この記事では、板橋区の水害リスクを理解するために、
- ハザードマップ
- 過去の水害事例
の2点について、解説していきます。
1、板橋区のハザードマップ
2020年8月から、不動産の契約を行う際には、水害リスクなどの重要事項について、不動産会社が説明を義務付けられるようになりました。
しかし、この説明は、契約時に行えばいいため、住宅ローンや住宅メーカーへの注文など、いろいろなことが進んだ状態で初めて知らされる可能性があります。
ですので、買い手の方で、事前に把握しておくことが重要です。
そこで、便利なのが、国土交通省が運営しているサイトに「ハザードマップ・ポータルサイト」です。
ハザードマップとは、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものです。その想定規模は、1,000年に1回程度の確率で起こるレベルのものなので、本当に最悪の場合を想定したものとして、参考にする必要があります。
洪水・津波・高潮・土砂災害など、その災害の種類によって別に作成されていますので、それぞれ確認する必要がありますが、こちらのサイトを利用すれば、それぞれのハザードマップを重ねて表示させることができます。
(1)洪水ハザードマップ
こちらのハザードマップは、1000年に1度レベルの洪水が起こった場合に想定される浸水被害を地図化したものです。
首都高5号線から新川の間に浸水リスクの高い地域が集中していますね。
(2)高潮ハザードマップ
こちらは、高潮ハザードマップになります。津波が荒川から逆流するケースを想定しているため、荒川沿いほどリスクが高くなっています。
(2)板橋区の過去の水害履歴
板橋区のハザードマップは、荒川〜首都高5号線の、かなりの広範囲で浸水リスクがあるようです。
ですが、こちらのハザードマップは、1000年に1度レベルの水害を想定したものなので、実際に買ってみても、死ぬまでの数十年間は何事もなく暮らせる可能性ももちろんあります。
そこで、あくまで参考ではありますが、過去数十年で100世帯以上の、板橋区の水害について調べてみました。
西暦 | 河川流域 | 被害世帯数 |
1975年10〜11月 | 石神井川 | 1,246 |
1976年9月 | 石神井川 | 2,287 |
1977年8月 | 新河岸川 | 186 |
1977年5〜8月 | 石神井川 | 1,157 |
1978年4月 | 石神井川 | 704 |
1979年5月 | 石神井川 | 402 |
1981年7〜10月 | 新河岸川 | 590 |
1981年7〜10月 | 石神井川 | 196 |
1981年7〜10月 | 白子川 | 110 |
1982年9月 | 新河岸川 | 484 |
1982年9月 | 白子川 | 171 |
1983年6月 | 石神井川 | 529 |
1987年7月 | 石神井川 | 188 |
1999年7〜8月 | 石神井川 | 115 |
2000年9月 | 石神井川 | 192 |
2005年9月 | 新河岸川 | 157 |
2010年7月 | 石神井川 | 253 |
2013年8月 | 石神井川 | 191 |
ご覧の通り、70〜80年代の前半までは、毎年のように100戸以上の水害被害があったようですが、2000年代以降は、数年に1度の頻度に減っています。
また、被害エリアのほとんどが、石神井川の周辺で起こっており、浸水リスクの高いと言われている荒川沿いでは、ほとんど被害がなかったようです。
「だから大丈夫だ」とは決して言えませんが、板橋区に家を持ちたいという人は、このような過去の事例と、水害リスクとを参考にしつつ、決めるしかないでしょう。
最後に
ここまで、板橋区の水害リスク・過去の被害ケースを見てきましたが、いかがだったでしょうか?
ハザードマップは、想定される最大規模の被害を元に地図化しているため、ゼロリスクを求めるのであれば、かなり地域が制限されてきます。
そのため、どうしても板橋区に住みたいというのであれば、荒川や石神井川などの河川の近くはなるべく避けて、リスクの低い内陸部、または駅近の高層階のマンションを探す方がいいかもしれません。
もう少し住所を絞って、細かく見たいのであれば、国土交通省の「ハザードマップ・ポータルサイト」から、実際に調べることができます。
また、土地価格や人口の動き、今後の見通しについては、こちらの記事でまとめていますので、土地価格について気になる方は、参考にして見てください。
どうもありがとうございました。
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