今回の動画は、「ワンピースがやばい。世界中の反政府デモでジョリー・ロジャーが使われている」ということで、やっていきたいと思います。
(この記事は、YouTube動画の元原稿になります)
1、はじめに

前回の動画に引き続き、ワンピースネタになります。
前回は、ピーター・ティールという、トランプ政権の黒幕の億万長者が、ワンピースの物語にこれからのアメリカを占うヒントがあると、大真面目に語っている記事について、ご紹介しました。
それで、ワンピースについてあれこれ調べていたら、今年に入って、世界中で起こっている反政府デモや抗議活動に、このワンピースのシンボルである、じょりーロジャーと呼ばれる海賊旗が、頻繁に出てくるようになって、その度にメディアに取り上げられるほどに、話題になっているのです。
そこで、今回の動画では、なぜ今、ワンピースのこの海賊旗が、世界中で使われるようになったのか?ということについて、考察していきたいと思います。
それでは、参りましょう。
2、世界中で起こっている反政府でもと海賊旗
まず、つい最近起こっている、世界の反政府デモについて、見ていきましょう。
(1)メキシコ
こちらは、11月15日に起こった、メキシコシティでの反政府デモについての記事です。

このデモに先立って、ミチョアカン州のウルアパンという街の市長が、イベント中にギャングに銃殺されたことをきっかけにして、ギャングのやりたい放題を放置している、現在のシェインバウム政権に対しての抗議活動が起こったというわけです。
こちらの画像は、メキシコシティの大統領宮殿前の広場に集まった人たちの抗議活動の模様ですが、画像の中央より少し左側に、ドクロのマークの旗が見えますね。
こちらが、ワンピースで描かれている、主人公のルフィたちの海賊旗になります。
この抗議活動は、数千人が集まったとされ、120名が警官隊と衝突して負傷しています。
それで、こちらが今回のメキシコでの抗議活動で、SNS上で見つけた海賊旗の画像です。

左上の画像は、メキシコ国旗とともに掲げられていますし、右上のものは、広場にかなりデカい海賊旗を敷き詰めていますね。
また、右下の画像は、デモに集まった人たちを遠目で撮ったものですが、全体的にはメキシコ国旗を掲げている人が多く、その中の一部に、海賊旗も掲げているという感じです。
(2)インドネシア

他の国についても見ていきましょう。次は、インドネシアです。
インドネシアは、現在貧富の格差が広がっており、しかも、軍部出身の大統領の縁故政治に対する不満が溜まっている状況にあります。
そんな中、7月に大統領が演説で、8月の独立記念日がもうすぐだから、国民の皆さんは、国旗を掲げてくださいと声明を出したところ、「今の政府なんて信用できねえから、ワンピースの海賊旗を掲げようぜ」という人がたくさん出てきて、海賊旗の注文が殺到したというニュースが出てきていました。
(3)ネパール
次は、ネパールです。
ネパールも、貧富の格差が開いている上に、ネポキッズまたはネポベイビーズと呼ばれる、親の七光りの調子に乗った政府高官の子弟が、承認欲求に負けて、SNSに見せびらかし投稿をしていて、特に仕事がなくて貧乏な若い人たちのヘイトを買っていました。

そんなSNSでの批判が広がっていたことを受けて、9月4日に、政府がSNSを禁止したことに怒った国民が、8日に首都カトマンズに集まって集会を開き、それが暴徒化したことで、死者が19名、負傷者が347名出るという大惨事となりました。
その後も、暴動は全土に拡大し、翌日9日には、オリ大統領は辞任し、その後、DiscordというSNSを通じたネット投票で、プーデル氏が新大統領として、暫定的に就任しました。
こちらの記事の画像は、ネパールの首相官邸である、シンハ・ダルバール宮殿の門にワンピースの海賊旗が掲げられたものです。
(4)マダガスカル
次は、マダガスカルです。
マダガスカルは、旧フランスの植民地で、国民の75%が貧困状態であり、最近は首都でも停電や水不足が深刻化していたようです。

