天才マクロンが作る欧州秩序 | イエ&ライフ

天才マクロンが作る欧州秩序

youtube原稿

今回の記事では、「近寄るな、負け犬め。嫁さんに罵倒される、天才マクロンが作る欧州秩序」ということで、やっていきたいと思います。

 

1、はじめに

今年5月に、マクロン夫妻がベトナムを訪問した際に、飛行機のハッチが開いていたタイミングで、嫁さんに顔を突き飛ばされたマクロン大統領の動画が話題となっていました。

 

(参考:NY Post)

 

この後、飛行機を降りる際に、二人が何か会話をしているのですが、読唇術のプロが解析したところ、嫁さんのブリジットさんは「近寄るな、負け犬め」と罵倒していたそうです。

 

この件がニュースになった際に、マクロン氏は敵対勢力の仕業だと否定しました。

夫婦喧嘩も敵対勢力のせいにするセンスに、同じ77年生まれの私は、やはりマクロンは、俺たちのエースだと感心しました。

 

以前にも、マクロン氏をテーマに動画を何度か作ってますが、77年生まれの同い年であることと、嫁さんがけっこう年上という共通点があって、全く他人事とは思えない感じで、ニュースを追いかけています。

 

(参考:NHK)

 

しかし、マクロン氏のニュースを見ていると、本当に負け犬っぷりがすごいです。

最近も、フランスの首相のバイル氏が信任投票で否決され、辞職に追い込まれました。

首相の交代は、昨年のアタル氏、バルニエ氏、今回のバイル氏、そして次はルコルニュ氏と、全てマクロン氏がいる中道政党のグループから出しており、連立を組んでいる左派からの声は完全に無視を続けています。

 

しかも、今回のバイル氏も、前回のバルニエ氏も、緊縮予算をゴリ押ししようとして、左派からも右派からも反発を喰らっての辞任です。

つまり、この1年間を通るはずのない緊縮予算案を通そうとして、無駄に時間をかけただけなのです。

 

(参考:euronews)

 

こんな状況なので、マクロン大統領の支持率は低迷を続けています。SNS上では、7%まで下がったなんて話まで出ています。

こちらの記事は、7%じゃないよ、それはフェイクニュースだよ、という火消し記事なのですが、じゃあ、実際はどうなのか?というと、その時の調査では17%ということで、どっちにせよ、絶望的な支持率の低さは変わっておらず、全くフォローになっていません。

 

最近の別の調査でも、3割を超えることはなく、20%台で低迷を続けており、まるで岸田、石破政権に対する日本国民の評価のような、そんな雰囲気すら感じます。

しかし、以前から追いかけてる私から見ると、そもそも、前からわざとらしかったのです。

 

 

昨年6月に、欧州議会選挙で、ルペン氏率いる国民連合が大勝ちしたのですが、何をとち狂ったのか、この結果を受けて、マクロン氏はフランス議会を解散させて、総選挙を行い、見事に国民連合に敗北しました。

これは、まるで昨年の石破首相が、総裁に指名されてすぐに解散総選挙をやって、裏金議員にわざと2000万円を振り込んで、大負けしたのと同じぐらいの、わざとらしさです。

 

最近、石破首相はやめないという動画を出しました。石破首相は、旧安倍派を自民党から追い出すために、わざと衆院選、参院選で負けたのだと分析したものです。

 

 

さらに、そう考えると、石破首相はやめないだろうと予想したのですが、見事に翌日に辞任会見を行い、思いっきり外しました。ですが、石破首相は策士だという見方は変わっていません。

 

そして、マクロン氏も、ただの頭のイかれた年増好きな訳がない。絶対に裏があるはずだ、というのが、今回の考察内容になります。

この記事を見れば、いかにマクロン氏が天才なのかがわかると思います。

それでは、参りましょう。

 

2、マクロンが自滅的な政策をやってる5つの理由

マクロン氏が、これほど自滅的な政治をやっている理由は、私が思うに、大きく5つあります。

 

(1)EU共同債→ユーロ基軸通貨化

1つ目は、EU共同債の導入、そしてユーロの基軸通貨化です。

 

(参考:Politico)

 

フランスは、現在財政赤字がひどくて、そのために、この1年間、真面目に緊縮予算を組もうとしてきたのですが、全くうまくいきませんでした。

そして、今後も政党間の調整がうまくイかない状況が続くため、おそらくですが、財政破綻スレスレにまで行くのではないかと思います。

 

しかし、財政破綻してしまえば、現在のEUやユーロの枠組みは崩壊します。

なので、EU全体で債券を発行して助けるという動きになると予想されます。

このような動きは以前からあって、2010年代のギリシャ危機でも、EUの財政連帯の話が出てましたし、2020年の新型コロナ危機の時にも、Nexr Generation EU、という名の共同債が発行されています。

 

そして、トランプ氏が欧州は自前で軍備を整えろと、NATO各国にGDPの5%にまで軍事予算を引き上げさせる約束を取り付けたことで、財政的に苦しい国でも、資金を調達しやすくなるようにと、2028年ごろを目処に、EU共同債を使えるようにしようと議論がされている最中なのです。

ところがこれは、要するに財政状態のいいドイツの信用力を使って、欧州各国が低金利で資金調達ができる仕組みのようなものなので、ドイツがあまり乗り気ではない状況なのです。

 

ですが、ここでフランスがぶっつぶれたらどうでしょうか?

