この記事では、「中国の自爆戦略。ゼロコロナも不動産バブル崩壊も、目的は脱ドル化」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
私は、YouTubeで、世界中の政治や経済、あとはその街の様子みたいなものの動画をよく見るため、中国バブル崩壊とか、そういう動画がおすすめに頻繁に流れてきます。

それで、再生回数を見てみると、数十万から、中には100万再生以上のものもあって、やはり中国に関心のある日本人は多いんだなと感じています。
それで、これらの動画を見てみると、なかなか今の中国というのは、悲惨なことになっているなと思うのですが、これってどこまで本当なんだろうか?と疑問に思いませんか?

例えば、私はYouTubeをよく見るようになったのは、2018年とか19年ごろだったと思うのですが、この頃から、三峡ダムが決壊して大変なことになる、とか、中国経済はもう終わりだとか、そういう内容のものって以前からありました。
初めは、ほうほう、そうかそうか、と思って見てたのですが、それから毎年のように三峡ダムは決壊するし、大洪水に見舞われるしで、最近は「ああ、今年も三峡ダムは決壊するのね」みたいな感じで、なんとも思わなくなってしまいました。

さらに、昨年からYouTubeで動画を上げるようになってからは、BRICS関連の情報もいろいろと集めるようになったのですが、昨年は5カ国新しく加盟し、今年もインドネシアが加盟して、BRICS加盟国はどんどん増えています。
もし、中国がこんなにおかしなことになっているのであれば、なぜBRICSへの加盟国がこれほど拡大しているのでしょうか?
そこで、この記事では、いつものように、ひねくれた見方で、「中国がわざと不動産バブルを崩壊させているとしたら、その理由は何か?」ということについて考察してきたいと思います。
それでは参りましょう。
参考書籍
まず最初に、今回の動画で参考にした書籍のご紹介をします。
それが、こちらの「ピークアウトする中国」です。

著者は、梶谷さんという神戸大学の経済学部の教授と、高口さんというジャーナリストであり、千葉大の客員教授のお二人です。
梶谷教授は、研究者的な目線で、高口さんは現地取材を中心とした、ジャーナリスト的な目線で、中国の経済を分析されており、不動産バブルだけでなく、EVや太陽光発電、蓄電池などの、先端産業も併せて解説されているので、かなり中国経済を広い視点で理解することができるようになっています。
それでは、本題です。
2、なぜ中国では、不動産バブルが起こったのか?
まず最初に、なぜ中国では、これほど不動産のバブルが盛り上がってしまったのか?について、解説します。
日本でもアメリカでもそうでしたが、不動産バブルが弾けた時には、人々の中に不動産はずっと上がり続けるという土地神話があったんだ、という説明がされていました。

これは、おそらく、どこの国でも共通するのでしょう。
経済が発展していく過程の中で、不動産価格も一緒に上昇していき、しかも、その期間が20年とか30年とか、そういう長い期間にわたってしまうため、みんな買えば上がると信じ込まされてしまうのだと思います。
ただ、中国が違うのは、年金制度が貧弱だということです。そのため、老後のお金は自分でなんとかしなければいけないのですが、例えば、上海株式市場は、2008年の北京オリンピックの頃がピークで、それから高値を更新していません。
なので、株式投資で資産が増えると考えている人はあまりおらず、むしろ不動産はずっと上がり調子だったので、そこにお金が集中してしまいやすかったんですね。
その結果、2000年から2020年までの20年間で、マンション価格は5倍にまで上がってしまったのです。

ところが、不動産むけの銀行融資を見てみると、2018年ごろがピークで、その後はずっと減少傾向にあり、2023年にはマイナスにまで落ち込んでいます。
2020年には、政府が不動産業者向けの銀行融資を規制したこともあって、21年には広大集団が、23年にはカントリーガーデンといった、大手不動産開発業者がデフォルトしてしまいました。
そして、その影響は未だ尾を引いており、不動産価格の下落も止まらないようです。
その一方で、EVやバッテリー、太陽光発電などの、グリーンテクノロジーと呼ばれる分野に対する融資は増加を続けており、中国政府としては、不動産よりも製造業で勝負だ、という姿勢を鮮明にしていることがわかりますね。
このように、中国政府は、中国の経済を不動産主導から製造業、特に先端技術を使った工業製品へとシフトさせていこうとしているわけですが、中国のGDPにしめる不動産業の割合は12%、関連産業も入れると約3割にもなります。
そのため、ここが一気に崩れてしまうと、中国の経済自体がおかしくなってしまいます。それは、YouTubeでも多くの動画で作られているので確認できるわけですが、では、なぜここまで酷い状況になっているのに、中国政府は何もしないのでしょうか?
梶谷教授も、「ピークアウトする中国」の中で、この点に触れていますが、中国がなぜ財政政策を行なって、景気のテコ入れを行わないのか?というと、中国の財政政策は、企業に投資を促すものはするけれども、一般消費者にお金が行くような政策は行わないからだということです。
自民党も、消費税は下げないで、法人税だけ下げるとか、一般庶民よりも企業を通じた政策が多いと思うのですが、中国も似たり寄ったりのように思います。
中国政府がバブル崩壊を放置する裏の理由
ですが、個人的には、それ以外にも裏の理由があると思います。
①価格が上がりすぎた
1つ目は、あまりに上がりすぎたため、一度リセットしなければいけない水準まで来たということです。

