟々のような状況です。
例えば、中国ロシアなどのBRICS諸国やEU諸国の多くが、今回のベネズエラ侵攻に対する非難声明を出しています。

しかし、その一方で、トランプ政権と仲がいい国では、今回の攻撃を称賛、または肯定しています。
その中には、イスラエルやアルゼンチン、そしてなんとイタリアも入っています。
イタリアのメローニ首相は、トランプ氏と関係が良好な欧州の首脳の一人ですが、今回の攻撃を「正当な防衛」と擁護していました。
どこが正当な防衛なのか、よくわかりませんが、まあ、トランプ政権に側に立っていることは間違いなさそうです。

そして、我らがイーロン・マスクもX上で、大絶賛のコメントを投稿していました。
抜粋しますと、
「おめでとう、トランプ大統領!
これは世界にとっての勝利であり、
いたるところの邪悪な独裁者たちへの明確なメッセージです。」
以上です。
この投稿には、あんたは、言論の自由とか言っておきながら、他の国に軍事介入する大統領を絶賛するなんて、意味わかんねえよ!みたいな批判コメントも多数ありまして、トランプ支持派と、はっきり分かれている感じですね。
日本でも、何人かのユーチューバーの方々が、この件について動画に出しているようですが、全部見たわけではありませんが、100%トランプが正しい!みたいなものは、さすがにないようです。
おそらく、世界中のトランプ支持者、応援団も、今回の一件について、どう捉えていいか困惑しているのではないでしょうか?
そこで今回の動画では、トランプ政権のベネズエラ侵攻の目的と、その先にある戦略について、考察していきたいと思います。
それでは、参りましょう。
2、ツッコミどころが多すぎるベネズエラ侵攻
まず今回のベネズエラ侵攻に至るまでの動きについて、ツッコミどころが多すぎるので、この点について、いくつかご紹介していきます。

ベネズエラとの関係が一気に緊迫化したのは、9月から始まった米軍によるサザン・スピア作戦でした。
ベネズエラ近海を運行する船舶を麻薬密輸船だ!ということで、バシバシミサイルを撃ちまくって、撃ち落としまくってきたのです。
その件数、被害者数は、12月31日現在で、35回の爆撃と、115人が死亡したと言われています。
ところが、じゃあ、この死亡者が誰なのか?というと、名前がほとんど出てきていません。今回私が調べた範囲では、アレハンドロ・カランサさんという方の名前が見つかりましたが、それ以外の人の名前は、おそらく公表されていません。
さらに、爆撃映像を詳しく見ても、本当に人が乗っているのか、よくわからない船にミサイルが落とされており、なんだか素人が作った粗い映像しかありません。
さらにさらに、メディアがベネズエラの現地に取材に行っても、現地の人はベネズエラ政府からの箝口令があったようで、誰も口を割りません。
というように、かなり怪しいのです。
もし、トランプ政権のやってることが本当に酷いものであれば、ベネズエラ政府としては、犠牲者の名前を出して、堂々と国際的な批判を盛り上げた方が良かったはずです。
それを逆に政府の職員が現地の人たちを脅して、口を閉ざさせるということは、明らかに不自然ですよね。

さらに今回の作戦についても、かなり茶番臭がします。
この軍事作戦後に、トランプ氏は記者会見で、「適切な政権以降が行われるまで」米国がこの国を率いると述べたりしています。
しかし、作戦自体は2時間程度で終わっており、マドゥロ夫妻を連行しただけで、政府機関を掌握したわけではありません。
実際、その後、ベネズエラ政府がこの件について避難声明を出しており、副大統領以下、現政権の閣僚スタッフが、引き続き運営する模様です。

また、空爆が行われたのは、わずか30分程度で、ミサイルが落とされた場所は、チャベス元大統領のお墓です。夜明け前の暗い時間に、お墓にお参りに来る人なんて、ほぼゼロでしょうから、そんなところを爆撃しても死者はでません。
さらに、マドゥロ夫妻がそのまま連行され、NYへ連れて行かれてしまいましたが、ベネズエラ政府の他の高官も、軍も無傷のようです。
今回の作戦は、何ヶ月も準備して、リハーサルをしたと米軍の高官が話していましたが、これって、ベネズエラ政府と交渉してたってことではないでしょうか?
つまり、今回の空爆は単なるショーで、事前に話が決まっていた可能性が高く、被害を受けたのは、チャベスの墓だけという状況のような気がしています。

