今回の動画は、「トランプのパワハラ大作戦。なぜ中南米に戦争を仕掛けるのか?」ということで、やっていきたいと思います。
1、はじめに
トランプ大統領は、10月24日に、ベネズエラに対して、陸上攻撃を行うと発表しました。

8月頃から、トランプ政権は、ベネズエラに対する戦争の準備をしてきました。
ベネズエラ近海を走る船を「麻薬密輸船だ!」と言って何度も爆撃し、潜水艦も攻撃し、戦艦や戦闘機なども、カリブ海周辺に集結させています。
また、10月に入ってからは、CIAをベネズエラに送り込んだとも発言しています。
このようなアメリカの強硬な姿勢に対して、ベネズエラ政府は当然反発しているわけですが、その一方で、ベネズエラの石油利権にアメリカ企業を参加させても良いですよと、懐柔案を提案していました。

ベネズエラは、世界でも有数の原油埋蔵量を誇る国なので、アメリカがこのような強行姿勢を見せているのは、原油などの利権が欲しいからではないか?という見方があったからです。
ところが、トランプ政権はこれを拒絶し、着々と攻撃をする準備を進めているのです。
では、トランプ政権が、ベネズエラを攻撃する理由とは何なのか?
トランプ氏が言うには、大きく2つ理由があって、1つは、ベネズエラが、アメリカに犯罪者を送りつけてきた、と言うことへの復讐であり、もう1つは、ベネズエラ政府が麻薬密売に加担している、と言うことでした。

しかし、ベネズエラは実は麻薬大国ではありません。
中南米では、コカインとヘロインの生産がされていますが、その生産地はお隣のコロンビアであり、ベネズエラ経由でアメリカに届く麻薬の量は、5~15%でしかないのです。
なので、麻薬の撲滅を考えるのであれば、コロンビアの方が優先順位が高いはずなのです。では、なぜベネズエラなのでしょうか?
今回の動画では、トランプ政権がベネズエラに戦争を仕掛ける理由と、今後トランプ氏が中南米で何をやろうとしているのか?について考察していきたいと思います。
それでは、参りましょう。
2、ベネズエラ侵攻の理由
今回のベネズエラ侵攻の理由は、大きくは2つあると思います。
(1)ベネズエラ政府の転覆
1つ目は、ベネズエラ政府の転覆です。

実は、ベネズエラという国は、1999年のボリバル革命によって、軍が政権をとって以降、左翼的な政策を取り続けてきたため、経済がガタガタになって、国が崩壊状態になっています。
犯罪率は、中南米で最悪ですし、物価上昇も酷くて、2018年には135万%というインフレを経験しました。物価が100万倍以上になったわけですから、お金は完全に紙切れになりました。
そのため、この25年の間に、国を脱出した移民や、難民が700万人近くにまで膨らんでいます。ベネズエラの人口は、現在2,700万人ぐらいですので、約2割の人が、国を脱出した計算になります。
隣国のコロンビアやペルーなどへの移民が多く、それぞれ280万人、160万人とかなりの人が移住していますが、アメリカもバイデン政権時に国境を開放したので、ここ数年で40万人近い移民が、アメリカにも押し寄せています。

その多くは、不法移民として入っているわけですが、中には、おかしなことをやる人も当然入っていました。
例えば、こちらの記事は、昨年のものですが、ベネズエラから来た移民が、TikTokで、
「空き家に侵入して占拠したら、簡単には追い出されないから、ガンガンやった方がいいぜ!知り合いはこの方法で、何軒か家を持つことができたし、おすすめだよ」
とか、
「アメリカ人は真面目に働いて、安い給料で暮らしてるなんて、バカだよな。俺はお前らが払った税金から、支援金が出るから、働かねーで楽させてもらってるわ」
みたいな感じの、かなり挑発めいた動画をいくつも投稿して、炎上させていました。
さすがに、大騒ぎになったので、逮捕されてベネズエラに強制送還されてましたが、まあ、いい迷惑ですよね。
そしてこれに加えて、トレン・デ・アラグアと呼ばれる、こちらはガチのギャングがアメリカ国内で、やりたい放題やってましたので、トランプ政権になってからは、このような移民ギャングを容赦なく取り締まっている状況です。
しかし、ベネズエラという国自体が、このように経済がボロボロのままでは、いつまで経っても、難民として周辺国に流れる状況は変わりませんし、貧しい環境によって犯罪に手を染める人も増え続けます。

また、ベネズエラは、このように国内がおかしい状況がずっと続いているため、国民の不満をそらすために、2023年に隣国のガイアナにある石油埋蔵エリアのエセキボ地域を占領するという国民投票を行い、賛成多数の支持を得て、軍事行動へと移ろうとしています。
そんな危なっかしい政策をやろうとしているため、BRICSへの加盟申請もしているのですが、ブラジルが反対に回っているので、加盟できずにいる状況です。
そのため、現在のマドゥロ政権を潰して、まともな経済運営ができる政権にした方が、アメリカやその周辺にも迷惑がかからなくていいと思っているのではないでしょうか?
(2)コロンビアの麻薬組織と生産地の壊滅
そして、2つ目は、コロンビアの麻薬組織、そして麻薬生産地の壊滅です。