現在北京や上海のマンション価格は、そこに住む市民の平均年収の25~30倍ぐらいにまで上がっています。北京では、平均1億円、場所によっては2億円というのですから、日本よりもよっぽど高いのです。
そのため、2010年代に入ってからは、結婚する際に、奥さん側の両親が、旦那側の両親に対して、家と車を準備してくれるなら、娘をやっていいという状況にまで来ていると言います。
これは、一人っ子政策の影響で、跡取りを残したいという家が男の子を残した結果、男女比が歪になってしまい、少ない女性の側の力が強くなったことと、不動産価格が上がりすぎたことが影響しているようです。
なので、娘さん側の両親からしてみれば、しょうがない話なのかもしれませんが、こんな条件を突きつけられたら、男性側はもう結婚を諦めてしまいますよね。
そのため、中国政府は、普通に働いている人たちが家を持てるようになる水準まで、大都市の不動産を下げないといけないと思っているのではないでしょうか?
ちなみに、2023年時点での東京のマンション価格は、70平米で1億越えで、平均年収の17倍だったようです。
これでもかなり高くなりすぎて、一般庶民には手が出ない水準にまでなってましたので、平均年収の10倍台の前半ぐらいでないと、普通の人たちが結婚しようと思わないのではないでしょうか?
そうなると、やはり半値ぐらいまでは落ちないと無理なような気がしますね。
②マネーゲームは潰したい
そして、もう1つが、不動産業がマネーゲームになりすぎて、無駄なマンションが作られすぎてしまったということです。

すでに中国には、34億人が住めるほどのマンションが建てられているということですので、ここで不動産業界をテコ入れしても、息を吹き返した会社は、またさらにマンションを建て続けることになります。
そうなったら、資源の無駄遣いもさらにひどくなりますし、マネーゲームに群がるやべえヤカラも増えるでしょう。
日本でも、昭和の土地バブルの頃は、原野商法のような詐欺案件が横行したようですし、今でもたびたび不動産投資で、騙される事件が起こってますから、そういう調子に乗った不動産業者を淘汰する必要があると考えているのかもしれません。
3、中国がおかしくなってるのは、脱ドル化の準備説

ということで、ここまでは、中国国内の社会問題の解消のために、不動産バブルをわざと崩壊させているという話でしたが、実はアメリカとの関係、つまり脱ドル化を目指すという観点から見ても、不動産バブルを崩壊させる必要があったのではないか?というのが、今回の動画の本題です。
中国は、2008年のリーマンショック以降、米ドルがおかしくなっても大丈夫なようにと、人民元の国際化を進めてきました。

例えば、人民元とロシアルーブルでの二国間取引のような、ドルを使わない貿易の決済の話を進めていたり、CIPSと呼ばれる、人民元を使った国際決済システムの構築などがそれにあたります。
そして、今年の6月には、人民銀行総裁が、これからは多極通貨システムを推進すると表明しており、いよいよ脱ドル化を本格的に始動させようとしている状況なのです。

ですが、これまで米ドルを使わない選択をした国は、ひどい目にあってきました。
例えば、2003年のイラク戦争は、大量破壊兵器があったから、という名目でアメリカが攻め込みましたが、実際にはそんなものはなく、ただの濡れ衣で何百万人ものイラク人が亡くなりました。
その理由の一つとして、イラクが原油の決済をドルではなく、ユーロでも受け取れるようにしようとしてたからだと言われています。
今期のトランプ政権が始まる直前にも、BRICS諸国に対して、米ドル以外の通貨を使って貿易するなら、100%の関税をかけると脅してましたし、7月にも10%の追加関税をかけると警告しています。
そして、相互関税では、ブラジルやインドに対して、いろいろと難癖をつけて、50%に引き上げようとしています。
なので、中国政府は、脱ドル化の政策を進めていけば、いずれアメリカからの経済制裁や、ロシアがSWIFTというドルシステムから排除されたように、中国も排除されるとか、そういった酷い目に遭うことを覚悟していたはずです。
ゼロコロナも、脱ドル化のリハーサル
このような目線で中国の最近の政策を振り返ってみると、違和感があったゼロコロナ政策についても、合点がいきます。