それで、以前にこちらの動画で詳しく解説したのですが、ベネズエラ産の原油は、その原油を石油製品に分離するための精製施設に送る必要があるのですが、それをテキサスの精製施設に依頼しています。
そして、現在は生産量が減っているので、代わりにカナダ産のオイルサンドが大量に入ってきており、カナダの貿易黒字の大部分を占めています。
しかし、ベネズエラ産の原油の方が採掘コストが低いと言われており、ベネズエラ産の原油生産が回復すれば、カナダ産のオイルサンドを受け入れる必要がなくなります。
そうなると、カナダの主要産業の石油産業が崩壊するため、カナダ経済も崩壊します。
カナダはイギリスと仲がいい、グローバリズムの国なので、カナダの経済が崩壊して、米国に併合または、イギリスと縁を切るレベルで従属させられれば、イギリスの弱体化につながりますので、これを狙っているのだろうという話をしました。
しかし、今回のトランプ氏やマルコ・ルビオ国務長官へのインタビューを見ていると、ベネズエラだけで終わらないような雰囲気です。

また、11月に出たこちらのリーク記事によると、カリブ海の基地へ納入している業者の契約内容が、なんと2028年までとなっているというのです。
つまり、ベネズエラが終わっても、次があるのです。おそらく、キューバや、コロンビア、メキシコなどもターゲットに入っていると思われます。
そこでここからは、ベネズエラ攻撃の先にある、トランプ政権の多極化戦略について考察していきます。
3、トランプの多極化戦略
最初に私の結論を言ってしまうと、今回のトランプ政権の動きは、アメリカ大陸をアメリカ合衆国が牛耳るという、その地域の覇権国を目指すというものであり、国連秩序をぶっ壊すことも目的としてあると考えています。

国連が定める原則によると、主権国は人口が多かろうが少なかろうが、平等ということになっています。
しかし、この原則では、その国の政府が腐っているせいで、国民が隣国などに難民として出ていくことは防げません。
アメリカはバイデン政権の時に、大量の不法移民を受け入れており、それは1000万人とも2000万人とも言われています。
しかも、犯罪者やテロリストも入ってきていましたので、治安も悪化し、州や市の財政負担も無茶苦茶増えて、物価も上がりまくりました。
それでも、移民・難民を出しまくっている他の国もアメリカと同じ平等な権利を持っているから、文句は言えないと言って、納得できるのか?という話ですね。
それと、ロシアのウクライナ侵攻も似たようなところがあります。
欧米の傀儡国家となったウクライナは、東部のドンバス地域に住んでいるロシア系住民に攻撃を仕掛けたりして、200万人が一時、住む場所を失い難民化し、そのうちの一部はロシアに逃げてきました。
そんな碌でもない国でも、主権国家だから対等でしょ?というのが、現在の国連のルールであり、そんなわけねーだろと攻め込んだのがロシアだとすれば、今回のアメリカのベネズエラ侵攻と言い分が似てるような気がします。

ベネズエラという国は、1999年にチャベス将軍が政権をとって以降、石油産業の国有化や、軍部の強大化によって経済が滅茶苦茶になり、これまで約800万人が難民として国を離れたと言われています。
その多くが、隣国のペルーやコロンビアに逃げたのですが、アメリカにも数十万人規模で移民として入ってきていました。
トレンデアラグアというギャングがアメリカでやりたい放題やっていたと言われていますが、それはベネズエラ政府が国民を豊かにする能力がなかったからだとも言えるわけです。
そんな政府に、対等な国として認められる資格、正当性があるのか?という疑問に対して、軍事行動という答えを示したのが、ロシアや今回のトランプ政権だと見ることができると思います。
これを個人で例えるならば、満員電車でデカい方を漏らしたおっさんみたいなものです。
そんなところに出会したら、周りの人も殺意しか湧きませんよね。
しかも、次の駅で降りなかったら、暴動が起こってもおかしくないですよね。
おそらく、対等な人間として、扱える気がしないと思います。
物事には限度があるのです。
お尻が破綻した人間には、さっさと次の駅で降りてもらおうとするように、難民が漏れ出すような破綻した国の政府なら、周りの腕っぷしの強い国がぶん殴って、そいつらを追い出しても文句言われないんじゃね?という理屈が、徐々に浸透し始めているように思います。

