この記事では、「千葉県の土地価格の、①この5年間の動きと、②今後の見通し」について、解説します。
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1、千葉県の土地価格の推移
まずは、千葉県の土地価格の推移について、見ていきましょう。
国土交通省が毎年発表している地価公示をもとに、アベノミクスが始まった2013年以降の住宅地、商業地の土地価格の変化について見ていきましょう。
それがこちらです。

住宅地は、ここ2、3年で上昇し始めましたが、商業地はずっと上昇が続いていますね。
特に今年は、住宅地は前年比で4.5%のプラス、商業地は、5.7%のプラスと、アベノミクス以降で、最も高い上昇率となっていました。
市町村別の変化
次に、市区町村別で、もう少し詳しく見てみましょう。
まずは、住宅地について見ていきます。

赤色が、前年比で8%以上の上昇エリアで、以下ピンク、オレンジ、黄色、黄緑までが上昇エリアで、青系統の色がマイナスの地域です。濃くなるほどに、下落率が大きくなります。
流山市が前年比13.6%も上昇しており、以下、松戸市、浦安市と、都心に近いエリアほど、上昇率が高い傾向にありますね。

今度は、商業地を見てみましょう。
商業地も傾向は変わりませんが、赤色のエリアがかなり増えていますね。
ざっくりと言えば、浦安市から袖ケ浦市あたりまでの、内房線沿いの湾岸エリアと、それ以外とで、分かれているような印象です。

買い手が増えているから、土地価格が上がっているというわけではないのです。
では、なぜこれほど、土地価格が上昇しているのでしょうか?
土地価格の上昇の理由はインフレ
その理由は、インフレです。
特に、2022年からのロシアのウクライナ侵攻あたりから、木材や鉄鉱石、原油などの資源価格が上がってきたことで、建築費がこの3年ぐらいで3割上がっているのです。

これによって、戸建て、マンションともに、新築価格が大きく上がっており、中古の戸建て・マンションの価格も連れ高しています。
千葉県の中古住宅を見てみると、2020年から25年までの5年間で、中古マンションは28%、中古戸建は33%上昇していました。

中古住宅価格が上がれば、その土地の評価も上がりますので、ここ2、3年で住宅地が上がっているのは、これが原因だと考えられます。
2、各都市ごとの土地の変化
この点を確認するために、各都市の土地価格の変化率を地図上に落としてみましたので、チェックしていきましょう。
(1)千葉市
こちらは千葉市です。
赤紫のマークが、2020年から25年の5年間で50%以上の上昇をしているエリアで、以下、ピンク、オレンジ、黄緑と続きます。
マイナスの地区は、青と紫の矢印のマークのものになります。
*なお、各市の地図をこのページに表示させたところ、ページが重くなって開きにくくなったので、画像下の参考リンクに、各市のページのリンク先を貼ってます。地図をもっと詳しく見たい場合に、ご活用ください。

(参考:千葉市)
ごちゃっとしていますが、赤やピンクが大きく上昇しているものとしてみてください。
千葉駅や鎌取駅の周辺で、上昇率が高い赤紫やピンクのマークが見られますね。ついで上昇率の高いオレンジも、湾岸部の鉄道沿線に広がっているような印象です。
一方で、内陸部ではあまり上がっておらず、むしろ下落しているところもちらほら見られました。
(2)浦安市、市川市、船橋市
次は、東京に近い浦安、市川、船橋エリアを見てみましょう。
浦安市は、浦安駅や新浦安駅の周辺が高い傾向にありました。湾岸部に赤紫のマークがありますが、こちらは工業地です。

市川市は、市川駅や本八幡駅、行徳駅などの駅周辺が高いのもそうですが、駅から離れた船橋方面のエリアでは、あまり上がっておらず、むしろ下落しているところもありました。
船橋市も、西船橋駅、船橋駅、津田沼駅などの駅周辺は高いですが、内陸部に向かうほど、上昇率が小さくなっていますね。
(3)流山、松戸、柏方面
次は流山、松戸、柏方面です。
流山市は、南流山駅周辺と、流山おおたかの森駅の周辺で大きく上昇しています。他の駅周辺も高いですが、北側に行くほどに、上昇率が小さめになっていますね。