中国では、2020年1月から2022年にかけて、感染者が増えてきたら、外出禁止にしたり、発生源に近いところの人たちを閉じ込めたりと、断続的な対処療法を行っていました。
日本のコロナ騒動を思い出して欲しいのですが、2020年の3月末ぐらいに騒がれ始めて、5月あたりまで自粛しろと言われて、それから秋頃からGOTOキャンペーンとか言って、全国的におっかなびっくり旅行に行き始めました。
2022年といえば、もうコロナ怖いみたいな雰囲気はだいぶなくなってたはずです。
オミクロン株という新型のウイルスが話題にもなりましたが、「まあ大丈夫っしょ」みたいな感じだったのではないでしょうか?
ところが、中国では、そんな時期にロックダウンされたのです。
人口2,500万人の上海では、3月28日に最大規模の都市封鎖を実施し、4月11日には、人口1,900万人の広州が都市封鎖されました。
北京でも、5月に一部の行政区で都市封鎖が行われ、人口2100万人の成都でも、9月に実施しています。
世界中がパニックになっていた2020年なら話は分かりますが、2年後に、何千万人という規模の街が、丸ごと都市封鎖って、やばくないですか?
しかも、これにブチギレた国民が、2022年の11月末から白い紙を持って、全国的な抗議活動へと発展しました。そうしたら、中国政府は、やりすぎましたと言って、翌月の12月7日には、ゼロコロナ政策をやめてしまったのです。
まるで、どこまで我慢できるかなーといじめ続けて、そろそろ怒り出しからと、手を引っ込めたいじめっ子みたいな、そんな対応のように見えるのは、私だけでしょうか?
では、なぜこんなわざとらしいことをやったのか?といえば、脱ドル化をした際に、米ドルが使えなくなることでの混乱にも、うまく対処できるように、国民の管理システムのリハーサルをしていたのではないでしょうか?
ということで、ここまでのことをまとめるとこうなります。
- 中国は、以前から脱ドル化をするつもりだったが、アメリカが黙ってはいないと予想してた
- 中国の外貨準備を凍結するとか(ロシアがやられた)、そういう報復を受けるだろうし、そうなったら、中国社会は大混乱になると覚悟してた
- その時に、中国の景気が絶頂期だったら、そのギャップに国民が激怒し暴動を起こす可能性もある
- だったら、不動産バブルを崩壊させ、新型コロナで都市封鎖をして、経済的な苦境に慣れさせておいた方が、いいと考えてるのでは?
というのが、私の見立てです。
報復関税で中国が本気でアメリカに勝負しにきてた
このように考えると、4月から始まったトランプ相互関税で、中国が報復関税合戦に応じて、アメリカに125%の関税をかけるという、ガチンコの勝負に行った理由も納得が行きます。

ここまで、関税が上がって仕舞えば、アメリカでは夏頃にはお店の棚から商品が消えると言われていました。関税で高くなった中国製の商品を輸入しようとする企業がいなくなるからです。
ですが、一方で中国では、脱ドル化したら、いつか米ドル経済圏から締め出されるだろうと覚悟してきていましたので、今回がそれなんだろうと思ったはずです。
だからこそ、トランプ政権は、脅して譲歩を得ようとしたのに、中国が本気で勝負に来たので、アメリカ政府は焦って、中国との貿易交渉は、90日間の延長、そしてさらに11月までの再延長へと、ずるずると引き延ばしているのではないでしょうか?
というわけで、中国が不動産バブルの崩壊をほったらかしにして、国民が苦境に喘いでいる理由について、考察してみました。
おそらく、中国の不動産バブル崩壊は、今後もさらに進んでいくでしょう。
昨年、中国政府は、地方政府に対して、売れ残っている住宅の買取を許可する制度を作りましたが、ほとんど利用されていないようです。
これは、現在の不動産価格がまだまだ高いということなのでしょう。
そのため、もっと不動産価格を下落させていくと思われます。
これによって、youtube内でも、中国経済の阿鼻叫喚の様が、たびたび話題となると思いますが、習近平政権は、これに焦ることはないでしょう。
中国が脱ドル化したときに、日本がどのような影響を受けるのか?は、正直な話、よくわかりません。アメリカとの関係もありますし、板挟みになりそうですからね。
この点については、今後いろいろと調べていきながら、改めて動画にしたいと思います。







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