この記事では、「埼玉県の土地価格の、①この5年間の動きと、②今後の見通し」について、解説します。
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1、埼玉県の土地価格の推移
まずは、埼玉県の土地価格の推移について、見ていきましょう。
国土交通省が毎年発表している地価公示をもとに、アベノミクスが始まった2013年以降の住宅地、商業地の土地価格の変化について見ていきましょう。
それがこちらです。

住宅地、商業地ともに、上昇が続いていますね。グラフ真ん中のあたりの下落は、新型コロナの影響によるものです。
特に今年は、住宅地は前年比で2.0%のプラス、商業地は、2.8%のプラスと、アベノミクス以降で、最も高い上昇率となっていました
市町村別の変化
次に、市区町村別で、もう少し詳しく見てみましょう。
こちらは、埼玉県のHPに載っている住宅地の変化図です。

赤系統の色が、前年比で上昇エリアで、青系統の色がマイナスの地域です。濃くなるほどに、上昇率、下落率が大きくなります。
県南エリアは、ほとんど真っ赤っかですね。都心への通勤に便利なエリアほど、上昇率が高い傾向なのがわかります。
特に川口市、蕨市が5%以上の上昇をしていました。
その一方で、県北、そして西側では、下落しているところが多いですね。ただし、鴻巣市、熊谷市、深川市は上昇していました。これらのエリアは、JR高崎線などの、東京方面への鉄道が走っており、都心への通勤需要があるためと思われます。
このように、絶好調に見える埼玉県の土地価格ですが、全国的に不動産の登記件数や、新築の着工数は横ばい、または減少傾向にあります。

買い手が増えているから、土地価格が上がっているというわけではないのです。
では、なぜこれほど、土地価格が上昇しているのでしょうか?
土地価格の上昇の理由はインフレ
その理由は、インフレです。
特に、2022年からのロシアのウクライナ侵攻あたりから、木材や鉄鉱石、原油などの資源価格が上がってきたことで、建築費がこの3年ぐらいで3割上がっているのです。

これによって、戸建て、マンションともに、新築価格が大きく上がっており、中古の戸建て・マンションの価格も連れ高しています。
埼玉県の中古住宅を見てみると、2020年から25年までの5年間で、中古マンションは29%、中古戸建は30%上昇していました。

中古住宅の価格が上がれば、その土地の評価も上がりますので、ここ2、3年で住宅地が上がっているのは、これが原因だと考えられます。
2、各都市ごとの土地の変化
この点を確認するために、各都市の土地価格の変化率を地図上に落としてみましたので、チェックしていきましょう。
(1)さいたま市
こちらはさいたま市です。
赤紫のマークが、2020年から25年の5年間で50%以上の上昇をしているエリアで、以下、ピンク、オレンジ、黄緑と続きます。
マイナスの地区は、青と紫の矢印のマークのものになります。
*なお、各市の地図をこのページに表示させたところ、ページが重くなって開きにくくなったので、画像下の参考リンクに、各市のページのリンク先を貼ってます。地図をもっと詳しく見たい場合に、ご活用ください。

(参考:さいたま市)
ごちゃっとしていますが、赤やピンクが大きく上昇してるもの、オレンジが1割以上上がってるところ、緑はそれほど上がってないところとして、見てください。
大宮駅から浦和駅そして、南浦和駅にかけての、京浜東北線、埼京線沿いでオレンジ色が広がっていますね。また、岩槻駅や宮原駅、浦和美園駅などの、一本では東京方面に行きにくところでも、駅周辺ではけっこう上がっていました。
一方で、駅から離れた場所では、下落しているところも、そこそこありますね。
(2)川口市、戸田市、蕨市
次は、さらに都内に近い川口市、戸田市、蕨市です。
川口市は、南浦和駅や南鳩ヶ谷駅などの、中心部からちょっと離れたところでピンクのマークが見られました。