流石に、ドイツもフランスを見捨てることはできません。そして、そもそも、現在のユーロの仕組みは、ドイツにとって有利なルールなので、助けざるを得ないのです。

 

さらに、EU共同債が発行できるようになると、安定した債券市場が生まれます。

これまでドイツ国債は、信用力が高く人気がありましたが、財政状況が良すぎるため、発行残高が少なく、多くの投資家の受け皿になることができていませんでした。

 

ドイツの一般政府債務の残高は、2.7兆ユーロ、500兆円弱しかありません。

日本の半分以下なのです。ですが、EU共同債が発行されるようになれば、ドイツの信用力を使って、フランスやイタリア、スペインなどの国々も、そこそこいい条件で資金調達ができますし、投資家も安心して、債券購入に動くことができます。

 

(参考:ガーディアン)

 

アメリカはトランプ政権になって、ドルを世界に一つだけの基軸通貨の地位から、もっと小さい地域通貨レベルにまで降りようとしています。

それは、最近のBRICS諸国との関税交渉でも明白です。インドやブラジルなどの、BRICS諸国には、なんと50%もの関税をかけているのです。

 

しかも、ブラジルは、対米貿易で赤字の国なので、わざわざ貿易をストップする理由もないのです。それでも、あえて50%の関税をかけているというのは、BRICSとの貿易は、もうやめたいというのが本音なのです。

すでに、BRICS諸国が、ドルを使わない二国間貿易を増やしているということは、欧州だって、ドルではなく、ユーロの地位をもっと引き上げられると考えているでしょう。

 

その時に必要になるのは、貿易の決済だけでなく、運用先としての存在感です。

EU共同債が、米国債のように世界中の投資対象として、保有されるようになれば、ユーロの地位がさらに上がると考えているのではないでしょうか?

 

(2)NATOからのアメリカ離脱に備える

2つ目は、アメリカがNATOから離脱することを見据えてということです。

今年のNATOサミットでは、トランプ氏が欧州各国に働きかけることで、GDPの5%にまで、軍事費を引き上げていくことを約束させられました。

 

(参考:Hungarian Conservative)

 

これについては、見方はさまざまで、

・各国の財政負担が増えただけ、アメリカの武器を買わされるだけではないか?

・なんで敵対する必要のないロシアを仮想敵国に仕立て上げて、余計な軍事費を払わなきゃいけないんだよ、

みたいな声もあります。

 

ですが、ハンガリーのオルバン首相は、これをウクライナに金を払うのをやめて、欧州の自立のために金を使うことを決めたんだ、と捉えており、「勝利宣言」を出しています。

トランプ氏に近いオルバン首相は、むしろこれに賛成なんですね。

 

(参考:BBC)

 

そして、この軍事費5%という数値は、現在の欧州各国の軍事予算から見ると、はるかに遠い道のりです。大概の国が、2.5%未満となっており、今よりさらに2倍以上に予算を増やさなければいけないのです。

その金をどう捻り出すのか?と言えば、これはもうEU共同債を立ち上げるしかないわけです。

 

マクロン氏は、以前から欧州の安全保障は、欧州自身がやるべきだと発言しており、フランスが財政破綻危機に陥って、EU共同債の動きが早まれば早まるほど、各国の軍事化も早められるようになります。

今はトランプ政権なので、欧州やロシアに戦争を仕掛けることはありませんが、またいつか民主党や戦争屋が政権をとった時に、欧州がバラバラで自前で防衛体制を築けていなければ、そこをつけ込まれて、クーデターやら反政府運動やらで、引っ掻き回されてしまいます。

 

その前に、アメリカが手出しできないように、欧州を団結させておきたいというのが、

マクロン氏の本音ではないでしょうか?

 

(3)ドイツ有利のユーロを修正したい

3つ目は、今のドイツ有利のEUとユーロの仕組みを修正したいということです。

ユーロという通貨は、20カ国が採用しているわけですが、当然ですが、国によって経済力にも、産業力にも差があります。

 

(参考:NHK)

 

ユーロに統合の当初は、各国の直前の為替レートをもとに参加しますので、不公平はありません。ですが、それから5年、10年と経ったらどうなるでしょうか?