松戸市は、東松戸駅の周辺にピンクのマークが見られます。
駅周辺が高いですが、駅から離れたエリアでは、10%未満の上昇率を示す緑色のマークが点在していますね。
柏市も、柏駅、柏の葉キャンパス駅、柏たなか駅の周辺が高いですね。
また、駅から遠いエリアでも、我孫子市に近い住宅地でも一部、3割以上の上昇をしているところが見られます。
(4)印西市、成田市、香取市
次は、千葉市の北側に広がる、印西市、成田市、香取市です。

印西市では、駅周辺から少し離れたところで、オレンジのマークが目立ちますね。
また、山極のエリアでは下落しているところもいくつか見られます。
成田市は、成田駅の周辺や、成田空港の近くで上昇しているところが多い印象です。
香取市は、佐原駅近くでは、上昇していることもありますが、全体的に下落している地区が多い感じです。
(5)市原市、木更津市、君津市
最後は、千葉市の南側の市原市、木更津市、君津市を見てみましょう。

市原市は、五井駅の周辺が高いです。ピンクのエリアは、国道16号線沿いの工業エリアです。
八幡宿駅から姉ヶ崎駅にかけての、鉄道沿線が高く、内陸部では下落しているところも見られますね。
木更津市は、木更津駅より東側の住宅地が高いですね。
また、三井アウトレット、イオンモールに近いところでは、30~50%以上の上昇をしているところも見られました。
君津市は、君津駅の周辺と、東側を南北に走る国道127号線沿いが高い印象です。
というわけで、千葉県の主な市町村を、駆け足で見てきましたが、この5年間の動きを強引にまとめるとこんな感じです。
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都心に通勤に便利なエリアでは、駅周辺の上昇率が高く、上昇エリアも広範囲にわたっている
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内房線沿いのエリアでは、あまり下落しているところは見られないが、駅から遠い農地の多いエリアや、山際の通勤、通学に不便なエリアでは、さすがに下がっている
といったところでしょうか。
3、これからどうなるのか?
ここまで千葉県内の土地価格の動きについて見てきましたが、今後はどうなっていくのでしょうか?
基本的には、ここまで各市町村について、ご紹介してきたような傾向はそれほど変わらないと思いますが、上がりにくくなっていきそうだと予想しています。
その理由は3つあります。
(1)千葉県への人口流入
1つ目は、千葉県への人口流入が続く、ということです。
圏外から引っ越してきた人と、出ていった人を差し引いた、転入超過数というデータがあります。

千葉県全体で見ると、若い世代、子育て世帯、そして外国人と、あらゆる年代、属性の人たちが、千葉県内に移住してきており、住宅需要は増加傾向にあることがわかります。
右のグラフは千葉市のものですが、同じような傾向ですね。特に外国人の移住者が、全体の割合の半分以上を占めていました。
こちらも、市ごとに、ざっと見ていきましょう。

浦安、市川、船橋で見ると、いずれも若い世代の人口流入が目立ちますね。一方で、市川市では、子育て世帯やシニア世代の人口流出が続いていました。
次は流山、松戸、柏です。

こちらも若い世代の人口流入が目立ちますが、流山市や柏市は、子育て世帯も増えていることがわかりますね。
マンション建設も多く、都心に近く通勤もしやすいということで、子育て世帯も移住してきやすいのでしょう。
次は、印西、成田、香取です。

印西市は、住みたい街ランキングにも県内1位となるぐらいなので、子育て世帯の流入が見られますね。
そして最後は、市原市、木更津市、君津市です。

この辺りは、あまり大きな変化は見られませんが、木更津市が若干、移住者の方が多めな感じですね。県南エリアから引っ越してくるとすると、木更津市がまず選択肢に入ってくる人が多いのでしょう。
というわけで、全体的に、千葉市よりも都心寄りのエリアにおいて、若い世代、子育て世帯、そして外国人の移住が目立つため、住宅需要は今後も引き続き、強めだと考えられます。
(2)死亡者数、相続件数の増加で、売り物が増える
2つ目が、死亡者数、相続件数の増加です。
今年は2025年問題ということで、団塊世代が75歳以上の後期高齢者に突入したことで、医療費や介護などの社会保障費用の増加がさらに進むと騒がれています。