傾向的には、京浜東北線、埼京線の周辺が高いですが、東川口駅の周辺でも上昇エリアが広範囲に広がっていますね。
東川口駅は南北線で都内に繋がっていますし、2022年にタワマンができたり、24年に行政センターができたりと、再開発も進んでいるので、住宅需要が増えているようです。
そして、戸田と蕨は、ほぼオレンジ一色と、上昇が続いています。
(3)新座市、朝霞市、和光市
次は、県南エリアの東武線方面の、新座市、朝霞市、和光市です。
新座市は、志木駅のあたりが高いですね。また、駅周辺だけでなく、久留米市に近いあたりでも、オレンジ色が目立ちます。

新座市は、市の中央部に農地がかなり残っているので、このあたりは宅地化によって土地が余っていることとと、お店が少ないことから、土地価格が上がりにくいようです。
朝霞市も、朝霞駅、朝霞台駅のあたりは高いですが、駅から離れると不便なことと、農地がまだあることから、上昇率は低めです。
和光市も、和光市駅のあたりが高いですが、駅から離れると、緑色のマークが目立っています。これら3市は、都心に近いものの、まだ農地が残っているエリアが結構あるため、そのようなところで、あまり上がっていない印象ですね。
(4)春日部市、越谷市、草加市
次は、春日部市、越谷市、草加市と見ていきましょう。
春日部市は、春日部駅などの、古利根川より東側は上昇してますが、西側は下落しているような印象です。

西側は、農地がまだ多く残っているエリアなので、人気が低いのでしょう。ただし、イオンモール近くの住宅地は上昇していました。
越谷市は、越谷駅から南越谷駅にかけてのエリアが高いですね。また、レイクタウンのあたりも、相変わらず人気のようです。
草加市も、新田駅(しんでん)から谷塚駅(やつか)にかけての鉄道沿線が高いですが、そこから離れると、上がりにくくなっていました。
草加市、越谷市あたりまでは、鉄道駅の周辺が高いですが、それより北側に行くと、農地がまだ残っているエリアが増えていくこともあって、春日部あたりまで行くと、下落するところも、ちらほら出ているような印象です。
(5)入間市、狭山市、所沢市
次は、所沢周辺の、入間市、狭山市、所沢市を見ていきましょう。
入間市は、入間市駅や武蔵藤沢駅などの鉄道沿線と、それに並行して走る国道463号線沿いが安定していましたが、駅から離れた西側、南側では下落しているエリアが多いようです。

狭山市も、新狭山駅から狭山市駅にかけてのエリアでは、安定していますが、駅から離れると、下落しているところが多いですね。
所沢市は、所沢駅から新所沢駅にかけての、中心部が高めでした。安定しているエリアは、他の2市よりも広いですが、それでも、農地が多く残っていたり、駅から離れすぎている場所では、下落しているところも、いくつか見られました。
(6)坂戸市、川越市、上尾市
次は、川越周辺です。坂戸市、川越市、上尾市と見ていきます。
坂戸市は、坂戸駅の周辺と、西側にあるにっさい地区のあたりが安定していました。

にっさい地区は、工場が周りにたくさんあり、ロードサイド店舗もそこそこあるため、車通勤の人にとっては、利用しやすいエリアのようです。
川越市は、川越駅などの中心部で高いほか、新河岸駅や南古谷駅などの、近くの駅でも、一部高いエリアが見られました。
そして、上尾市です。
上尾市は、全体的に安定していますが、2020年にイオンモールができたこともあって、イオンモール周辺は、他よりも高めでした。
(7)深谷市、熊谷市、行田市
次は、熊谷周辺です。深谷市、熊谷市、行田市を見ていきます。
深谷市は、深谷駅のあたりと、小前田駅のあたりが安定していますね。

熊谷市は、熊谷駅と籠原駅のあたりが安定していました。特に、籠原駅近くの住宅地では、16%も上がっており、高崎線の始発駅ということで人気なのかもしれません。
行田市は、行田駅近くで緑色のエリアがありますが、ほとんど下落していました。秩父鉄道沿線は利用者が少なく、高崎線の行田駅周辺だけは、かろうじて、通勤需要があるのかもしれません。
これら3市は、中心部から離れると、農地がかなり残っています。
なので、これらの農地が宅地化されることで、土地価格が下がりやすくなっているようです。
(8)鴻巣市、加須市、久喜市
最後に、鴻巣市、加須市、久喜市を見てみましょう。
鴻巣市は、鴻巣駅周辺は安定してますが、それ以外は下落しています。