それに対して、やはり政府高官の子弟の贅沢三昧は、SNSを通じて可視化されており、若い人たちを中心に不満が溜まっていました。
9月25日に首都で数千人規模の抗議集会が行われ、5人死んでます。その後も、断続的に抗議活動は続いていましたが、10月12日に、軍の一団が反乱を起こし、軍を掌握したことで、大統領は国外に逃亡しています。
(5)ペルー
次はペルーです。
こちらも、9月に年金改革法案が可決され、18歳以上の成人は強制的に年金に加入することが義務付けられ、これに反対した市民による抗議集会が起こりました。

そして、その後は大統領が議会で不信任案で可決され解任となり、15日には首都のリマで数千人規模の抗議集会が起こり、1名死亡、80人が負傷しています。
(6)アメリカ
また、アメリカでも海賊旗が見られました。
10月18日に開催されたNo Kingsという、反トランプの抗議集会でも、一部の住民が旗を振っているのが確認できました。

と、こんな感じで、見た感じですが、8月以降にこのワンピースの海賊旗を掲げて、デモをやっているという記事や、画像は、増えている感じです。

ここまで紹介した国以外ににも、フランスやイタリア、ケニア、モロッコ、エクアドル、などなど、多くの国のデモで、使われているようです。
3、なぜワンピースなのか?

では、なぜワンピースなのでしょうか?
これらの記事を見てみて、大きくは2つの理由があると思います。
(1)世界中で見られてる
1つ目は、世界中で見られているということですね。
ワンピースは、ネットフリックでも実写ドラマになっていますが、キャストを見ても、明らかに海外向けの作品となっています。現在シーズン2まで行ってますが、かなり好評とのことで、今後も作られるのでしょう。

それで、欧米での発行部数を見てみると、北米では290万部、フランスは約3200万部、イタリアは1800万部、ドイツは670万部と、日本人ほどマンガを読む習慣がないであろう、これらの国々でも、かなりの部数が出ていることがわかります。
また、現地語でのコミックの発行巻数を見てみると、日本では113巻まで出てますが、英語版は110巻、インドネシア語版では、昨年6月時点で106巻、スペイン語版も106巻まで確認できました。なので、他言語でも、日本の連載にかなり追いついていることがわかります。
全世界で5億部を超えているというのですから、まあ、世界的にかなり見られているのでしょう。また、動画サービスでアニメの閲覧も可能になってますから、さらに、知名度は高いものと思われます。
(2)世界の構造をうまく説明している
そして、2つ目が、世界の構造をうまく説明している、という点です。
ワンピースという物語では、正義と悪という2つの立場ではなく、ルフィたち主人公は、その中間に位置します。

そして、見る人は、世界政府を汚職まみれで真面目にやらない政府と見立て、海賊たちをやりたい放題のギャングやグローバル企業と見立てるのでしょう。
どちらも、普通に暮らしている人たちにとって、ありがたくない存在ですから、これら2つの存在に対して、喧嘩を売って、虐げられている者を助けるルフィたちに対して、共感を向かいやすいのでしょう。
ロビンフッドや石川五右衛門、水滸伝など、いわゆる義賊と呼ばれる人たちの物語は、世界中にありますし、実在の人物も結構いて、それぞれの国々で記憶されています。
Wikipediaで義賊を調べてみたところ、20人以上の義賊の名前がリストアップされてました。欧米だけでなく、中南米、ロシア、中国なども、世界中にいたようです。
それをアニメや漫画という形で、現代に再現させたのがワンピースだというわけです。
もともと、そういう存在をそれぞれの国の人たちが受け入れる土壌があったからこそ、ワンピースも多くの国で受け入れられたのでしょう。