それとともに、日本国内では、死亡者数も増えています。高齢化が進んでいるわけですから、亡くなる人が増えるのは自然なことと言えます。
ですが、死亡者が増えるということは、もし相続人が一緒に住んでいなければ、その家は空き家になってしまいます。
ここ数年の不動産価格のさらなる上昇によって、不動産の相続税評価はさらに上がっています。
そのため、相続税を支払う人の割合は、約1割にまで増えています。
また、千葉県の高齢化は、これからが本番です。

85歳以上の人口予想では、2035年まではずっと増加が予想されています。そのため、相続件数は今後さらに増えていくと予想されます。
(3)金利上昇リスク
そして、3つ目が、金利上昇による住宅ローン金利の上昇リスクです。
2025年に入って、米が倍になったりして、国内物価はかなり混乱しています。その割に、金利を引き上げる動きもないため、先進7カ国の中で、日本が最も物価上昇率が高くなっています。

また、アメリカからは、日本の金利が低すぎて、円安ドル高になってしまっているため、関税を引き上げても、日本からの輸出が抑えられないということで、ベッセント財務長官が、日銀は9月に利上げをするだろう、とプレッシャーまでかけてきています。
このような、国内外からの圧力が強いため、早ければ9月、遅くても年内には、さらに利上げを行う可能性があります。
そうすると、変動金利もさらに上がっていきますので、ギリギリの枠でローンを組んでいた人たちは、さらに返済が苦しくなってきますし、新しく買おうと思っている人も、物件選びを慎重に行うようになるでしょう。
先ほどご紹介した、千葉県の中古住宅の価格においても、マンション価格は、2025年に入ってから、昨年比で下落が続いています。

これは、千葉県に限らず、全国的な傾向なので、住宅ローン金利の上昇や、さらなる物価上昇で、すでに高値でマンションを購入する人が減ってきているのかもしれません。
この傾向に、持ち家需要の減少が、さらに追い打ちをかけてくる可能性には注意した方がよさそうです。
結論
というわけで、結論です。

千葉県の土地価格についてまとめるとこうなります。
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若い世代、子育て世帯、外国人の移住が続いており、住宅需要は強い
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高齢化はこれからが本番で、死亡者もさらに増えるため、売り物件は増えていく
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少子化、未婚化が進んでいることから、持ち家需要は今後減っていく
つまり、売り手は増えるけど、買い手は減っていくので、買い手がつきにくいエリアはさらに増えるし、割高な物件を無理して買う人は減るということなのです。
なので、人気エリアではない、駅から遠い、賃貸需要が少ない戸建てエリアや、周辺相場よりも割高なマンションなどについては、今後厳しくなっていきそうですね。
買うなら?売るなら?
最後に、このような予想を踏まえると、住宅購入または売却を考えている人は、どうしたらいいのか?について、考えてみます。
買うなら?
まずは、買いたい人についてですが、人気エリアのマンションや戸建ては、比較的、需要も高いため、よほど周辺相場よりも高い物件でなければ、価格の大きな値崩れは、当分期待はできないと思います。

しかし、駅から離れたエリアでは、あまり上がっていないところが、結構見られます。
買い手は減ってきていますし、今後はさらに減っていくでしょうから、人気エリアを選ばなければ、安く買える可能性はありそうです。
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売るなら
次に売りたい人についてですが、千葉県は今後も人口流入は続くので、住宅の需要は引き続き強いと思いますので、大きな値崩れは起こりにくいでしょう。

ですが、基本的に、今後増えるのは、外国人ですので、主に賃貸需要です。
また、トランプ政権が日銀に利上げをしろと迫ってますので、今後、住宅ローンの金利はさらに上がりそうです。
すでに、中古マンション市場では、下落が始まったかのような動きも見られますので、今後さらなる金利上昇が進めば、それなりに価格の調整が始まる可能性はありそうですね。
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周りで売り土地がそのまま放置されているとか、新しい家が立たないとか、人口が減少しているなどのエリアでは、公示地価を参考にしても、なかなか売れないといったこともあるので、注意が必要です。

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