加須市も、ほとんどのエリアで下落してますね。特に新古河駅のあたりは、1割以上の下落をしていました。この辺りは農地が多く残っており、新古河駅も東武日光線で、通勤に使うのは難しいため、住宅需要が少ないのでしょう。
その下に緑色のマークがありますのが、この辺りは工場が多く、工業用途での利用が増えていると考えられます。
そして、久喜市は、久喜駅や栗橋駅などの駅周辺は安定してますが、それ以外は大体下がってますね。
いうわけで、埼玉県の主な市町村を、駆け足で見てきましたが、この5年間の動きを強引にまとめるとこんな感じです。
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都心に通勤に便利なエリアでは、駅周辺の上昇率が高く、上昇エリアも広範囲にわたっている
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埼玉県は、農地が多く残っており、それらが徐々に宅地化されているため、農地の多いあたりは、上がりにくく、むしろ下落するところも結構ある
といったところでしょうか。
3、これからどうなるのか?
ここまで埼玉県内の土地価格の動きについて見てきましたが、今後はどうなっていくのでしょうか?
基本的には、ここまで各市町村について、ご紹介してきたような傾向はそれほど変わらないと思いますが、上がるところと、下がるところの二極化がさらに進むと予想しています。
その理由は4つあります。
(1)埼玉県への人口流入
1つ目は、埼玉県への人口流入が続く、ということです。
圏外から引っ越してきた人と、出ていった人を差し引いた、転入超過数というデータがあります。

埼玉県全体で見ると、若い世代、子育て世帯、そして外国人と、あらゆる年代、属性の人たちが、埼玉県内に移住してきており、住宅需要は増加傾向にあることがわかります。
右のグラフはさいたま市のものですが、同じような傾向ですね。外国人の移住者の割合はそれほど多くなく、若い世代や子育て世帯の流入が目立ちました。
こちらも、市ごとに、ざっと見ていきましょう。

川口市は、外国人の移住が多いですね。蕨市も割合的に高めです。何かと話題となる2市ですが、10年ぐらい前まで遡ってみても、この傾向はずっと続いていたんですね。
また、これら3市は、都心に近いこともあって、若い世代の移住者が多めでした。
新座市、朝霞市、和光市で見てみると、朝霞市、和光市までは、若い世代の移住が目立ちますね。新座市は、30~40代の移住が目立ちます。

入間市、狭山市は、若い世代が外に出ていきがちで、所沢市は逆に増加しています。また、新型コロナ以降は、リモートワークの影響もあってか、子育て世帯も増えている感じです。カドカワが、本社を所沢に移した影響もあるかもしれません。

越谷市は、レイクタウンがあるので、子育て世帯に人気でしたが、新型コロナ以降は、むしろ減少してますね。代わりに外国人が増えているようです。
また、草加市は若い世代の移住が多いですが、こちらも最近は外国人の方が多めになっています。

逆に、川越市や上尾市は、新型コロナ以降、子育て世帯の移住が増えていました。また、川越市は、観光地ということもあって、外国人の移住者も多めです。

深谷市、熊谷市、行田市は、若い世代は減少傾向にありますが、それを外国人と子育て世帯、シニア世代の移住でカバーしている印象です。

鴻巣市、加須市、久喜市も、若い世代は出ていきますが、子育て世帯の移住が増えているようです。

というわけで、全体的に、都心寄りの県南エリアにおいて、若い世代、子育て世帯、そして外国人の移住が目立つため、住宅需要は今後も引き続き、強めだと考えられます。
(2)死亡者数、相続件数の増加で、売り物が増える
2つ目が、死亡者数、相続件数の増加です。
今年は2025年問題ということで、団塊世代が75歳以上の後期高齢者に突入したことで、医療費や介護などの社会保障費用の増加がさらに進むと騒がれています。

それとともに、日本国内では、死亡者数も増えています。高齢化が進んでいるわけですから、亡くなる人が増えるのは自然なことと言えます。
ですが、死亡者が増えるということは、もし相続人が一緒に住んでいなければ、その家は空き家になってしまいます。
ここ数年の不動産価格のさらなる上昇によって、不動産の相続税評価はさらに上がっています。
そのため、相続税を支払う人の割合は、約1割にまで増えています。
また、埼玉県の高齢化は、これからが本番です。