冒頭でもご紹介しましたが、中南米の麻薬、特にコカインの最大の生産地は、コロンビアであり、現在のペトロ政権になって、麻薬の耕作面積は、5万から22万ヘクタールへと拡大しており、生産量も2023年に過去最高を更新しています。
結局、麻薬というのは、持ち込む人を捕まえ続けても、その生産地がなくならなければ、犯罪組織はいろいろと頭を使って持ち込みますし、アメリカのような面積の大きい国では、水際で止めようとしてもうまくいきません。
なので、いっそのこと、生産地をぶっ叩けばいいんじゃね?というのが、トランプ氏の考えていることではないでしょうか?

実際、10月19日に、トランプ氏はコロンビアに対して、麻薬密売の対策として、毎年数億ドルの補助金を支払ってきましたが、これを停止すると発表しました。
さらに、ペトロ氏を麻薬王と呼んで非難するなど、これまでコロンビアとは同盟関係にありましたが、完全に対決モードに入っているような印象です。

現在、アメリカ軍はベネズエラ近海に戦艦や戦闘機、爆撃機などを集めていますが、これでベネズエラ軍へ攻撃を仕掛けたのちには、コロンビアのコカイン生産地の空爆も行うような気がしますね。

トランプ政権は、10月に入って政府閉鎖をして、政府の経済統計の発表を止めましたが、その後に戦争省に入り浸っていたメディアに対して、軍関係者からのリークは一切しないことを宣言しました。
これによって、軍関係者に対する口止めもされて、軍事作戦もやりたい放題の状況へと進んでいるように思います。
また、CIAによる潜入作戦もさせているということですが、CIAは諜報機関なので、いちいち議会に報告する義務もありませんので、その権限を利用して、ベネズエラやコロンビアに攻撃を仕掛けたりするのではないかと思います。
この感じは、なんだかイスラエルが中東各国に空爆や、爆破テロをやっている雰囲気になんとなく似てきているような気がしますね。
国境がどうとか、今までの国家間のルールはまるで無視のような、そんな感じに見えます。
トランプ氏とイスラエルは、ズブズブの関係ですから、そういう戦い方をイスラエルから教えてもらっているのかもしれません。
もうアメリカだって、麻薬死亡大国を辞めたいのでは?
そもそも、考えてみると、薬物の過剰摂取で毎年10万人も死ぬ国なんて、異常すぎます。
日本はアメリカの3分の一ぐらいの人口ですから、日本で言えば、毎年3万人が薬で死ぬってことですからね。

アメリカのフィラデルフィアみたいに、ゾンビみたいな人がウロウロしてる状況になったら、それは生産国に戦争を仕掛けもするよなあと思ってしまいますね。
もし、この見立てが正しいとすると、ベネズエラの次はコロンビア、そしてペルーやボリビア、そしてもちろん、メキシコの麻薬カルテルに越境して戦争を仕掛けることになるでしょう。

トランプ氏は、9月30日に海外の米軍基地の責任者800名を呼んで、これからの戦場は国内の都市だとか、アメリカ大陸に力を入れていくとか、そういう話をしていました。
国防総省は、戦争省に名前を変える予定ですが、その名前の意図は、安全保障とかいう、世界中に基地をつくろうが、遠い国で戦争を仕掛けようが、政府を転覆しようが、なんでもミッションに入れてしまえるような、
まるで、大企業が天下り先に、意味のない子会社を作るようなバカな組織であることをやめて、はっきりとした目的に向かって、任務を遂行するための組織に作り替えるためでした。
そして、今の所、トランプ氏の戦争省は、国内の治安維持のためにテロリストを掃討することと、麻薬テロリストを根絶するために、海外の生産地とギャングを叩き潰すという、明確な目標に向かって、着々を動いているように見えますね。
トランプ政権は、相互関税を仕掛けてきたように、グローバリズムを否定しているように思いますが、これは何も経済活動、グローバル企業の力を抑えるためだけではありません。
犯罪組織も、グローバル化してきましたので、この動きも止めないとダメだと思っているのでしょう。
しかし、メキシコのように、国家がギャングを抑えられないほど強くなっている国もあるので、そういう国には、俺たちが出ていかないといけないと思っているように見えます。
なので、今回のベネズエラへの威圧行為は、ただの脅しではなく、ギャングのアジトへの空爆や、ベネズエラ軍基地への攻撃など、マドゥロ政権が倒れるまで、あれこれやるのではないかと思いますね。
このグローバル化した犯罪組織をトランプ政権がぶっ叩くという展開については、今後も追いかけていきたいと思います。







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