その間に、各国の政治や産業が変化して、盛り上がったり、衰退したりしますよね。

 

ところが、統合後は、そのような国力の変化を為替レートに反映されることがないので、ずっと苦しいままが続いてしまうのです。

特に、ドイツよりも産業力が弱い国は、大変です。国力が下がっても、通貨は割高なままになるので、輸出して稼ぐことが難しくなります。

 

このような状況をドイツは東西ドイツ統合時にも経験しました。

共産圏で産業があまり育たなかった東ドイツと統合するときに、東ドイツにとって、割高な為替レートで統合した結果、東ドイツの企業の多くが倒産し、旧東ドイツの失業率が20%以上に跳ね上がったのです。

この時の東ドイツのような状況に、現在のドイツ以外の国々が置かれているというわけです。

 

現在、フランスを含めて、ドイツ以外の財政赤字はどんどん膨らんでいるわけですが、それは、ユーロがドイツにとって有利だということもあるんですね。

なので、フランスが財政危機を表面化させることは、この不平等な仕組みを修正するとか、EU共同債をさっさと導入するとか、そういう議論も起こると思いますし、それを狙っていると思います。

 

(4)公務員の削減

4つ目は、公務員の削減です。

 

(参考:eurostat)

 

ヨーロッパは、福祉を充実させてきたため、公務員の比率が高い傾向にあるのですが、フランスもかなり高い水準にあり、就業者の5人に1人以上が公務員になっています。

これは、日本の2倍以上の数になります。

 

公務員の給料は税金から出ますから、公務員が多いと税負担も上がります。

日本も含めて、先進国では高齢化が進んでいますので、社会保障費用が増えていく中で、金を稼がない人間が多いと、民間への皺寄せが行きます。

 

日本でもそうですが、そうなると、人件費の安い移民を使いたがるようになります。

そういう影響もあって、欧州では、大量の移民が入ってきて、治安の悪化にもつながって、収拾がつかなくなっている状況なのです。

 

昨年からフランスでは、マクロン氏が指名してきた首相たちの、緊縮財政予算を全て拒否してきましたが、じゃあ、このまま何もしなくていいのか?というと、いずれ財政破綻するか、国民連合が政権をとって、ユーロを離脱するしかなくなるでしょう。

今度のルコルニュ首相も、辞職することになれば、総選挙を早めて、この選択を国民にさせようとするかもしれませんね。

 

(5)軍国化して移民を取り締まる

5つ目が、軍国化することで、移民犯罪の取り締まりを大っぴらにできるということです。

フランスの世論調査によると、約6割の人が兵役義務の復活に賛成しているそうです。

 

(参考:Connexion)

 

欧州では、ロシアによるウクライナ侵攻のインパクトが強くて、ロシアがウクライナだけでなく、欧州にまで攻めてくると考えている人が半数以上になるというのです。

ウクライナ戦争以降、政治家もメディアも、ロシアを徹底的に悪者扱いしてきたので、その影響が大きいのでしょう。

 

(参考:NDTV)

 

さらに、フランスでは、戦争への備えも進めています。

フランスの病院に対して、政府は来年3月までに戦争で負傷した兵士が数千人規模で送られてくる観桜性があるので、準備をするようにとの通達があったようです。

 

第二次世界大戦中は、シチリアンマフィアは、壊滅的な打撃を受けたと言います。

ムッソリーニがファシスト政権をとって、国民を強力に監視するようになったため、犯罪で金を稼ぐギャングやマフィアが、次々に粛清されていったのです。

 

現在の欧州の移民犯罪は、国連の人種差別するなという警告もあって、なかなか大っぴらに対処しにくい状況にあります。

しかし、戦争モードになれば、国内の治安維持を理由に、「犯罪者にも人権があるから」みたいな緩い言い訳が通用しなくなります。

 

(参考:BBC)

 

一方で、欧州が軍事国家に変わっていくとすると、ロシアも歓迎しているような気がします。

というのも、ソ連崩壊以降、ロシアを悩ませてきたのは、欧州ではなくアメリカだからです。

 

今回のウクライナ戦争も、2014年のマイダン革命から続いているもので、この10年以上、アメリカはウクライナ兵を訓練したり、武器を送ってきたり、生物兵器の研究所を作ってきたりしました。

なので、欧州がアメリカに乗っ取られないレベルにまで軍国化が進むことは、むしろ歓迎していると思いますし、その軍国化をさらに進めるためなら、欧州を挑発するような軍事紛争も行う可能性もあります。

 

実際、最近、ロシアの無人機が、ポーランド領内に入ってきて、大騒ぎになっていました。

これをロシアがやったように見せかけた、偽旗作戦とする見方もありますが、ロシアが欧州との冷戦状態を作るために、わざと緊張させるようなことをやっている可能性も十分にあると思います。

 

というわけで、ここまで、マクロンの負け犬っぷりの裏に隠れた目的を考察してきました。

日本もフランスも、そして、トランプ政権もそうなのですが、本当に倒すべき敵は外にはおらず、内側にいます。政治家や官僚ですね。

 

なので、それを何とかするのに、1番手っ取り早いのは、自滅策です。

これらの人たちは、寄生虫みたいな人たちですから、宿主が死ねば生きていけないからです。

 

当然、外からは変に見えますので、支持率も評判も落ちてしまいますが、それをわかってて、あえてやるというところに、マクロン氏のかっこよさがあると思いますね。

嫁さんに「負け犬め」となじられても、案外喜んでいるような人ではないかと想像しています。

マクロン氏については、今後も定期的に動画にして、追いかけていく予定です。

 

この記事を書いた人
ゴトウ

証券会社で12年間勤務。営業と店舗マーケティングに従事後、2018年から当サイト「イエ&ライフ」を運営しています。

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