85歳以上の人口予想では、2035年まではずっと増加が予想されています。そのため、相続件数は今後さらに増えていくと予想されます。
(3)農地の宅地化がさらに進む
3つ目が、農地の宅地化です。
埼玉県は、平地が多い県なので、鉄道沿線から離れると、結構農地が多く残っており、それらが宅地化されることで、住宅需要が分散する傾向にあります。

2010年から20年にかけての10年間で、埼玉県の農地は8,500ヘクタール減っており、30坪の戸建てにして、約85万戸分の農地が、宅地や工場、店舗などに変わっていきました。
今後もこの傾向は変わらないでしょうから、農地が多く残っているエリアでは、中心部の空洞化と、農地周辺の土地価格の下落が進みそうです。
都心への通勤に便利な駅周辺では、あまり影響はないと思いますが、少し離れたところでは、今後もこの影響は広がっていくでしょう。
(4)金利上昇リスク
そして、4つ目が、金利上昇による住宅ローン金利の上昇リスクです。
2025年に入って、米が倍になったりして、国内物価はかなり混乱しています。その割に、金利を引き上げる動きもないため、先進7カ国の中で、日本が最も物価上昇率が高くなっています。

また、アメリカからは、日本の金利が低すぎて、円安ドル高になってしまっているため、関税を引き上げても、日本からの輸出が抑えられないということで、ベッセント財務長官が、日銀は9月に利上げをするだろう、とプレッシャーまでかけてきています。
このような、国内外からの圧力が強いため、早ければ9月、遅くても年内には、さらに利上げを行う可能性があります。
そうすると、変動金利もさらに上がっていきますので、ギリギリの枠でローンを組んでいた人たちは、さらに返済が苦しくなってきますし、新しく買おうと思っている人も、物件選びを慎重に行うようになるでしょう。
先ほどご紹介した、埼玉県の中古住宅の価格においても、マンション価格は、2024年に入ってからは、ほとんど横ばいです。

公示地価は上がっていますが、実際の物件の取引価格は、横ばいなので、これからさらに金利が上がってくれば、中古市場では、間違いなく影響を受けるでしょう。
結論
というわけで、結論です。

埼玉県の土地価格についてまとめるとこうなります。
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若い世代、子育て世帯、外国人の移住が続いており、住宅需要は強い
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高齢化はこれからが本番で、死亡者もさらに増えるため、売り物件は増えていく
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農地の宅地化がさらに進んでいくため、農地に近いエリアや、通勤に便利な駅がない中心市街地は、影響を受けるだろう
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今後、金利がさらに上がってくると、買い手はさらにローンが組みにくくなるので、高値でも買える人は減って行く
と言えるでしょう。
なので、人気エリアではない、駅から遠い、賃貸需要が少ない戸建てエリアや、周辺相場よりも割高なマンションなどについては、今後厳しくなっていきそうですね。
買うなら?売るなら?
最後に、このような予想を踏まえると、住宅購入または売却を考えている人は、どうしたらいいのか?について、考えてみます。
買うなら?
まずは、買いたい人についてですが、人気エリアのマンションや戸建ては、比較的、需要も高いため、よほど周辺相場よりも高い物件でなければ、価格の大きな値崩れは、当分期待はできないと思います。

しかし、駅から離れたエリア、特に農地が近くに残っているところでは、あまり上がっていないところが、結構見られます。
なので、人気エリアを選ばなければ、安く買える可能性はありそうです。
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売るなら
次に売りたい人についてですが、埼玉県は今後も人口流入は続くので、住宅の需要は引き続き強いと思いますので、県南エリアの駅周辺では、大きな値崩れは起こりにくいでしょう。

ですが、基本的に、今後増えるのは、若い世代や外国人ですので、主に賃貸需要です。
また、トランプ政権が日銀に利上げをしろと迫ってますので、今後、住宅ローンの金利はさらに上がりそうです。
すでに、中古市場では、上がりにくくなってますので、今後さらなる金利上昇が進めば、それなりに価格の調整が始まる可能性はありそうですね。
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