実際、トランプ政権は、今回のベネズエラ侵攻の後の記者会見で、キューバやメキシコ、コロンビアなどの国々に対して、「次はお前らだ」と警告のようなものを出しています。
現在のキューバは、経済危機で、米国への移民が多数押し寄せてきていますし、
コロンビアは現政権になってから、コカインの生産量が過去最高を更新していますし、
メキシコは、麻薬カルテルが跋扈して、昨年の大統領選挙でも、候補者が何十人も暗殺されるという北斗の拳のような国になっています。
「お前らが国をまともに統治しないせいで、こっちにまで迷惑がかかってるんだよ。
だから、俺たちはもう容赦はしないで、お前ら無能な政府を追い出すわ。その方が、お前らの国の国民も喜んでくれるだろ?」
という言い分なのでしょう。

そして、これがこれから始まるであろう、多極化のルールなのだと思います。
多極化とは、世界がアメリカのような一つの覇権国が作った、共通のルールで動くものではなく、いくつかの地域に分かれて、それぞれの地域に親分がいて、周りの子分の国々の面倒を見るという体制なのだろうと思います。
ロシアのウクライナ侵攻や、中国の台湾併合も、そのような文脈で見ることができるでしょう。
周りでやんちゃしている国は、ぶん殴るか、叱って諭すかして、大人しくさせるようとするのが覇権国なわけです。しかし、その代わりに、子分の国々の面倒はきちんと見て、いい生活をさせるということが、地域の覇権国の義務となるはずです。

実際、中国やロシアなどのBRICS諸国が、多極化という言葉を使うときは、先進国による搾取からの解放とか、そういう文脈で語られることが多い印象です。
BRICSや上海協力機構などの国家間のネットワークは、現在加盟国が増え続けていますが、それは、このような対等な関係を求めてのことですので、もし、アメリカがこのような協調関係を結びつつある、中南米諸国を武力でねじ伏せて、搾取だけする国になってしまったら、各国の国民が黙っていないでしょう。
前回の動画で、トランプ氏の最重要の目的は、グローバリズム国家のイギリスをぶっ潰すことだと考察しましたが、アメリカが搾取国家になってしまっては、イギリスを潰せません。イギリスの影響をアメリカ大陸から追い出すことができません。
なので、アメリカは世界中でグローバリズムを終わらせるために、良い親分を演じるしかありませんし、それを他の地域にも強要しようとしているのではないかと思います。
世界中で、地域ごとの覇権国ができて、他の地域からちょっかいが出されないようになれば、紛争は減りますし、グローバリズムの国々からの搾取もなくなりますので、国内でろくなものを作らないで、金融と戦争だけで儲けようとするイギリスみたいな国を潰せますからね。
4、どこが地域覇権国を担当するのか?
では、どこの国がどの地域を担当するのでしょうか?

こちらも以前に出した動画なのですが、アメリカの国防関係の専門メディアの「ディフェンス・ワン」というところが出した記事で、
現在の先進国だけで集まっている国家連合のG7から、アメリカ、中国、ロシア、インド、そしてなんと日本の5カ国によるコア5、C5という体制をトランプ政権が検討しているという内容のものが出ていました。

仮にこれが多極化における地域覇権国だとすれば、アメリカは南北アメリカ大陸、ロシアは旧ソ連圏、中国は南北朝鮮などの周辺国、インドはパキスタンやスリランカ、そして日本は東南アジアとオセアニアあたりが担当になる感じでしょうか。
日本がオセアニア?と違和感を感じる人もいると思いますが、トランプ政権から見れば、このような多極化の目的は、イギリスなどの欧州グローバリストを潰すことですから、
イギリス連邦王国のメンバーであるオーストラリアやNZ、パプアニューギニアあたりは、日本に担当させた方が、イギリスの弱体化につながると考えていそうです。

そして、このように考えると、イランに対する攻撃が今年もやりそうな理由も、なんとなく見えてきます。
中東の覇権国は、人口的にもイランが一番強そうなのですが、イスラエルにその地域覇権国を任せたいということなのではないでしょうか?
イランは人口9000万人以上いて、イスラエルは約1,000万人と、9分の1しかいませんが、アメリカがバックについてくれれば勝てるという算段なのかもしれません
ただ、今回のベネズエラ侵攻についても、トランプ政権は米兵を死なせたり、相手国の犠牲者も出さないように、最小限の動きしかしていないように思います。
昨年のイスラエル・イラン戦争においても、3つの核施設に爆弾を落として手打ちにしたみたいな、見た目は派手だけれど、被害は最小限でしたので、今年もそういう芸風は変わらないでしょう。
そういう、アメリカの縛りプレイの範囲内で、イスラエルがどこまでイラン政府をひっくり返せるのか?が、一つの見ものになるような気がしますね。
というわけで、今回はベネズエラ侵攻とその先の多極化の目的について、考察してみました。







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