また、現在の政府に対する不満も根強くあることも大きいでしょう。
今回のこれらの抗議活動では、Z世代とワンピースを結びつける解説記事が多いのですが、じゃあ、これらのZ世代が何にブチぎれてるのか?というと、それはネポキッズです。
ネポキッズとは、要するに親の七光りで、キラキラしている子どもたちのことです。
Z世代の人たちは、SNSでつながるのが普通の状態にありますし、いくら裕福であっても、他人からの評価がなければ、ただの金持ちのお姉ちゃん、お兄ちゃんですから、周りからチヤホヤされるために、調子に乗ってしまいがちなのでしょう。
そんな一部の勘違いした、政府高官の子弟が、いい車に乗ってたり、海外に留学したりということをSNS上に投稿していて、それが失業中の若者の目に留まり、自分たちを豊かにしてくれない政治家たちに、ブチギレてしまったというわけです。

その一方で、治安の悪化やギャングの跋扈する状況もあります。
特に中南米では、麻薬の取り扱い量が増えていることもあって、ギャングが増えており、殺人件数も増加傾向にあります。
こちらのグラフでは、エクアドルが大きく伸びていますね。
エクアドルは、コロンビアとペルーの間にある国で、これらの国は、麻薬カルテルが勢力を伸ばしているため、殺人件数も増えているようです。
このような国に住んでいれば、ワンピースの海賊団、特にビッグマムやカイドウみたいなやつに支配されている、まるでワノ国にいるようだと思うのも無理はありません。
そんな虐げられた民衆をカイドウの手から救い出してくれるルフィに、共感する若い世代は多いのではないでしょうか?
4、これからワンピースはどうなるのか?
というわけで、ここまでは、世界中で見られ、読まれているワンピースの背景についてみてきましたが、これからワンピースはどうなっていくのでしょうか?
私は今回、ワンピースの海賊旗が掲げられていた各国の抗議活動についての動画や投稿を、Xなどでいろいろと見てみたのですが、正直な感想としては、これらの市民によるデモは、ワンピースの海賊旗の旗の下で、みんなが一致団結して抗議活動をやっている、というわけではなくて、国旗やいろいろなプラカードが掲げられている中に、混じっているという印象でした。

しかし、これらの抗議活動の記事を見ると、このような見出しで「Z世代」と「ワンピース」という言葉がセットで使われているように感じます。
そして、これは、なんだか15年ぐらい前にあった、アラブの春のような、そんな雰囲気を感じるんですよね。
アラブの春とは、2010年から2012年にかけて、中東地域で起こった民主化運動のことで、やはり当時も若者の失業率が高くて、それを不満として立ち上がった民衆が、反政府活動を行い、政権が倒れた国も出ていました。
例えば、チュニジアやエジプトなどでは、30年以上の独裁政権が続いていましたが、この時期に潰れています。
そして、この時に原動力となったのが、TwitterやFacebookなどのSNSだと言われていました。
ところが、それは嘘だったと、少なくとも、中東においては、FacebookやTwitterではなかったと言われています。

2012年はiPhone5が出た頃で、日本でもスマホを持っている人は、大体2割ぐらいでした。ガラケーでfacebookやTwitterはできませんから、もっと所得が少ない中東諸国の若者が、SNSを使って抗議活動を動員したというストーリーは無理があります。
実際には、I-Revoltという、おそらく、ガラケーでも使える簡単なメッセージアプリや、チラシ、そして、イスラム教徒が多い中東では、金曜の昼が礼拝でみんな集まるので、その時に声がけして動員できた、というのが、大きかったと言われています。
では、なぜSNSが革命を起こした!と、宣伝されたのか?というと、理由はおそらく2つあって、その一つは、広告宣伝です。
当時、SNS企業はまだ上場しておらず、日本でもSNSは、ようやく広がりを見せ始めていた時期でした。2010年にソーシャル・ネットワークという、facebookの創業者のザッカーバーグ氏をモデルにした映画が公開されましたが、これもfacebookの宣伝目的で作られたと言われています。
そして、フェイスブックは、2012年に上場しています。
現在は、メタと名前を変えて、フェイスブックは30億人が利用していると言われていますが、当時は欧米で使われているぐらいでしかなかったのです。

そして、もう1つが、海外からの政府転覆活動がバレないようにするための、目眩しです。
アラブの春はカラー革命の続きとも言われており、冷戦後の共産圏の国々が次々と民主化していく中の流れの一つと見られています。
しかし、それを後押ししてきたのは、アメリカやヨーロッパ諸国や、グローバリストです。これらの人たちが、資金提供してきて、各国で燻ってる人たちにNGOを立ち上げさせ、抗議活動をさせて、あわよくば政権の転覆をさせ、欧米諸国好みの国々へと変えてきたんですね。

最近ですと、アメリカンズ・フォー・パブリック・トラストという団体が、アメリカで過激な抗議活動をしている裏には、ヨーロッパからの慈善団体からの資金が20億ドル、約3,000億円も流れ込んできており、これに支えられて、やりたい放題やっているということが暴露されています。
これまで、世界中で仕掛けてきたアメリカも、ヨーロッパから仕掛けられてきていたんですね。
トランプ政権になって、USAIDが解体されたことで、アメリカ政府がこういうことをやることは減っていると思いますが、欧州の金持ちたちは無傷ですので、相変わらず、こういうことを続けているのでしょう。

そもそも、こういうデカい海賊旗を用意する市民って、どんな人たちなのでしょうか?
こちらは、メキシコで使われたものですが、縦横10m以上あるほどにデカいです。
こんな大掛かりなものを作るのには、かなりの金が必要でしょうし、政府に不満の国民にとっては、こんなめんどくさいことをする必要性も感じていないでしょう
もちろん、自発的に、ワンピースの旗を使っている人もいるとは思います。
ですが、そういう人たちに混じって、金をもらっている人たちが蠢いているのが、これまでの世界の政権転覆活動です。
なので、今回の各国の騒動で、知名度がさらに上がっている反面、そういうやべえ人たちに利用されているというのが、現在の世界におけるワンピースというコンテンツだと思います。
というわけで、長々と喋ってきたので、今回のまとめです。

という感じでしょうか。
マルクス主義というイデオロギーから、SNSというテクノロジーへ、そして現在は、ワンピースという物語へと、政府に抵抗する時の、有効な武器が変わってきているということなのだと思います。
純粋なワンピースファンにとっては、迷惑な話でしかないと思いますが、現在のグローバル経済は、それほどに、世界中で格差を拡大させていて、普通の国民、特に若い人たちの不満が溜まっているのも事実です。
特に、8月以降にこのようなデモが増えているのは、おそらく、トランプ関税の影響もあると思います。
各国に高い関税をかけたことで、輸出企業の売り上げが立たず、その一方で、株価だけは上がってるので、金持ちだけは儲かって問題なし、という格差のさらなる拡大が、世界中で起こっているわけですからね。

なので、おそらく、このような反政府活動は、これからも増えていくと思いますし、ワンピースの海賊旗が使われているのを目にする機会もさらに増えていくのでしょう。
純粋に、国民が自発的に使うこともあれば、そういう雇われNGOが仕掛けるために使うこともあると思うので、パッと見では見分けがつかないことも多いと思いますが、グローバリスト寄りのメディアは、Z世代とワンピースをつなげて、解説する機会もさらに増えていくと思います。
中国は、このような欧米諸国による政府転覆活動を防ぐために、2009年からグレートファイアウォールというネット検閲システムを構築して、Facebookなどの欧米のアプリを使えないようにしました。
今回のワンピースの件についても、インドネシアが海賊旗を使うことを禁止しようとする動きが出ていましたが、今後もワンピースの影響力が大きくなって行ったら、国によっては、ワンピースを禁書にする国が出てくるかもしれませんね。
というわけで、今回はワンピースの海賊旗が世界中で使われ始めている理由について、考察してきました。
ちなみに、前回の動画(前の記事)では、ピーター・ティールという億万長者も、ワンピースの物語に注目しているということを紹介しました。こちらも見てもらうと、Z世代と億万長者という、全く境遇の違う人種が、ワンピースに惹かれる理由の違いが見えて、興味深いと思います。







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